今回こそハレsideの話です。
長いです。
チヒロの到着より3時間ほど前……
ハレ「ここがビュエルバ……。本当に空中都市なんだ。」
ハレはターミナルの出口から、簡単なパンフレットを取った。
ハレ「自由な町……独立国……」
バルフレア「これから、イヤでも色々分かるからな。」
バルフレアは含みを持った言い方をした。
バッシュ「……。」
バッシュは簡単な変装をしている。具体的にはラバナスタで買った眼鏡を掛けている。なお、視界不良を防ぐためにレンズはくり抜いてある。
ハレ「(適当な眼鏡でも、意外と似合うんだなぁ……)」
バルフレア「ルース魔石鉱はこの先だ。最近、あそこの魔石は品薄らしいが。」
???「魔石鉱へ行かれるんですね?」
そこにいた少年が話しかけてきた。
???「僕も、同行させてください。奥で用事があるのです。」
バッシュ「どういう用事だ。」
少年は、一般人にしては良い服を着ている。おそらく金持ちのお坊ちゃんだろう。ヴァンを除く4人は予想していた。
???「では、あなた方の用事は?」
バルフレア「いいだろう。ついてきな。」
意外にも簡潔に、そしてはっきりと言いくるめられた。
バルフレアはその様子に興味を持ったのか、同行を許可した。
ヴァンとハレは困惑しているが。
???「助かります。」
バルフレア「俺たちの目の届くところにいろよ。その方が面倒が省ける。」
???「お互いに。」
ヴァン「なあ、これアリなのか?(小声)」
ハレ「わかんないけど、多分何か考えがあるんだよ。(小声)」
ヴァン「そうだ。お前、名前は?」
???「はい、ラ───」
少年が言葉を濁した。
ラモン「───ラモン、です。」
ハレ「(怪しい……。危害を加えるようには見えないけど。)」
ヴァン「わかった。多分中で色々あるけど、心配ないよ。なあ、バッシュ。」
ハレ「……ヴァン?」
ヴァン「?」
ヴァン以外4人は、揃って顔を見合わせ、呆れた。
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ハレ「ねえ、私もヴァンも、ビュエルバに来るのは初めてなんだけど……」
ハレ「まず、オンドール侯って誰?」
ラモン「はい、オンドール侯は、ここビュエルバを治める国の元首です。彼のおかげで、ビュエルバは中立を保っています。」
ハレ「……ここって独立国なんだよね。どうして帝国兵がこんなにいるの?」
ラモン「帝国の艦隊が、侯爵と面会をするそうで。」
ラモン「───新聞で読みました。」
ラモンが慌てて付け加える。
やはり、怪しい。
ヴァン「ルース魔石鉱ってどう行くんだ?」
バルフレア「この通りを南下だ。……できるだけ、黙ってろ。」
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ヴァン「ここか。」
バルフレア「ルース魔石鉱だ。イヴァリース有数の鉱脈さ。」
ハレ「なるほど。」
バッシュ「ここの警備は、帝国兵が?」
バッシュが、広場の方にいる帝国兵に目をやった後、ラモンに問いかける。
ラモン「いえ、ビュエルバ政府は特例を除いて、帝国軍の立ち入りを認めていません。」
ラモン「では、行きましょうか。」
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フラン「……誰か来る。隠れて!」
フランが手で合図する。
ギース「念の為に伺うが、純度の高い魔石は本国ではなく───」
オンドール「すべて、秘密裏にヴェイン様のもとへ。」
ギースが軽く笑いながら、話し始めた。
ギース「貴殿とは馬が合うようですな。」
オンドール「それは結構ですが、手綱をつけられるつもりはございませんな。」
ギース「ならば鞭をお望みか?つまらぬ意思は貴殿のみならず、ビュエルバも滅ぼすことになる。」
ラモン「ビュエルバの侯爵、ハルム・オンドール四世。ダルマスカが降伏した時、中立の立場から戦後の調停をまとめた方です。」
ラモン「帝国寄りって見られてますね。」
バルフレア「反乱軍に協力してるってウワサもあるがな。」
ラモン「あくまで、ウワサです。」
バルフレア「よく勉強してらっしゃる。どこの
ヴァン「どうだっていいだろ。パンネロが待ってるんだぞ。」
ハレ「私も、ミドリが待ってる。」
バルフレア「……よく便乗するお嬢さんだこと。」
ラモン「パンネロさんと、ミドリさんって?」
ヴァン「俺の友達と、こいつの仲間。さらわれてここに捕まってる。」
ラモンは、複雑そうな顔をした。
ハレ「ここの鉱山はガイコツが出るの!?」バババ
ハレはアテナ3号の電気ショック攻撃が使えない中、愛銃のみで応戦した。
バルフレア「大体こうだぞ。ガイコツ、コウモリ、得体の知れないアンデッドが多い。」
ハレ「……じゃあ、あの赤くて光ってる、私がさっき引っ掛かったアレは?」
バルフレア「侵入者避けの
ハレは、鳥肌が立つのを感じた。
ハレ「───じゃあ、あの大きくて二本足の亀みたいなのは?見覚えがあるようなないような…」
バルフレア「……さあな。このままじゃ通れない、倒すぞ。」
ハレ「……うん!」
バルフレアが発砲すると同時に、フランがパラレルアローを放つ。
そちらに気を取られた隙に、バッシュが脚を斬りつける。ヴァンもバッシュを追って応戦する。
ハレは道中の壁を遮蔽物にして、連射を続ける。
バッシュが右脚を叩き斬り、トドメを刺す。
バルフレア「さ、地図によると……この橋を渡った先が行き止まりだ。
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ハレ「綺麗……星みたい。」
ラモン「これが見たかったんですよ。」
ラモンが懐から、青いクリスタルのようなものを取り出した。
ハレ「何?その……何?」
ラモン「破魔石です───人造ですけどね。」
ヴァン「はませき?」
ハレ「飛空石みたいな魔石と違うの?」
ラモン「はい。破魔石は普通の魔石と違って、魔力を吸収するんです。」
ラモン「人工的に合成する計画が進んでいて、これはその試作品。」
ラモン「ドラクロア研究所の技術によるものです。」
ハレ「そんなものもあるんだね。」
ラモン「やはり原料はここの魔石か───」
ラモンが、壁に近付いて石をまじまじと見ている。
バルフレアは、目つきを変えてラモンに近寄った。
バルフレア「用事は済んだらしいな。」
ラモン「ありがとうございます。後ほどお礼を───」
バルフレア「いや、今にしてくれ。お前の国までついて行くつもりは無いんでね。」
ハレ「ちょっと待って、それってもしかして───」
バルフレアがハレに対し、手のひらを向けた。「止まれ」「近寄るな」ということだろうか。
バルフレア「破魔石なんてカビ臭い伝説、誰から聞いた。なぜドラクロアの試作品を持ってる。」
バルフレアの声が段々大きくなる。
語尾に疑問符が付くような質問の仕方ではない。
バルフレア「あの秘密機関とどうやって接触した。」
バルフレアが壁に手を付き、ラモンの逃げ道を塞ぐ。
バルフレア「お前───何者だ?」
ヴァン「おい、バルフレア───」
ハレ「ヴァン、あんまり口を挟まな───」
???「待ってたぜ!バルフレアァ!」
ハレ「ッ!?───」
バッガモナン「ナルビナでは上手く逃げられたようだな!?会いたかったぜ!!!」
バッガモナンだ。ブワジ、ギジュー、リノを引き連れ、回転刃のついた槍を持ってジリジリと歩み寄る。
バッガモナン「さっきのジャッジといいそのガキといい、金になりそうな話じゃねえか?」
バッガモナン「俺にも1枚噛ませてくれよ?」
バルフレア「頭使って金儲けってツラか?お前は腐った肉ても食ってろよ。」
ハレが割り込む。
ハレ「ミドリは無事!?」
バッガモナン「ああ、あの頑丈なガキなら───ぐぁっ!?!?」
ラモンが人造破魔石をバッガモナンに投げつけ、逃げ出した。
ヴァン「お、おい、待てって!!」
ハレはここで引き下がるまいと、銃を構えた。持っている限りの武器を使い切るつもりだ。
フラン「逃げるわよ、お嬢さん───!」
フランはハレの服の首を掴み、ハレを連れてバルフレアを追いかけた。
【補足】
前回、チヒロたちの飛空艇がレーダーに映らなかったのは、飛空石を搭載していないタイプだったためです。