チヒロ「───だから、あの飛空艇は飛空石を使わない飛空艇なの。」
ハバーロ「なるほど?じゃあなぜ俺たちの飛空艇と色や外観が似ている?」
チヒロ「偶然……って言っても信じてもらえないかしら。」
チヒロ「会長───。」
解放軍の男A「その妙な機械は?」
ケイ「……。」
チヒロ「見たら分かるわ。」
チヒロがリオに呼びかけると、ケイのプロジェクターからリオのホログラムが映し出された。
リオ「あまり技術を開示するのは気が進まないけど……どこから説明しようかしら?」
リオ「まあ、いいわ。あの飛空艇───飛空艇と言っていいか分からないけど、あれは私たちがここへ来るため作ったもの。」
ハバーロ「その目的は?」
リオ「攫われた仲間と、それを追いかけた仲間を探すため。2人とも、私たちの中でなくてはならない存在だから。」
解放軍の男B「分かった。しかしお前らは偶然とはいえ、俺たち解放軍の存在を知った。このことは極秘情報として扱っていただきたい。」
ハバーロ「……だが、仲間探しには協力しよう。 」
モモイ「本当!?」
解放軍の男B「ビュエルバのことは俺たちが詳しい。できることはしよう。」
エイミ「……チヒロ先輩、そろそろ上着を脱いでも───」
その時、ビュエルバガイドが部屋に入ってきた。
ビュエルバガイド「ガイド仲間からの情報です、ローゼンバーグが生きていると!」
ハバーロ「何?」
ビュエルバガイド「ガキが言いふらして回ってんだ!捕まえるか?」
ハバーロ「俺も行く。そいつはどこに?」
ビュエルバガイド「魔法屋の近くらしい!……手分けして探せ!」
ハバーロ「お嬢さん方、ちょっと表に出ててくれるか?これからここを使うんでね。」
ケイ「(なるほど……表向きはガイドとして、街中に情報網を張り巡らせていると?)」
──────────────────────────────
解放軍の男A「連れてきたぞハバーロ。こいつが『将軍』だとよ。」
ハバーロ「……似ても似つかんな。」
解放軍の男A「ケッ……やっぱり別人か!タチの悪いイタズラしやがって!」
ハバーロ「ただのイタズラならいいが、そこらのガキが将軍を名乗るとは思えん。締め上げて背後関係を吐かせろ。」
ハバーロ「最近、
バルフレア「あんたらと侯爵の関係をかい?」
そこへバルフレアが入ってきた。そして後ろにモモイがいる。
──────────────────────────────
浮き雲亭 客席
チヒロ「ハレ!」
ハレ「……副部長?」
チヒロ「心配したのよ!勝手に別行動なんて!」
エイミ「部長。ハレ先輩と合流したよ。無事みたい。あとはミドリだけ。」
ヒマリ(無線)「無事で良かったです……。ミドリの方はどうしましょうか……」
ハレ「そのことなんだけど、」
ハレは、ミドリとパンネロがオンドール侯のもとに居るらしいことを伝えた。
チヒロ「……じゃ、そこに行ければ?」
ハレ「うん。あと気になったんだけど、どうやってここに来たの?」
チヒロ「あなたの信号を追って、飛空艇で来たわ。会長と部長が造ってくれたわ。」
ヒマリ(無線)「この超天才美少───」
チヒロ「ごめん部長。切るわね。まあそういうことよ。」
──────────────────────────────
ハバーロ「───まさかご本人の登場とはな。」
バッシュは、バルフレア、フランと共にバックヤードへ入っていた。
バッシュ「このことを知ったら──侯爵は何というかな。」
ハバーロ「───どうするんですかい、旦那。」
旦那、と呼ばれた男が返事をする。
「致し方あるまいな。」
「侯爵閣下がお会いになる。のちほど、屋敷に参られよ。」
モモイ「…………。」
モモイは覗き見をしていた。そして、フランはモモイが覗くドアの前にそれとなく移動し、モモイがいることをバレないようにした。
──────────────────────────────
バルフレア「───で。お嬢さん方。どうするんだ?」
チヒロ「……私たちには、まだ助けなければいけない仲間がいます。彼女はオンドール邸にいるらしいですね。」
チヒロ「オンドール侯のところに行かれるのですか?」*1
バッシュ「……聞かれていたか。」
フランはモモイの方を見た。モモイは冷や汗をかき、気まずそうに目線を逸らす。
バッシュ「彼女は現在、帝国に保護されている。正確には───皇帝の四男に。」
チヒロ、エイミは驚愕した。特にチヒロは。
チヒロ「それって、帝国の捕虜ってことですか?」
バッシュ「いや、違う。皇帝の四男が直々に保護している。彼は紳士的な人のようだから、そこは安心していいだろう。」
チヒロ「……そこへ行くには、」
バルフレア「オンドール侯の屋敷に行くしかない、な。」
チヒロはバルフレアが話に入ると同時に、怒りを露わにした。
チヒロ「大体、あなたのせいでしょう!?パンネロさんどころか私たちの後輩まで巻き込まれて!」
バルフレア「……。」
チヒロ「あんたが責任を持って、どうにかしなさいよ!」
チヒロがかなりの力でバルフレアの腕を掴む。
フラン「……彼はこれでも責任を感じてるの。ごめんなさい。」
チヒロがバルフレアから離れる。
バッシュ「……気は進まないが、誰か連れていくべきだろう。」
ヴァン「……リーダーって、お前?」
ヴァンがチヒロに話しかける。
チヒロ「そうだけど...。」
ヴァン「こういうのって1番年上とか、リーダーが行くもんじゃないのか?」
バッシュ「……その判断が妥当だろう。」
チヒロ「なら、私に行かせてちょうだい。」
チヒロが手を挙げた。
ヴァン「それでいいかな?バルフレア。」
バルフレア「……分かった。お嬢さん方はそれでいいか?」
バルフレアが若干丁寧な物言いで尋ねる。
チヒロ含め、一行の中に何か言う者は居なかった。
むしろ、全員はチヒロが適任だと思っている。
バルフレア「それじゃ、お嬢さん───」
チヒロ「チヒロでいいわ。」
バルフレア「チヒロは俺たちと行動してもらう。仲間はどうする?」
チヒロ「それは……。」
侯爵の側近「ひとまず、ここに居てもらいましょう。我々の目の届くところに居ていただけると大変助かります。」
チヒロ「……よろしくお願いします。」
チヒロは側近の男に礼をした。
正直、ヴァンにはもうちょっとだけ主人公ムーブをさせたいです。
でも一般人代表だからあんまり出しゃばらせるのも……