だいぶ間が空いてしまいましたが、今回からが第2章です。
説明は以前より具体的かつ、説明そのものの回数を増やしました。
調査:ゲーム開発部
リヴァイアサンの一件の翌日、モモイとユズは特異現象捜査部の部室を訪れていた。
エイミ「それは?」
モモイ「『ライセンスボード』だよ!」
ユズがコクコクと首を振る。
ヒマリ「…というと、どんなモノですか?」
モモイ「えーっと、
モモイ「私のとユズのがあるよ。」
ヒマリはライセンスボードを開いた。
そもそもライセンスボードとは、武器や防具などの装備品、魔法や技などを使えるようにする物である。
そのため、モモイ達でいう銃のような初期装備等でない限り、武器・防具はジョブに沿ったものしか装備できないのだ。
銀行口座の通帳などに近い形をしていて、革のカバーが付いている。
エイミが後ろから覗き込む。
エイミ「チェスの盤面みたい…」
モモイ「私の場合は帽子と服とアクセが装備できて、ユズだったら魔女っぽい服とかメイスとか魔法とか。」
モモイが説明を始めた。
ヒマリ「ちょっと待ってください。」
モモイ「?」
ユズ「?」
ヒマリ「魔法って…あの?あの魔法ですか?」
ヒマリ「……そういえば、リヴァイアサンでもなぜか回復してましたね。」
エイミ「部長?なんか嬉しそうだけど、まだ話は終わってないよ。」
ヒマリ「ええ…その、占いとかはできるんですか?」
ヒマリは自身の占い好きが勝ち、控えめに質問をした。露骨に嬉しそうな表情をしている。
ユズ「え…っと……ごめんなさい。私には無理です…。」
ヒマリ「そうですか…。」
…一瞬で真顔に戻った。
エイミは、ヒマリに今日のラッキーアイテムである眼鏡をそっと掛けてあげた。
エイミ「部長、元気出して。」
ヒマリ「ありがとうございます。ところでこのボタンは?」
エイミ「ああ、えっとそっちが遮光ボタン、反対側が自爆…」
モモイ「私たちのこと忘れてない?」
ヒマリ「そうでしたね。それでは…」クルッ
モモイ「っ……ww」
ユズ「…(笑いをこらえる)」
ヒマリは遮光モード……つまりサングラスモードをONにしたままモモイ達に向き直った。
この眼鏡にはレンズがサングラスのものに変わる機能があり、同時にヒマリ側からは視界に変化がないようになっているためか、ヒマリは気づいていない。
ヒマリはネットミームでよくあるような、サングラスを掛けた状態だ。
そのうえ、いつもの癖で少し微笑んでいたためか、それがモモイ達のツボにハマったようだった。
エイミもニヤついている。
ヒマリ「……眼鏡、外しましょうか。…で。」
モモイ「えっと...wどこまで話したっけ…」
ヒマリ「魔法についてです。ユズの方に書いてある…『ケアル』と『ブラナ』について教えてください。」
モモイ「えーっと、ユズ?」
ユズ「あっ、まずケアルはポーションと同じように治療ができるもので、ブラナが…『くらやみ』状態を治せるものです。」
モモイ「くらやみ状態っていうのは、目の前がうまく見えなくなる状態らしいよ。あっちでフランって人に聞いた。」
エイミ「それって、あのうさ耳のお姉さん?」
モモイ「うん。あの人、背が高かったなー。」
ヒマリ「そちらも別で聞くとして、こちらの『ファイア』と『サンダー』は?」
ユズ「それぞれ、炎と雷の攻撃魔法です。」
ヒマリ「なるほど…今この場で使っていただくことは?」
モモイ「こっちだとできないんだったよねー、ユズ?」
ヒマリ「なるほど?興味深いですね。」
そもそも『魔法』とは、空気中にもミストが含まれるイヴァリースやその他の場所でのみ使えるものなのであり、
エーテルを飲もうが『ダメージを受けてMPチャージ』などのスキルを解放をしようが、キヴォトスでは魔法が使えないのである。
ヒマリは、ユズのライセンスボードの下側を見た。
ヒマリ「…下にある、黒くなっているところは?」
ユズ「まだ持ってない魔法なんです。だからそもそも使えなくて…」
ヒマリ「なるほど…ありがとうございます。」
モモイ「あっ!それとそれと…」
モモイ「こんなモンスターがいたよ!新種!」
モモイはスマホで写真を見せた。
ヒマリ「ハイエナやウルフ、ウェアウルフやスレイヴなどの報告は受けていましたが…初めて見ました。」
モモイはギーザラビットの写真を見せた。
ギーザラビットはモンスターの中でもたまにいる、こちらから攻撃しなければ敵対しない、『中立モンスター』である。
そして彼あるいは彼女は冒険者を
ヒマリ「綿のような羽毛、耳から伸びたはね、赤い目に小さな体……運動能力、それも速さに特化したような形質でしょうね。」
エイミ「かわいいね。私は見なかったかも。」
ユズ「この子、私たちを回復してくれるんです。」
ヒマリ「他者を回復……共生関係を築こうと……?」
2人は以前、ゲーム開発部だけでの探索の際にギーザラビットに遭遇したのだった。
モモイ「なんかね、集落の人によると『雨季が近づくと草原から南に行っちゃう』らしいよ。」
ヒマリ「この間は雨季が近かったということでしょうか……知ることが多いですね。」
エイミ「
ヒマリ「……今日はありがとうございました。モモイ、ユズ。」
ヒマリは2人に『ライセンスボード』を返した。
エイミ「これ、お土産。疲れてるでしょ?部長の選りすぐりだよ。」
エイミはユズにプリンを4つ渡した。
ヒマリ「お口に合うとよいのですが…」
モモイ「あ!アリスの好きなやつじゃん!」
ヒマリ「…ええ。みなさんもお気に入りだと
モモイ「さすが全知……ありがとう!ヒマリ先輩!」
ユズ「ありがとうございます!」
2人はご機嫌で部室を出ていった。
ヒマリ「さて……では、また調査を始めましょうか。」
エイミ「部長。さっきの1発芸は面白かったよ。」
ヒマリ「……?」
・ギーザラビット(しあわせうさぎ)
ギーザ草原では『ギーザラビット』、オズモーネ平原では『オズモヘア』と呼ばれるモンスター。
乾季のギーザ草原やオズモーネ平原といったサバンナ地域に生息している。
交戦中などにプレイヤーを回復してくれることがあり、HP、MPが少ない序盤は特にありがたい存在である。
また、雨季を避けるためにギーザとオズモーネを行き来する。
同種が多く、中には敵対モンスターもいる。
(一部、ff12TZA ハントカタログより引用。)
今回も独自解釈多めです。