ゲ開部とヴェリタス、イヴァリースへ   作:Roon

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ミストに消ゆ

 

特異現象捜査部部室での調査から半日後───

 

 

 

 

ヘネ魔石鉱 ティアマット出現直後…

 

 

 

 

 

 

ティアマットが出現した直後、坑内は混乱を極めていた。

 

 

 

その中に、怪我をした見張りの帝国兵たちがいた。

 

 

 

 

帝国兵上官「ぐ…なんなんだあのヴィエラども…」

 

 

帝国兵B「だから反対したんです!ヴィエラに破魔石なんて───」

 

 

上官「下級兵の分際で、口が利けるとでも!───ぐぁ!?」

 

 

帝国兵B「安静にしてください!今ポーションを…」

 

 

 

上官「…すまない……八つ当たりをしてしまった。」

 

 

帝国兵B「これで歩けそうですか?」

 

 

 

上官「…助かった、恩に着る。」

 

 

上官「…にしても、どうやってここを出る?入口まで行けるほど安全じゃないが。」

 

 

 

この時、破魔石の影響でミストが荒れ、テレポができなくなっていた。

 

彼らもその事をそれとなく予想していた。

 

 

 

 

帝国兵B「こんな状態じゃ…テレポも難しいでしょう。」

 

 

 

上官「いや、やってみないとわからんぞ。」

 

 

上官「一度、ラバナスタかナルビナ辺りに撤退だ。」

 

 

 

──────────────────────────────

 

 

上官「この先にゲートクリスタルがある……が……」

 

 

 

帝国兵B「あの化け物が暴れているようでは、近寄れない…」

 

 

 

そこへ、別部隊の生存者がやってきた。

 

 

 

帝国兵C「助けてくれ!コイツ、このままじゃ死んじまいそうで…!ポーション、持ってないか?」

 

 

 

帝国兵D「……。」

 

 

帝国兵B「私が───」

 

 

 

上官が言葉を遮り、手を出した。

 

 

 

上官「いや、私はケアルが使える。その怪我ならば充分だろう。」

 

 

帝国兵D「…!前!前、見て…ください───」

 

 

 

 

会話を遮るように、作業場からミストが吹き荒れた。

 

 

 

上官「マズいぞ…前が見えない濃さのミストだ…!」

 

 

帝国兵C「このままで相方が持ちません!」

 

 

 

上官「高濃度のミストに晒され続けると…中毒症状が出る…ことがある。」

 

 

 

人間(ヒュム)やその他の種族は、高濃度のミストに晒され続けると呼吸困難や幻覚・幻聴、麻痺などの症状がみられる。

 

 

上官はそれを危惧していたが、もう遅かった。

 

 

上官「有毒ガス用の…マスクを持ってくるべきだったな……」

 

 

帝国兵B「───上官!聞こえますか!意識をしっかり!」

 

 

 

 

 

「っがあぁーーっ!!!!」

 

 

 

帝国兵Dはミストに吹き飛ばされ、後ろの壁に叩きつけられた。

 

 

悶える間もなく、動かなくなった。

 

 

帝国兵C「クソ……人造破魔石……!」

 

 

 

 

 

…4人はそのまま、意識を失った。

 

 

 

──────────────────────────────

 

 

???? 廃屋

 

 

帝国兵Bは、暗い廃屋の床に横たわっていた。

 

 

 

上官「……丈───か?脈は───るようだ。」

 

 

 

上官「意識が戻ったか。」

 

 

 

そこは、天井の一部が落ち、苔むした、虫の沸いた廃墟だった。割れた窓からは倒壊した建物が見える。

 

 

 

彼らとは真逆に晴れやかな空には、巨大なグロセアリングのようなモノが見える。

 

 

ヘイローだ。

 

 

帝国兵B「……?ここはどこですか?」

 

 

 

上官「……分からない。ただ、ここは様子がおかしい。それだけは分かった。」

 

 

 

帝国兵B「そうだ、負傷していた者は…」

 

 

 

上官「…手遅れだった。失血がひどかったうえ、衝撃が致命傷になったようだ。」

 

 

 

帝国兵B「……。」

 

 

 

帝国兵C「ここで奴の死を無駄にすることはできません。せめて、どこかに埋めてやりましょう。」

 

 

 

上官「…そうだな。」

 

 

 

───────────────────────────

 

 

ミレニアム廃墟群 廃屋の庭

 

 

 

 

帝国兵C「……安らかに、眠っててくれ。故郷じゃなくてごめんな。」

 

 

 

 

 

3人は押し黙って、黙祷した。

 

 

 

 

 

上官「……では、2人にはそちら側の索敵を頼む。私がはこちら側を。」

 

 

───────────────────────────

 

 

 

帝国兵B「この廃屋を囲むように、兵が監視をしています。およそ5人。」

 

 

彼らの言う兵とは、廃墟の警備をしているオートマタ達のことである。

 

 

傍から見れば、重装備の人間に見えなくもない。

 

 

上官「ここは敵陣か……ロザリアでもダルマスカでもないとすれば?」

 

 

 

 

帝国兵C「奴ら、ガンナーです!」

 

 

上官「私は、ここを突っ切るのが有効だと思う。」

 

 

 

帝国兵B「消耗した今なら、その方法しかありませんね。」

 

 

 

3人は廃屋を出て、市街地へと走ることにした。

 

オートマタは全面無視のESCAPING(ダッシュ逃走)であった。

 

 

 

 

 

 

帝国兵C「再装填(リロード)が速い!なんだあの銃!?」

 

 

幸いにも全員が鎧を、うち2人は盾を装備していたため、あまりダメージを受けずに済んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

上官「…ケアルが使えん。魔力(MP)不足かもしれない。」*1

 

 

帝国兵B「ポーションならまだあります。それを使いましょう。」

 

 

銃弾が身体を貫通しようと、すぐにポーションで回復した。

 

ガンナーは基本的に、結構な数のポーションを持ち歩いている。

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────────────

 

 

ミレニアム 市街地境界地域

 

 

 

 

 

 

帝国兵C「……貴様は?」

 

 

 

市街地と境界地域まで来た3人の前に、2人の少女が現れた。

 

 

 

帝国兵Cが抜刀したのと同時に、彼女らも銃を構える。

 

 

 

 

マキ「ミレニアムサイエンススクールの、小塗マキと……」

 

 

 

エイミ「和泉元エイミ。あなた達、もしかしてイヴァリースの人?」

 

 

 

 

 

 

 

*1
ミストのおかげでMPは全回復しているが、キヴォトスにミストがないので魔法が使えない。





今回登場した帝国兵はB,C,Dといますが、それぞれ、以前登場した同名の帝国兵とは別人です。紛らわしくなってしまい、すみません。

なお、帝国兵Bはガンナーです。


【補足】

イヴァリース→キヴォトス間の転移はミストが関係しており、今回のような高濃度のミストのある場所

(例:ヘネ魔石鉱奥、幻妖の森、リドルアナなど)

で、ミストの嵐の巻き込まれた場合、キヴォトスに飛ばされることがあるという設定です。

例外として、ポータルはキヴォトス側からのアプローチによって開通しているため、ミストの有無が関係しません。


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