自称怪物が往くインフィニット・ストラトス(withケロロ世界) 作:月神サチ
――Side 氷室直哉
「ああ、そう言えば忘れてた。今からクラス代表を決めろ、自薦他薦のどちらでもいいぞ」
帰りのホームルームにて、最後の連絡のタイミングで千冬先生がそう宣った。
「えっと、クラス代表の仕事は学級委員みたいなものですが、クラス代表戦のようなIS関連の競技を優先的にやることになるのでそのあたり踏まえて置いてください。その分内申は良くなると思います」
山田先生がはわはわしながら補足してくれる。
助かるラスカル()。
「路藤原さんはどうかなー?」
本音が告げると、路藤原は眉を八の字にしながら口を開く。
「本当に悪いんだけど、参加できないわ。まだ専用機もないし、私が最初に触れて起動した子以外起動してくれないのよ」
「こちらも確認している。専用機開発している有澤重工によれば5月の中旬までには何とかなるはずだ」
「それなら〜なおなおはー」
「……レギュレーション違反で締め出し喰らわなければいいが」
任されたならやり遂げるつもりなので傍観してたら本音から推薦された。
千冬先生が一人ごちたあと告げる。
「……取り敢えず候補として出しておこう。そいつは空中戦がほぼ無しだったとはいえ、打鉄装備の私を生身かつ刀1本で撃墜した実力者だ。格下といえる生徒にぶつけていいのかという是非はあるがな」
「「「「「!?」」」」」
目を丸くをする生徒一同。
「先生、氷室君贔屓のような過剰な持ち上げはよろしくないかと」
のか夫がそう告げると千冬先生は遠い目をする。
「贔屓……まああの戦闘記録はとある団体の圧力で破棄されているからな。当事者と立会人以外に見たものはいないからそうなるだろうな」
「……えっと、氷室君以外候補無しですか〜?」
山田先生が確認するように問いかけると、少し悩む素振りみせたあと、華音が手を上げた。
「――私も、天上院華音も候補に名乗り出たく」
「はい、わかりました〜」
「な、なら天上院のか夫さんとかいいかなーって……」
金握らされて、弱み握られたりしてるのか、相川清香がおずおずという感じで手を挙げてそう告げる。
のか夫は当然と言わんばかりの顔で頷く。
「他には……居なさそうだな。決選投票も悪くないが……来週アリーナを借り切ってそこで実力を示してもらうほうがいいか」
「専用機持ちの僕が圧勝すると思うので、ハンデ上げたほうが良いですかねー?」
のか夫の言葉に『何言ってるんだこいつ』って顔をする千冬先生。
そして少し間が空いたあと、納得した顔で告げる。
「――氷室直哉は専用機を持ってるぞ? 私との実技試験で戦ったときには既に持っていたしな」
「は??? 何処に僕そんな物好きが……? 氷室君、専用機欲しさに残りの人生モルモットになるような売り飛ばしするなんて愚かにも程があるよ???」
困惑からの憐憫と嘲笑の混ざったような表情でそう告げるのか夫。
「(嘲笑部分がピエロを笑うような顔してて腹立つが……束と事実婚という人と見方次第では人生売り飛ばしとも言えることしてるからな)……ノーコメントだ」
オレの言葉に千冬先生と山田先生が口を開く。
「そのあたりは本人と契約相手による取引だ。我々IS学園としては内情を聞くことや看過できない場合の退学措置等はあるが、我々が直接介入は基本行わない」
「一応IS学園は日本であって日本ではないという扱いですから。自由は責任と表裏一体といことで」
一夏と箒が複雑そうな顔をする。
「最終確認だ。候補者は……なさそうだな。ならばこれにて締め切る。3人は来週金曜日、アリーナにてクラス代表選定戦を行うこととする」
端末を動かして施設の予約枠確保したのか頷きながら千冬先生がそう告げた。
その言葉に一夏がホッとした顔をしたのをオレは見逃していない。
まあ本人が代表になるの嫌そうだったので是非もないよね。
――Side 天上院のか夫*1
あーもう腹立つ。*2
セシリアが動かなかったのは仕方ないとして、愚妹と獣畜生を踏み台にして*3成り上がるルートが確定した*4。
あとは栄光の道を進めば欲しいものは全て*5手に入る。
実に僕に相応しいサクセスストーリーだ*6。
取り敢えずキアラで性欲発散するかな*7。
――Side 氷室直哉
放課後、簪のISを見るためにアリーナの一つの整備室使用の為鍵を簪と取りに行く*11と、千冬先生が対応してくれた。
「……整備室で(エ駄死なこと)やるなよ?」
なんか下世話な話好きな人みたいな顔でそう告げる千冬先生。
「何を!?」
「女の私に言わせるつもりか?」
「何が言いたいか分かったし、責任取れないからやらないです」
即座に理解したオレは話を無理やり終わらせる。
「えっ……(私のIS製作はともかく、私にエ駄死なことは)無責任にやってくれていいのに」
「主語が無いから迂闊に答えられない恐怖!」
良いようにおちょくられつつ、オレと簪は第3アリーナの第2整備室へ向かう。
部屋に入ると、ISを簪が出す。
本当にフレームしかないな……。
そう思ってると直ぐ側に束(と暇つぶしに束と一緒にいたソルルナ)が現れる*12。
3人はどこからともなく機材取り出して各種データを調べ始める。
3人と簪は面識あるし、仲はそこそこなので簪は特に驚いたりはしてないようだ。
「――うーん、初期化した後のライブラリ系インストールゼロ! そこに無理やりIS動かせるようシステム乗っけようとするのは無謀の極みだね。コレを武装含め完成品にするにはあの女狐……楯無でも数年必要案件だね」
「コレ突き返して私たちが共同開発した『第2世代コア』使ったほうが良いまであるよこれ〜」
「フレームも仮置きで最低限の性能しか無いし、全部取っ替えになるからハード開発こっちが受け持ってソフトを簪ちゃんたちが作るスーパースカラ・パイプライン方式の方が楽かなって」
――なんて思ってたら3人が困惑しながら結論を告げた。
……束とソルルナで作ったほうが早いが、簪の『お姉ちゃんみたいにIS作りたい』という要望に沿った形なのでこの提案はコレでよし?
そうしたら……ふむ。
「……どうする、簪。今のISコア倉持に突き返して日本代表候補生の序列を落とす覚悟あるなら何とかなりそうだけど……」
「……いいの?」
そう問いかけると束が代わりに頷いた。
「もちろん。ただ……代わりに色々やってもらたいことあるかな。安心して。簪ちゃんにとっても悪い話じゃないから」
「……それって……?」
「おっとなおくん、ここから先は乙女のお話なので今日のところは切り上げてねよろしく~」
そう告げた束により、整備室から放り出された*13。
取り敢えず事の顛末を刀奈や本音に伝えておくことに。
あと部屋に戻ると携帯が修理終わった携帯が届いてたのと束たちが予備端末(こっちのほうが)を用意してくれたことにより、知り合いと再び連絡取れるようになった。
なお数千件のメールやメッセージに目を通したり、返信したら太陽が昇っていたのはご愛嬌……ってことにしておこう。
氷室直哉コソコソ小話
直哉の端末にある連絡先は以下の通り。
元家族の『十六夜幸人』、『十六夜蒔絵』、
今の家族の『カミンコ博士』、『チョビン』、『篠ノ之束』、『クロエ』、『ロルル』、『ソルル』、『ルナナ』
その他交友関係『桐藤ナギサ』、『桐藤ハク(ナギサママ)』、『クラリッサ(と黒ウサギ隊)』、『更識刀奈』、『更識簪』、『シャル』、『セシリア』、『布仏虚』、『布仏本音』、『星野アイ』、『オリヴァルト・フォン・ヤン(ヤン大将)』
他数名
天上院コソコソ小話
基本的にのか夫は初対面だと印象いいけど、その挙動で好感度下げていく竜頭蛇尾な挙動が多い。
本人も次から次と目移りしたりするから基本そのあたり気がついてないという悲しみを背負っている。
以下次回予告
簪のIS開発を手伝い、クラスメイトと交流深める直哉。
金と家名で取り巻きをつくるのか夫。
束の間の平穏の行動が齎すものとは――?
次回 自称怪物が往くインフィニット・ストラトス(withケロロ世界)
第五話『束の間の平穏 〜クラス代表決定戦に向けて』
※予告内容及びタイトルは変更される場合もあります。
次回もお楽しみに!