自称怪物が往くインフィニット・ストラトス(withケロロ世界) 作:月神サチ
――Side 天上院華音
ラファールを身に纏い、武装や各種システムの確認をする。
氷室殿に無理を言って鍛錬をお願いし、付け焼き刃同然だがISの操作は一通り身に着け、手を限りなく抜かれてるとはいえ、氷室殿相手にある程度喰らいつけるようになった。
――あの傲慢な愚兄の踏み台や政治の道具にされるつもりはない。
かと言って即座に自分を安売りする手は取りたくない。
ならば――実績を作るしかない。
引き分け以上を拾えれば上出来、善戦して良、無様に負ければ氷室殿に顔向けできない。
「……お願いです、ラファール。私に力を貸してください」
鍛錬をした、いくつか武器を拡張パスや非固定ユニットに追加した、ここまでで出来ることはやった。
しかし不安ですがるようにそう私は零した。
私に応えるように微かに機械音がした……気がしました。
……やはり私は前世から依存する癖が抜けてませんね……。
私はおもむろに顔を手で叩きます。
痛い……ですが目が覚めました。
今の持てる総てをぶつけましょう。
カタパルトに乗り、身構える。
それとともにアリーナに私は射出された。
アリーナには人がたくさんおり、好奇と実験動物を見るような目線を感じましますね。
前者はともかく、後者は……おそらく女性利権団体やそのシンパでしょう。警戒するに越したことはない……はず。
頭を振ったあと、余計なエネルギーの無駄遣いをしないために着地し、相手が来るまで精神統一をすることに。
……会場の音が変わった。
目を開くとトリコロールのボディをしたISで身を包んだ愚兄がこちらを睥睨していました。
「さっさと終わらせるから構えろ。前座を終わらせて、あの腐れ獣畜生に格の違いを理解させる」
「……」
一周回って冷静になるとはこのことでしょう。
私はブースターを吹かせて愚兄と同じ目線になる。
露骨な舌打ちが聞こえますが気にしません。
――試合開始を告げるブザーが鳴るとともに、私は予め申請して拡張パスに入れていた薙刀を取り出しながら――瞬間加速で態と吶喊しました。
「!?」
驚いた愚兄は慌てて回避を取り、私はそれに合わせて追撃。
一撃を胴に当てました。
シールドエネルギーの減少は微々たるものですが、『当たるなら勝ち目はある』と確信出来る手応えを得られたので良しとします。
「なっ!? ……僕に一太刀入れたまぐれは評価してや――」
戦闘中に会話する余裕があるなど羨ましいですね。
私の薙刀の叩きおろしを回避した愚兄が、肩の謎の音響みたいな装置からノイズのようなものを放つ。
それとともにラファールがセンサー類や能力の低下を通知しはじめた。
専用装備……でしょうが『格上相手』の動き方はこの1週間何度もやりました。
まずは相手の視野をフラッシュグレネードで封じ、敵の乱射は銃口などから攻撃先を予想して避ける。
被弾はありますが、直撃はなし。
「全く当たってない!? コレならどうだ!」
愚兄の装備で厄介な熱源追尾式ミサイルに対しては――申請して装備していたフレアを使ってあさっての方向に反らす。
そして薙刀格納と共にアサルトライフルで反撃。
音からこちらを割り出して反撃してきますが――変則的な軌道で移動しながらの引き撃ちでこちらがほぼ一方的な削りを成し遂げられました。
「いい加減に――!」
目が眩んだ状態から復帰したのかこちらを睨みつけながら攻撃をする愚兄。
まだ足りないですか?お代わりどうぞ(フラッシュグレネード再投擲)
「目がぁぁぁ!!」
悶えてる間に削らせてもらいます。
「! アサルトアーマー!」
瞬間愚兄が自身を爆心地にして周囲を吹き飛ばすような衝撃波を起こす。
私も吹き飛ばされ、アリーナの壁に打ち付けられる。
「コレで僕の勝ちだ!」
こちらに銃を向けながらそう言いますが――こちらはまだ非固定ユニットは動かせる。
至近距離でのマイクロミサイルは私のラファールにもダメージが入りましたが――
『――そこまで! 勝者 天上院華音!』
なんとか勝ちを拾えました。
「そんな、何かの間違いじゃ……!」
狼狽する愚兄を横に、私は最後の試合に備えてピットにもどることに。
――Side 天上院のか夫*1
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!
コレは何かの間違いだ!*2
僕の【支配者】のシールドエネルギーがアイツより少ない状態だったに違いない!*3
それにラファールの武装ではないのがあったから、僕が反応に遅れただけだし……!*4
僕よりISに関わった時間が愚妹の方が長いから、ソレで差をつけられただけで、僕は弱くない!*5
……取り敢えずシールドエネルギー回復して獣に格の違いを見せてやらないと*6……。
――Side 氷室直哉
「――コア間リンク異常なし! システムオールグリーン、装備ヨシ!」
指差し確認しながら最終チェックしていく。
「私が最終調整したから問題ないと思うけどねぇ」
束の言葉にそれはそうと頷く。
「前世で起きた二重チェック手抜き部下たちによるシステム障害のトラウマが……」
「なおくん……やっぱりメンタル通おう?? 前世云々に色々引き摺られてるし……ついでにナギちゃんたち母娘も側室にする旨の同意書にサイン「サインはしない」だめかぁ」
しれっとハーレム形成しようとしてる束に困惑が隠せない。
オレの器なんてたかが知れてるし、既に3人でいっぱいいっぱいだから……。
「まあ……なおくんなら……大丈夫そうだけどね」
「そうは思えんけどね……氷室直哉と【月輪】、出撃する!」
カタパルトに乗ってそう告げると射出される。
飛び出した先であるアリーナはざわめきに満ちていた。
……思ったより人がいるな。
しれっと観客席にいる刀奈や虚さんから他学年も見に来てるのが確定。
「無様な姿は見せられないな」
静かに瞑想することに。
暫くするとやけにテンション高いのか夫が現れる。
「獣畜生には出来ない人間の賢い戦い方と勝ち方を見せてあげよう」
「……そう言うなら拝見させてもらいますかね。――ただでやられてやるつもりはないけど」
ブサーが鳴る音と共にオレは刀――ではなく拡張パスからサブマシンガン2丁を取り出してのか夫のいる方に向けてオートで連射しながらバックステップ。
変なノイズみたいなのがこっちに届くがリミッターかかってる範囲では影響ないのでそのままスルーで弾幕攻撃。
相手はミサイルなどを何度も撃とうとしたがこっちの2丁ぶっ放しの被弾で半ば自爆している。
「ふざけるな! 堂々と戦え!」
「相手の認識外から攻撃したり、ビット兵器未使用で死角から吶喊しかけてないだけ正々堂々としてるはずなんだがな? 多少の被弾前提にすれば正面突破できる程度の豆鉄砲相手に怯んでる時点で……。それとミサイル使おうとして誘爆して自滅してるのにそれを何度も繰り返してるあたり……悪手なことに気がついてないのか?」
「――!!」
表情が怒りに塗りつぶされたのか夫がアサルトライフルぶっ放しながら突撃してくる。
「――そっちが
オレは拡張パスにサブマシンガンを仕舞い、刀に手を添えて――交差と共に一閃。
「――」
アリーナのモニターに映るのか夫のISのシールドゲージのデータ表情が消える。
そして……のか夫が倒れ込むと共に奴のISもバラバラになって崩れ落ちた。
絶句する大半と派手にやったなーと知ってる人たち反応の温度差に複雑な思いをしつつ、ピットから出て来た華音に華音との戦いは辞退すると告げて撤退する。
さて、千冬先生あたりに小言言われてきますかね。
氷室直哉コソコソ小話
転生時のチートや素の能力が馬鹿高いが、チキンで小市民なところが抜けきれてないため、お高い料理とか奢られると値段気にして萎縮したりする。
天上院家コソコソ小話
実のところ華音は小中とお嬢様学校に通って模範生していたため、のか夫以上にコネを持っている。
……が、のか夫に使い潰されないよう、うまく誤魔化して当たり障りない関係に抑えている。
以下次回予告
原型留めないレベルで破壊されたISを見て絶対にラスボスだと勘違いするのか夫。
一方華音がクラス代表としてお祝いをしてる頃、カミンコ博士のところにいるロルルから連絡が届く。
何やら厄介事の予感がするらしい。
その頃一夏たちは外泊から戻ってきた他クラスのコから不思議な✕印の話を聞いたりして――?
次回 自称怪物が往くインフィニット・ストラトス(withケロロ世界)
第七話『クラス代表決定戦 後始末と不思議な✕印?』
(タイトルや内容は変更される場合があります。)
次回もお楽しみに!