高評価をつけてくださる方もいらっしゃって大変嬉しく思います、今後も合間合間で執筆できるように頑張ります。
小出し回が今後増えるかもしれません...
川跡駅から大社線に揺られて10分弱、待ちに待った放送が聞こえてくる。
〈ご乗車ありがとうございました。間も無く終点、出雲大社前、出雲大社前です.......〉
読んでいた小説を鞄の中に仕舞い、切符を探すのに手間取っていると電車は出雲大社前駅に到着した。
「あれー...?おかしいですね...確かにポケットに入れたと思ったんですが.....」
車内清算では無いようなので早苗はとりあえず電車から降りてホームで再度探す。
ポケットの中、スマホケースの中、鞄の中、どこを探しても見当たらない。
焦燥感が募る中、駅員さんの早苗に対する視線が痛い。決して不正乗車じゃ無いんです、でもお金払い直すのもお財布事情的にあまりやりたくない。そうして鞄の中身を出そうとしている早苗に声がかかる。
「もしかして、これあなたの切符じゃ無いですか?」
優しくも明るい声に振り返ると、そこには首からカメラをかけた少女がいた。
「あ、ありがとうございます!」
感謝を伝えながら渡された切符を確認する。
電鉄出雲市から出雲大社、間違いなく早苗の切符だ。一気に気が抜けた早苗は安堵のため息をつく。
「あやや、見つかってよかったです。ちょうど車内の写真を記録してたら切符を拾いまして、駅員さんに届けようとしたら悲壮感すごい顔で鞄の中をバラしてるあなたがいたもので....切符に限りませんが、大切なものは決まった所で保管するといいですよ!」
「肝に命じておきます。本当にありがとうございました........」
「いえいえ、では私はこれで」
お礼も十分に言えないまま少女は去っていった。
早苗も広げた荷物を片付けて、待ってくれていた駅員さんに切符を渡しようやく改札外に出た。
「さて!出雲大社に行く前に旧大社駅に行ってみるのも良さそうですね...いや、先にご飯にしましょうか、うーん......」
これからの事を考えながらふと駅の中を見渡すと一つの張り紙が目に入る。
【旧大社駅、保存修復工事のため公開中止のお知らせ】
「あ」
「.....ご飯にしましょうか、お蕎麦が有名みたいですしどこにしようかな〜」
スマホで適当に評価の高いお店を探してナビを登録する。
数百メートル歩くだけでもまだ夏の気温の時期では汗が滴り落ちるのが気持ち悪い。
「あづいです......アイスとか食べちゃおうかな、気温34度超えてますし......」
そんなこんなしていると目的の蕎麦屋「おくに」が見えてくる。お店の人が軒先で水を撒いていて風情がある。
お店の雰囲気に興奮しながら意気揚々と店に入っていく早苗であった。
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「あれ!?やってないんですかこれ...せっかくこっちまで歩いてきたのに....」
その頃旧大社駅前では、先ほどの少女が工事の囲いの前で膝から崩れ落ちていた。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
今回、間隔が空き過ぎてしまったので一旦小出しさせていただきました。
前回更新からスランプだったり日常が忙しかったり、書いてたデータが消し飛んだりでなかなか筆が進まない状況でした。
今日は18切符旅行に来ていて、電車内で執筆しています。コンセプトのせいかやはり列車の中では筆が進みますね、一生電車に乗れれば最高効率を叩き出せるのでは...?
ではまた次回までよろしくお願いいたします。