かぐや様の世界に転生した   作:ぐぬぬです

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だから私は目を見開いた。 前編

 

 

 

 

さて石上と関わるようになった私こと進上奈緒、相も変わらず元気に学校生活を送っています

 

石上と仲良さげにしてるところを周りに見られ多少なりとも評判なりなんなりが下がってたらしいけれど

 

まあ、そんなもんは無視で良い

 

あーでもないこうでもないと憶測だけで噂を流そうとしてる輩は全員無視していけば良いしね

 

 

‥‥そんなことよりも

 

 

 

 

 

「そういえば今日、庭の噴水にある甘いりんごと、さくらんぼのレリーフの奥深くにかたつむりが…」

 

「俺の妹が昔暑いからと言って、噴水に入って風邪を引いてな。本当、感情で動くと碌なことに…」

 

 

 

 

「ねえ石上、なんで私ここに居るんだっけ」

 

 

「は?何言ってんだお前、そんなの生徒会の一員だからに決まってるだろ」

 

 

「あぁ‥‥‥そっかそっか。そうだよね」

 

 

 

 

 

________いや、なんで?

 

 

 

 

何故か私は生徒会の一員としてここに着席させられている

 

 

 

‥‥‥‥いやね?原作の歯車を狂わせる覚悟で石上と関わったのは間違いないよ?

 

うん、間違いないし。

 

なんなら石上の事をどうにか助けれないかななんて考えてたりもしてたよ?

 

 

 

 

 

でもこれは本当に聞いてないよ??

 

明らかに場違いってレベルじゃないからねこれ?

 

何故こうなったか、それは約一週間くらい前まで遡る

 

 

 

 

 

 

私が石上を捕まえて一緒に帰ろうとしたある日の放課後での出来事

わざわざ白銀会長と四宮先輩が1年B組にまで来て、石上に生徒会へと入らないかと勧誘

石上は会長へ恩があるのですぐにYESと返答

 

それを私は「すご〜!さっすが石上」みたいな反応を隣でしてたんだけど

 

 

「他人事だと思ってるようだが、俺は君も勧誘したいと思ってる。

どうだ?君も生徒会に入らないか?」

 

 

「‥‥‥‥‥へ?」

 

 

 

 

とまあ‥断れるような雰囲気じゃなかったし、ちょっとやめとこうかな〜みたいな空気を出そうとしたら四宮先輩の眼力が炸裂し‥‥

 

今に至ります

 

 

 

 

「(こんなはずじゃないんだけどなぁ‥‥‥まあ、授業が終わったら石上と速攻生徒会室に行って一緒にゲームとか気軽に出来てるから割と悪くないんだけどさ)」

 

 

 

今までは伊井野さんの目とか気にしてゲームとかしてたから圧倒的安全エリアでゲーム出来るというのはデカイ

 

 

まあ会長さんとか四宮さんが来たらとっとと仕事を片付けなきゃいけないけどさ

 

 

ちなみに石上は毎日無言で私の隣で仕事を捌いてる

何回か四宮先輩の顔を伺っては目が合う度に身体を震わせてたり

 

その原因は原作を読んでる私だからこそ分かるけど、知らんところでイベントが回収されてることが驚きである

 

 

所々漫画やアニメで見たような展開を間近で見せられ、「あ、これ進研ゼミでやったところだ!」みたいな気持ちよさと共に生で見られることに感動を覚えながら日常を過ごしていった

 

 

 

 

さて‥石上と接触した私は確かに彼が言っていたように周りからの評価は前と比べるとあまりよろしくないのは事実

 

しょうもない噂が流れたりもしていたけれど、まあそういうのはシカトしとけばいい

 

中間テストの日が近付いてきた今日この頃、石上と関わり更には生徒会にまで入ってしまったのならとことんやってやろうということで、私はこの段階で石上をどうにか助けられる方法を模索していた

 

まあまずは彼の成績を上げるとこから始めようと思ったが、私は成績優秀とはいえ人にモノを教えられるかと聞かれると絶対無いと言い切れる

 

 

 

 

 

「(‥‥うーん‥‥どうにか出来ないかな)」

 

 

 

 

四宮先輩や白銀会長なら何かいい案を思い付いたり権力やら持ち前のカリスマ性で解決してみせるんだろうけど、残念ながら今の私にはそんなもを持ち合わせていないし、むしろマイナスなわけで

 

それに加えてこの進上奈緒の中身はただの一般人である

 

チート能力に頼ってきただけの小娘にすぎない

 

本物の天才達には敵わないわけで

 

 

 

 

「‥‥‥よし、ここは素直に四宮先輩の力を貸してもらおう」

 

 

 

 

 

ということで石上を連れて先輩達の元へ行って勉強を見てもらおうと思ったんだけど‥‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぶええぇぇ‥‥‥なんで、、私はぁ‥‥グスッ」

 

 

「えっと、とりあえずココアミルク買っといたんで飲んでください」

 

 

 

「‥‥‥‥‥」

 

 

 

 

 

 

_______いやだからなんでこうなった?

 

 

 

 

今私達は泣きじゃくっている四条さんと共に生徒会室へと来ている。

 

うん、何を言ってるのかわからないと思うが私も何故こうなったのかわからない‥‥‥

 

とりあえず先程までの経緯を話していきたいと思う

 

 

 

 

私は何も知らない石上を連れて2年生のクラスがあるエリアまで移動したのだけど、そこまで来たら流石の石上も不思議がって質問してきた

 

 

 

「なんでわざわざ2年生のエリアまで来るんだよ。会長辺りに用でもあるのか?」

 

 

「まあそんなとこかなあ〜、ちょっと頼みたいことがあってさ」

 

 

「なら今の期間はやめといたほうがいいんじゃねえの?だってほら、テスト1週間前じゃん」

 

 

「ん?それがどうかしたの?」

 

 

「ばっかお前、会長含めて2年生ほぼ全員がテスト勉強してるに決まってるだろ。」

 

 

「‥‥‥‥‥‥あーーーーーっ!!!確かにそうじゃん!!」

 

 

「お前本当に入試学年一位で入学したの?」

 

 

 

四宮先輩に勉強を教えてもらおうって作戦だったけど、よくよく考えてみれば学年一位を本気で目指してる四宮先輩に時間を削ってもらってまで勉強を教えてもらおうとするのは流石に申し訳ない気もする‥‥

 

原作をこれでもかと読んでいるのに気づけなかった自分のまぬけ具合に少しげんなりしていた

 

 

 

「‥‥‥‥仕方ない‥‥‥今回は諦めよう‥‥帰りにいつもの喫茶店寄るよ」

 

 

「‥‥‥‥というか、お前なら先輩に頼らなくても大抵出来るだろ。何する気だったのか知らんが」

 

 

 

ということで帰路に着こうとした時だった。

人気の無い階段際にて

 

 

 

 

「うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええ‥‥‥‥」

 

 

「「‥‥‥えぇ‥‥‥」」

 

 

 

四条先輩とエンカウントしたのである

石上と反応が被ってしまったのは言うまでもない

 

 

ということで、その場で話を聞くわけにもいかないので、ここは生徒会室を借りて四条先輩の話を聞くことにしたわけです

 

 

 

 

「落ち着きましたか?」

 

「えぇ‥‥なんだか少しだけ落ち着いたわ」

 

 

「良かったです。

カカオポリフェノールにはストレス解消に効果があるんですよ。

牛乳に含まれるトリプトファンという物質は、幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質のセロトニンを作る材料になるんです。少しでも幸せホルモンが戻ればなと」

 

 

「はえ〜‥‥石上って物知りだね」

 

 

「‥‥善意のはずなのに凄い腹立つのはなんでだろう。

まあ‥とにかくありがとう‥‥」

 

 

 

若干ノンデリな石上の発言に若干イラつきつつもそれでも一応感謝を伝えてくれる辺りこの四条さんは相当な優しさを持っていることをこの時点で感じ取れる

 

とりあえず話を進めるために私は分かりきってる彼女の事情を聞き出そうと思う

 

 

 

 

「とりあえず、名前をお伺いしても?」

 

 

「あら、私の事知らないの? 仕方ないわね‥‥教えてあげるわ! 私の名前は四条眞妃! 学年三位の天才にして、正統な四宮の血筋を引く者よ!」

 

 

「へぇ〜‥‥四宮先輩の‥‥」

 

 

「そうよ! 現生徒会副会長の四宮かぐやは、私の再従祖叔母にあたるわ!」

 

 

 

うん。原作読んでてもおもったけどそこまで遠いとほぼ他人じゃない?と石上にアイコンタクトでそんなニュアンスを伝え、同意を得ながら私達は相槌をうつ

 

 

 

「わ、わー‥すごいんですねー‥‥‥それで、何故泣いてたんです?」

 

 

「‥‥それは‥‥その‥‥‥」

 

 

 

 

若干の迷いがありつつ、ココアのお礼やら女性の私も居て相談しやすいと思ったらしくゆっくりと事情を説明してくれた。

 

 

 

「‥‥‥つまり好きな人を誘おうとしたら、誘うどころかむしろ相手を罵倒してしまって、さらには誘う予定だった日に男友達の誘いによって埋まってしまい出来なくなった‥‥‥」

 

 

「そんで自己嫌悪に浸っていた。と‥‥」

 

 

「うぐ‥‥‥‥えぐ‥‥‥うぅ‥‥」

 

 

「現実のツンデレってこんなにも可哀想な生き物なんだな‥‥」

 

 

「だね」

 

 

 

 

石上の呟きに同意しつつ、私は腕を組んでとりあえず考えてみることにした

 

 

 

「なら、まずはその相手と話す際に絶対罵倒しないことから意識してみたらどうですかね?

こういうのは段階を踏んで徐々に慣れていくのが大事だと思いますよ。」

 

 

「猫みたいだな‥‥」

 

 

「確かに言えてるかも」フフッ

 

 

「徐々に‥‥罵倒せずに‥‥」

 

 

「そこから徐々に自分の気持ちを正直に伝える事ができれば遊びに行く誘いとかも出来ると思いますよ。」

 

 

「慣れてきたら映画とかカフェ巡りとか、そこら辺誘うのが無難なんじゃないすかね〜」

 

 

 

「うわ、めっちゃ無難。」

 

 

 

「‥‥‥‥‥ねぇ。その、私が聞くのもおかしいかもだけど、初対面なのになんでそこまでするの‥?」

 

 

 

 

 

 

素朴な疑問だし、初対面の相手に警戒するのも当たり前のことだ。

でも私の答えは決まってる。

これは石上と関わると決めた時に既に出てる答えだ

 

 

 

 

「報われてほしいと思ったからですよ。」

 

 

「報‥‥われて‥‥?」

 

 

「とてもシンプルな話なんですよ。

好きな人が居るって素敵なことじゃないですか?

誘えなくて泣きたくなっちゃうくらいに好きな相手が居るって言われたら頑張って欲しいって思えるし、報われてほしいって思うんですよ」

 

 

 

 

 

心からの本心だ。

原作を読んでいた時も四条さんは報われてほしいとずっと思ってたし、頑張って欲しいとも思ってた。

 

こうすることでもしかしたら原作とは違い、田沼先輩が四条さんと付き合う展開になってしまうかもしれない。

 

でも、私はそれで良いと考えてる

 

 

 

 

 

 

「それに、泣いてる人を放置するのはなんか嫌じゃないですか。

どうせなら笑ってて欲しいですしね」

 

 

 

 

どんなに感動的な物語であっても

 

どんなに素晴らしい物語であっても

 

報われてほしい人が笑っていないのであれば、私はその道を進もうとは思わない。

 

 

 

 

「‥‥ふ、‥‥フン!随分な変わり者ね!!」

 

 

「よく言われてますよこいつは‥‥」

 

 

「私にとっては褒め言葉同然ですよ」フフン

 

 

 

 

ドヤ顔をしたら石上に鼻で笑われた

 

ちょっとイラッと来たからあとで鼻をこう、グッとつまんでやる

 

 

 

「‥‥‥貴方達、名前は?」

 

 

「石上優です。」

 

 

「進上奈緒です。」

 

 

「‥‥石上優に、進上奈緒‥‥ね。誇りに思うことね!この私が貴方達の名前を覚えておいて上げるんだから!!何か困ってることがあるなら話だけ聞いといてあげるわ!!」

 

 

 

 

流石はツンデレ先輩

我々後輩にはなんともお優しい対応をしてくれるもので‥‥

 

 

‥‥ん?確か四条先輩って学年三位‥‥‥‥あ!

 

 

 

「あのー‥‥四条先輩、早速なんですけど‥‥お願いを聞いてもらえませんか?」

 

 

 

「話だけ聞いといてあげるわ!言ってみなさい!」

 

 

「私と石上に勉強教えてくれません?」

 

 

「‥‥‥‥は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

 

 

 

場所は代わり四宮邸

 

 

 

「___進上さんと石上君が眞妃さんと接触した。と‥‥内容は彼女から勉強を‥‥‥他に目立ったことは?」

 

 

「いえ、特には‥‥

強いて上げるとすれば、会計君との接触が明るみになってから彼女の評判が少しずつですが下がっていることでしょうか。

良くない噂もよく小耳にします。」

 

 

「‥そう。」

 

 

 

四宮かぐやは早坂から本日の調査結果を聞き終わると、再び彼女について書かれてる資料を手に取る。

 

 

 

 

「‥‥‥かぐや様、改めてお聞きしたいのですが‥‥‥何故彼女の事をそこまでして調べようと‥?」

 

 

 

 

 

四宮かぐやが警戒心の強い人間だというのは今更ではある。

だが、長らく近侍をしている早坂だったがここまで調べ上げろと言われたのは今までに無いことだったのだ。

 

早坂から見た進上奈緒というのは、確かに才能も持つ者のそれであり四宮かぐやという天才と同じ領域に立っていると言ってもおかしくない存在でもある

 

だが、そこ以外はちょっと変わり者のゲームを好む女性と言ったところ

 

この秀知院学園には変わり者は多数存在する

 

そんな無数の人々を見てきている早坂からすれば違和感を感じない者の一人でしかないはずだった

 

だがこの四宮かぐやだけは違った。

 

 

 

「‥‥‥‥‥‥妙なのよ。彼女」

 

 

「‥‥妙‥‥ですか?」

 

 

「えぇ、どうもスッキリしないのよ。

彼女の行動一つ一つがね」

 

 

「‥と、言いますと?」

 

 

「‥‥‥私の行動、全てが見透かされてる気がするのよ‥彼女に」

 

 

「‥‥‥はぁ」

 

 

 

 

彼女が語った物は生徒会内にて、四宮かぐやが恋愛頭脳戦を繰り広げてる真っ最中の出来事達‥‥‥‥要はだ。

 

 

 

「‥‥‥つまり、かぐや様が何かアクション起こそうとしたりすると、綺麗なアシストパスが毎回飛んでくる‥‥それに正直助かってはいるけど気遣いにしては出来すぎてる。とかぐや様はそう仰りたいのですね。」

 

 

「そうなのよ。‥‥‥まるで私の考えてる事ややろうとしてることがわかりきってるかのように‥‥妙だとは思わない?」

 

 

 

シリアスな顔付きで、そんなことを語ってきたが‥‥‥‥

 

うん。ハッキリ言ってしまおう。

 

 

 

「‥‥‥‥‥かぐや様」

 

「なによ早坂」

 

 

 

 

 

「考えすぎです」

 

「いいえ!絶対彼女には何かあるわ!!」

 

 

 

頑なに認めないかぐやを宥めながら早坂は自身の部屋へと戻っていくのだった。

 

このかぐやの違和感の正体。

それは進上奈緒のみが知る『原作知識』にあるのだが‥‥‥

 

そんなこと()()彼女達に知る由もないのである‥‥‥

 

 

 

 

_______そう、()()

 




進上は転生能力を得ただけの一般女性です

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