かぐや様の世界に転生した   作:ぐぬぬです

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恋愛相談

2574回

 

四宮かぐやが窓の外を眺めながら登校した回数である。

 

___だが、その日は違った。

 

普段使っている車のエンジンルームに猫が入り込んだとのことで、走行が難しい状態になってしまっていた。

代わりの車を出そうと申し出られたが、

 

「でしたら、今日は歩いて向かいます」

 

気まぐれ___いや

 

車を使用せずに学校へ登校する。

それは箱入り娘であったかぐやからすれば、ある種当然の憧れでもあった。

 

あわよくば、白銀の登校ルートを通り、一緒に向かう。

 

……なんてシチュエーションも画策していた。

そんなことに想いを馳せながら歩いていると___

 

 

「うぅ‥‥ぐすっ‥‥うぅっ」

 

 

横転歩道の前で泣きじゃくる子供が一人いた。

 

 

「‥‥‥‥さて、急がないと会長が行ってしま_____」

 

『え、えーっと‥‥‥その‥‥例えばなんですけど!迷子の子供がいたら道案内したくなっちゃう‥‥的な!?』

 

「‥‥」

 

 

時間が無い。

頭では分かっている。

だが、後輩の“言い訳”がこのタイミングで蘇る。

それも相まって、放っておくという選択肢が取れなくなってしまった。

 

 

「……どうしたの?なにか困っているなら、手短に簡潔に言って」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月中盤。

中間テストも終わり、クラスの雰囲気も落ち着いてきた。

一緒に行動する相手も定着してきた頃合いだ。

今日は石上が先生に提出するものがあるとのことで、先に生徒会室へ向かっていた。

するとだ。

生徒会室前で、なにやら見覚えしかない展開が繰り広げられていた。

 

 

「…………恋愛相談?」

 

 

例の田沼先輩の恋愛相談だった

 

 

 

「‥‥‥生徒会長に恋愛相談をしに来たまでは分かるんですけど‥‥私いります?」

 

「居るよ!女性からの意見はとても大事だし、相談する相手は多いに越したことないと思うんだ!」

 

「だそうだ。本人が望んでるなら従ってやろうじゃないか。

急ぎの仕事もあるわけじゃあるまい」

 

「まあ‥そうですけど」

 

 

私からしても願ったりかなったりの展開だが‥‥この前、四宮先輩に勘付かれちゃったから慎重に成りたかったんだけど‥‥

まあいいか。この前も上手く(?)誤魔化せたし!なんとかなるやろ!

 

 

「それで‥その相手というのは?」

 

 

原作であれば、田沼先輩は柏木という人物に好意を抱き告白するという流れだが

 

なんと今回は少しだけ違う。

 

 

「その‥‥誘われたんです!女の子から‥‥水族館に!」

 

 

「おぉ」

 

「‥‥そのお相手様を聞いても?」

 

「えっと‥‥一年生は知らないかもだけど‥四条眞妃って人から誘われたんだ」

 

よーしっ!

 

予め聞いていたとはいえ、田沼先輩本人からその名を聞いた私は心の中でガッツポーズを取った

 

 

(嬉しそうだな進上‥)

 

 

尚、隣に座る白銀からすれば思いっきり顔に出ていたそうだが

 

 

「知ってますよー!あの四宮先輩の‥‥‥えーっと‥再従祖叔母!ですよね?」

 

「確かそう!よく覚えてるね」

 

(ほぼ他人じゃん)

 

 

田沼先輩が言うにはこうだ。

つい先日、何故か四条さんから呼び出された。

昔からの知り合いではあるが、尽く嫌われているような態度を取られていたため、恐怖を感じながら向かったところ___

 

『こ、……これ!!』

『……えっと?これは……?』

『そ、……その……ちょ……チョコ!』

『な、なんで?』

『……ば、……れんたいん……ちょこ……』

『え……でも今5月……』

『……あ、と……水族館!!!一緒に行くわよ!!!!』

 

ということがあったらしい。

 

「ということがあったんですけど‥‥どう思いますか‥?会長」

 

 

会長は腕を組み、顎に手を当てた。

 

「時期外れのチョコ。強引な水族館への誘い……」

 

「‥‥可能性は3つだな。」

 

「えっ、3つ?」

 

「一つ、義理の延長。

二つ、友人間での罰ゲーム。

三つ、実はマジで好きだった。」

 

「ゆ、友人間での罰ゲーム‥‥‥」

 

 

「あまり考えたくないことだが……話を聞いている限りではその可能性が高いだろうな。

義理だとしても遅すぎるし、動揺の様子から見ても尚更だ」

 

私が困惑の声を上げるが会長は構わず続け、予想外の流れになっていく

 

いや、

いやいやいやいやいやいや

 

え?ちょ、落ち着けよお前ら

確かにバレンタインチョコを渡すにしてもあまりに遅すぎるのはそうだよ?ホワイトデーだとしても2ヶ月も前だし遅すぎだろって思っちゃうのも分かるけどさ!?

本命かもしれないじゃん!?

 

というか本命チョコの可能性は考慮すらしないの!?

 

「や、やっぱりそうですよね‥‥僕はどうすれば‥‥」

 

「ふむ……このまま行くのも危険だな。

前日か3日前に病欠。伝染したくない、との理由を付けて断るといい。

生徒会権限で公欠扱いにしても良いぞ」

 

「い、良いんですか会長!?」

 

「あぁ。かまわな____」

 

「いいわけねえだろっ!!??」

 

 

我慢できなくなった私は机をバンッ!と叩き立ち上がる

 

 

「なんでそうなっちゃんです!?そうはならんやろ!?」

 

「し、進上?」

 

「なんで逃げる方向で話進めちゃってるの!?」

 

「あ、‥‥あのぉ‥‥進上さん?」

 

「罰ゲーム前提で対策立てるのやめて!?あとそんなしょうもないことで生徒会権限使うな!?」

 

「いや‥‥しかし、これは現実的に____」

 

 

「現実うんぬんより四条さんみてあげてください!!なにも分かってないのは貴方達二人です!!!」

 

「四条先輩は!!ツンデレなんです!!」

 

ビシッ!と指を突きつけ、私は高らかに言ってやる

 

 

「‥‥‥‥つん‥?」

 

「‥‥でれ?」

 

「そう!ツンデレです!!」

 

 

「良いですか!?まずその渡されたチョコ!どんなチョコでしたか!?」

 

「え、えーっと‥‥かなりちゃんとしたチョコで‥‥そこら辺にある市販のやつよりおいしかったし‥‥あ、そういえば手作りって言ってたかも」

 

「罰ゲームでちゃんとした手作りチョコ渡す女の子がどこに居るんです!??好意あるに決まってるじゃないですかぁ!」

 

「‥か、考えてみれば‥‥確かに!?」

 

「だ‥‥‥だが‥‥なら何故バレンタインに渡さなかった‥?渡すならその時期が良かっただろうに‥‥」

 

 

白銀先輩も困惑しながらも疑問を上げる

 

 

「渡そうとして今まで出来なかったんです!!きっと!!!」

 

「そんなことある!?」

 

「好きな人を前にするとテンパって口が悪くなっちゃう病気なんです!!そんな子が勇気出して来たんだから応えてあげて!?」

 

「病気言うな」

 

「この際だから言っちゃいますけど!私四条先輩に色々相談されたんですよ!?」

 

「「え!?そうなの!?」」

 

 

二人が同時に食いついてくる

 

我慢出来なくなって言ってしまったが、鈍すぎるこの人達が悪い

 

 

「良いですか!?四条先輩は後輩である私に『ど、どうやったら自然に誘えるかな‥』って涙目で訴えてくるくらい可愛い子なんですよ!?」

 

「えぇ!?」

 

「あ、あの四条がか‥‥」

 

 

「バレンタイン渡せなかったし……って言ってたから、季節外れでもいいから渡せって私が言ったんです!!」

 

「進上?」

 

「デートの誘い方も!田沼先輩の顔写真L判3枚用意して練習しました!!」

 

「L判3枚!?」

 

「顔写真見てもドキドキしてました!!」

 

「進上さん!?」

 

 

「とにかく!!」

 

 

「四条先輩と一緒に水族館行ってやってください!」

 

「え、えーっと‥‥じゃあ俺、嫌われてない‥‥のかな?」

 

「当たり前です!嫌ってたら水族館なんか誘いませんとも!」

 

 

私がそう言い切ると、田沼先輩は自信が出てきたのか表情が一気に明るくなる

 

 

「そうか‥‥四条は俺のことが好きなのか‥!!お二人ともありがとうございます!!俺、頑張ってきます!!」

 

 

田沼はそう言うも生徒会室を後にした

 

 

バタン。とドアが閉まると生徒会室に静寂が訪れる

 

私は満足げに息を吐いた。

 

「ふぅ。うまくいきましたね」

 

「……進上。今の話、マジなのか?」

 

「はい」

 

「全部?」

 

「もちろん?」

 

「顔写真も?」

 

「L判3枚です」

 

「マジか……」

 

四条のイメージが一気に崩れた白銀であった。

 

 

_______________________

 

 

四宮かぐやは一連の出来事を隠れながら聞いていた。

 

四宮かぐや視点での進上奈緒は極めて怪しい人物であり、要注意人物にカテゴライズしている人物である

 

彼女は本来であれば知らないはずの情報を口にしたり、まるでこれから何が起こるのか。

それを知っているかのように立ち回ってくる

 

それがあまりにも奇妙で、口を滑らせた際には問い詰めたりもした。

 

 

 

『‥‥‥‥えっ‥‥‥‥と‥‥す、推論ってやつです!』

 

 

『へぇ。推論‥‥お聞かせいただけますか?』

 

 

 

あまりにも苦しい言い訳を述べていた

それで誤魔化しきれる四宮かぐやではない。

もちろん言及は続いた。

 

だが、あまりにも認めようとしない為、かぐや側が一旦引き下がることでその場は収まった。

確かに決定的な証拠はないのだから

 

 

『なら、何故貴方から石上君に接触を?

石上君の話によれば噂を聞いてもなお自分から話しかけにいったそうじゃない。

それはあなたが事前に噂の正体を知ってたからじゃないの?』

 

 

 

『‥‥‥ま、迷子の子が居て、尚且つその子が泣きじゃくってたら‥‥‥助けたくなるじゃないですか?それと同じようなものなんですよ』

 

 

 

 

彼女の言い訳を思い返す。

それと同時に今朝起きた出来事も、四宮は思い出していた。

学校へ遅刻しそうになった際白銀会長に自転車で連れてって貰ったときのことを

 

学校に着いた際、白銀はこんなことを言っていた

 

 

『進上の件だが、あまり気にするな。

確かに彼女には何かある。それはまず間違いないだろう

だが、人にはそれぞれ隠し事の一つや二つ存在する。それに、彼女は悪い奴じゃない

むしろ善人に近いだろう』

 

『‥‥‥ですが‥‥‥』

 

『悪影響が出るのであれば、対応すべきだろうが‥‥‥今は良いだろう』

 

『石上も、最近楽しそうだしな』

 

 

白銀には既に進上の件は報告済み、その上で会長はこの対応をした。

 

 

‥‥‥‥‥進上奈緒は、信用するに値する‥‥‥

 

 

 

 

「‥‥‥‥良いでしょう。

今はとりあえず、様子を見ても」

 

 

こうして、生徒会の日常は過ぎ去っていく。




時系列を見返したら書き溜めしてる部分全然後だったから遅れてます
次は藤原と進上のエピソード書こうと思ってます
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