Fate/LEGENDS ARCEUS 作:マンテンボシ
ああ、いい人生だった。
ヒスイの大地に送られて、本当に色々なことがあったけど、多くの縁に恵まれたし、こうして故郷にも帰ってこれた。
「おばあちゃん!おばあちゃん!」
ああ、そんなに泣かないで、ヒカリ。
ヒカリは本当に昔の私に似ているし、御近所のコウキ君はテル先輩に似ている。
こういう細かいところで、ヒスイとの縁を感じられる……団長とかに似ている人も居たし。
「ショウさん……」
シロナも、そんな顔をしないで。
ウォロさんの血筋なんだろう貴女を弟子に取って、手持ちがウォロさんそっくりになったときは驚いたっけなぁ……
なったばかりとはいえ、チャンピオンなんだから、しっかりしないとだよ。
「泣か……ない、で……」
もう私にはこれくらいしか言えない。
ディアルガ、パルキア、ギラティナ……それにユクシー・エムリット・アグノム……今も多分見ているんでしょう?
どうか、この子たちをよろしくね……
「楽し…かった、な……」
「おばあちゃーん!」
シンオウ地方に生まれ、ヒスイの地へ飛ぶ
その地で世界を守り、元の時代へ帰ったあともヒスイとの縁は切れなかったという
享年 8●歳
「ここは?」
私が再び気がつくとそこは、何処か見覚えのある真っ黒な空間だった。
ふと自分を見ると、おばあちゃんの姿ではなく、嘗ての若い体でギンガ団の制服を着ていた。
「死後の世界……でもなさそうだね」
死後の世界ならゴーストタイプのポケモンが居ないのはおかしい。
そういえば生前にヨノワールに死んだ後のことをお願いしたっけ……何処か呆れたように断られたけど。
『気が付きましたか』
声がした方へ振り向くと、そこにはアルセウスが居た。
そうだ、思い出した。ここはヒスイへ行ったときとかに通ったところだ。
「どうしたの?」
『貴女に提案がありまして』
「珍しいね」
本当に珍しい。
創造神だからか、人の心が分からない節があって、こっちの話をほとんど聞かないアルセウスが提案という形を取るなんて。
「それで、提案って?」
『他の世界を、救いませんか?』
「他の世界?」
どういうことだろうか。
確かに私は、時空の裂け目の問題を解決してヒスイを守ったと言えなくもないけど、急にそんなことを言われても困る。
『その世界は、とある者のせいで突然滅びました』
「はあ?」
そんなことできる存在がいるのだろうか?
いや、アルセウス達ならできそうではあるか。
『そんな中で、残った僅かな人が力を合わせて世界を取り戻そうとしています。それに協力してみませんか?』
「でも、私は死んでるよ」
協力はしたい。
尊く、かけがえのない日常が急に崩れる辛さを、私も知っているから。*1
『問題ありません。今、知識をおくりますよ』
「ッ!」
次の瞬間、頭痛と共にその世界の知識が私の中に入ってきた。
燃える世界、カルデアという組織、英霊という存在、そして……巻き込まれた少年少女。
「私がこの英霊になるってことね」
『その通りです』
ここまで御膳立てされたら、行くしかないだろう。
『貴女のポケモンは、私も含めて全員呼べるようにしておきますよ』
「ありがと。メガシンカとかは?」
『全て使えます』
「分かった。じゃあ送って」
アルセウスは私の言葉に頷くと、力を使った。
そして私の体が光に包まれていく……
『それではショウさんここは任務といきましょう』
「ふふっ、団長でも隊長でもないのに?」
『貴女最初の任務は私だったでしょう?』
「それもそうだね」
確か、"全てのポケモンに出会え"だったっけ。
ミカルゲとか凄い苦労記憶がある。
『メイン任務です、"世界を救え"』
「了解」
そして私の体は完全に光に包まれた。
燃え盛る特異点F、炎上汚染都市冬木にて英霊召喚が行われていた。
【素に銀と鉄。礎に石と契約の大公】
そこに居るのは3人の少年少女。
【降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ】
詠唱を行っているのはマスターに選ばれた少年、藤丸立香。
【閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ】
側に居るのはデミサーヴァントとなった少女、マシュ・キリエライト。
【繰り返すつどに五度】
少し離れたところで見ているのはカルデアの所長、オルガマリー・アニムスフィア。
【ただ、満たされる刻を破却する】
通信越しに見守っているのは現在、カルデアの指揮をしているロマニ・アーキマン。
【――――告げる
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ
誓いを此処に
我は常世総ての善と成る者
我は常世総ての悪を敷く者
汝三大の言霊を纏う七天
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――】
詠唱が為されたとき、召喚陣から光が溢れ出す。
『な、なんだこれは!?神代レベルの魔力値だぞ!』
「はぁ!?ロマニ!どうなってるの!?」
召喚されようとしているサーヴァントの計測値の高さからロマニとオルガマリーが戸惑っていると、光が収まって1人の少女が現れた。
「女の子……?」
「先輩、サーヴァントは見た目では決まりません。魔女の方などがいらっしゃいますし」
その見た目に藤丸が困惑していると、マシュが説明する。
「召喚に応じて参上した……というよりかは、送り込まれたと言った方がいいか」
周囲を見て少女は言葉を吐く。
「クラスはライダー。貴方が私のマスターかな?」
ここのショウはダイパ主人公の祖父母世代、ナナカマド博士よりも年上です。
あと、コウキはテルの子孫です。
続きません。