転生者はセキレイへ   作:マルラ

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第二話

 

 

「さてっと。今日も今日とて散歩散歩」

 

二人と別れて数分、適当な所を歩き回ってセキレイ探しをすることにした。

 

 

……と、言いたいところなんだけど。用事があるので今日の散歩はここまで。

 

用事というのは、まああれだ。病院だ。

 

 

 

というわけでやってきました氷山会病院。

 

……そう、あのNo10、比礼のセキレイ鈿女ちゃんの葦牙、日高千穂ちゃんのお見舞いだ。

 

 

「千穂。今日も元気か?」

 

「お兄ちゃん。うん、今日は調子良いよ」

 

俺は日高翔。千穂の兄だ。

 

「今日も来たんだねー翔ちゃん」

 

「こんなんでも兄貴だからな。うずめちゃんは調子はどうなんだ?」

 

うずめちゃんとも勿論知り合いだ。といっても、俺はセキレイ関連のことを知らないことになっているが。

 

「あたし? あたしはほら、頑丈だからさ。……っていうか、いい加減『ちゃん』はやめてってば」

 

「うずめちゃんが俺をちゃん付けしなくなったらな」

 

「なにおう、卑怯だぞー翔ちゃん。あたしにそんな苦行を負わせるなんてっ」

 

「いやいや、苦行ってのは大げさ過ぎるだろいくらなんでも」

 

「……ふふっ」

 

うん、こういう平和なのは良いよな。千穂もうずめちゃんも楽しそうに笑ってるし。

 

 

とはいえ、千穂の病気を何とかしないといけない。千穂のことが心配だし、放っておくと近い将来、うずめちゃんが機能停止になる可能性は非常に高い。

 

一番可能性が高いのはMBIに何とかしてもらうことだが……コネも金もない俺には荷が重すぎる。

 

うずめちゃんに頼もうとも思ったが、原作皆人達でも試練とかを出して来たあの社長のことだ。似たようなことはやってくるだろう。それをうずめちゃん一人にやらせるのは流石に酷だ。それに、成功する可能性も低い。

 

次点で、うずめちゃんが皆人達を庇う時に俺が庇うって手もなくはないが、それやると俺が死ぬ。うずめちゃんが機能停止になるくらいなんだから、人間の俺にはひとたまりもないだろう。……これは最終的な手段だな。

 

「おーい、翔ちゃーん。……ダメだ、全然聞いてないや」

 

「……お兄ちゃんは、集中すると周りを見なくなるから」

 

他の手段……その他の病院とか。いや、氷峨の技術より上だとは思えない。

 

あーくそ、俺にも転生時の特典でもあれば何かしら手は打てたってのに!

 

そういえば、セキレイ達はMBIのマネーカードを持ってたっけ? それもVIP用の。……でも、金だけじゃダメか。あの自己中野郎(社長)だもんな。そもそもMBIの金だし。

 

 

……やっぱり、原作通りの作戦が一番か。そうなると、今やれることはほとんどないな。上手くいくように祈るだけか。

 

「あ、やっと戻ってきた」

 

「……あー、すまん」

 

「それは良いんだけどさ……翔ちゃん、一体何を考えてたのかなー?」

 

ニヤニヤしながら言うんじゃねえよ……。しかし、考えてたことを直接言うわけにもな……あ。

 

「そうだな……やっぱり、二人って付き合ってたりするのかと思ってな」

 

「へ? な、ななな何を言ってるのかな翔ちゃんはっ!」

 

「そ、そそそそそうだよお兄ちゃん」

 

うわ、顔真っ赤。それに動揺しすぎ。やっぱり葦牙とセキレイはそういう関係になるもんなのか?

 

「まあ落ち着け二人とも。冗談だよ冗談」

 

本当に恋人になりたいと思ってても反対しないけどな。

 

「冗談……なんだ、冗談かぁ。酷いなあ翔ちゃんは」

 

「……うぅ、お兄ちゃんのばか」

 

「あっはっは!」

 

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