機械仕掛けの創世神話 作:吉壱
コクピットから降りて男の人と対峙する。
なかなかイケメンだ。
腹が立つ。
「始めまして上世君。」
「私は安座間だ。」
「これから上世君のサポートを色々していく者だ。」
「早速で悪いが今すぐに本社惑星タガミに向かいたい。」
「あぁ人質となっていた者達の事は安心したまえ。」
「それから手土産は確かに受け取った。」
「お返しと上世君へのプレゼントも用意してある。」
「さぁ本社へ向かおう。」
「機械人は此処で破棄するから私についてきてくれ。」
なんと僕専用の機械人がここでお別れとは。
さよならだ相棒。
安座間さんについて行くと車に案内された。
それに乗り込んで中継地点まで向かうようだ。
車の中では安座間さんは喋って来なかったがそれが僕にはよかった。
中継地点について本社にワープする。
直ぐについて僕はビックリした。
何故ならデータでしか見たことない日本の城が立ち並んでいたからだ。
まぁ木製ということは流石にない様だが。
それでも僕は感動した。
それは僕が日本人の血を継ぐ人間だからだろうか。
「驚いてくれてなによりだけど、すぐに研究所に向かおう。」
「上世君のこれからの話しとプレゼントをあげないとな。」
そう言って僕は研究所に向かって行った。
研究所につくとやたらとテンションの高い人が出迎えてくれた。
「やぁやぁ良く来た!!。」
「僕がこの研究所の主任の幅だよ!!。」
「上世君には機械人をプレゼントしよう!!。」
「好きな機械人を選んでくれたまえ!!。」
「なに どんなのがあるってそれは僕が説明しよう!!。」
「すまないな上世君。」
「彼は何時もこんな感じだから慣れてくれ。」
「腕はまぁたしかだから変態だけど。」
研究所内には機械人がいっぱいあった。
「まずは基本の二脚型の紹介をしようか!!。」
「二脚型には通常型と逆関節型がありそれぞれの型に軽量、中量、重量級があってほぼ人間の下半身そのままだよ!!。」
「人間と同じ事は出来るから、最初に与えられる機械人は二脚型の通常型だね!!。」
「じっさいには上世君には二脚型が良いと思うが他のも紹介しよう!!。」
「次は多脚型だよ!!。」
「多脚型はその名の通り脚が三本以上の下半身だね!!。」
「安定性は二脚型以上でよく遠距離機体の下半身にされるね!!。」
「次は戦車型だね!!。」
「戦車型は機械人の下半身の中で一番安定性と耐久性があるね!!。」
「でもブースターパックを装備しても鈍足だよ!!。」
「次は飛行型だ!!。」
「飛行型は空間を縦横無尽に飛び続ける下半身さ!!。」
「形は機械人の下半身の中では一番種類があるね!!。」
「続いては上半身の説明しよう!!。」
「まず通常型は普通の人間の上半身そのまんまだよ。」
「一番扱いやすいよ。」
「次は多腕型!!。」
「通常型に腕が三本以上ある上半身だね。」
「これは武装をいっぱい持てるのが利点だね!!。」
「次のは両面型だよ!!。」
「両面型は顔が前後にあって腕も四本ある上半身だね!!。」
「これは前後が視認できて死角が少ないし、アンドロイドが後ろ側で二人で操縦する上半身だね!!。」
「最後は多面型!!。」
「多面型は前後左右に顔があり腕も多腕型に出来る死角無しの上半身!!。」
「でも入って来る情報が多くてアンドロイドを相当アップグレードしている人じゃないと扱えないだろうね!!。」
「さぁ全ての上半身下半身には軽量、中量、重量級があるから、組み合わせはいっぱいあるよ!!。」
「上世君はどうするかい!!。」
「戦闘用なのは確定しているけど、それ以外は上世君の自由だよ。!!。」
「流石に近衛兵みたいにオーダーメイドとはいかないけど、色々と地凪がこれまで開発してきた上半身と下半身が揃っているよ!!。」
「まずは上半身を何型にするか決めていこう!!。」
そう言われて僕は考える。
今まで訓練所で使っていた通常型上半身に二脚型通常下半身が一番良いと思うが、考えていると君世が提案して来た。
「若様なら多面型上半身を扱えると思うのじゃ。」
「多面型なら死角は真上しか無いしそれにほとんどの事態に対応出来るのじゃ。」
僕はそれを聞いて多面型もいいかと思った。
多面型は情報量がとにかく多く普通は全ての情報を処理出来無い。
その代わり処理出来さえすれば圧倒的な強さを発揮する。
君世をアップグレードしていないから多面型を扱えるかは心配で、使え無い物を貰っても僕達が死んで終わるだけになる。
でも君世は僕に多面型を薦めてくる。
君世には何か考えがあって僕に多面型を薦めている様な気がするので、僕は上半身を多面型にする事にした。
「分かったよ!!。」
「なら上世君の機械人の上半身は多面型にして、顔の数と腕の数はどうするかい?!!。」
僕は顔を前後左右に腕は二本で良いと言った。
「それで決まりたね!!。」
「次は下半身を決めていこう!!。」
僕は迷わずに二脚型の通常型を選択した。
これには君世は何も言って来なかった。
上半身だけは多面型にしたかったようだ。
「上半身と下半身が決まったけど、どの級にする?!!。」
僕は重量級にしたかったのでそうした。
「じゃあ決まった事だしそれぞれ見ていこうか!!。」
「まずは上半身と下半身のセットになっているやつからだ!!。」
「まずは一二三式、横凪!!。」
「地凪の多面型重量級で最も使われているのがこの横凪だ!!。」
「多面型初心者向けでありながら、装甲は厚く多少の攻撃にはびくともしない安定感があるけども、突出した所は無い。!!。」
「僕のお勧めではこの機械人だけど、他にもあるから見ていこうか!!。」
「次は一二九式、縦凪!!。」
「これは横凪を近接改修した機械人で近接攻撃など近距離に強い!!。」
「でも遠距離武装を使え無い訳では無いからこれも良いと思っている!!。」
「どんどん紹介していくよ~!!。」
あれからかなりの機械人を紹介されたがどれもしっくり来ない。
そんな僕の様子に幅さんは、試作機を紹介してくれた。
「これは今試作段階でテストパイロットに試験してもらっていた機械人なんだけど、上世君がこれでも良いならぜひ使ってくれ!!。」
「そして可能な限りいっぱいデータを取ってくれたまえ!!。」
「試作三五八四式、空凪!!。」
「これは上半身と下半身がセットで創り出された多面型通常脚機械人で、センサーも試作最新型で腕には試作パイルバンカーが内蔵!!。」
「更に装甲を既存の物より厚くしてあり耐久性も高い!!。」
「そして重量級でありながら中量級並みのスピードを出す事ができ、近距離から遠距離まで対応可能!!。」
「武装も既存の物のほとんどを使う事が出来て装備品も豊富!!。」
「状況に応じてありとあらゆる状況に対応出来る機械人だ!!。」
「欠点は扱いが非常に難しい事!!。」
「試作センサーは既存の物よりも膨大なデータを取得可能であり、パイロットはその膨大なデータを逐一取捨選択する必要があり脳が壊れる可能性が大きい!!。」
「重量級にも関わらず中量級のスピードが出せる事もあり操作難易度がめちゃくちゃ高い!!。」
「テストパイロット達はこの機械人に振り回されて扱う事はできず、使い物にならなくなっている!!。」
「まぁカタログスペックは近衛兵のオーダーメイド機械人に近いけど、まぁそんな機械人扱えないよね!!。」
「近衛兵じゃあるまいし!!。」
「最も近衛兵の機械人はハガタメタル改で出来ていて、コクピットはハガタメタルアルファだから耐久性は段違いだけどね!!。」
「まぁスペックだけは高い欠陥機だね空凪は!!。」
「どうせ破棄する予定の機械人だからこれの事はまぁ置いておき、上世君はどれにする?!!。」
僕は黙って空凪に搭乗しようとする。
それを見て幅さんは慌てて止めに入った。
「ぜひ使ってくれとは言ったけどこの機械人は幾ら上世君でも扱えない!!。」
「それに上世君は多面型は始めてでしょ!!。」
「多面型は情報量が多いのに空凪は試作センサーのせいで更に多い!!。」
「止めて置こう!!。」
僕は無視してコクピットに入って空凪の所有者になる。
幅さんは諦めて納得したようだけど、安座間さんは理解できずにただ立ち尽くしていた。
「まぁ僕としてはせっかく創り出した機械人が廃棄されなくていいけどなぁ!!。」
「か、上世君今の説明聞いていたかね?。」
「欠陥機だよこれは!。」
「うるさいのじゃ。」
「若様がこれにしたのじゃから文句を言うでないのじゃ。」
安座間さんは君世の圧に負けて引き下がる。
「まぁ私は上世君のサポートする立場だから口を挟むべきではないか。」
ようやく僕の機械人が決まった。
空凪がこれからの相棒だ。
スペックや内蔵装備などは後で確認しよう。
僕達は安座間さんに連れられ研究所を後にした。
幅は上世君が乗っていた機械人のデータログを確認していたら、安座間が戻って来て話しかけて来た。
「扱い難いな上世君は。」
「まさかあんな欠陥機を選ぶとは。」
「上も何を考えているのか上世君の要望は出来るだけ聞けと言って来ているしな。」
「訓練所の機械人を倒したのは凄まじいが、地凪には上世君以外も居るのに彼だけここまで特別待遇とはらしくない。」
「地凪の為に役立ってくれればいいがどうも首輪をはめれそうに無い。」
「幅は上世君の事をどう思った?。」
そう聞かれた幅は作業を中止して安座間に向き話す。
「僕は上世君の性格とか興味無いね!!。」
「でも扱え切れない事はよく分かったよ!!。」
「このデータログを見て欲しい!!。」
「実に興味深い内容だよ!!。」
そう言われた安座間はデータログを見てみる。
それは凄まじいとしか言いようが無かった。
あのジュビック相手に奇襲を仕掛けたとはいえ圧勝。
次の解放軍の機械人も圧勝して容赦無く殺している。
最後のブースターパック装備の機械人達相手も圧勝。
安座間は戦闘の事などは分からないがこれが異常だと言う事は分かる。
幅は笑いながら、
「君でも異常な事は理解できただろう!!。」
「上世君はこれを渡された初期の機械人でやってのけたのだ!!。」
「これは真似出来る奴はいないだろう!!。」
「現在バトルアリーナで最強の彼でもね!!。」
「彼が負けるとは考えられないが?。」
「いや負けるね!!。」
「この異常性を君にも分かりやすく説明すると上世君は乗用車で戦車や戦闘機に勝ったんだ!!。」
「戦車はまだ分かるけど戦闘機、つまりブースターパックを装備した機械人に勝ったのは明らかに異常だと分かるだろう!!。」
「上世君が同じ戦車や戦闘機に乗って居たら別に異常じゃない!!。」
「けど現実はそうじゃない!!。」
「地凪に居る訓練所の機械人を倒した他のパイロット達ではこれと同じ事は出来無い!!。」
「何故上世君だけ突出しているのか、何故他のパイロット達と違うのか実に興味深いじゃないか!!。」
「上は何かを知っていて上世君を特別扱いしている可能性があると言う事か。」
「その可能性が高いね!!。」
「僕達に言えない何か、知らない何かがあるのは確かだからね!!。」
「それは知りたいな。」
「深追いは禁物だよ君!!。」
「上世君の件はおかしな事ばかりだからね!!。」
「焦らずにゆっくり知っていけばいいさ!!。」
「そうだな。」
「では失礼するよ。」
そう言って安座間は退室した。
一人になった幅は、
「政府は上世君を近衛兵として迎えるつもりかな!!。」
「あれだけの操縦技術があればフルマニュアルもそう遠くない内に出来るだろうし!!。」
「上世君が相手した機械人だけ異常に強かった可能性もある!!。」
「分からない事だらけで実に楽しくなって来たよ!!。」
そう言って幅は笑った。