機械仕掛けの創世神話   作:吉壱

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八話

 僕はこの惑星で起こっている事をただ眺める。

 

 

 

幸い僕達がいる地域は不自然なほど静かだ。

 

 

 

おそらくその理由は解放軍の狙いが僕の確保で、それを企業に悟られないようにしているのだろう。

 

 

 

最も此処だけ戦場になっていなければ、企業も此処に何かあると思うはずだ。

 

 

 

まぁ当初の予定どうりだったら、僕は解放軍と一緒にこの惑星から脱出していただろうが。

 

 

 

そうならなかった以上、この戦闘はまだ続いていくだろう。

 

 

 

だからといって今の僕に出来る事はなく、ただただ戦火に巻き込まれ人が死んでいくのを眺めるしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな時に弥奈が、

 

 

 

 

 

 「お爺ちゃん上世の機械人の修理はまだかかるの?。」

 

 

 

 

 

そう忠志さんに聞いた。

 

 

 

 

 

 「弥奈も知っているだろう。 機械人に使われているハガタメタルは頑丈で、そう簡単に加工できんのだ。」

 

 

 

 

 

 「ハガタメタルはハガタメタル以外の物では加工しづらいし、コクピットに使われているハガタメタル改に関しては、ハガタメタル以外では傷一つ、つかず加工もできんのだ。」

 

 

 

 

 

 「最も今回はコクピットは修理する必要がないから関係ないがな。」

 

 

 

 

 

 「それでも機械人を修理するのは時間が掛かる。」

 

 

 

 

 

 「しかも今回の銃痕はハガタメタルの弾丸でつけりているし、何より装甲も強化も何もない初期の機械人だから傷が深く修理に手間取る。」

 

 

 

 

 

 「それに足の関節が逝っちまってるからな。 これでよく動かす事が出来たもんだ。」

 

 

 

 

 

 「お前さんの操縦技術のおかげだな。」

 

 

 

 

 

話しの間に僕を褒めてくれた。

 

 

 

 

 

 「それなら機械人の上半身と下半身を、そっくりそのまま新しいのに変えたりしたほうがいいのでは?。」

 

 

 

 

 

 「コクピットは無傷なのだし。」

 

 

 

 

 

弥奈が聞いた事は僕も思っていた。

 

 

 

それを忠志さんは、

 

 

 

 

 

 「今やっている修理がそれだ。」

 

 

 

 

 

 「普通はそっくりそのまま新しく入れ替える事なんてせずに修理するのが良いんだが、今回は損傷が激しい、修理し直すよりも入れ替えるほうが時間も金もかからん。」

 

 

 

 

 

 「これが使い古された機械人なら修理し直してたが、幸いお前さんは機械人が届いたばかりで新しい、コクピット以外変えてしまっても問題無い。」

 

 

 

 

 

 「今は上半身と下半身をコクピットから取って新しい物に交換している所だ。」

 

 

 

 

 

 「もう少しで交換し終える、そしたらコクピットと接続して動かす事が可能になる。」

 

 

 

 

 

忠志さんの説明を聞いて僕と弥奈は納得した。

 

 

 

おそらく企業の機械人がこの修理屋に来るよりも速く僕の機械人が直るだろう。

 

 

 

君世が、

 

 

 

 

 

 「若様。 機械人が直ったら戦場に向かうのかぇ~?。」

 

 

 

 

 

そう聞いてきたが僕は首を横に振り、企業の機械人と合流して今後の立ち振舞を考えると言った。

 

 

 

 

 

 「若様は以外と冷静なのじゃ。 故郷が若様のせいで戦場になっておるのだから、戦闘を止めに行くかと思ったのじゃ。」

 

 

 

 

 

僕はそれに対して、僕のせいかも知れないが僕が出て行った所で戦場は混沌と化すだけだと思った。

 

 

 

 

 

実際僕が解放軍と共にこの惑星から脱出していたら、そこで解放軍の目的は果たされる事になっていて、此処まで戦火が広がる事は無かった。

 

 

 

だから、今死んでいく人達は僕が殺した訳だ。

 

 

 

その事に対して僕は余り罪悪感を感じ無かった。

 

 

 

僕は僕と君世の生存が何よりも大事だから、それ以外は考えてないし何も思ってない。

 

 

 

これからも僕は僕と君世が生存する為に人を殺していく。

 

 

 

そこに微塵も揺らぎは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機械人達は惑星内を我が物顔で蹂躙していく。

 

 

 

倒れた機械人も数多くその中には何故戦っているか分からない人達がいる事だろう。

 

 

 

すでに此処以外は戦場になって無い所など無いくらいに機械人が戦闘している。

 

 

 

此処は相変わらず被害は無い。

 

 

 

それが幼馴染家族にとってこの惑星が戦場になっている事を、現実として受け止める事が出来無い様にしているのかも知れない。

 

 

 

現に幼馴染家族は呑気に会話をしている。

 

 

 

その様子を見た君世は、

 

 

 

 

 

 「現実を理解出来無い愚か者達なのじゃ。」

 

 

 

 

 

 「若様。ああいった輩と付き合うのは良く無いのじゃ。」

 

 

 

 

 

 「此処で縁を切っといたほうが良いのじゃ。」

 

 

 

 

 

君世は僕にそう言って来たが、僕はせめてこの惑星から脱出するまでは面倒を見る事にしている。

 

 

 

おそらくこの惑星タマも惑星シクサの様に消失するだろうから。

 

 

 

そこで弥奈が話しかけて来た。

 

 

 

 

 

 「上世はそのアンドロイドみたいな人がタイプなのかしら?。」

 

 

 

 

 

どう考えても今聴くことじゃ無い。

 

 

 

僕は何を言っているのか聞き返そうとしたら君世が、

 

 

 

 

 

 「若様は妾がタイプなのじゃ。 お主の様にスレンダーな奴はタイプじゃ無いのじゃ。」

 

 

 

 

 

君世が何故か上機嫌に答えた。

 

 

 

それに対して弥奈は、

 

 

 

 

 

 「貴女には聴いて無いわ。 それに若様って何?、上世は自分のアンドロイドに若様呼びさせてるの?。」

 

 

 

 

 

 「嫉妬とは醜いのじゃ。 それに若様は若様なのじゃ。」

 

 

 

 

 

 「妾は若様の物なのじゃ。」

 

 

 

 

 

 「お主は若様の物じゃ無いのじゃ。」

 

 

 

 

 

 「その時点でお主は妾と戦う土俵に入ってすらおらぬのじゃ。」

 

 

 

 

 

 「分かったなら此処から去れ。」

 

 

 

 

 

 「どうしてアンドロイドである貴女の言う事を聞かないといけないの?。」

 

 

 

 

 

 「嫉妬も戦う気も無い、貴女はアンドロイド。それ以上でもそれ以下でも無い。」

 

 

 

 

 

 「貴女はアンドロイドのくせに出しゃばりすぎよ。 此処から去るのは貴女の方だわ。」

 

 

 

 

 

 2人共言い合っているが、僕は巻き込まれたくないから、忠志さんの元に向かう。

 

 

 

 

 

 「アンドロイドだから何なのじゃ?。 若様に必要とされているのは妾じゃ。」

 

 

 

 

 

 「それは機械人を動かす為でしょう。 貴女はアンドロイド。上世の子供も産め無いし、私の方が上世と付き合いが長く上世の事を良く知っているわ。」

 

 

 

 

 

 「付き合いが長い。本当にそうと思っているならおめでたい奴なのじゃ。 それに子供はいずれ出来るのじゃ。」

 

 

 

 

 

 「それはどう言う事?。 それにアンドロイドと子供を作る事は禁止されていて、そういう変更は出来無い筈よ。」

 

 

 

 

 

 「お主には関係ないのじゃ。 これは若様と妾の事なのじゃ。」

 

 

 

 

 

 「だからどう言う事なのかしら?。教えてくれないの?。」

 

 

 

 

 

 「 」

 

 

 

 

 

 「そう話したくないって事かしら。 それならいいわよ。 私は私のしたい様にするから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2人の話し合いは終わったのか君世がこちらに来る。

 

 

 

君世が此方に来る間に僕の機械人は修理完了したからそれを君世に伝える。

 

 

 

 

 

 「なかなか仕事が早いのじゃ。」

 

 

 

 

 

 「おお。 地凪の連中が来るまでには終わらせたぜ。」

 

 

 

 

 

忠志さん達には感謝している。

 

 

 

こんなに早い修理は大変だっただろうに。

 

 

 

僕は修理し終わった機械人を眺める。

 

 

 

 

 

 「若様嬉しそうなのじゃ。 やはり若様は機械人が好きなのかぇ~?。」

 

 

 

 

 

僕は頷く。

 

 

 

それに対して君世は嬉しそうに笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから暫くしたら地凪の機械人と思われる団体が修理屋に来た。

 

 

 

数は5人、全員が戦闘用の装甲を着けていて後ろには、機械人用の装備や装甲を積んでいるだろう装甲車が追従していた。

 

 

 

それを見て幼馴染家族は息を呑む。

 

 

 

やっと戦闘していると気付いたのだろう。

 

 

 

当事者じゃないとしても、気づくのが遅い。

 

 

 

まぁそんな事はどうでもいい。

 

 

 

リーダーらしき機械人が喋りだす。

 

 

 

 

 

 『保護要請を聴いて来た地凪所属の荒瀬だ。』

 

 

 

 

 

 『解放軍の幹部を倒した者は前に。』

 

 

 

 

 

そう言われて僕は前に出る。

 

 

 

 

 

 『確認した。 貴方が上世くんでいいかな?。』

 

 

 

 

 

僕は頷く。

 

 

 

 

 

 『宜しい。 我々は貴方と貴方のアンドロイドを保護します。』

 

 

 

 

 

荒瀬さんがそう言った後君世が僕の隣りに来た。

 

 

 

 

 

 『それ以外は此処で死んでもらいます。』

 

 

 

 

 

僕はそれを聴いてそこまでするかと思った。

 

 

 

幼馴染家族と修理士さん達は、何を言われたか理解出来無いのか呆然としていてそんな中、忠志さんが、

 

 

 

 

 

 「待ってくれ!。 どう言う事だそれは。 儂達は地凪所属の修理士だぞ!。 それに此処にいるのは儂の家族で、解放軍じゃない!。」

 

 

 

 

 

 『貴方達が地凪所属なのは知っています。』

 

 

 

 

 

 「だったらなん」

 

 

 

 

 

 『貴方達が思っているより上世くんの存在は大きい。 訓練所の敵機械人を倒したという事は。 それを知っている人は誰だろうと殺していく。 上世くんの情報がこれ以上広がる前に。』

 

 

 

 

 

 『すでに解放軍は上世くんの事を知っている。これはもうどうしようも無い。 それ以外の情報源は消しておかねば。 貴方達から別の企業に上世くんの情報が知られたらまたそこで戦闘が起こる。 上世くんがこちらに付いた以上、解放軍や他の企業は何としても上世くんを奪おうとするでしょうし。』

 

 

 

 

 

 『それに知り合いが人質などに取られ上世くんが解放軍や他の企業に行く事は防がねば。』

 

 

 

 

 

 『その為には人質になりそうな貴方達は邪魔です。』

 

 

 

 

 

 『以上です。』

 

 

 

 

 

そう言って地凪の機械人達は銃口を僕と君世以外に向けた。

 

 

 

 

 

 「儂達は上世の情報を一切他に漏らさない!。 地凪が儂達も保護してくれたらいいじゃないか!。」

 

 

 

 

 

 『貴方達は自分達が保護されるに値する人材だと言う事ですか?。』

 

 

 

 

 

 『貴方達の代わりなんて幾らでもいます。もっと優秀な人達が。』

 

 

 

 

 

 『それに上世くんは解放軍の数人を倒し、その幹部を生け捕りにしてそれを手土産として我々に保護して貰おうという事をしているが、貴方達はタダで助けて貰おうという事ですか?。』

 

 

 

 

 

 「それは。 そうかもしれないが、地凪所属の儂達を殺していくのはやり過ぎだろ!。」

 

 

 

 

 

 『理解して貰おうとは思ってない。 理由は先程言いましたし、納得出来無いかもしれないが、これは決定事項です。』

 

 

 

 

 

依然銃口は向いたまま。

 

 

 

忠志さんは荒瀬さんに何を言っても聞き入れてくれないことを悟ったのか、僕に縋って来た。

 

 

 

 

 

 「なぁお前さんあの奴等に言ってやってくれ!。

 

儂達は情報を漏らさないし人質にもならないって!。儂達がお前さんには必要だって!。」

 

 

 

 

 

 『貴方達は人質にならないと言っていますが、自分達の身を自分で守れない貴方達が言っても無意味です。 それに上世くんが貴方達を必要としているなら尚更殺していかないと。 これは上世くんの為でもあります。』

 

 

 

 

 

荒瀬さんは僕が何を言っても聞き入れてくれそうに無い。

 

 

 

それを知った忠志さんは絶望して崩れ落ちる。

 

 

 

僕は僕と君世の生存が1番でそれ以外はどうでもいい。

 

 

 

僕と君世がいればそれでいい。

 

 

 

だがこの惑星脱出までは面倒を見ると思った手前、此処で見捨てるわけにはいかないが、いい案が思い浮かばない。

 

 

 

僕は君世を見た。

 

 

 

すると君世は微笑んでくれて荒瀬さんを説得し始めた。

 

 

 

 

 

 「若様がお主らを裏切らぬ保証は無いのじゃ。 若様は若様の思いで動くのじゃ。 それなら此奴達を若様に言う事をきかす人質としてお主らが持っておけばいいのじゃ。」

 

 

 

 

 

君世はそんな事を言った。

 

 

 

僕はなるほどと思った。

 

 

 

それなら此処にいる皆は今殺されないで済む。

 

 

 

荒瀬さんが応えた。

 

 

 

 

 

 『なるほど。私達が彼等を人質として持っておけば上世くんは我々の言う事を聴くという事ですか。』

 

 

 

 

 

 『それならばいいでしょう。此処にいる皆さんを人質として地凪が持っておきます。』

 

 

 

 

 

 「儂達は殺されずに済むのか?!。」

 

 

 

 

 

 『ええ。人質として有用な内は我々が保護します。』

 

 

 

 

 

 「良かった。儂達は助かるのか。」

 

 

 

 

 

忠志さんがそう言っているが別に助かって無い。

 

 

 

人質として価値が無くなれば死ぬのだ。

 

 

 

それを決めるのは僕だ。

 

 

 

僕が地凪の意に背いた時に地凪は皆を殺すだろう。

 

 

 

最もそんな事が起きた時は地凪には所属して無いだろうが。

 

 

 

話しが一段落して一息つく。

 

 

 

これから始まるのだ僕達が生き延びる戦いが。

 

 

 

 

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