神様遊戯世界   作:吉壱

3 / 6
三話

 何も無い大地をただ歩く。ステータスを開くと現実世界の時間が表示されていて、このゲームのサービス開始が2125年1月1日0時0分、歩き始めが1月1日2時03分、今4時51分、約3時間同じ方向に歩き続けているが視界は変わらず大地のみ。流石に飽きてきたから何か変化が欲しい。空の天気も変わらず太陽は見当たらないが、夕方ぐらいの風景から変わらない。もしかしてずっとこのままの風景なのだろうか?。でもここで歩みを止める訳にはいかない。僕は歩き続けた。

 

 

 あれから更に3時間経った。そこでようやく人間を見つける事が出来た。一人しかいないが僕はスキップしながら声を掛けに行く。

 

 

 「始めまして。僕の神名は天朝別夜(あまのあさことよる)。朝と夜の神様さ。」

 

 

 そう言って話しかけたが返事が無い。それどころか不審者を観るような目で観てきた。僕はその視線にビックリしながら、僕は神様に成ったんだと意気込みながら話し掛ける。

 

 

 「あの僕は「しんめいってなに?あさとよるそしてかみさまってなに?」

 

 

 僕は話しかけてくれた事よりもその内容に絶句した。まさかそんな事は無いはずだと思いながら声を掛ける。

 

 

 「神名は僕の神様としての個体名だよ。君にもあるでしょう。君の個体名が。朝は朝、夜は夜で神様は君達よりも強大な力を持っている存在だよ。」

 

 

 そう言って反応を待っていると再び絶句する事になった。

 

 

 「なまえ?こたいめい?そんなものない。あさなんか、よるなんかわからない。かみさまなんかそんなものいない。いるのはわたしたちとえんしょうさまだけ。」

 

 

 「あなたおかしい。みためきたない。」

 

 

 僕は頭を抱える。キャラクリ時に文明レベルは古代ですと書いてあったがここまでとは。名前も無い朝と夜も分からない、もしかしてさっきから変わらずに夕方ぐらいの時間で止まっている気がするから朝と夜は存在しない?。それどころか神様という存在いや概念自体無いのかもしれない。これから神様とか覚えて貰うと思うと気が遠くなる。なにもここまで古代じゃなくてもいいだろう。こっからどうする。ていうか、

 

 

 「僕がおかしいって!!それどころか汚い!!。僕はおかしくない!!。それに僕の肌色は黄金!金ピカ!ゴールデン!神々しいでしょう。断じて汚れている訳じゃない。」

 

 

 僕は捲し立てる。すると目の前の人間はよけいに不審者を観るような目で観てきた。僕は大人の女性からそんな目で観られて泣きそうになった。気を取り直して僕は、

 

 

 「君だと埒が明かないから他の人間呼んで来て。」

 

 

 そう言ってみたが、

 

 

 「あなたみたいなのわたしたちのだれともあわせない。」

 

 

 そう言われてしまった。

 

 

 すると目の前の人間が、

 

 

 「えんしょうさまならあなたみたいなのもたおしてくださる。だからえんしょうさまのもとにあんないする。」

 

 

 おっと雲行きが怪しくなってきたぞ。ここの人間達はえんしょうさまと言うのを信仰しているのだろうか?信仰とか分からなそうだったけどプレイヤーならそこら辺教え込んだのかもしれない。でもこの短時間であり得るか?もしかしてチュートリアルに書いてあった神様に近しい存在かも。まぁともかく案内してくれるなら会いに行こう。えんしょうさまとやらに。

 

 

 人間の女性に案内されながら大地を歩く。名前が無いから呼びづらい。なんて呼べばいいか。しばらくお互いに無言で歩いていると前方にちらほら人間が見える。中には手を振っている者もいる。その内の一人が僕達の方に来る。男性だ。

 

 

 「おい。そいつはなんだ。」

 

 

 「えんしょうさまにささげるにえよ。」

 

 

 「そうか。よかった。さいきんささげてないからな。」

 

 

 「ちょっと待った!?贄って何?え、僕捧げられるの。えんしょうさま生贄求めるタイプ!?それは良く無い。僕死にたくない。ていうか生贄とか最近とかは分かるのかどうなってんの?!。」

 

 

 「あなたうるさい。」

 

 

 「おいみんな。こいつえんしょうさまへのにえだ。あばれないうちにえんしょうさまのもとへはこぼう。」

 

 

 そう男性が声をみんなにかけるとみんな血走った目で僕を見る。そして近づいて来る。僕はそいつらに向かって睨みつける。するとみんな止まった。何やら失禁している者もいる。僕を案内してくれた女性と声をかけてきた男性は僕の顔を見てないからか、何が起こったかまったく分かっていなかった。

 

 

 「おいみんなどうした。」

 

 

 男性が声をかけるが反応無し。男性は更に声をかけようとしたが僕が遮った。

 

 

 「そんな事よりもさっさと僕をえんしょうさまの所に案内してくれる。」

 

 

 そう言って話しかけると男性はそうだったと言って僕を案内してくれる。

 

 

 「おまえいいこころがけだ。えんしょうさまもきっとよろこぶ。」

 

 

 そう言って嬉しそうにする男性。僕はなにも言わずただついて行った。

 

 

 しばらく歩くと大きな洞窟が見えてきた。この何も無い大地にポツンとあって違和感がある。するとそこで男性が、

 

 

 「えんしょうさまはなかにおられる。さっさとにえとなってわれらのためになれ。」

 

 

 そう言って背中を蹴られる。こいつ人間として終わってるなと思った。まぁNPC相手に怒ったりしないがな今は。僕はえんしょうさまとやらに会いに行く。道中色々考えたがプレイヤーという事は無いだろう。この短時間でここまで信仰を集めるのは厳しい気がする。えんしょうさまはもっと前から信仰されている様な気がするしな。

 

 

 僕は一人で洞窟内に入る。入った瞬間全身に怖気が走る。足が竦む。僕は一瞬の内にこの先にいる者は格上だと認識した。まぁでもゲームだし死んでも大丈夫だから気楽に行こうそう思う事にする。じゃないと足が動かせないから。このリアル感本当に僕はこのゲームの中で生きている様な気さえする。僕は歩き続けた。

 

 

 しばらく歩くと大きなそれは大きな空間内に一体の龍がいた。空間がデカ過ぎるせいで龍が小さく見えてしまうがかなり龍も大きい。ここなら龍も自由に動けるだろう。龍はとぐろを巻いて寝ていた。これはこんな序盤に会っていい存在じゃないだろ。ラスボスだよラスボス。どうなってんのこのゲーム。バランスおかしくない。

 

 

 龍は紅い色をしていて角が御立派だった。鱗硬そうだと思った。まぁ眺めるだけだとなにも進まないから僕は声をかける。

 

 

 「えんしょうさま起きてください。」

 

 

 そう言って見るとえんしょうさまの目が開く。その目が僕を捉える。あぁ蛇に睨まれた蛙とはこの事かと思った。

 

 

 えんしょうさまが喋る。

 

 

 「ちゃんと生贄を持って来たか。ご苦労。約束通り貴様らに食物をやり、敵対存在殺してくれよう。」

 

 

 何かいきなり事情を説明してくれた。ありがたい。なるほど、生贄を捧げる事で利益を得ていたのか。納得納得。でもあの態度は許さん。

 

 

 「始めましてえんしょうさま。僕はこの世界に降り立った神様の一柱。神名天朝別夜。朝と夜の神様さ。よろしく。」

 

 

 自己紹介をした瞬間えんしょうさまが怒髪天を貫く。僕は身動が取れなくなる。

 

 

 「神、神だと!!おのれ異界の侵略者が!!この世界は貴様らの遊び場ではない!!今ここで消し去ってくれよう!!」

 

 

 そう言って吼えた後、僕に尾を叩きつけた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。