証拠がなければ捕まらないよね   作:アパオシャ

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第三話

Side 喰種

 

まずいまずいまずい!

 

喰種の少女はこの街に来て以来、最大級に焦っていた。

 

喰種の肉体は拳銃程度の豆鉄砲では傷一つつかないのだが、それがばれてしまってはよろしくない。

 

よし、口封じだな。

 

そう決めた彼女は痛みで動けない、瀕死のふりをして男たちが油断するのを待ち、共喰いで得た羽赫をいつでも展開できるようにする。

もちろん、打たれた胸を押さえて…って

 

 

「あああぁぁぁ!!!」

 

コートの胸部分に仕舞っていた財布に銃弾が突き刺さっていたのをその鋭い触覚で認識してしまった。

中に詰まっていた諭吉さん24枚とその他紙幣に一部小銭がただのごみに変わってしまった。

 

それはつまり、非常用資金が枯渇したことに加え、成金喰種の夢、高級コーヒー豆大人買いが遠のいたことを意味する。

 

起こった悲劇に悲しみ、どうしてこんな目にと嘆き、こいつらが悪いと怒りが沸き上がり始め、血祭りにあげてやる と、何故か転生後もここ東都でも有名な某ネタを再生しながら体を起こすと、髭の男がこちらに突っ込んできた。

 

胸元の服を剝いで無事を確認しようとしているようで、私女ぞ?と思いつつも必死でこちらを心配するその様子をみて殺意が霧散していく。

 

とはいえ、思うところはある。ちょうど手元に、いいものが転がっている。

 

 

Side バーボン

 

扉を開けた先の光景の理解に時間がかかったが、なんとなくわかった。

 

スコッチとライがもみ合いになり、銃を落としてしまった。そしてなぜかたまたまそこにいた不審者JCに暴発した弾が当たってしまったという事だろう。

 

幸いなことに、彼女は大きな叫び声をあげられる程度には軽傷らしい。

 

この状況に対応を決めかねているのか、少女の安否を確認しに飛び出したスコッチをライがどうこうする様子はない。

 

ライが何か行動を起こしても即座に対応できるように身構えつつ、成り行きを見守っていると、少女が行動を起こした。

 

「うふふふふ」

 

彼女の右手には、いつの間にか銃が握られており、その銃口はスコッチに向けられていた。

 

とっさに俺も銃を抜き、少女に向けたが体の位置を入れ替えられ、スコッチを盾にされてしまった。

こうなってしまっては仕方ない。下手に刺激しないよう銃を床に置く。

 

「うふふふふ」

 

銃をスコッチに向けたまま、左手を振っている。

その手には、二つ折りの財布が握られており、深々と突き刺さった銃弾を強調しているようだった。

 

彼女が無事だった理由は分かった。しかしなぜこんなことをしているんだってまさか?

 

「言わなくても、わかるよね?」

 

仮面に覆われていない口元は明らかに作り笑いといった感じで歪んでおり、内心では怒っているのかピクピクと痙攣している。

 

なんとなくあいつも察したのだろう。スコッチが顔を真っ青で作り笑いしつつ、財布を差し出す。

 

それを見た少女は頷き、財布をしまい、口と手だけで器用に手袋をつけ財布を回収。中身を確認すると不満げな顔(口元のみ)をし、今度はライに近づいていく。

 

その道中、さりげなく僕の銃を遠くに蹴り飛ばしつつ、今度は同じようにライから財布を徴収している。

 

その隙をついてスコッチと合流することはできた。ここからどう立ち回るか考えていると、今度は僕のところまでやってきて、スコッチに剥かれ乱れた衣服を気にもせず左手を差し出す。

 

「…僕も?」

 

彼女の人となりの調査を兼ねて質問をする。僕は関係ないよね?という意味を込めて。

 

「彼と仲、良いんでしょ?」

 

合流したせいで仲間認定をされてしまったようだ。大したことはわからなかったが機嫌を損ねる前に財布を渡すと、満足したのか財布の中身をライの財布に移し、クレジットカードを返してきた。

 

このまま使ってくれれば足取りを追えると思っていただけに残念だ。

 

そして少女は銃を脇に挟んだまま給水タンクの裏に行ったかと思うと、そこからガソリンの匂いが漂い火の手が上がった。

 

慌てて現場を確認すると、どうやら荷物に火をつけ、拠点か何かの証拠を消したようだ。

 

大きなリュックにスーツケースを携えた少女は出口に向かっていく。

 

「質問していいか?君は何者だ?なんでそんな仮面を被っているんだ?」

 

なぜ刺激しかねないことをする!質問をしたライに憤慨しつつも、同じ疑問を抱えている僕としても知りたいことだった。

 

「家出中の不良少女かな。仮面を持っているのに銃持ってる危険人物に素顔を見せると思う?」

 

扉を開け、振り返りつつそう答えた少女は、スーツケースの中身をばらまき、火をつけ去っていった。

 

これにもガソリンをかけていたようで、火の手が収まるまで彼女を追うのは不可能だ。

 

それよりも自分たちの脱出について考えなくてはいけない。屋上から火が出ていると今頃通報が入っているだろう。それまでにどうにかして脱出しないといけない。

 

スコッチの安全確保にライの対処。やることが多くて嫌になる。

 

それでもやらなくてはならない。友のため、そしてこの国のために。




スコッチ生存ルートです。なんやかんや三人は脱出し、それぞれの所属を明かした上でうまいこと誤魔化し、良い感じにしました。

具体的な内容は私の頭には出力できない!

仮にもし感想でいい感じのアイデアなどがあればパクッて追記するかもしれません。
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