仮面ライダーダグバ   作:ボルメテウスさん

20 / 79
連携

「覚悟しろ!」

 

サイのグロンギが唾棄するように言った。その太い首筋に血管が浮き上がる。筋肉が盛り上がり、岩のような質感を帯びていった。

 

先陣を切ったのはサイだった。

 

大地を蹴る音が砲撃の如く響き、次の瞬間には俺の目前。

 

その剛腕が風を斬り裂く。

 

「ぐぅっ!」

 

左腕でガードするが、鈍器で殴られたような衝撃が肩から全身へ走る。衝撃で地面が陥没した。

 

(このパワー……桁違いだ!)

 

続いてイカグロンギが後方から参戦。口吻が筒状に伸び、濁った粘液が噴射された!

 

「危ない!」

 

咄嗟にバックステップ。だが逃げ場は少ない。背後には民家の塀。挟まれた。

 

粘液が塀に命中し白煙を上げる。強酸性だと理解した瞬間、タツノオトシゴグロンギの両腕がムチのようにしなった。

 

ビュオン!

 

鞭が空気を裂く音。右腿を掠めた瞬間、灼熱のような痛みが走る。

 

「ッ!」

 

鮮血が跳ねる。防御に遅れた一撃が確実にダメージを与えてきた。

 

(連携が巧み過ぎる……!)

 

サイが力で牽制し、イカが中距離で範囲攻撃、タツノオトシゴが死角から追撃。三体の役割分担が完璧だった。

 

「逃げ場はないぞ!」

 

サイの嘲弄と共に再び突進。

 

今度は真正面からの攻撃ではなく、巨体を生かした体当たり。回避困難な質量攻撃だ。

 

「くそっ!」

 

右に転がって躱すが、そこへタツノオトシゴの鞭が追いかけてくる。鞭は鋭利な刃物のようで、転がる地面が切り裂かれた。

 

「うあっ!」

 

右肩を浅く斬られる。装甲の隙間から血が滲んだ。

 

(近づく隙がない……!)

 

イカが再び口吻を膨らませる。狙いは無防備な背面か。

 

サイが前方から進軍。タツノオトシゴが右側を封鎖。

 

完全に包囲されていた。

 

「終わりだ……!」

 

サイの剛腕が頭上から振り下ろされる。回避不能なタイミング。

 

イカの粘液噴射が背面から迫る。

 

(このままじゃ……!)

 

絶体絶命と思われたその時──

 

その轟音が聞こえた時、俺の脳裏には死という言葉が浮かんでいた。

 

サイグロンギの岩石のような拳が目の前に迫り、背後からはイカグロンギの高温体液が迫ってくる。完全な袋小路。避けられない。

 

(クソッ……ここまでなのか……!)

 

歯を食いしばった瞬間だった。

 

ブオンッ──!!

 

腹の底を揺さぶるようなエンジン音。

 

そして。

 

「トウッ!!」

 

風を切る声と共に、真紅の閃光が視界を横切った。

 

ガギィィン!!

 

金属が激突するような衝撃音。

 

サイの拳が真紅の戦士によって止められていた。いや、受け流されたというべきか。

 

その男の姿を見て息を呑んだ。

 

それは紛れもなく──

 

「間に合った」

 

「っ」

 

クウガが、そこにいた。

 

「まだ、いけるか?」

 

その問いかけに、俺もまた頷く。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。