私たち……クランバトル倶楽部、特殊部隊ハウンズのメンバーの過去の話をしよう。
ハウンズのみんなは協調性に長けていた。
『おーい!たかれそうなカモがいたから襲撃しようぜー!おまえとおまえと、あれ?おまえ名前なんだっけ?まっ、いくぞー!』
『よし!この依頼にいくぞー!文句ないか?あ、おまえも来いよ!』
『おおー!お前も一緒にいこうぜー!』
これだけなら、素晴らしいように聞こえるかもしれない、でも悪く言えばそれは
自分の意思が持てず回りに流され、その流れに身を任せる。
例え、その仕事や攻撃に敗けを感じていたとしても私たちはその場にいた。
何も意見を持たず、誰かの指示に従い流れるように生きてきた私たちは、気が付けば一人になっていた。
全員が別々のヘルメット団に所属していた。
一人は風紀委員との戦闘で捕まりそうな中
一人は正義実現委員会との戦闘後、何故か一人だけ釈放され、何をすれば良いのか分からず彷徨い悪い大人に搾取され、使い潰されブラックマーケットへと捨てられた。
一人は砂漠でのアビドス高等学校の襲撃に失敗し、武器も装備も失いブラックマーケットへと逃げ延びた。
一人は仲間から裏切られ、ヘルメット団から抜けたがいく場所も分からず彷徨いブラックマーケットに来た。
一人は気が付いたときには仲間も誰も居ない廃墟に一人でいた、何をすれば良いのか、どう生きていけば良いのか分からない、そうして彷徨うようにブラックマーケットへと辿り着いた。
そんな全員が、たまたまブラックマーケットの1ヵ所にある路地裏へと集まり誰が提案したのか、それとも気がつけばなのかワンワンヘルメット団という名前でみんなで生活していた。
何をすれば生きられるのか、いくらの報酬額が相場なのか分からず結局はみんなが安いお金で働かされ、武器も装備も全てを失い気がつけば食べるものがないまま、何日も過ごしていた。
全員が自分に指示をしてくれる人を求めていた、やるべきことを示してくれる人を待っていた。
全員が、ヘルメット団で名前すら覚えて貰えない、そんな私たちに果たして意味があるのだろうか?
誰にも知られず、誰にも覚えられず、こうして意味もない私たちが消えていく。
ガサっ
路地裏の入り口から足音が聞こえ、その場にいた全員が視線だけを向ける。
そこには、真っ白なスーツに青いネクタイが特徴的な大人らしき男性がいた。
本来ならば急に現れた不審者に警戒をしなければならないはずなのだが、何故か目を離せなかった。
「お前らは……居場所がないのか」
そんな男性の声に誰も答えない。
誰も、口を開くことすら出来ない程に消耗していたし希望を見ていなかたった。
どうせ、今までみた大人のように通りすぎるとそう思っていた。
「お前に意味を与えてやる」
その大人の言葉は、私たちの心の奥底へと入り込んだ。気が付けば、私たち全員がその男性を見つめていた。
今まで回りに流され、流されるがままに生きてきた名前すら覚えて貰えないような意味のない私たちに、
そうしてあの人、会長に拾われた私たちは、こうして覚えられる名前と生きている意味を貰って生きている。
こうして私たちは、わんわんヘルメット団からクランバトル倶楽部、特殊部隊ハウンズとなった。
私たちはあの人に生きる意味を貰った。
だから私たちは会長のために生きる、会長の命令だけを遂行する。あの人に与えられたこの命は、この命の意味は全てあの人のために使うと決めたから。
ご愛読ありがとうございます
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お待ちしています。
さて、ケイが明るく話すのは前回で最後だった為、はっちゃけさせたと記載しました。
皆さん、心の在庫はありますか?