博麗神社
「霊夢さん!起きてください!」
霊夢を呼びに行った大妖精が寝ている霊夢に叫ぶ
「……何よぉ……渡したい物って今なのぉ?眠いんだから後にして……」
再び眠りに着こうとする霊夢にまた叫んだ
「起きてください!ナイトメアが出たんです!」
霊夢を揺り動かしながら伝える
「……ナイトメアが?……バーンは?」
ナイトメアと聞いて目が覚めた霊夢はナイトメアを単独で破壊出来るバーンの今を尋ねた
「バーンさんは地霊殿に行って帰って来ないんです!今は霊夢さんしか頼れる人が居ません!お願いです早く!」
「……わかったわ」
大妖精の必死の訴えにすぐに着替えを始めた霊夢は着替えの後、大妖精と共に人里へ向かった
地霊殿
「さっきからずっと黙ったままですが寝られた訳ではないでしょう?」
目を閉じ沈黙を保つバーンにさとりは話し掛けた
「……心を読めばよかろう」
動きを封じられて約1時間、さとりの問いにようやくバーンが口を開いた
「……どうやったか知りませんが貴方は既に心を閉ざしています、私にも読む事は出来ません、今……何をお考えですか?」
「……」
さとりにも読む事は出来ない、それを聞いてバーンは口許を緩めた後、また沈黙に戻った
隠された人里の周辺
ナイトメアは暴れまわっていた、弾幕をものともせず攻撃を繰り返す、一定以上の距離を空けて攻撃してくる少女達を追い回しながら
「クソッ!やっぱり効きやがらねぇ!霊夢はまだか!?」
攻撃を回避しながら魔理沙が叫んだ、一応ありとあらゆる攻撃を試してみた、修理されたミニ八卦炉によるマスタースパークも含めナイトメアにはどれも効かなかった
「霊夢が博麗神社に戻ってるならもう来る筈だ!持ちこたえろ!」
応戦しながら妹紅が叫ぶ
「わかってるわよ!」
チルノも叫ぶ
「妹紅!そいつを遠ざけられないか!?地形が変わってしまう!」
1歩退いた場所で様子を見ていた慧音が叫んだ、暴れまわるナイトメアと弾幕のせいで人里周辺の地形が変わり始めていた
「わかった慧音!みんな!無縁塚の方面に誘導するぞ!あそこの手前には広い平地がある!」
「それは良いけど霊夢はどうするんだ!」
妹紅の提案に魔理沙が問う
「霊夢には私が伝える!」
慧音が口を挟む
「里を隠している以上あまり無理は出来ない!すまないがナイトメアは任せる!」
「わかった!行くぞチルノ!」
「わかったわ!……コラァ!あたいに着いてきなさい!」
弾幕を放ちながらナイトメアを刺激し誘導していく、その間にもナイトメアの攻撃は止まない、3人は慎重に誘導を行っていった
守矢神社
「……」
神社の外で神奈子と諏訪子は陽が射し始めた幻想郷を見ていた、二人は何も話さずただ苦い顔で睨む
「神奈子様、諏訪子様、起きておられたのですか?」
早朝の掃除の為に起きてきた早苗が二人に気付き話しかけた
「早苗……」
振り向いた二人は早苗を見るとまた幻想郷の景色を睨む
「……どうかされたんですか?」
二人の雰囲気にいつもと違うものを感じた早苗は二人に聞いた
「何か……とても嫌な予感がするのよ」
背中越しに神奈子が話す
「私達が神だからかな、さっきからずっと予感が消えないの」
諏訪子が話す
「嫌な予感って……異変ですか?」
「おそらくね……早苗、いつでも戦える様にしときなさい、異変はいつ来るかわからないからね」
「はい!」
元気よく返事をするが二人の雰囲気は変わらない、その姿を見ている内に早苗も不安になってきた
(お二人がここまで思い詰めるなんて……何故だろう……私まで凄く不安になってきた……)
二人の背中を見つめながら早苗は何事も無いようにと強く願った
白玉楼
「おはようございます幽々子様、今日はお早いのですね」
起きた妖夢が部屋に居た幽々子に挨拶する、幽々子は暗い顔をしながら妖夢に顔を向けた
「……寝てないのよ……寝れなくてね」
「お体に障りますよ、どうしたんですか?」
妖夢の気遣いにぎこちない笑顔を見せた幽々子
「ねぇ妖夢……もし幻想郷に異変が起きたら貴方は幻想郷の為に戦ってね」
「……どうしたんですか急に……」
突然の言葉と幽々子の表情に妖夢は心配気に尋ねる
「言葉の通りよ……幻想郷に危機が訪れたら救いに行って欲しいの」
「白玉楼……幽々子様の護衛はどうするんですか?」
「幻想郷に比べたら白玉楼なんてただの家よ、重要じゃ無いわ、私も同じ……それより妖夢、約束してくれるかしら?」
「……」
妖夢は考えた、いつもの幽々子のお願いならば空返事をしながら受けただろう、だが幽々子の表情がそれがいつもの軽いお願いでは無い事を妖夢に悟らせる、いつものような空返事は出来ない、だから妖夢は考えた
「……わかりました、幽々子様がそれをお望みなら私は幽々子様の剣として幻想郷を敵から守ります」
真っ直ぐ幽々子を見つめ約束する、その言葉に嘘も動揺も無い、ただ主の命に従う武人がそこにはいた
「お願いね妖夢……」
またぎこちない笑顔を見せた幽々子は自室へ戻って行った
「幽々子様……お任せください」
決心を言葉と共に決めた妖夢は刀の手入れを始めた
命蓮寺
「どうですか村紗?」
白蓮が朝早くから作業をしている村紗水蜜に話しかけた
「言われてた通り聖輦船に戦闘機能を付けました、後は微調整だけなのでいつでも大丈夫ですよ」
「ごめんなさいね、無理を頼んで……」
無理を聞いて貰った白蓮は水蜜に感謝を述べる
白蓮が水蜜に頼んでいた事、それは聖輦船の改修、聖輦船に攻撃機能を付け戦闘を行える様に水蜜に頼んでいたのだ
「いやぁ良いんですよ!暇だったから丁度良かったんです」
油まみれの顔ではにかむ水蜜
「でも聖輦船にこんなの付けるなんて何かあるんですか?」
「近い内に必要になります……そうですね、今夜にでも話しましょうか」
「はぁ……」
その場から去る白蓮を見送った後、微調整を開始した水蜜
(やはり何か大変な事が起きるみたいだね……安心してください、白蓮様のお心に気付かない私達ではありません、雲山達も気付いています、何かあっても私達は白蓮様のお心と一緒です!)
不安と決意を秘め聖輦船の改修は続けられた
永遠亭
「師匠!手紙が来てますよ!」
医務室に居た永琳に鈴仙が手紙を持って入ってくる
「ありがとう、誰から?」
「それが差出人不明なんです、封を開けようにも手紙自体に封印がされてて開けられないんです……」
不思議な手紙を渡すと永琳は術式を展開し手紙の封印を解く
「この封印は貴方には無理ね、それと差出人はわかったわ、大事な用件だから席を外してくれるかしら?」
「わかりました、朝食の準備をしてきますね」
医務室を出た鈴仙を確認した後、手紙に目を通す
「……そう、昨日は往診で行けなかったけどもうそこまで……」
手紙の差出人は霊夢、無縁塚の封印の件での連絡だった
「いよいよ時間が無くなった……か」
手紙に再度封印を施し机にしまい窓を開け竹林を眺める
(月に戻る頃合いかしらね……姫様や鈴仙が納得してくれれば良いけど……)
1人考える、彼女は現実主義者、封印が破られたら幻想郷の滅びは免れないとわかっている、だから戦う意思は無い、そして自分の故郷へ避難しようと秘密裏に月と交渉していた、永遠亭の者だけを月に移住出来る様に
(もっとも……月の科学力でも勝てるかと言われたら厳しいでしょうけど……)
幻想郷の大地に住まう者達より遥かに強い月の住人でさえ封印された者を相手にするのは分が悪いと感じていた
(可能性があるとすれば今の所……彼だけ……ね、あの様子では協力は無理そうだけど……)
唯一の可能性を思い永琳は移住の件を永遠亭の皆に話す事を決めた
旧都
「勇儀、起きてるかい?」
「萃香じゃないか、どうしたんだいこんな時間に?」
旧都では二人の鬼が合っていた
「妙な胸騒ぎがしてね……私だけかと思ったら勇儀もみたいだね」
「ああ、おかげで寝れやしないし酒も旨くないときた、最悪だよ」
不機嫌に酒を飲み干す勇儀は盃を萃香に渡す
「おそらく……だけど、何か起こるね、幻想郷を揺るがす様な何かとんでもない事がさ」
酒を注ぎながら萃香が話す
「だろうね、あたしもそう感じてる……さとりも何かやってるみたいだし……でも……」
盃を受け取った勇儀はニヤリと笑う
「その時は暴れさせて貰おうじゃないか!」
酒を半分飲み萃香へ渡す、渡された萃香も笑い返す
「フフ……いつ以来かねぇ、私達が二人で暴れるのって……」
残る酒を飲み干しまた注ぐ
「覚えちゃいないさね、ともかく今は我慢だね、その時が来れば派手に暴れようじゃないか!」
「楽しみだねぇ……」
二人の鬼は酒を飲み時を待つ
太陽の畑
「どうしたの?元気が無いわね貴方達……」
水をやる幽香が花に話しかける、花の気持ちがわかる幽香の問いに花達は答えないが何かを感じている事は幽香にはわかった
「安心して、貴方達は私が守るわ、大丈夫よ!貴方達を枯らしたりもしないわ、だから安心して」
幽香のかけた声でも花達に元気は戻らない
(この子達がこんなに怯えるなんて……何かが起きる前触れかしら……異変?)
水をやり終えた幽香は家に戻りながら考えていた
(何があっても守り抜くわ)
決意を胸に家に入った
紅魔館
「……」
自室で寝ていたレミリアは不意に目が覚め起き上がる
「何……?この感覚……」
自分の内から感じる妙な感覚に胸に手を当てる
(私の能力が……警告……いや、運命の分岐を示している……)
運命を操る程度の能力がレミリアに未来への分岐を教える
(何の分岐かはわからない……遠い未来の話なのか直近の事か……そして大した事ではないのかはたまた生死に関わるか……)
ベッドの上で考える、彼女の能力は本人にもよくわかっていない能力、他人の血を吸い過去を見たりするのはその一辺、たまにこうしてお告げのようにレミリアに伝える事があるのだ
(……考えても仕方無いわね、私にわかる事じゃないし)
ベッドから降りたレミリアは伸びをして歩き出す
「咲夜!着替えを持ってきて!」
咲夜を呼びパーティーの準備に取り掛かった
無縁塚へ続く平地
そこではナイトメアの誘導に成功した3人がナイトメアと交戦していた
「イッテ!?」
ナイトメアの攻撃がかする、如何に3人と言えども攻撃を回避し続けるのは困難、集中力が落ち危ない場面も増えてくる
「霊夢はまだか!?」
魔理沙が叫んだ、まだ霊夢は来ていない、焦りとイラつきが魔理沙に叫ばす
「魔理沙!危ない!」
魔理沙の視認出来ない死角からの攻撃にチルノが気付き叫んだ
「チッ!!」
気付いた攻撃を迎撃しようとミニ八卦炉を構える
「!!」
攻撃は横からの弾幕で打ち消された
「霊夢!」
攻撃の出所へ向いた魔理沙が叫んだ
「遅くなったわ」
駆けつけた霊夢が魔理沙へ飛び寄る
「ホントに遅いぜ霊夢!ほら!これが渡し物だ!」
にとりから受け取った装置を手渡す
「何これ?投げるの?……キャ!!」
二人の会話を割ってナイトメアの攻撃が放たれ二人は散る
「ソイツに介して結界を張るんだ霊夢!」
避けながら魔理沙が叫んだ
「……わかったわ!」
装置に霊力を送りナイトメアへ投げつけ結界を発生させる、強い力で縛られたナイトメアは形を固定化させ形態を変える
「なるほどね……これは楽で良いわ」
装置の効果を体感した霊夢はナイトメアを見つめる、ナイトメアは外殻を変形させコアを露出させる
「直ってるわね……」
バーンが痛めつけたコアは完全に修復されていた
「だから前より攻撃が激しいのか……」
ナイトメアの手強さが増したと感じていた魔理沙が呟く、そこに妹紅の激が飛ぶ
「問題はここからだ!気を抜くな!行くぞ!」
妹紅を先頭にコアへの攻撃が開始された
「食らえ!」
弾幕がコアへ集中する、しかしコアは大量の弾幕を受けても停止する事はない
「やっぱり弾幕じゃダメか……」
「どきなさい妹紅!」
コアへのダメージを感じられない妹紅を押し退けチルノが氷弾を放った
「少し効いてる!そうか!氷弾は物理に近いからか!」
氷弾が命中したコアが揺れ動く様を見て妹紅が呟く
「チルノ!そのまま撃ち続けろ!魔理沙!霊夢!援護してくれ!」
叫んだ妹紅がナイトメアの放つ弾幕を避けながら突撃する、意図を理解した魔理沙と霊夢は妹紅を守る様に弾幕を放ちナイトメアの弾幕を打ち消す
「うおおおお!!」
援護があっても激しいナイトメアの弾幕が身を掠めながらもコアへたどり着いた妹紅は振り上げた拳をコアへ打ち込んだ
「うらああああ!!」
破片を散らすコアへ更なる追い打ちをかける、コアを滅多打ちにし破片を更に飛ばさせる
「!?」
突然コアが発光し妹紅は思わず防御の体勢に入る
「うわっ!?」
発光したコアが小さいビームを全方位に放ち被弾した妹紅を遠ざける
「大丈夫か妹紅!」
慌てて駆け寄る魔理沙に妹紅は手をかざし止める
「少し穴が空いただけだよ、大丈夫!それよりもう一回行くよ!」
「大丈夫かよそれ……とにかく無理すんなよ!行くぜ!」
再びコアへ向かう妹紅、バーンや鬼程の威力こそ無いがコアへのダメージはチルノの氷弾と共に確実に与えられていく、そして幾度かの回避と攻撃の果てについにコアを破損させ、ナイトメアの終わりが見えてきた
「もう少し!このまま決める!」
コアを殴り続ける妹紅はコアから感じるダメージに限界を感じる、コアからの反撃を注意しながら更に攻撃を続けるがそこに魔理沙が叫んだ
「離れろ妹紅!ビームだ!前より強力な力を溜めてる!」
ナイトメアの前面にある砲台に以前交戦した際に放ったビームの予備動作を行っている事に気付いた魔理沙が妹紅に離れるように言い渡す
「こ、こんなの撃たれたら防ぎきれないわよ!」
チルノが慌てながら叫ぶ、以前のビームでさえ地形を変えてしまう程の威力だったのだ、それが今回は更にそれ以上の力を溜めている、防ぐ事はおろか撃たれたら被害は言うまでも無く甚大だろう、射線上にたまたま居た妖怪や人間を容赦無く飲み込むだろう、そう確信出来る程の魔力を溜め込んでいたのだ
「どうするんだ!撃たれたらヤバイ!」
自分では良い考えが浮かばない魔理沙は霊夢に助けを求める様に見る
「……」
霊夢はジッとナイトメアを見つめ魔理沙への返事はしなかった
(クッ……こうなったらアレに当てるしか……多分持つ筈……!もし破られてもまた張り直せば良いわ!)
意を決した霊夢に魔理沙が怒鳴る
「おい霊夢!聞いてるのか!」
余裕の無い魔理沙へ向き頷いた後、霊夢は3人に指示を飛ばした
「協力して!あの攻撃を無縁塚の結界に当てるわ!あそこなら防ぎきれる筈よ!」
同時に飛び出す霊夢、無縁塚の封印の側に立ちナイトメアの向きを誘導する
「アレに当てるのか……わかった!」
3人も霊夢の傍に向かう、ナイトメアは身を動かし砲身を霊夢達へ向ける
「ドジるなよ……」
今にも放たれそうなそれを見ながら魔理沙が呟いた
「私はドジっても大丈夫だけどね」
妹紅が軽く笑う、蓬来人故の冗談だ
「あたいもね!」
妖精のチルノも笑う
「……来るわよ!」
霊夢が叫んだ
極大のビームは4人に向かって放たれた、同時に散開した4人にビームは当たらず、真っ直ぐ無縁塚の結界まで伸びていった
「どうだ!?」
ビームの先を見ながら魔理沙が結界が耐えられるかを霊夢に聞く
「う……くぅ……!?」
主に結界を張っていた霊夢が結界から伝わる衝撃に顔を歪める
(も、持たない……!?)
予想以上の威力に結界が持たない事を悟る
「威力が落ちてきたわ!もう少しよ霊夢!」
「踏ん張れ霊夢!」
落ちてきた威力を確認したチルノと妹紅が鼓舞する
「うう……!?」
ビームは更に威力を落としていきついに照射を止めた、しかし……
バリン
結界は耐えきれず壊れてしまう、そして封印の地に溜まる魔力が溢れてきだす
「大丈夫か霊夢!」
傍に寄った魔理沙が話しかける
「大丈夫……結界は壊れちゃったけどなんとか防ぎきれたわ……さぁ次を撃たれる前に片付けるわよ!」
「わかったぜ!」
ナイトメアへトドメを刺そうと意気込んだ瞬間、辺りを無縁塚から流れた魔力が覆った
「なんだ……?邪悪な……魔力?」
気付いた魔理沙が呟く、妹紅もチルノも不思議そうにしている
「それは後!コイツが先よ!」
事情を知る霊夢が一喝し全員がナイトメアへ向き直す
「!?!!」
流れた魔力にナイトメアが反応を示した、動き出そうと暴れるが装置により動く事が出来ない
「……何か様子が変だけど今の内ね、一気に壊すわよ!」
4人がコアへ向かい飛び出したその時、装置が力を失い結界が解けてしまう
「霊力が切れた!?こんな時に!」
液状化し始めたナイトメアを見ながら再び装置に霊力を送ろうとする
「!?……えっ?」
ナイトメアの行動に霊夢が唖然とした、液状化したナイトメアは霊夢達に目もくれず高速で動き出したのだ
(あっちは……まさか!?)
ナイトメアの意図を予想した霊夢に冷や汗が流れた
「逃げる気ね!」
チルノが叫んだ瞬間、装置を持った霊夢がナイトメアを追いかけ出した
「急いで!」
一言そう言うと3人を待たず行ってしまう霊夢に3人は頷き合い霊夢の後を追った
無縁塚の結界跡
「入られてる……」
侵入された形跡を発見した霊夢に不安が押し寄せる
(ナイトメアは封印された者と関係があるの?クッ……まさかこんな事になるなんて……)
歯噛みする霊夢に3人が合流する
「ここは……この中にナイトメアが逃げたのか!?」
「ええ……急ぐわよ、マズイ事になる前に!」
4人は直ぐ様封印の地へ飛び込んで行った
封印の地へ続く道
「ここは何なんだ霊夢?」
道を飛びながら魔理沙が聞いた
「……ここは化物の封印場所、強大な力を持った悪魔の様な奴を封じ込めてる場所よ」
「化物って……バーンよりもか?」
妹紅が驚き聞く
「ええそうよ、ナイトメアが何故ここに来たのかはわからないけど何か起きる前に片付けないと……」
「……もしそいつが復活したら……?」
不安気なチルノが問う
「……幻想郷は……」
苦々しく唇を噛みながら霊夢は答えた
「滅ぶわね……」
封印の地
「居た!ナイトメアだ!」
封印場所に着いた魔理沙が指を差した
「!?」
ナイトメアを見た霊夢の表情が変わった
「すぐナイトメアを引き離して!急いで!」
直ぐ様装置に霊力を込めて投げた
ナイトメアは封印の球体を覆い魔力による解放を行っていたのだ
「壊れろ!コノヤロー!」
装置により露出したコアに攻撃を加えるが形態変化したナイトメアは封印球に魔力を送り続けている
「退いてろチルノ!パゼストバイフェニックス!!」
不死鳥を纏った妹紅がコアへ向かい突進する
「不死「火の鳥 鳳翼天翔」!!」
炎鳥を纏った攻撃がコアにビシビシとヒビを入れる
「これで終わりだ!」
コアを貫く瞬間、コアは強く発光し妹紅を弾き飛ばした
「ッアッ!?……何だ!?」
弾かれた妹紅は起き上がりナイトメアを見つめる
「……」
コアは光を失い液体は霧散していき破損したコアだけが地面に転がった
「やった……のか?」
3人に近付きながら妹紅が尋ねた
「ああ、最後に全魔力を使って封印を解こうとしたみたいだけどダメだったみたいだ」
「そうか……良かった」
魔理沙の返事に安心した妹紅は息をつく
「これ壊しとくんでしょ?」
コアに指を差しながらチルノが聞いた
「そうだな、バラバラにしとくか……」
コアへ1歩踏み出した瞬間、黙っていた霊夢が膝から崩れ落ちた
「霊夢……?」
駆け寄った魔理沙が霊夢を覗き込んだ
「……遅かった」
絶望の表情で霊夢は呟き、同時に封印球が轟音を出しながらヒビ割れていきそして
長年保たれ続けた封印は破られ強大な魔力と共にその者は姿を現した
地霊殿
「!!」
感づいたバーンが突然目を開いた
「どうしました?協力する気になりましたか?」
さとりの問いに笑みを浮かべたバーンは口を開いた
「フフフ……気付いて無いのか?今……封印が破られたぞ?」
「……冗談は好きではありま……!?」
さとりの言葉は途切れた、魔力を感じたのだ
「そんなまさか……早すぎる!?」
狼狽えるさとりに笑いながらバーンは話し掛けた
「さぁついに復活してしまったぞ?どうするのだ?行かなくて良いのか?」
馬鹿にするように笑うバーンにさとりは怒りを露に叫んだ
「協力しなさい!でなければ貴方もここで死にますよ!」
死の脅しを込めて協力を強制する、だが
「フフフ……断る」
バーンは首を縦に振らなかった、それどころか更に馬鹿にするように笑っている
「余は一度死んだ身、死ねば本来の運命に戻るだけの事よ、死は余にとって脅しにはならん」
「……!!」
拳を握り締め身を振るわすさとり、すぐにでも向かう所なのだがさとりが行っても無意味なのだ、アレに勝つにはバーンの協力が不可欠だとわかっているさとりは動けなかった
「フン……」
また訪れた膠着状態にバーンはまた目を閉じた
紅魔館
「!?」
その魔力に逸早く気付いたのはレミリアだった
(な……何このふざけた魔力は!?こんな……ありえない!?)
今まで感じた事の無い凄まじい魔力に狼狽する
「レミィ!」
気付いたパチュリーが息を切らしながらやってくる
「わかってるわパチェ……咲夜!」
パチュリーに頷いたレミリアは咲夜を呼ぶ
「はい、何でしょうかお嬢様?」
「パーティーは中止よ!戦闘の準備をしなさい!ゴブリンも妖精も全員ね!フランも起こして!」
「え……?何故ですか?」
まだ事態を知らない咲夜はキョトンとしながら尋ねる
「良いから早くしなさい!急いで!」
「は、はい!」
レミリアの怒声に慌てて出て行く咲夜
「……私は行くわレミィ」
咲夜が出て行った後、パチュリーが告げた
「……死んだら許さないわよ」
睨み付ける様にパチュリーを見ながら返事をするレミリアに微笑みながら答えた
「わかってるわ……じゃあ行ってくるわね」
親友に告げた後、パチュリーは紅魔館を出ていく、親友の背を見送りながらレミリアは無事を祈った
気付いたのはレミリア達だけでは無い、各地で魔力を感じた者達がレミリアと同じ様に戦いの準備を始める
白玉楼、命蓮寺、旧都、妖怪の山、守矢神社
そして……
異世界
「紫様ァ!!」
藍が式を通じ紫に叫んだ
「どうしたの?そんなに慌てて……」
応答した紫は慌てず藍に詳細を尋ねる
「封印が破られました!!」
「何ですって!?何故!?まだ時間はあった筈よ!」
紫から落ち着きは消えた、一番危惧していた事が起こってしまったから
「以前話したナイトメアです!ナイトメアが封印を外から破ったのです!おそらくナイトメアはアレに関係する物だったのでは……」
「そんな……なんて事……!?」
受け入れ難い事実に爪を噛みながら紫は思案する
「……バーンは?」
「今は地霊殿の古明地さとりの所に居ます」
「そう……わかったわ」
決意した紫はスキマを作りだす
「紫様……」
「藍、貴方は幻想郷の民達を守って、私はやる事があります」
「……わかりました、お気をつけて紫様」
そこで通信を切った紫はスキマを前にたたずむ
(時間切れ……後は私に出来る事をするだけ……)
スキマに入り紫はその世界から姿を消した
封印の地
封印が破られると同時に強い閃光が魔界を照らした
「くっ……」
目を覆い閃光と共に感じる強い魔力に全員が震え息を飲んだ
(この魔力……バーンより……)
閃光の最中、感じた魔力がバーンより上だと魔理沙は感じていた
そして閃光が収まると辺りに濃い障気を漂わせ全貌を隠したその者は4人を高くから3つの赤い瞳で見下していた
「良くやったナイトメア」
声が響いた、重く、心にまで響く声だった
「長い……長い時を食わされた……許さん八雲紫……抹殺してくれよう……スパーダの血族よりも先にな」
4人の事など眼中に無く話すその者、そこに冷や汗を流す魔理沙が話し掛けた
「よ、よう!お前……何者なんだ?仲良くは……出来ないよなぁ……」
魔理沙の問いに間を置いたその者は高笑いをしだした
「フハハハハ!人間よ!死ぬ前に教えておいてやろう」
障気の霧から翼が現れ障気を振り払いながらその者は姿を現した
「我が名は魔帝ムンドゥス」
それは幻想郷が孕んでいた果て無き闇
魔を統べし悪魔の帝王……
はい、封印されし者はデビルメイクライの魔帝ムンドゥスでした。
一応ナイトメアで可能性は示唆したつもりだったのですがわかった人いますかね?
今回は詰め込み過ぎた気がします……次回から……もゴチャゴチャするかも知れません。