東方大魔王伝   作:黒太陽

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第27話 大魔王

 

 

 

 

 

「勇気ときたか……」

 

ムンドゥスは冷めた瞳で妹紅を見下した

 

「大層な事を我に言うからには何か秘策でもあるのかと思えば……勇気とは……フフフ……」

 

次いで笑いが響く

 

「それで勝てるとでも?」

 

「勝つさ……勇気さえあればお前になんか負けるか!」

 

ムンドゥスの問いに妹紅が拳を握り力強く答えた

 

「だが勇気で我は殺せんぞ……!我を殺したくば勇気など言わず力で殺せ!」

 

赤く光る眼が更に強く光る、怒鳴る様に語るが怒りは無い、策も無く、出たのはただの精神論に嘲笑を込め皮肉った

 

「やってやる!!見せてやるよ……」

 

 

 

 

「本当の勇気の力を!!」

 

 

 

 

妹紅の言葉に傷付いた体を押しながら残る全ての力を解放しムンドゥスに挑む6人

 

 

死は……近い……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地霊殿

 

「確かに貴方の言う通り……私はアレを倒すのに他にすがり自己の研磨を怠った……言われて初めて気付いたわ……余程余裕が無かったのね私は……」

 

紫は後悔していた

 

「愚かね私は……そう……本来なら私がやらねばならなかった……その責務から逃げ、民を危険に晒し、何が幻想郷を愛していると言うのか……」

 

今この事態を招いた責任を感じ顔を伏せる

 

「貴様に全ての責がある訳ではない、だが対応は間違いなく失策だった……今更遅いがな……」

 

全てが紫のせいでは無いとバーンは言うが紫はその場で考え込むだけ

 

数瞬の沈黙の後、紫は動いた

 

「……何の真似だ?」

 

「八雲紫……」

 

紫の行動にバーンの冷めた瞳、さとりの驚きの目が向けられる

 

「そんな事などしても余の心は動かんぞ……?」

 

紫はバーンの前で膝を、手を着き、頭を下げていた

 

「この事態を招いたのは全て私の責……私を好きにしてくれて構いません、幻想郷を守る為なら私は何でもしましょう……だから……」

 

 

「何卒……何卒その力を貸して貰えないだろうか……」

 

 

紫はひれ伏し、バーンに協力を願った、恥も外聞も捨て去り一心に願った

 

 

全ては愛する幻想郷の為に……

 

 

「……」

 

 

暫しの沈黙が流れた

 

 

その打算無き姿と願いに何も返す事無く紫を見続ける

 

 

(ダメ……か……)

 

 

長い沈黙が紫に拒否だと悟らせた

 

 

「……もうここに用は無いわ……貴方は好きにすると良い……」

 

ゆるりと立ち上がった紫は身を翻し背を向けた

 

「どうするつもりだ……?」

 

「決まってるでしょう?アレの所に行くのよ」

 

「死を覚悟の上か……」

 

紫の背から感じるのは死の覚悟、挑むつもりなのだ……敵わぬと知りつつも……

 

「……」

 

能力を使いスキマを作り出す

 

「行きましょうさとり……」

 

紫の誘いに頷いたさとりがスキマの前へ立つ

 

 

死地へ繋がるスキマへ足を踏み入れるその時だった

 

 

「バーン!!」

 

 

辿り着いたチルノが現れた

 

 

ドクン

 

 

心臓が……強く鼓動した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

封印の地

 

「まだ吐く気にならんか?」

 

ムンドゥスは見下ろしていた

 

「ガハッ……!?」

 

「ハアッ……ハアッ……!?クソォ……!?」

 

痛めつけた6人を

 

「生き地獄を味わい苦しみ死ぬよりは潔く吐いて楽に死ぬ方が良いとは思わないか?」

 

痛めつけても吐かない6人にムンドゥスの気は変わり始めていた、吐かないなら拷問の末に殺してやると

 

「……言ったろ!死ぬのはお前だって!」

 

「そうだぜ……誰が言うかよ!お前なんかにさぁ!」

 

妹紅と魔理沙は弾幕を放つ、力もろくに入らない体で

 

「フン……」

 

軽く放った魔力は殴る様な動きをし二人をまた痛めつける

 

「誰が貴様なんぞに話すか……ハァッ!!」

 

「こんのぉー!!」

 

レミリアとフランの魔力による攻撃、しかしムンドゥスには効かず二人の様に痛めつけられる

 

「パ、パチュリー!ナイトメアを倒したアレやりなさいよ!」

 

「無駄よ……私では無理」

 

「なんで!?」

 

ナイトメアを仕留めたメドローアを撃てと言う霊夢だが即答で拒否される

 

「巨大過ぎるのよアレは……私にアレを消し去る程の大きさのメドローアは作り出せない、魔力も技術も全く足らないの……」

 

自分の力量の無さを悔しげに語るパチュリーに会話を聞いていたムンドゥスが口を挟んだ

 

「フフフ……それにお前は作成に時間が掛かり過ぎる、それまで我が待つと思うか?」

 

「思えないわね……だから!こうするしかないのよ!」

魔法を放つパチュリーに霊夢も加わり攻撃する

 

「オラァァァ!!」

 

4人も攻撃を加える

 

「あくまで喋らぬつもりか……」

 

その折れない意思にムンドゥスの気は完全に変わった

 

 

「ならば……死ね!」

 

致死量を遥かに越えた魔弾を6人に放った、最後に殺すと決めた霊夢の事など構い無く

 

(ハッ……死んだな……)

 

迫る魔弾に6人は恐怖も後悔も無かった、ただその魔弾を茫然と見つめ死を悟るだけだった

 

 

 

 

ブゥン

 

 

 

 

空間の裂ける音がした

 

 

 

「来たか……」

 

 

 

魔弾はスキマへと送られ6人に命中する事は無かった

 

 

 

「八雲……紫ィ……!!」

 

 

 

見覚えのあるスキマに憎むべき者の存在を感じ取る

 

 

「随分とマシな姿になったわね……前はあんなに醜い姿だったのに……」

 

 

スキマから現れたのは八雲紫

 

 

「皆大丈夫!?」 「……」

 

 

そしてチルノとさとり、スキマは3人が出た後も開いたまま

 

 

「チルノ……!」

 

チルノの健在に嬉しく名を魔理沙が呼んだ

 

「無傷って……何をしていたのチルノ?」

 

パチュリーが傷1つ無いチルノに問う

 

「そんな事は後だ!チルノ!どうだった!?」

 

妹紅が会話を割り、目的が遂げられたかを問う

 

「バー……!?」

 

チルノが結果を伝えようとした瞬間だった

 

 

 

ムンドゥスの魔力が高まり暴風の様に全員を襲う

 

 

 

「貴様だけは許さん……八雲紫……!その体に恐怖と絶望を刻み殺してやろう……魂ごとな……!!」

 

 

怨敵を目の前にしたムンドゥスが怒り露に紫を威圧していた

 

 

 

「許さないのは私の方……よくも愛する幻想郷を荒らしてくれたわね……貴様は許されざる存在、貴様は幻想郷に要らない……美しく残酷に……」

 

 

 

魔力の暴風の中毅然と佇む紫は告げた

 

 

 

 

「この大地から往ね!」

 

 

 

 

ムンドゥスへの布告、同時に妖力を解放する

 

「……天子以来じゃないか?紫があんなに怒るなんて」

 

紫の怒りを見た魔理沙が呟いた、いつも掴み所の無い飄々としている紫が感情を表に出すのは珍しい、その紫が怒っているのだ、幻想郷が本当に危険なのだと再認識する

 

「強い……」

 

妹紅が紫から感じる力に声を漏らした、確かに紫は強い、幻想郷で最強の妖怪と呼ばれる一角なのだ、弱い訳が無い

 

「……でも……」

 

フランが不安気に呟いた

 

「そう、足りないわね……圧倒的に力が……」

 

レミリアが答えた、例え幻想郷で最強の一角だとしても力が抜き出ている訳では無い、鬼等の妖怪とほぼ同等なのだ、違いは能力の差異くらい

 

「……どうする気かしら?」

 

パチュリーが紫の真意を計りかねて呟いた

 

「紫の事よ……何か秘策があるのよ、きっとね……」

 

紫を良く知る霊夢は紫がただ無謀な戦いに来た訳では無いと推測していた、内容までは予測出来ないが

 

「貴方達は下がってください、後は私達がやります」

 

6人を下がらせさとりが前に出た

 

「そうよ!あたいも疲れてるけどあんた達よりはマシね!そこで休んでなさい!」

 

チルノはそう告げると6人の返事も待たずさとりと共に紫の横に並んだ

 

「……今は信じるしかないか」

 

満身創痍の6人は現れた3人を信じその戦いを見守る

 

「死ね」

 

ムンドゥスの無数の魔弾が3人に放たれる

 

「……」

 

表情険しく無言の紫が魔弾を全て開いたスキマで迎え、送る

 

「やあああっ!!」

 

「ハッ!!」

 

その隙に散った二人が弾幕を浴びせる

 

「蝿が……」

 

二人に向かい魔力の針弾幕を放つ

 

「ふん……」

 

紫が鼻を鳴らすと二人に迫る弾幕は命中する直前にスキマへと飲み込まれる

 

「相変わらず鬱陶しい能力だ、八雲紫!!」

 

二人への攻撃を止め紫一人に狙いを定め攻撃する

 

「結界「光と闇の網目」!!」

 

攻撃をスキマ送りにしながら弾幕で攻撃を加える

 

「効かんぞ!」

 

攻撃を意に介さず攻撃を繰り返す

 

その間にも二人の攻撃は続くがムンドゥスを傷付ける事が叶わない

 

「ハアァ!!」

 

魔力の波動が3人を襲う

 

「ツゥ……!?」

 

波動の当たる範囲をスキマで防いだ紫だが顔色が優れない

 

「……ツアッ!!」

 

波動を全てスキマへ吸い込んだ紫は直ぐ様攻撃を仕掛ける

 

「無駄だ、あの時とは違う……貴様の攻撃など既に通じん、足掻きは止めて死を受け入れろ」

 

「無論……死ぬより先に地獄を見せてやるがな」

 

怒りの中に悦を混じらせ紫に魔弾を放ち続ける

 

「やってみなさい……この八雲紫に対して!」

 

スキマの力を最大限に利用しムンドゥスの攻撃を捌きながら攻撃を続ける

 

「凍れー!」

 

「これならどう!?」

 

チルノがムンドゥスを凍らせようと能力を使い、さとりが練り合わせた弾幕を放つ

 

「鬱陶しいぞゴミ共……」

 

チョロチョロと攻撃をしてくる二人を目障りだと感じたムンドゥスは体から全方位に魔弾、針の弾幕、ビームを波動と共に放った

 

そのどれもが死に到る威力を秘めている、そしてそれらは3人と6人はおろか倒れる者達にも容赦無く降り注ぐ

 

(これは……持つ……?いや!持たせなければならない!)

 

全神経を能力へ向けた紫はスキマを全員に行き渡らせる

 

「これは……スキマの壁?」

 

体を囲むようにスキマが覆う、スキマを盾にし攻撃を無力化する壁を作り出した

 

(ダメッ!?どうしても後1人が補えない!?)

 

紫の力を持ってしても17人全てを守るスキマは作り出せなかった、つまり誰かが犠牲になるのだ

 

「八雲紫!!」

 

さとりが叫んだ

 

「私は大丈夫です!約束を思い出してください!」

 

「……!!」

 

さとりの頷きに微笑んだ紫はさとりだけを残しスキマを全員に行き渡らせた

 

(そう……約束……必ずやり遂げて見せます!さとり……ごめんなさい……)

 

 

ムンドゥスの攻撃が辺りを薙ぎ払った

 

 

「……くはっ!?」

 

苦悶の表情の紫が息を荒げた

 

(なんとかスキマは持った……あれだけの力をスキマに送るのは賭けだったけどなんとか凌げたわね……)

 

周囲を見回し全員の無事を確認する紫

 

彼女のスキマも万能ではない、紫しか知らぬ事だがスキマにも限界はある、スキマは風船の様な物、一度に送れる量と質は決まっており、入った後に抜けていく、許容を越えると破裂し能力者に多大なダメージを与えてしまうのだ、ムンドゥスの攻撃はまさに許容範囲ギリギリ、もし後僅かでも強ければスキマは壊れ紫に甚大なダメージを与えていた

 

 

「大した能力だ……だが……」

 

 

その紫にムンドゥスが愉快気に語り掛けた

 

「1人……守れなかったな」

 

ムンドゥスの視線の先、そこには倒れるさとりの姿

 

(防御結界を幾重にも張っていたけど防げなかったのね……いえ、結界を張っていたからこそあれで済んだ……張っていなければ即死だった……)

 

さとりの姿にキュっと唇を噛む

 

(ごめんなさい……ごめんなさいさとり……)

 

力が足りず犠牲にしてしまった事を心から悔やむ

 

「……」

 

その紫にムンドゥスが魔弾を放つ

 

「……」

 

魔弾はスキマへ送られる

 

「1人やられた?それが何?その程度で私が動揺するとでも?笑わせるわね!私が守りたいのは幻想郷!民の一人や二人構わないわ!」

 

心を圧し殺しムンドゥスに強く告げた

 

「……いや……そんな訳は無い、貴様は民も愛している……何かを隠しているな八雲紫」

 

ムンドゥスは紫の行動に言動に疑問を感じていた

 

「さっきから効かぬ攻撃を繰り返し、我を挑発し攻撃を凌ぐ……まるで……そう、時間稼ぎの様に……」

 

「!?」

 

ムンドゥスの言葉に紫は反応してしまった、それを強く意識している余り突然の指摘に平静を装う事が出来なかった

 

「図星か……貴様を時間稼ぎに使う……考えられるのは魔力の主か」

 

紫の背後に居る存在を紅魔館のメンバーから感じた魔力の主と同一だと推測する

 

「興味はあるが……やはり危険な芽は摘まねばなるまい、スパーダの血族の二の舞はもうせん」

 

かつて敗北した経験が危険を早く摘めと考えさせた

 

「貴様等は後だ、先に始末する」

 

紫達を無視し飛び上がろうと羽を動かす

 

 

「ムッ……」

 

 

攻撃がムンドゥスに加えられた、方向は誰も居ない筈の場所から

 

「まぁまぁゆっくりして行きなよ悪魔の大将さんさ?」

 

「……死に損ないが」

 

攻撃をしたのは萃香、ボロボロの体で立ち上がっていた

 

「私達は死に損ないだけどお前は損なわない、何故って?私が殺すからよ……」

 

次に幽香の攻撃

 

「私も……まだやれます!」

 

妖夢も立ち上がる

 

バーンと戦った事のある3人が立ち上がった

 

「私達もやるぜ!」

 

そこに6人、11人がムンドゥスに立ちはだかった

 

「皆!力を貸して!」

 

紫を中心に攻撃を開始する、ムンドゥスの攻撃を紫が防ぎ攻撃が加えられる

 

「後で殺してやろうと思ったが……」

 

魔力の主を始末する事より目の前の煩わしい虫を先に殺す事に決める

 

「今殺してやろう!!」

 

殺意を込めた魔力の散弾を撃つ、それは一番厄介な紫に向け撃たれた

 

「ちっ……!?」

 

向けられた魔弾をスキマへ送りながら自身も回避する、その間にも他の者は攻撃するがムンドゥスは意に介さず執拗に紫だけを狙った

 

「まだ……この程度なら……!?」

 

回避し続ける紫、スキマを利用した回避はムンドゥスの攻撃を全て捌いている

 

「……」

 

紫への攻撃の最中、無造作に撃たれた高速魔弾がレミリアとフランに向かった

 

「!?……くっ……!!」

 

意表を突かれた紫が慌てて二人をスキマで守る

 

「ハアッ!」

 

二人の防御は成功した、しかし一瞬の隙を突いたムンドゥスの威力より速さを重視した波動が紫を襲った

 

「アッ!?アアッ!?」

 

魔力の波動が全身を痛め通り抜けていく、いくら速さに重点を置いているとはいえ元々の力が強いムンドゥスの波動は紫を容易く傷付ける

 

 

「あうっ!?うぐぅぅぅぅああああぁっ!?」

 

 

波動は紫より離れていた10人をも飲み込んでいた

 

「うっ……くぅ……!!」

 

全身を激しく痛められた紫が辛そうに、悔しそうにムンドゥスを睨む

 

「良い様だ……フフフ……これで溜飲も少しは下がった……終わりだ八雲紫……死ね」

 

 

紫にトドメを刺すべく魔弾を放とうと構える

 

 

(ダメだった……ごめんなさい民よ……ごめんなさい……バーン……)

 

死を悟った紫は幻想郷を守れなかった事、そして約束を守れなかった事を心から謝罪した

 

 

 

パスッ……

 

 

 

魔弾を放つ寸前のムンドゥスを攻撃とは呼べぬ攻撃が当たった

 

 

「……まだ生きていたのか!死に損ないがぁ!」

 

 

攻撃者を確認したムンドゥスがイラつきを露に叫んだ

 

「へへ……」

 

攻撃したのは魔理沙、辛うじて……本当に辛うじて生きていた魔理沙は心奮わせ立ち上がったのだ

 

「何故……何故そこまでする……我が力に絶望し死ぬ方が楽に死ねたものを……」

 

「これは……私の誇りの為さ……お前には……わからんだろうさ……」

 

押せば倒れる、軽く突けば死に絶える、そうとしか見えない魔理沙

 

「誇り……だと?くだらん事を……魔力の主もこんな愚かな者なのか?」

 

一笑するムンドゥスの言葉に魔理沙はハッと思い出した

 

(バーン……バーンか……)

 

友を思い出した魔理沙は呟きだした

 

 

「そういやあいつも似たような種族だっけ……あいつ何年くらい生きれんのかな?ああ……一応寿命はあるなんて事言ってたな……でもきっと何万とかなんだろうな……」

 

「魔帝さんよ……あんたは何年生きられるんだ?あいつと同じ万年か?それとも死なないのか?まぁどちらにしろ寿命は相当長いんだろうな……」

 

 

「死を前に狂ったか……」

 

 

突然語り出した魔理沙に死を前にした際の奇行と感じるムンドゥス

 

 

「あいつがいつだったか言ってたっけ……私と同じ魔法使いの話を……」

 

 

ムンドゥスの言葉を気にせず話を続ける

 

 

「あの時は良くわからなかったけど……誇りを知った今なら良くわかるよ……」

 

 

「人間は誰でもいつか死ぬ……だから……だから一生懸命に生きるんだ!」

 

 

「お前等みたいな雲の上の連中に比べたら私達人間の一生なんてどのみち一瞬だろう!!?だからこそ結果が見えてたってもがきぬいてやるぜ!!!一生懸命に生き抜いてやる!!!残りの人生が50年だって5分だって同じ事だっ!!!」

 

 

魔理沙は死力を振り絞る

 

 

「一瞬……!!だけど……閃光のように……!!!まぶしく燃えて生き抜いてやるっ!!!」

 

 

 

「それが私達人間の生き方だ!良く目に刻んどけよ!このバカヤロー!!」

 

 

 

強く……強く叫んだ……

 

 

死を前にしても魔理沙は絶望せず前を向いた

 

 

よくファンタジーなどではこういった場面で秘められた力が覚醒したりだとか窮地を助けてくれる者が居たりする

 

しかしそんな物は無い、あればどんなに……どんなに楽な事か……

 

それを魔理沙もわかっているからこそムンドゥスに告げたのだ、最後の最期まで抗うのだと……それが人間の生き方であり魂、誇りなのだと……

 

「いくら吠えても覆らん……誇りや生き方で我は殺せん!力だ!力を持つ者が正義!弱者は死ぬだけだ!」

 

高々と魔理沙に語る、力こそ全てと考えるムンドゥスにとって魔理沙の話は聞くに耐えない戯言と同じだった

 

 

「私も付き合ってあげるわ魔理沙……閃光になりましょう……」

 

 

魔理沙の背後から声が聞こえる

 

 

「私は蓬莱人だけどさ……その考えは染みたよ……閃光のように……!!」

 

 

また違う声が聞こえる

 

 

「あたいだってやってやるわ!閃光にね!」

 

 

幼い声が聞こえる

 

 

「あたしも……なれるかな?閃光みたいに……」

 

 

また違う幼い声が聞こえる

 

 

「なれるわよ……皆でなりましょう……閃光のように……!!」

 

 

聞こえる

 

 

「貴方達……」

 

 

紫が見たのは魔理沙を中心に歩み寄るレミリア、妹紅、チルノ、フラン、パチュリー

 

他の者が倒れる中で5人だけが立ち上がり魔理沙に並んだのだ

 

 

「不愉快な……」

 

 

力の差を見せても絶望せず、いくら痛めつけても向かってくる者達にムンドゥスの余裕が怒りに変わる

 

 

「もうよい……茶番は……終わりだ……!」

 

 

終わりを告げたムンドゥスは両手を拳で胸の前で構える

 

 

「帝王の力の前に……」

 

 

魔力が両手の中心に凝縮されていく

 

 

「消え去るが良い!!」

 

 

拳を合わせると凝縮された魔力が弾けドーム状で拡がっていく

 

 

 

「ハアアアアアアアッ!!!」

 

 

 

6人が魔力に向かい突撃する、力を体から溢れさせた突撃は閃光のように見えた

 

 

だが向かう先は死への闇、その闇を前に閃光は一瞬輝く流れ星と同じ、如何に輝こうとも堕ちる運命にあった……

 

 

 

 

 

 

 

パキン

 

 

 

 

 

 

ムンドゥスの魔力が止まり弾け飛んだ

 

 

「そうだ……それが余が畏怖すら抱いた人間の強さ……閃光のごとき一瞬に全てを賭ける……見事だ……」

 

 

聞き覚えのある声が6人を包んだ

 

 

「貴様が魔力の主か……何者だ?」

 

 

6人から感じた魔力と同じ魔力を持っていると感じたムンドゥスは何者であるかを問うた

 

 

 

「捨てた名だったが……今だけ名乗ろう……余は……」

 

 

 

ムンドゥスを見据えながらその者は告げた

 

 

 

 

 

「余は大魔王バーンなり!!」

 

 

 

 

 

 

 

絶体絶命の危機を救うのは勇者の役目だ、ファンタジーではそれが多い、だがここにそんな都合の良い者はいない、いや、勇気を持つ者が勇者であるならばムンドゥスに立ち向かった者達は全員勇者であると言える

勇者が敵を倒す、そんなありきたりな運命は幻想郷に無い、魔に対するは魔、力には力

 

対峙したのは人間でも妖怪でも勇者でもない

 

大いなる魔の王、ここに降り立つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   真  大  魔  王  バ  ー  ン 

 

 

 

 

 

         降   臨

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




遂にバーン様が降臨しました、ここまで長かったですね。

閃光のように……は是非とも魔理沙にやってもらいたくてやりました、共通点が多いですからね二人は、人間で魔法使いですし。

次回からは魔と魔の戦いが始まります。
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