ゴゴゴゴゴゴ
揺れていた
バーンとムンドゥスの居る魔界だけではない
幻想郷全体が……
妖怪の山
「なんて……なんて魔力の攻めぎ合いなの……魔界から幻想郷全体を揺らすなんて一体どれ程の魔力を持てば……」
鳴動する山の中で諏訪子が揺れる原因である魔力の攻めぎ合いに気付き力の出所が魔界に居る2体の魔だと知る
(神奈子の神気も感じられない……多分神奈子は……)
感じられぬ同胞の気に敗北を悟る
(この魔力の片方はバーンの物……上手く対峙させられたのかそれとも何かあったのか……)
思考は続く
(何にせよ、今……幻想郷の運命は大魔王に懸かっている……神が祈るなんて許されない事だけど……)
手を合わせ膝を着く
(お願いバーン……勝って……幻想郷を救って……!!)
神が魔族に祈るなど許される事では無い
しかし祈ってしまった、祈らずにはいられなかった
その行為が自身への冒涜だと分かっていても祈ってしまったのだ……
自分では勝てないから……自分では民を守るのが精一杯だったから……
祈るしか……
無かったのだ……
妖怪の山に居る神は願う、幻想の郷を救えるなら何者でも構わない
例えそれが滅ぼす者と同族であっても……
紅魔館
「咲夜さん……」
「わかってるわ美鈴……」
悪魔を殲滅し主の帰還を待つ二人が空を見上げる
「霧が……紅霧が消えて暫く経ちます……そしてこの地鳴り……」
美鈴が紅霧の消えた空、先程から始まった地鳴りに表情を険しくする
(紅霧が消えたという事はお嬢様が維持する余裕の無くなる程の相手なのかもしくは……既に……既に倒されたか……こ、殺されたか……)
悪魔こそ殲滅したものの好転しない状況、帰らぬ主とその妹、戻らぬ主の親友、そして信頼する客人の不在
考えたくないのに悪い方ばかりに思考は寄る
「咲夜さん!」
そんな咲夜を察した美鈴が力強く名を呼んだ
「大丈夫です!お嬢様と妹様、パチュリー様は必ず無事です!」
グッとガッツポーズをした美鈴が笑いながら咲夜に向いた
「負けませんよ!御三方がやられる訳がありません!私達はただ帰ってくる御三方の為に紅魔館を守り抜くだけです、帰って来た時に紅茶を淹れて待っていましょう!」
「美鈴……」
励ます美鈴にまだ咲夜の表情は暗い、だが美鈴は更に続けた
「それに……」
また空を見上げる
「バーンさんが助けてくれますよ!バーンさんはお嬢様達を見捨てる様な人ではありません、多分この地鳴りはきっとバーンさんが戦っているんです……そうに違いありません!」
また咲夜に向いた美鈴ははにかんだ笑顔を向ける、彼女もまた信じているのだ半年を共に過ごしたバーンの事を
「そうね……」
咲夜の表情が明るくなっていく
「お嬢様達は負けない、バーンさんだって居る……私がまず信じなくちゃメイド失格ね!」
よし!っと声を出した咲夜は美鈴と小悪魔、妖精にゴブリンに命令を出した
「悪魔の片付けよ!お嬢様達が帰ってくる前に紅魔館を綺麗にして出迎える為にね!」
「わっかりました!」
信じると決めた二人は皆が帰る場所の掃除に取り掛かる、不安は無いとは言えない、でもそれ以上に信じているから主達の為に居城で待つ事に決めた
博麗神社
「悪魔は来なくなったけど次は地震か……」
霖之助が周囲を警戒しながら呟く
「さっき魔力の高まりを感じた……バーンの魔力ともう一体の者の魔力……みんな……覚悟だけしといて……」
アリスが表情険しく告げた
「多分バーンが戦っていると思う……でももしバーンが勝てなかったら幻想郷は滅ぶわ……間違いなくね」
「まぁ間違いないでしょうね」
「……八雲藍?どうした?」
皆が覚悟を決める中、表情の苦い藍に気付いた慧音、その慧音の声にも藍は気付かずブツブツと何かをしている
(やはりダメか……紫様と連絡が取れない……私が生きているから死んでいる訳では無いが……)
紫との交信を行う藍だが無い返事に不安は募る
「大丈夫なのだー!バーンは強いからきっと勝つのだー!」
「気楽な物ね……死ぬかもしれないって言うのに……」
ほとんど事情を知らないルーミアの無邪気な言葉に冷めた目で返す藍
「大丈夫です!」
そこに大妖精の声、皆を励ます様に笑顔を作っている
「馬鹿ね……根拠の無い励ましなんかするより自分の身を案じなさい」
大妖精にも冷めた目を向ける藍、緊迫した状況に余裕が無いのだ
「大丈夫です……よ!」
藍の辛辣な言葉にうつむく大妖精はスカートを握りながら呟く
「だから何を根拠に……」
「大丈夫なんです!!!」
藍の反論を遮り大妖精が叫んだ
「チルノちゃんが……皆が頑張ってるんです!バーンさんだって絶対戦ってくれてます!!」
大妖精は信じている、皆が勝つと、バーンがいるから大丈夫なのだと……
「だからぁ……大丈夫なんですよぉぉ……」
幼い顔を涙で濡らし訴えた、7人の中で唯一バーンと長く過ごしている大妖精だけが信じているのだ
皆の強さを、バーンの強さを……
「……そうね、私達がここでいくら考えたって無意味……出来るのは信じる事だけ……」
大妖精の訴えに考える事の無意味を悟った藍
「ごめんなさいね……祈りましょう……それしか私達には出来ない……」
大妖精に謝ると藍は橙と共に目を閉じる
(紫様……どうかご無事で……)
(勝ってください……)
空を見上げ主の無事を祈った、また橙も祈る
(魔理沙……無事で帰ってくるんだ……)
霖之助も無事を祈る
(姫様……待ってます)
鈴仙は不死の姫の帰りを信じる
(妹紅……お前なら心配はいらない、なら私がするのはお前の勝利だ!勝て妹紅!!)
慧音は友の勝利を信じる
(また皆で楽しくパーティーしたいのだー!)
ルーミアは楽しき時が来る事を願う
(勝って!幻想郷を……守って!)
アリスも勝利を願う
(勝つって信じてます!勝って……また明日から紅魔館で皆で遊べるって信じてます!)
(チルノちゃん、レミリアさん、フランちゃん、パチュリーさん、魔理沙さん、妹紅さん……それで……とっても強いけど素直になれない優しい……)
(バーンさん……!!)
紅魔館のメンバーの中で唯一戦う事の出来ない大妖精、だからこそ誰よりも皆の強さを知っている大妖精は勝利を確信し明日を想うのだ
明日からも変わらない日々が来ると信じて
「死ねバーン!!」
「来い……ムンドゥス!!」
魔界上空にて遂に2体の王はぶつかり合った
「ヌゥン!!」
巨大な拳がバーンに迫る
「ハァッ!!」
衝撃波に変えた魔力をムンドゥスに浴びせる
ドウッ
「ッ!?……ムゥ……」
衝撃が上半身を打ちムンドゥスを怯ませる
「オオッ!!」
直ぐ様また殴り掛かる
「フェニックスウィング!!」
拳を掌底で弾く
ドウッ
魔力を込めた拳がムンドゥスの腹を打つ
「ッ……!?」
腹を打った瞬間に弾いていない拳を受けバーンは後退する
「フフフ……」
「フン……」
軽い攻防に互いに笑い合い頂上戦は開始される
「なんて戦いだよ……ただの殴っただけでここまでの威力が出せるなんて……」
遥か高みの戦いは妹紅を唖然とさせる、魔力は攻めぎ合い、攻撃は衝撃を伴い余波を離れる妹紅達にも届ける程
「これが王の戦い……」
凄まじいを通り越し幻想かと思わせる程にレベルが違っていた、幻想郷の戦いが児戯に見えてしまうその戦いにレミリアはただ見つめるだけしか出来ない
「始まったみたいね……勝てるかしらね彼は……勝ってもらわないと困るけど」
6人の背後のスキマから永琳が現れ2体の戦いを見上げる
「勝つに決まってるでしょ!バーンがあんなのに負ける訳ないじゃない!」
「そうだよ!バーンが勝つよ!絶対!」
永琳の言葉に即答で答えるチルノとフラン、即答は無邪気故では無い
(信頼しているのね……他の者も同じ顔をしている)
信頼しているのだバーンの強さを、ムンドゥスになど負ける筈が無いと、それは他の4人も同じ、時を過ごしていない霊夢でさえそう感じている
「魔理沙……」
「わかってるパチュリー」
顔を見合わせ頷いた二人が永琳に詰め寄る
「私達を少しでも動ける様にしてくれないか?」
「……なんの為に?彼を信頼しているなら勝った後で回復呪文でも掛けて貰えば良いじゃない」
永琳の言う通りバーンを信頼しているならそうすれば良いのだ、わざわざ今僅かに回復させる必要は無い
「信頼してるさ、なぁパチュリー?」
「ええ、でも万が一……」
「そう、万が一バーンが危なくなるかもしれないだろ?」
「その時は私達が助けてあげないとね」
「だから頼むよ永琳、その万が一に備えてたいんだ!その時に動けなくて友達を助けられないなんてのはゴメンだからさ」
二人は頼む、だが力の差は歴然、行った所で無意味に違いない、でも行く気なのだ、友が自分達の為に戦ってくれているのにただ見ているだけなのは耐えられない、充分に戦ったにも関わらず友の為に備えようとしているのだ
(思いは同じみたいね皆……)
二人以外も同様の表情で永琳を見ている、その表情に皆が同じ考えであると感じた永琳は6人へ歩み寄る
「霊夢は諦めなさい、その傷はすぐには無理、6人は善処してみるけどあまり過度な期待しないようにね」
「わかったわ……皆、お願い」
回復を断念した霊夢は瞳と神奈子を余波から守る為に結界を張り後を皆に託す
「後は任せときなさい霊夢!」
「永琳早く!!」
「早くやりなさい永琳」
「頼むよ永琳」
霊夢の願いを託された6人の催促で治療は開始される、バーンの戦いを彼方に見ながら
ドウッ!!
「っく……!?」
「ヌゥ……」
魔力の衝撃波が互いを打ち怯む
「……ハッ!!」
バーンが魔力を集中させるとバーンの周囲に爆発性の球体が大量に展開される
「余のイオナズンの弾幕……受けてみよ!!」
大量に展開された球体はイオナズン、本来ならバーンでもイオナズンを連射するのは不可能だったが幻想郷の魔方式を応用する事でイオナズンの弾幕を撃つ事すら可能にしていた
枷の外れたバーンのイオナズン、その威力は計り知れない、それを大量に展開し全てをムンドゥスに放った
極大の呪文は爆発が爆発を呼び巨大なムンドゥスを全て覆い尽くし尚も爆発を続ける、最後に共鳴爆発し爆煙でムンドゥスの姿を隠した
「!!……ぐぅ!?」
爆煙から現れた巨大な拳がバーンを打ち弾き飛ぶ
「大した威力だ……」
爆煙から姿を現したムンドゥス、体の数ヵ所に穴が空き肉が抉れている
「フフフ……」
ムンドゥスが笑うと傷に魔力が集まり瞬時に再生される
「だがこの程度では我は倒せん、バーン……貴様はどうだ?」
「……まさか今の攻撃……全力か?」
ムンドゥスの余裕に対しバーンも含んだ笑いで挑発する
「フハハ!!それは貴様が一番わかっているだろう?」
「……やはり気に食わんな貴様は……その余裕がいつまで持つか見物だ」
また2体はぶつかる
「オオオオッ!!」
魔力を放ち合い互いが衝撃によろめく
「ハアアアッ!!」
肉体の衝突が互いの肉を抉る
互いに傷を再生させながら決戦は続く
「フハハハハハ!!」
バーンの攻撃で受けた傷を再生させながら笑うムンドゥス
「耳障りだぁ!!」
ムンドゥスの笑いがバーンをイラつかせる
「カラミティエンドォ!!」
バーンの手刀がムンドゥスの腕を切り飛ばした
「グヌゥ!?……フハハハハ!!」
直ぐ様傷を再生したムンドゥスが笑いと共にバーンに攻撃を加える
「ヌグアッ!?」
強烈な波動がバーンを打ちのめす
「ハァッ!!」
魔弾を連射し全てをバーンに食らわせる
「どうした?この程度で手も足も出ないか?」
針弾幕も追加し愉快な口調で問う
「その名は飾りか?大魔王?」
「この大魔王バーンを舐めるでないわーっ!!」
魔力を放出し弾幕を払ったバーンは炎上する手を構える
「カイザーフェニックス!!」
炎鳥が弾幕を焼き払いながらムンドゥスに直撃する
「ウオオオッ!?」
業火を纏い体を焼かれる、魔炎は全てを焼き尽くさんと燃え上がる
「余の炎に抱かれて消えろ」
悶えるムンドゥスを眺めながら告げる
ドウッ
「ッ!?カァッ!?」
バーンの顔を衝撃が襲う
「まだだ!この程度の炎ではまだ我を滅する事は出来んぞ!!」
炎に身を焼かれながらムンドゥスが怯むバーンを手刀で払う
「……ッ!?」
払いを受けたバーンは顔を歪ませ後退する、同時にムンドゥスの攻撃により制御を失った炎が消える
「フン!!」
身を回転させながらバーンへと突進する、巨大な質量が暴風の様な魔力を纏い襲い掛かる
「フェニックスウィング!!」
掌底を繰り出し迎え撃つ
「ぐっ……!?」
フェニックスウィングはムンドゥスを弾く事なく止まり互いに押し合う形になる
「オオオオッ!!」
「グウウウッ!!」
一歩も退かぬ押し合い、互いに後退は無い、王のプライドは退く事を許さず押し勝てと全身に力を込める
「フフフ……」
押し合うムンドゥスが笑った
「グゥ!?ヌアアアアッ!!」
ムンドゥスの押す力が強まりバーンの掌底を押し始める
「フハハハハハ!!」
高笑いを出した瞬間バーンの掌底は勢いよく弾かれた、ギガストラッシュすら容易く受け止めた掌底はムンドゥスの力の前に敗北を喫してしまう
「……カッ!?」
突進を受けたバーンは飛んでいく
「!?」
止まったムンドゥスは自身の胸部の前にある複数の魔球に気付く
魔球から閃光が迸り大爆発を起こした
バーンは接触する刹那、イオナズンを五芒魔方陣に配置し起爆していた、並の戦士なら技を破られた事で隙が生まれるがそれは流石にバーン、かつての経験が技を破られても自失する事無く攻撃を行っていた
「ゴハッ!?」
爆発から離れた場所でバーンは血を吐いていた
(チィ……やはり……)
ムンドゥスの攻撃の威力を身に感じる、気を抜いていた訳では無い、戦いが始まってから常に体には気を巡らせ攻撃に備えている
それでもダメージは高い、それはムンドゥスの強さを表す、それに……
「フフフ……今のも効いたぞ……」
まだムンドゥスは健在だから……
五芒イオナズンを受けたムンドゥスは肉体の半分を消し飛ばしていた、しかし耳障りな笑みは消えない
「カアアッ!!」
魔力がムンドゥスを包むと消滅した肉体が再生される
「やるではないかバーンよ、よもやこの廃れた地にこれ程の力を持つ同族と出合い雌雄を決する事になるとは思わなかった……だが……」
3つの瞳が妖しく光る
「フッフッフッ……」
何かを含む笑いがバーンに向けられる
「……何か可笑しいか?」
その笑いにバーンが冷たい瞳を向ける
「フフフ……貴様は気付かぬ程愚かでは無い……言葉にしたくないなら代わりに答えてやろう……」
「勝てない……だろう?」
語られたのはバーンの非勝利、敗北の言葉
「何を言うかと思えば……どうやら長年の封印で狂っていた様だな、フン……所詮は小物の絵空事か……」
その言葉を鼻で笑う
「絵空事とは……滑稽だなバーン……虚勢もそこまで行くと笑えるものだ……フッフッフッ……」
そのバーンを嘲笑う
「絵空事よ……貴様に余が負けるだと?笑えもせんし呆れさえするわ」
睨み付ける、笑いも怒りもせずに冷静にいるのはムンドゥスの言葉が真故か偽故か……その表情からは窺い知れない
「フハハハハハ!!ならば幻想を抱いたまま死ぬしかないぞバーン?いや!それが幸せかも知れんな!真実を受け止められず勝利の幻想を抱いて死ねるのだからなぁ!!」
「フハハハハハハハハ!!」
高笑い、それもバーンを完全に舐めた嘲笑の高笑い、余裕を感じさせる笑いはバーンを通り過ぎ遥か下の8人にも届いていた
「あの野郎……馬鹿笑いしやがって……!!」
勘にさわる笑い声に妹紅が拳を握り締める
「でも……バーン苦しそうだよ?」
フランが心配気にバーンを見ている、表情からは出ないか雰囲気がそう感じさせていた
「大丈夫よ、それでもバーンなら……バーンならきっと何とかしてくれる……!!」
パチュリーは感じ始めた不安以上に更に信じる
「そうよ!バーンにはアレがある!えーと……」
チルノはバーンの技に勝機を感じている
「天地魔闘の構え……」
レミリアがその技の名を呟く
「そうだぜ!バーンには天地魔闘の構えがある!負ける訳無い!」
魔理沙の技への信頼、完全に把握している訳では無いが勝機を見出だせる程のものを感じていた
「バーンが勝つわよ……絶対に……」
6人の呟きはバーンに届きはしなかったが想いは届いていた
「貴様の耳障りな笑いもここまでだ……これを前に尚笑えるか?ムンドゥスよ?」
スゥーっと動いた腕が一点で止まり構えは完成される
「……その構え……」
笑みは消えた、バーンの構えがムンドゥスの余裕を崩し去り体を強張らせた
「これを破って初めて笑え……破る事は叶わんがな」
構えたまま挑発する、掛かって来いと
「……試してみるとしよう」
構えに対し直接攻撃を仕掛ける為に体に魔力を行き渡らせる
「行くぞぉ!!」
バーンの奥義、天地魔闘の構えに魔力を存分に込めた拳を仕掛ける
「天地……魔闘!!」
巨大な拳を前に構えたバーンが動いた
「フェニックスウィング!!」
拳を掌底で迎え撃つ、凝縮された力は掌底の力を更に引き上げムンドゥスの拳を手首ごと弾き飛ばす
「カラミティエンド!!」
交差した瞬間にもう片方の腕を肩から切り飛ばす
「カイザーフェニックス!!」
交差の終わり際に炎鳥を放ちムンドゥスを背から焼く
「グオオオオオッ!?!?」
一瞬の交差が終わる、刹那の結果は手首を腕をやられ全身を焼かれる苦痛に喚くムンドゥスの声
「オオオオッ!!」
バーンの攻撃は終わらなかった、直ぐ様イオナズンを連射しながら追撃せんとムンドゥスに迫る
「グゥウウ……オオオオッ!!」
魔力の波動を全身から放ち炎ごとイオナズンの魔球を消し去る
「ムハアァ!!」
手首から先の無い腕でバーンを打つ
「くはっ!?」
腕はバーンを飛ばす事はなく体で止まるが血を吐く
「ヌゥン!!」
腕から衝撃波を出し吹き飛ばす
「ぐっ……!?ぬぅ……」
体勢を立て直したバーンは血を拭いながらムンドゥスを睨む
「フフ……フフフ……」
肉体を再生しながらムンドゥスはまた意味深に笑いだした
「素晴らしい……実に素晴らしい技だ……それ故に残念でならんなぁバーンよ……」
先程の強張りから一変、再び余裕を取り戻すムンドゥス
「……余の奥義を破ってから笑えと言ったが?」
余裕に対し冷静に返すバーン
「フフフ……ならばもう一度挑むとするか」
再生を終えたムンドゥスは構える
「破る算段でもある様な物言い……余の構えを破った者はいまだかつてただ1人!だが貴様では破れぬ!何度来ようとも結果は変わらん!!」
強く叫ばれたそれは誇りの象徴、確かにバーンの語る通り天地魔闘の構えは一度破られている、しかしそれでも尚この構えはバーン最大の技であり誇るべき奥義なのだ
王の誇りを賭けた奥義を帝王に対し構える
「フッフッフッ……」
その王の誇りに帝王の邪悪な笑みが向けられ笑い声が辺りに響く……
遅くなりました、仕事が忙しかったのと話の構成と肉付けに苦心してました……
遂に始まりました王の戦い、魔帝編が始まって10話目にしてようやく戦いました……こんなに長くなるとは……
次回も色々と苦心してますので遅くなるかもしれません