紅魔館の近くにある湖の回りに広がる森の中
「ヤッホー大ちゃん!今日は何して遊ぶ?」
「おはようチルノちゃん、そうだね……チルノちゃんはしたいことある?」
「久々に弾幕ごっこがしたいな!でも大ちゃん弱いからね~」
「アハハ……ゴメンねチルノちゃん」
「良いのよ、最強過ぎるあたいが悪いのよ!大ちゃんは悪くないよ!」
「あ!そう言えば昨日、紅魔館に見たこと無い人が飛んでいってたよ、凄く強そうだったなぁ……」
チルノの目がカッと見開いた
「なんでそれを昨日教えてくれなかったの!?」
「ご、ゴメンね、かくれんぼしてたら忘れてて……」
申し訳なさそうな顔でモジモジしている大妖精
「まぁ良いわ、じゃあ早速ぶっ飛ばしに行くわよ!」
「えぇ!?今から行くの?」
「当然よ!あ、でもやっぱりご飯食べてからにするわ」
妖精達は森の中へ消えていった
「バーン様、こちらです」
朝食を終えたバーンは咲夜に案内され紅魔館の図書館へ来ていた
「これは想像以上だ……」
目前に広がる壮大な本の数々に感嘆の声を出す
それもその筈、広げられた空間はバーンの目を持ってしても全容を把握出来ない広さ、その空間に自身の何倍もある高さの本棚が数えきれぬ程並んでおりどの本棚もビッシリと本が詰まっている
(魔導書の割合が多いな、これだけの魔導書を管理する者、はたして如何なる者か……)
管理者に興味を示すバーンに先導する咲夜から声が掛かる
「バーン様、お身体の方は大丈夫ですか?心臓を潰されたと聞きましたが?」
「心配いらぬ、心臓の1つなら一晩あれば再生出来る」
「そ、そうですか……」
簡単に言い放つバーンに咲夜は相槌しかうてなかった
「フランの方はどうなのだ?流石にもう目覚めたのだろう?」
「あ、はい、朝食の前に起きられてお嬢様に説教を受けた後に機嫌を悪くされてまた寝てしまわれました」
「フ……そうか」
そんな話をする内にある程度進んだ咲夜は足を止め呼び掛けた
「パチュリー様ぁ!どこですかー?」
「ハーイ!」
返事がした本棚の裏から赤毛に羽の生えた少女が本を持ち出てきた
「咲夜さん、何か御用ですか?」
少女が咲夜に話した直後
「お前がパチュリー・ノーレッジか、なるほど魔族に近いな」
少女の前に大男が立った
「あわわ……」
(大きい……それに凄い魔力……)
自分を見下ろす大男にたじろぐ
「いえ、バーン様、そちらはパチュリー様の使い魔の小悪魔です」
咲夜の訂正が入った
「む、そうか……」
「フフ……」
勘違いをしても表情を変えず目を閉じたバーンが可笑しくて咲夜は微笑む
「小悪魔、パチュリー様はどちらに?」
「あ、はいッ!こちらです」
小悪魔の先導に着いていく二人、先導の先には机一杯に本を置き、貪る様に本を読む少女が居た
「パチュリー様ぁ!お客様です!」
「咲夜……何?」
本を下ろしたパチュリーは不機嫌そうに聞いた
「こちらの方が図書館を利用したいとの事でお連れしました」
「そう……妙な事をしないなら構わないわよ」
バーンを一瞬見た後、本を読みながら答えた
「……!?」
何かに気付いたパチュリーは本を下ろしバーンを凝視した
「貴方……何者?その異常な魔力はどうやって……」
バーンのその身から感じる強大な魔力を察知したパチュリーはバーンに問い掛ける
「余の名はバーン、魔に長けた者よ、お前は魔法使いか?」
「そうよ、それより答えて」
「……余は生まれながらに強大な魔力を持っていた、そして悠久の年月を掛け大魔王と呼ばれる程の魔力を得たのだ、もっとも今は王でも無い上に力は抑えられているがな」
「大魔王……大いなる魔の王……道理でそれほどの魔力を持っているのね」
「もう良いか?無ければ勝手にさせて貰うが?」
「待って、貴方に私の仕事を手伝って欲しい、貴方の知識を借して」
「断る、余はそこまで暇ではない」
そう答えたバーンは身を翻す
「ごめんなさい、言い方が悪かったわ、貴方がここを利用している間だけ知識を借りたいの、私も魔を扱う者、貴方に指導を受けたいの」
「………」
(魔法使いとしては高いレベルにありながら慢心する事無くなお高みを目指すか……フ……)
「良いだろう、その志に余の知識を貸そう、その代わり精進せよ、魔の深淵は広く、そして深いゆえにな」
「わかったわ、ありがとうバーン」
嬉しそうに笑顔を作り感謝した
「まずはバーンの用を済ませましょうか」
「幻想郷の全容が知れる物と八雲紫について知れる物、それと幻想郷の魔導書を頼む」
「わかったわ、こあ!」
「はい!少しお待ち下さいバーン様」
パチュリーの指示を受けた小悪魔はパタパタと飛んでいった
「では私は仕事があるので失礼します」
咲夜もそれにつられ図書館から出ていった
「パチュリーよ、お前はどの程度まで魔力を扱えるのだ?」
本が届くまでの間にパチュリーの力量を確認する
「私が使えるのは五行に2つ足した七曜の魔法よ」
「ほう、その若さで大したものだが質はどうだ?火の魔法を全力で出してみろ」
頷いたパチュリーは掌に巨大な火球を作り出した
(魔力の法式に違いはあるが平均的なメラゾーマと同程度と言った所か)
「レベルは高いと言える、余の居た世界ではメラ、メラミ、メラゾーマと言われる火炎呪文がある、これはメラゾーマと呼ばれる上位呪文と同じ位だ」
そう言うとバーンは掌に火球を作り出す、パチュリーの火球の半分程度
「……これが貴方のメラゾーマ?」
少し不思議そうなパチュリーにバーンは続ける
「これはメラゾーマでは無い……メラだ、同じ呪文といえども使う者の魔法力の絶対量によって その威力は大きく異なる」
「こ、このレベルで下位呪文……凄い……」
感嘆の声を洩らすパチュリーにバーンの追い打ちが飛ぶ
「今の余は負荷を掛けられ魔力を大幅に抑えられている、これでも全力の半分以下だ」
「……」
パチュリーは絶句していた、その余りにも違いすぎるレベルの差に
「……もう一度聞こう、お前はこれを知っても高みへ……魔の深淵へ来るか?良いのだぞお前は魔法使いとしては充分に強い、残る余生を他の事に生きるのも良かろう……」
火球を消したバーンがパチュリーに問う
「やるわよ!私にはこの生き方が気に入ってるこの生き方しか出来ない、貴方の言う魔の深淵、そこに辿り着くその為にずっと魔導書の解読を続けていたのよ」
強いパチュリーの目と言葉にバーンは笑みを向ける
「よくぞ言った、その言葉忘れるなよ」
「えぇ、わかったわ」
(長大な道、そして遥か高く聳える壁、それに臆せず向かうか……似ている……余を倒したあの勇者達に……)
パチュリーの目に宿敵達の面影を感じ、また微笑んだ
「持ってきましたよバーン様!」
パチュリーの机に隣り合う様につけられた机に大量の本が並べられる
「これが幻想郷の本と八雲紫の本です、後は魔導書ですね、まだまだあるので持ってきます」
そう言うとまたパタパタと本棚に消えていった
「まずは幻想郷からか」
幻想郷の歴史等、幻想郷についての本を手に取り読み始める
その間にパチュリーからの質問に応じ助言や指導を行う、その間にも次々と運ばれてくる魔導書
机が本で満たされ、バーンが一冊読み終えた時、紅魔館に来訪者は来た
「ここに匿っているのはわかってるわ!出しなさい!」
「ちょ、ちょっとチルノちゃん!喧嘩腰は良くないよ……」
「いきなり何ですか氷精さん……」
門の前で問答をしているのは2体の妖精と美鈴
「良いから出しなさいよ!あたいがぶっ飛ばしてやるんだから!」
「そう言われても……」
喚くチルノに美鈴は困惑気味だ
「あの、すいません、昨日見た大きい人を探してるんです、紅魔館の方向へ飛んでたのでここかなって」
「あぁなるほど、バーンさんを探していたんですか、どうかされたんですか?」
話のわかる大妖精のおかげで用件を把握した美鈴は詳細を尋ねる
「それがチルノちゃんが弾幕ごっこするって言って聞かないんです……」
「貴方も大変ですね……」
大妖精の苦労を察し同情した
「もぉー!良いから早く出しなさいよー!」
「あーわかりました、取り次ぎはしますけどバーンさんが来るはわかりませんよ?」
「はい、お願いします、ダメなら諦めますので」
「早くしなさいよ!」
(無理だと思うけどなぁ……)
館に入りながら美鈴は難易度の高さを感じていた
「バーン様、お客様がみえています」
美鈴から取り次いだ咲夜がバーンに伝える
「余に客だと?」
読んでいた本を下ろし咲夜に詳細を促す
「湖の側の森に住む妖精です、何やらバーン様との弾幕勝負を希望していますが……心当たりは?」
「昨日目覚めた余に心当たりなど無い、だが湖なら通った、その時見られていたのだろう」
「どうされますか?無用なら追い払いますが?」
「いや良い、ちょうど妖精についての項目を読んでいた所だ実物が来たなら興味がある」
立ち上がるバーンは魔導書と格闘するパチュリーに告げる
「すぐ戻る」
頷いたパチュリーを確認するとバーンは歩き出し咲夜は追従し図書館を出た
「許可が出たようです、どうぞこちらへ」
美鈴に案内され中庭に通される妖精達、それと同時に入口からバーンが現れる
「大ちゃん、アレ?」
「そうだよチルノちゃん!うわぁ近くで見ると余計大きく見えるなぁ……強そう……」
「大丈夫だよ大ちゃん!なんたってあたいは最強だからね!」
妖精達の会話は近付いたバーンの声に終わりを告げる
「これが妖精か……どちらが相手だ?両方か?」
「あんたなんかあたい一人で十分よ!食らえ……」
「メラ」
ピチューン
「チルノちゃーーーん!!」
バーンの放った火球でチルノは霧散した
「よ、容赦無いですね……」
一切の手心無く瞬殺したバーンを見て美鈴は動揺する
「妖精とは自然が維持される限り蘇るのだろう?違うか?」
「えぇ、まぁその通り何ですけど……」
(だからって瞬殺は酷いですよ……可哀想に……)
「さて、お前はどうするのだ?」
美鈴以上に激しく動揺している大妖精に戦うかを問う
「ア、ハイッ!いやっあのっ……か、帰ります……」
トボトボと帰って行った
「では余は戻る、仕事に精を出すのだな美鈴」
「はーい……」
「本当に早かったわね」
「大した事では無いのでな」
図書館に戻ったバーンに変わらず魔導書と格闘するパチュリーが迎える
「貴方に大した事なんてそうそう無いわよ……あ、バーン、ここなんだけど……」
再び読書と指導に戻った
そして次の日
「バーン様、また昨日の妖精が現れました」
変わらず読書に勤しむバーンに咲夜から告げられる
「書物には一晩で蘇るとあったが事実だったか……わかった、会いに行こう」
「ちょっと!昨日はよくも不意討ちかましてくれたわね!許さないからね!」
いきり立つチルノ、昨日の事がよっぽど頭に来たらしい、側の大妖精は申し訳なさそうにペコペコしている
「特に蘇生時の弊害は無いのか、どれ……」
「食らえー!氷符「アイシクル……」
ピチューン
「チルノちゃーん……」
バーンのイオを受けてまたチルノは霧散した
「戻る、もし明日も来る様なら伝えろ」
「えっ?相手をするんですか?」
バーンの意外な言葉に美鈴は目をパチクリさせる
「昨日、今日だけでは判断がつかぬからな、明日も来るなら余も対応を改めるつもりだ」
「?はぁ……わかりました」
バーンの真意がわからない美鈴は空返事をして見送った
そして次の日
「バーン遊ぼうよぉ!ねぇってば!」
読書を続けるバーンはフランのおねだりを無視していた
「ねぇバーン、出来れば貴方の世界の呪文について教えて欲しいのだけど、私の魔法に応用出来ればと思って」
「フム……可能だろうな、だが扱いは更に難しくなるだろう」
「構わないわ、それぐらい出来なきゃ魔の深淵なんて辿り着けないわ」
「よかろう、ならば教えてやろう……と言いたいが先客が来たようだ」
バーンの視線の先には咲夜が立っていた
「来たのか?」
「はい、昨日より元気ですよ」
待ち人の来訪にバーンは薄く笑い立ち上がった
「えー!バーンズルいよ!フランと遊んでよー!」
「相手をしてやっても良いが条件がある、お前の中にある狂気を制御しろ、それが出来たなら遊んでやろう」
「えー……難しいよそれ……」
「レミリアから聞いたがお前はそれが出来ないから友人が出来ないのだろう?ならば制御するしか術はあるまい」
「むぅ……わかった……」
上手くフランを言いくるめたバーンは出口に向かい歩き始めた
「……パチュリー、お前も来るのだ、勉強になるやもしれん」
「……?わかったわ」
「あたしも行く!」
「では日傘を用意しますね」
バーンの後をゾロゾロとついていった
「来やがったわね!何よ今日は随分多いじゃない!ははーん、さてはこの私に恐れをなして助っ人を呼んだ訳ね!良いわ!全員纏めてかかってきなさい!」
ビシッっと指差すチルノの横には呆れ果てた大妖精が居た
「チルノちゃんもうやめようよぉ……また一瞬でやられるだけだよ……」
この先の展開を予想している大妖精は無駄と分かりつつもチルノを止める
「何度蘇っても弊害は無しか……妖精、名は?」
「何よ急に……チルノよ!これからあんたをぶっ飛ばす奴の名前よ、覚えときなさい」
「余の名はバーンだ、チルノよ何故余に挑み続ける?」
「決まってんじゃない!あたいは最強なんだから勝つからよ!」
「もぅ2回も負けてるよチルノちゃん……」
「あ、あれは不意討ちを受けたからよ!あたいが本気出したらあんな奴簡単よ!」
(面白い奴だ、実力差がわかっていない上に余に勝つ気でいる、知恵が足らぬだけのようだがそれでもこの気概は……)
「チルノよ、今回は不意討ちは無しだ、思う存分その力を振るうがいい……さあ来るがいい」
「フン!後悔しない事ね!行くわよ!氷符「アイシクルフォール」!!」
チルノから発射された無数の氷弾
「フッ……」
笑みを浮かべたバーンは氷弾を前に真っ直ぐ歩いて行った
「スゴーイ!歩いてるだけなのにバーンに弾が当たらないよ!」
弾幕の中を悠然と歩くバーンの姿にフランが驚き声に出す
「安全地帯ね」
パチュリーがその光景を見て呟いた
「ああ!たまにありますよね当たらない場所が」
スペルカードとは攻撃を重視した物では無い、その弾幕の美しさに重きを置いているので弾幕の配列によってはこういった事もしばし起こりうる
「それにしてもあれは分かりやす過ぎるわ、点数にしたら赤点ね」
パチュリーの辛口の評価が下される
「お前はもう少し考える努力をするんだな」
歩き抜け、チルノの前に辿り着く
「フフン!中々やるみたいね!これならどう?」
飛んだチルノから大量の氷弾幕が放たれる
「では余も氷を見せてやろう……ヒャダイン」
バーンの放った氷弾がチルノの氷弾を砕き貫通する、だがチルノには氷弾は向かわず弾幕だけを綺麗に処理した
「や、やるじゃない!あたいの真似をするなんて!でもまだまだー!」
一瞬怯んだチルノだがすぐ気を取り直し弾幕を展開する
「まるで子どもと大人の勝負ですね……」
「そうね、あれでもあの氷精は普通の人間より長生きしてるのに」
余りの実力差に観戦する二人の感想が一致する
(勉強になるなんて言ってたけどこれの何処が……)
見る価値を感じない勝負にパチュリーが不満を露にし始めたその時、バーンが動いた
「!?あれは!」
バーンは自身から大量の火球を生み出し周囲に滞空させた
(あれは弾幕!?さっき私が聞いた事の逆!バーンの魔法に弾幕の法式を応用した!)
迫る弾幕に火球を放ち全て打ち砕く、チルノも負けじと更に弾幕を放つが全てをバーンの弾幕が砕いた
(こんな短期間で弾幕の法式を組み入れるなんて……バーン、大魔王の肩書きに偽りは無し……か、師事して正解だったわね)
戦慄すら覚えるその能力にパチュリーは喜びを感じていた
「はぁ……はぁ……クッソー!」
弾幕を放ち続けたチルノは疲れを見せ始めていた、身体だけでなく精神的にも疲れていた、放つ弾幕は全て砕かれ、挑発してくる、その繰り返しだったからだ
「どうした?もう終わりか?なんだ案外呆気ないものだ、この程度で最強とはな……」
小馬鹿にするように言い放つ
「あたいをバカにすんなー!」
怒気を爆発させ弾幕を放つ
「そろそろ終りにさせて貰おう」
バーンはその手をチルノにかざし魔力を込め唱えた
「マヒャド」
詠唱と同時にチルノの弾幕を氷らせながらチルノへ侵食していく
「ううぅ!?」
自身の能力を使い氷結に抵抗するチルノ、だが徐々に氷結はチルノへ迫っていった
「氷精の力を上回る氷の呪文……私じゃ不可能……これはバーンだから可能な事……」
本来ならパチュリー程の魔法使いでも氷の化身とも言えるチルノに氷の魔法で対抗すれば歯が立たない、それほど冷気に関してはチルノの力は高いのだ、それを真っ向から捩じ伏せるバーンの力にパチュリーは今日何度目かわからぬ感心をした
「どうした?もう後が無いぞ最強?このまま氷精のお前を氷らせればどうなる?復活出来ずに氷に封印されるのか?試してやろう」
更に呪文に魔力を込める
「ううぅー!!もう……ダメェ……!?」
氷結がチルノの体を侵食していく、下半身を侵食したその時バーンの声がチルノを刺した
「どうした!お前の最強とはその程度か!」
「バーン……?」
突然叫ばれた言葉に困惑する観戦者、誰もバーンが相手に激励を飛ばすとは思って見なかったから
「最強を名乗ったのはただの自己満足か!お前が最強を名乗るならこの程度破って見せろ!」
「うー……!!ギギギギ……!ダァァァァ!!!」
ガァン!
氷結は砕かれバーンのマヒャドは破られた
「嘘……」
バーンの呪文の勝利を確信していたパチュリーはその結果を信じられない
「あ……」
力を使い果たしたチルノはゆっくりと落下する
「やれば出来るではないか、見事だったぞチルノ」
受け止めたバーンは称賛の言葉を送る
「……でも勝てなかった」
目に涙を浮かべチルノは悔しがる
「当然だ……余は大魔王だった者、お前とは格が違う」
「大魔王って何よ!いつか絶対倒してやるんだから!」
涙を拭いながら宣戦布告する
「ならば余の配下になるが良い、余の配下になり弱点を探すなり己を磨くなりすれば良い、お前が力をつけた時にはいつでも相手をしてやろう」
「……良くわかんないけど友達になるって事?」
「フッ……まぁ良いお前の好きに思うが良い」
そう言うとチルノにベホマを唱え、回復したチルノを下ろした
「紅魔館へ自由に出入り出来るようレミリアに掛け合っておく、いつでも来るがいい」
バーンは身を翻し紅魔館へ戻って行った
「チルノちゃん、どうするの?」
隠れていた大妖精が現れチルノに話しかける
「良くわかんないけどとりあえずバーンはあたいと友達になったのよ!でもいつかぶっ飛ばしてやるんだから!」
「まだ勝つ気でいるのチルノちゃん……とりあえず今日は帰ろう?」
「そうね!お腹も減ったしね!行こっ!大ちゃん!」
妖精達は紅魔館を去っていった
「勉強になったわ……ねぇ教えてくれない?あんな氷精を配下にしようとした訳を」
図書館に遅れて到着したパチュリーは既に読書を再開していたバーンに問う
「……余は強い者が好きなのだ、そして強くなろうとする者も好きなのだ、そこに頭の良し悪しは関係無い、確かにチルノの頭脳は悪い、だがどんな強大な敵にも臆せず越えようとする気概がチルノにはあった、そこが気に入ったのよ、現にチルノは本気に近い余のマヒャドを破った」
「そう……でも氷精は貴方を友達と思ってるわよ?」
「良いのだ、先程は配下と言ったが余は軍を作るつもりは無い、軍を率いていた頃の癖の様な物よ、余を友とし越えようとする、好敵手……それもまた一興よ」
フッっと笑ったバーンは読みかけの幻想郷縁起を再び読み出した
紅魔館の戦闘が終わりだと言ったな……あれは嘘だ。
すいません、嘘ついちゃいました、バトルでした。
チルノはバーン様の仲間にするのは決めてたんですが内容を考えてたらバトルになりました……
早くも言動おかしいかもしれないと不安を感じて来ました。