東方大魔王伝   作:黒太陽

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エピローグ ~亡き王の為のレクイエム~

その昔、幻想郷をかつてない異変が襲った

 

 

後に魔帝異変と呼ばれるその異変は幻想郷を滅びへ導こうとしていた

 

 

幻想郷の民達は1つになりこれに立ち向かった

 

 

しかし誰も倒すことは出来なかった

 

 

滅びへの道を進むしか無いかと思われたその時

 

 

魔帝に対峙した者が居た

 

 

強大な力を持っており、かつて大魔王と呼ばれていたその者

 

 

彼もまた幻想郷を滅ぼしうる力を持っていたが

 

 

彼はそれをしなかった

 

 

それどころか友の為に戦い

 

 

友を、友の生きる幻想郷を救った

 

 

そしてその後、彼は友と仲間に道具と想いを託した後

 

 

幻想郷から消える事になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の名はバーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歴史に記されたその大いなる能力は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友を守る程度の能力

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の里・寺子屋

 

「……以上が魔帝異変及びバーンについてだ、何か質問はあるか?」

 

生徒に慧音は言った

 

今は授業中らしい

 

「怖いですね魔帝って……」

 

「そうだな、悪魔を放って幻想郷を荒らしたんだ、私も戦ったんだぞ?」

 

「バーンって人はどんな人なんですか?」

 

「ん~……私にわかるのは強い、ただひたすらに強い……!って事くらいだな」

 

「強いって先生より?」

 

「ああ勿論!」

 

「満月の先生でも?」

 

「満月の私でもだ!」

 

「マジで強いんですね……先生が何人分くらい?」

 

「マジでヤバイ!どれくらい強いかと言うと先生が100人分くらい?そんなレベルじゃない!仮に私が万人いても勝てないだろう」

 

「頭突き先生にそこまで言わせるなんて……」

 

「……何か言ったか?」

 

「いえ何も」

 

「……頭突き先生と聞こえたが?」

 

「滅相もございません、そのような事があろう筈がございません」

 

「……まぁいい、話を戻そう、と言っても私にわかるのはそれだけだ、興味があるなら私の友人に詳しい奴がいるから呼んでみよう」

 

「あっ!もしかして妹紅さんですか?」

 

「そうだ、あいつはバーンにとって大切な友人だったから私なんかより余程バーンの事を知っている」

 

「本当ですか!?あの妹紅さんが歴史に残る人と友達だったなんて!?」

 

「本当だ、他にも居るぞ?バーンの友人は7人居る、それと仲間もな」

 

「誰なんですか!?」

 

「仲間は沢山居るな……妖怪から始まり幽霊、半霊や鬼に神、人間も居る」

 

「鬼に神様!?凄い……」

 

「改めて考えると仲間も凄い面子だが……友人はもっと凄いぞ?」

 

「誰ですか!!」

 

「私の友人、皇帝不死鳥の妹紅に魔女の二天、最強と大いなる妖精、王女に王の妹だな」

 

「……嘘ですよね?幻想郷の頂点の7人ですよ?」

 

「残念ながら本当だ、ちなみにバーンはもっと強いと思うぞ?」

 

「どんな人なんですか!!写真とかないんですか!?」

 

「写真は無いんだ、射命丸が書いたこの下手くそなイラストだけしか残されていない」

 

「……こんな感じの人なんですか?」

 

「……全く似ていない、誇張が過ぎて怪物になってるからな」

 

「一目見たいなぁ……」

 

 

 

そんな幻想郷のとある風景

 

 

 

(年に1回のこの授業……)

 

慧音は窓から太陽を見上げる

 

(これで50回目か……)

 

 

 

バーンが消えてから50年が経っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館・周囲の平地

 

 

 

 

 

 

      天候満る所に我は在り……

 

 

 

     

 

 

 

 

「黄泉の門開く所に汝在り、出でよ……神の雷……!!」

 

紫の女性が高らかに詠唱を唱えると白黒衣装の女性の頭上に巨大な魔法陣が展開される

 

「何!?それは!?」

 

白黒女性が身構える

 

「これで最後よ!!」

 

詠唱の完了と同時に魔法は撃たれた

 

「インディグネイション!!」

 

魔法陣に蓄積された魔力が雷鳴を轟かせる

 

「そんな……そんなバカな!?」

 

その魔法にたじろぐ白黒、だが

 

「……なんちゃって!」

 

白黒の女性は雷が落ちる前に既に構えていた

 

「恋符「マスタースパーク」!!」

 

八卦炉から撃たれたレーザーは雷とぶつかる

 

数秒押し合った後、白黒の女性の口角があがると

 

レーザーは雷を貫いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……こんなもんだろ」

 

八卦炉をおろした女性が呟いた

 

「そうね、それにしてもまた威力が上がったんじゃない?アレを貫くなんてまずあり得ない筈なんだけど……」

 

紫の女性は呆れながらお手上げする

 

「私にはこれしかないからな、弾幕はパワーだぜ!!」

 

白黒の女性が力強く答えた

 

「もう歳なんだし隠居すればいいんじゃない魔理沙?」

 

白黒の女性は魔理沙

 

今やすっかり歳をとり、お婆ちゃんと呼ばれる年齢

 

「まだまだ!私は生涯現役って決めてるんだよパチュリー!」

 

紫の女性はパチュリー

 

こちらは魔法使い故にあまり変化は無い

 

「……いつの間にか50年ね」

 

「そうだな……いつの間にか魔女の二天なんて言われるようになっちまってさ」

 

「そうね……」

 

 

50年の月日は二人を魔女の二天と呼ばれるまで高めていた

 

 

「パチュリーは呪文ばかり覚えたんだよな、アルテマとかマダンテとかさ、あれも魔の深淵か?」

 

「そうよ、他には今のインディグネイションもそうだし……結構覚えたわね」

 

「流石技のパチュリー!賢者って呼ばれるだけあるな!」

 

「でも一番はやっぱりメドローアね、メドローアだけは今も磨き続けてるし……これも魔導書のお陰」

 

パチュリーはこの50年間魔の深淵に挑み続けていた、魔導書には他の魔導書の解読の方法も書かれておりその成果は多彩な魔法として昇華され数々の魔の深淵と呼べる魔法を会得していた

 

その最中にいつの間にか賢者と呼ばれ始め、彼女に師事を乞う者まで現れるまでに成長していた

 

「メドローアだけは私にはどうしようも出来ないからなぁ……私は力を高めてるだけだから応用が利かない」

 

「魔の深淵をただのスペルで撃ち勝てる時点で応用なんて必要無いと思うけどね……ねぇ力の魔理沙?」

 

「私は細かいのは苦手なんだ、私にはこれが一番合ってる」

 

「魔理沙も賢者並みに色々出来るのにどうしても力に目がいくのよね、もういっそ賢者を名乗ったら?」

 

「よせよパチュリー、私は賢者なんて柄じゃない……私を呼ぶならせめて……大魔導士……!!」

 

 

「そう……私を呼ぶなら大魔導士と呼んでくれ」

 

 

魔理沙はひたすらに、ただひたすらに力を磨き続けた、その過程でいくつもの魔法を会得したが一番心血を注いだのは力

 

ただ弾幕の力を上げる為だけに時を過ごし

 

気がつけばその弾幕はスペルのレベルを遥か超越していた

 

 

50年の月日は同じ魔法使いのアリスを越え、大魔法使いの白蓮をも抜き去り

 

 

二人は魔法使いの頂点となっていた

 

 

「……そろそろ皆来る頃ね」

 

太陽を見上げながらパチュリー

 

「そうだな……なぁパチュリー?」

 

「何?」

 

「私達強くなったよな?」

 

同じく太陽を見上げながら魔理沙が聞く

 

「それで強くないなんて言ったら大妖精にどやされるわよ?」

 

「……そうだな……うん!強くなった!!」

 

太陽に向かって叫ぶ

 

「今なら……今なら勝てる!!」

 

友を想い叫んだ

 

今も約束は忘れていないと

 

だから会いたい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     ならばかかって来るがいい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ!?」

 

背後から声が聞こえて反応する

 

「バー……!!」

 

振り向いた魔理沙の動きは止まった

 

(……幻聴……か……)

 

 

そこには誰も居なかった

 

 

幻聴……

 

 

それはとこしえに想うが故に聞こえた

 

 

 

悲しい幻聴……

 

 

 

(……この時期になるといつもだぜ……)

 

誰も居ない場所を見ながら帽子を下げて目を隠す

 

(いつまで経っても消化出来てないって事か)

 

毎年この時期になると魔理沙はいつもバーンの声が聞こえていた

 

そしてその度に在りし日を思いだし目線を下げていた

 

「バーンの声が聞こえたんでしょ?」

 

一瞬驚いた魔理沙

 

「……私だけじゃなかったか、パチュリーも聞こえるんだな」

 

すぐに苦笑した

 

「私だけじゃないわ、妹紅もチルノも聞こえるって言ってる……皆聞こえてるのね」

 

その言葉に目線が下がる

 

「……いまだに後悔してるよ、なんで気付いてやれなかったんだ……って……」

 

「しょうがないわよ、レミィでさえ気付かなかったんだから……」

 

「わかってるよ、でもさ……やっぱり後悔が消えないんだよなぁ……」

 

 

二人が黙った瞬間だった

 

 

「それは言わない約束だろ?」

 

「軟弱者めー!」

 

 

声が聞こえたと同時に二人を炎と冷気が襲う

 

 

「おっと!」

 

「ふん……」

 

 

魔理沙は軽く飛び避け、パチュリーは防御壁を作り防いだ

 

「随分なご挨拶ね妹紅、チルノ」

 

防ぎきったパチュリーが顔を向ける

 

「これが私達の挨拶だろ?」

 

「あれぐらい凌げなきゃ話にならないわよ!」

 

妹紅とチルノ

 

「お久しぶりです皆さん」

 

そして大妖精

 

「来たよ!」

 

遅れてフラン

 

「集まったか!」

 

6人が集合した

 

妹紅は変わらない

「やっぱ似合ってるなソレ」

 

3人に指差しながら魔理沙

 

「へっへーん!良いでしょ!」

 

チルノは成長した、心は大した成長はないが体は幾分成長している、今は15前後くらいだろうか

 

その耳には青いイヤリングが着いていた

 

「これだけあれば何もいりません!」

 

大妖精も成長した、体はチルノと同じく15前後、心は大きく成長した

 

その首には緑のネックレスが着いている

 

「あたしもこれ以外のは着ける気になれないなー」

 

フランは変わらない、成長の遅い吸血鬼故に体は変わらないが心は成長した、口調も変わってないが確かに成長している

 

その腕には赤黒いブレスレットが着いていた

 

「レミリアは相変わらずか?」

 

魔理沙がフランに聞く

 

「うん……どうしてもこの時期はね……お姉様は特に想いが強かったから……だからバーンの命日が近付くといつも部屋に籠るの……」

 

レミリアは出てこなかった、だからいつも6人

 

「まぁ良いさ!よし!集まったし始めようか!」

 

妹紅が開始を宣言する

 

「よっし!やるぜ!!」

 

魔理沙の返しに皆は張り切り

 

「勝負だ!!」

 

始まった

 

 

6人は毎年バーンの命日になると集まって勝負をしていた

 

あれから図書館にはあまり皆は出向かず各々が研磨した力を命日になると競いあう様に勝負をしているのだ

 

 

まるでバーンに見てもらう様に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが……私の不死鳥……その想像を絶する威力と優雅なる姿から太古より幻想郷ではこう呼ばれる……」

 

 

「やあああってやるぜ!!」

 

 

「魔の深淵を見せてあげるわ」

 

 

「豚の様な悲鳴をあげさせてあげる!」

 

 

「私の力は風を友とし、風の中に真空を走らせます!」

 

 

「幻想郷氷の支配者、あたいこそ最強……見事越えて見なさい!」

 

 

 

バーンの意思を継いだ6人はその想いを忘れる事はなかった

 

強くなる

 

それは終わりの無い道なのかもしれない

 

でもそれだけは止められない

 

それが交わした約束だから

 

 

バーンの想いは消えない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー負けた!ちくしょう!!」

 

ボロボロになった魔理沙が草原に寝転がりながら叫んだ

 

「あたいったら最強ね!!」

 

イヤリングを弾きながらチルノが得意気に指差す

 

「今回はいけると思ったんだけどな……」

 

魔理沙の隣の妹紅、凍りついた腕を溶かしている

 

「去年は誰が勝ったっけ?」

 

フランもボロボロ

 

「去年もチルノね、その前もその前もチルノよ」

 

バーンの魔導書に付いた汚れを落としながらパチュリー

 

「まさかチルノちゃんが一番強くなるなんてバーンさんも思わなかったでしょうね」

 

ボロボロながら苦笑する大妖精

 

「あたいが本気だしたらこんなもんよ!!」

 

「そのうち凍れる時の秘法の領域まで行きそうね……」

 

 

この50年で皆強くなった

 

 

皇帝不死鳥の妹紅

 

カイザーフェニックスの名を冠した妹紅は今や伝説の妖怪ハンターとして名を轟かしている

 

彼女を怒らせたら最後、灰になるしか道は無いとさえ言われている(文文。新聞より)

 

カイザーフェニックスの名にしたのはバーンを忘れない為

 

いつかカイザーフェニックスを越えて真なる皇帝不死鳥になるとの想いを込めている

 

 

魔女の二天

 

魔理沙とパチュリー二人を指してそう呼ばれる

 

もはやスペルのレベルではない威力の弾幕を持つ魔理沙と数々の魔の深淵を会得し尚も研鑽を怠らないパチュリー

 

二人もまた形は異なるがバーンの意思を継ぎ自己を高めた

 

 

大いなる妖精、大妖精

 

一番弱かった彼女も今や皆に肩を並べる強さになった

 

そして強さ以上に賢くなった大妖精はチルノと並び、妖怪を代表するまでになった

 

ちなみに発育は胸に集中した模様

 

 

王の妹、フラン

 

元々吸血鬼故に強かったフランは更に実力を上げ、太陽すら克服し日中でも活動出来る様になっていた

 

その力はバーンの助言通りに身体能力を鍛え攻守共に素晴らしい成長を遂げた

 

速さは文を越え、勇儀に殴り勝てるまでになった

 

王とは姉ではなく勿論バーンの事、バーンを想う誰かが言い始めいつの間にか呼ばれ始めた、フラン自身も義兄同然のバーンの妹としてそれを受け入れ喜んだ

 

 

最強、チルノ

 

成長した彼女は意外にも誰よりも強かった

 

長所である冷気を高め続けた結果、彼女のそれは冷気を超越した何かにまでなっていた、彼女の意思1つで瞬時に好きな場所、好きな物を凍らせる

 

魔法はおろか妹紅すら凍らせるその冷気は彼女を名実共に最強まで押し上げた

 

バーンの意思を最も顕現したのが彼女だった

 

だが発育は非常に残念な模様

 

 

 

誰もが一騎当千と呼ばれる強さになった

 

だが誰もその力を悪用したり私欲に使っていない

 

それどころか満足すらしていない

 

それはまだ未だバーンの背を追いかけ続けているから

 

遥か先に朧気に見えども追い付けない

 

 

 

強く大きな背を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「紅魔館はどうだ?咲夜と美鈴はどうなんだ?」

 

談笑に入った魔理沙が聞く

 

「咲夜は変わらず……いえ今年でまた一歳歳をとったわね」

 

パチュリーが含み笑いをしながら紅茶を飲む

 

「薬の実験に飲ませたら10年で一歳しか歳を取らなくなったんだろ?酷い事するなよパチュリー」

 

「あれは魔理沙が変なキノコを入れたからよ、本来は胸が大きくなるかもしれない薬だったのに……」

 

「無理だろ!それに巨乳の咲夜なんて私は見たくない!」

 

「わからなくはないけど本人あれで気にしてるのよ?」

 

「ホントかよ!?」

 

「いつかバーンのナイフで刺されるかもね」

 

「その時は返り討ちにしてやるぜ!」

 

咲夜は今も紅魔館で働いている

 

バーンから貰ったナイフをいつも離さずに

 

 

 

「美鈴はまだやってるのか?なんだっけ……流派……」

 

「流派東方不敗でしょ?やってるわ」

 

「面白いよな!あの門番が今や幻想郷で格闘戦なら無敗の武道家なんだからな」

 

「弟子までとって門の前で遊んでいるわ、でも応対はしっかりするからレミィも文句言わないの」

 

「天地魔闘の構えに似た技が最終奥義なんだろ?」

 

「ええ、弾幕をあらかじめ展開して2回行動と併用して疑似的な天地魔闘を再現してるわ」

 

「凄いな美鈴!」

 

「いずれは天地魔闘を完成させるつもりみたい、でも私じゃ無理かもしれない、あれはバーンさんだから出来る技だって言ってたわ」

 

「でもやるつもりなんだろ?なら大丈夫さ!」

 

「その前に東西南北中央不敗になる!って言ってた」

 

「スーパー美鈴か!!」

 

美鈴は自らの武技を流派東方不敗とし日夜鍛練している

 

不敗を名乗るのは自らを背水に追いやる為、バーンに託された技で絶対に負けない

 

勝手に決めたバーンとの約束

 

天地魔闘の構えをいつかものにし、格闘戦は絶対に負けない

 

美鈴は自らにそれを課し、バーンとの絆として生きている

 

 

 

「天地魔闘って言えば妖夢だよ!」

 

「ああ!妖夢!あの時は凄かったな!あの魔族との勝負!」

 

「ロン・ベルクさんですね、お弟子さんが隠居して旅に出たら幻想郷に迷い混んだっていう」

 

「そうそう!強かったのもあるけど私が一番驚いたのはバーンの事を教えた時だよ」

 

「「大魔王バーンだとぉ!!」だろ?あのリアクションはヤバイ!」

 

「あれは確かにヤバかった!でも話を聞いたら納得だったよ」

 

「バーンは地上を破壊しようとしてたんだよね……」

 

「でもあたいは幻想郷のバーンしか知らないから別人みたいに感じたよ」

 

「私もです」

 

「あまりに違い過ぎたからね……それより妖夢でしょ?」

 

「そうだった!あの二人の戦いは凄かった!試合だったけどお互い本気になってさ!」 

 

「永琳が治した腕に弟子が作った完成した星皇剣!かたや幻想郷最高の剣士妖夢!奇しくも同じ二刀流!実力は互角だったけどあの技で勝負が決まったんだよな!」

 

「ロン・ベルクは星皇十字剣、あれはとんでもない技だったよ」

 

「対する妖夢は磨き続けた天地魔闘破りの一刀!ただ純粋に力を込めて攻撃も防御も貫く乾坤一擲の一撃!妖夢が出した天地魔闘に勝つ為の答えはカラミティエンドを捩じ伏せ、フェニックスウィングにも防がれない一撃を決める事だった!」

 

「そして勝ったのは妖夢!星皇剣を弾き飛ばして見事勝ったんだよな!」

 

「妖夢も強くなったよね!」

 

妖夢は天地魔闘を破る為に力を磨き続けている、いまだに辻斬り癖は直ってないが今や美鈴と並び弾幕に頼らない戦いではフランと同じく知らない者はいないほど

 

 

 

「幽々子や白蓮、さとりと勇儀にアリス……そんでルーミアは大して変わらないな」

 

「そうですね、幽々子さんは妖夢さんの成長だけが楽しみみたいですし白蓮さんは妖怪を守る為に頑張ってます」

 

「さとりは昔より積極的になったくらいか、心を読まない様になって親しみやすくなった」

 

「勇儀は変わらず鬼って感じね、フランにこそ負けたけどやっぱりその力は強大」

 

「アリスは隠さなくなったな、力とか本音をさ、それと他人に関心を持つ様になった、良い事だぜ」

 

「ルーミアちゃんも元気ですよ!リボンを大事に毎日楽しそうにしてます!」

 

仲間は今も元気に生きている

 

 

 

「変わったで言ったら幽香だろ!」

 

「あー!確かに!あれはビックリしたよね!」

 

「笑ったのよね……私達に、とても素敵な笑顔で……昔の幽香からしたら信じられないけど」

 

「典型的なツンデレみたいな奴だったのにな、「貴方を助けた訳じゃないわ……貴方を殺すのはこの私だからよ!」とか言いだしそうな奴だったのに」

 

「でも私達は大丈夫ですけどあの花を触ったら虐められるらしいですよ?」

 

「バーンが贈った花だろ?気持ちはわかるぜ、私も怒ると思う」

 

「……ねぇ皆なんの話してんの?」

 

「なにって……幽香が笑う様になった話だよ親分」

 

「あたい笑った所見てないよ?」

 

「……プッ!」

 

「アハハ!そりゃチルノ、お前見下されてんだよ!バカには見せられないってさ!ハハハ!」

 

「……あいつにも味あわせてやる……あたいの恐ろしさをねぇ……!!」

 

「やめとけって、花を全部凍らせたらたぶん泣くぞあいつ」

 

幽香は笑う様になった、少しだけだが打ち解ける様になり幻想郷の暮らしが前より楽しくなったらしい

 

絆の花は今も大事にされており幽香の中で自分と同価値となるほど大事にされている

 

 

 

「文は変わらず嘘臭い新聞ばかり書いてるな」

 

「マント着けてる時だけは最速なブン屋か、あれも変わらないな」

 

「にとりは星降りの大会に出るんだ!って言ってキラーマシン改造してるし」

 

「キラーマシンtype非想天則だっけ?何を目指してんだろうなあの河童は……」

 

文とにとりも逞しく生きている

 

 

 

「永遠亭はどうなんだ妹紅?」

 

「輝夜は相変わらず引きこもりさ、でも気力に満ちてて密かに修行してるらしい……私に勝てないのが悔しいんだろうな」

 

「へぇ……あの輝夜がねぇ……永琳は?」

 

「永琳も変わってない……相変わらずさ、もう幻想郷は私達に任せるからただの医者として生きるってさ」

 

「世界樹の葉を増やせたのは凄いわね、手間が掛かるけど今は4枚出来てるみたいね」

 

輝夜は与えられた死を糧に生きる事に楽しみを見つけ、永琳は永琳なりに幻想郷を想って生きている

 

 

 

「あっ!この前正邪さん見ましたよ!」

 

「何してたんだ?」

 

「無縁塚で一人修行してました」

 

「なんで?」

 

「いつかこの力の序列をひっくり返す!らしいです」

 

「おー!言う様になったなあいつも」

 

「抜かれない様に気を付けましょう!」

 

正邪も今や幻想郷に再び受け入れられ打倒7人に燃えている

 

 

 

「霖之助は魔理沙?」

 

「香霖はこの前、客と喧嘩してたぜ、シャハルの鏡を譲ってくれって客と」

 

「譲ったのか?」

 

「まさか、一番大事にしてる物なんだぜ?勿論断ったらしいけどしまいにゃ殺してでも奪い取る!なんて客が言い出してさ」

 

「それで?」

 

「二人でぶっ飛ばした」

 

「ラブラブアタックですか?愛の心にて悪しき空間を断つ!みたいな」

 

「なわけないだろ」

 

「えっ!?結婚してなかったんですか!?」

 

「……知ってるだろ大妖精……私が独身って……お前も言うようになったな……」

 

「えへへ……」

 

霖之助も変わらず趣味人

 

しかしバーンの頼み通り魔理沙を見守っている

 

 

 

「守矢は何もしなくなったな」

 

「そういえばそうだね」

 

「早苗は現人神だからか何故か歳取らないからって怠けてるし」

 

「諏訪子は信仰を集める為だって言って自分をプリントした服売ってるし……あれ見たけど喋りだしそうで怖いよ」

 

「知ってる?神奈子は幻想郷全てに目を光らせているのよ?」

 

「なんで?」

 

「危険から守る為よ、妖怪も人間も自然も全て守る為に」

 

「慧音が言ってたけど私達は特に目をかけてくれてるらしい、理由はおそらくバーンだろうって言ってたけどなんか言われたのかな?」

 

「そこは私達が聞くべきじゃないわ、もしバーンとの事であってもそれは二人の事、詮索は無粋ね」

 

「だな」

 

守矢も波風立てず日々を過ごしている

 

唯一の神の仲間、神奈子だけはバーンの願いを叶え続けていた

 

 

 

「そう言えば萃香さんは?」

 

「萃香も変わらないな、好きなように生きてる、ただバーンから貰った霧の名を少しでも貶したらヤバイ事になる」

 

「あの名は萃香の誇りだからな、一回誰かが貶して大暴れしたもんなぁ」

 

「あの時は大変でした、殺すって言って聞かないんですもん、「この名は私の一番大事な仲間から贈られた名だ、貶すのはバーンを貶すも同じ……」って言って」

 

「完全にキレてた萃香は強くなったのもあって止めるのに苦労したもんだ」

 

「最後はチルノちゃんが頭冷やせって氷付けにしてやっと治まったんですよね」

 

「エターナルフォースブリザード……相手は死ぬ」

 

「いや殺すなよ」

 

「まぁでも萃香は幽香と同じね、バーンから貰ったものを大切にしてる」

 

「それを自らの誇りにしてそれ以上にバーンを想う……か」

 

萃香は萃香として生きている、だがその内にはバーンの想いを片時も忘れない強い絆を秘めている

 

 

 

「紫は今は何処に行ってるんだ?」

 

「今は異世界の魔界にいるらしい、躯だか黄泉なんて言うS級妖怪と修行中って霊夢が言ってた」

 

「そういや昔に紫が言ってたよ、中々良い事言ってた」

 

「なんて?」

 

「「修行で得た力は他人の為に使うもの……だから私は得た力を幻想郷の為に使う」……変わったなぁ紫……バーンの叱責が余程効いたらしいな」

 

「守る為に自らが戦う……ですか、私達もうかうかしてられませんね!」

 

「あたいには勝てないけどね!」

 

紫は生きている、守る為に

 

愛する幻想郷を

 

バーンが守った幻想郷を守る為に

 

 

 

「あ、そろそろ代替えじゃないのか?」

 

「ああ霊夢か、もうすぐ霊夢も先代になる時期か」

 

「言ってましたよ霊夢さん、髪留めは次代の博麗の巫女に受け継がせていくって」

 

「あれ取った霊夢は強いもんなぁ……一時だけ幻想郷最強は霊夢だったくらいだし……反則だぜあれは……」

 

「そういえば霊夢が言ってたあの白者異変の時の意味わかった?」

 

「わからないんだよな……霊夢に聞いてもバーンが守ってくれたとしか言わないし……」

 

「確か……「細工ってこの事だったのね」でしょ?」

 

「なんだろうなぁ」

 

魔理沙と同じく人間の霊夢も今やおばあちゃん

 

バーンとの約束を守り通し歴代最強の博麗の巫女として幻想郷に名を知らしめていた

 

信仰は相変わらずだが賽銭は少し増えたらしい

 

 

バーンに触れた仲間達

 

各々にバーンを想い

 

幻想郷を生きている

 

 

今日は幻想郷は平和だった

 

 

「白者異変で思い出したけどあの化物妖怪はどうなったんだ?」

 

妹紅は気になり聞いた

 

幻想郷が平和なのは今日は、であっていつも平和だったわけではなかった

 

「紫は心配無いって言ってたから大丈夫なんでしょうけど……」

 

些か不安なパチュリー

 

「白面の者……だったわねあの妖怪」

 

「あんな妖怪見たことなかったです……」

 

「紫の式が言ってたけどあれも九尾の狐らしいね、規格外の化物らしいけど」

 

3人も苦い顔で見合わせる

 

 

白者異変

 

バーンが消えてから起きた異変

 

幻想郷の外の世界で生まれたその大妖の名は白面の者

 

憎しみが生んだ恐怖を餌とする妖怪

 

外の世界で長らく結界に封印されていたが封印を破り、外の世界の妖怪や人間達と決戦を繰り広げていた所に、決戦領域を作る強大な結界と博麗大結界が共鳴し幻想郷全てを決戦の場にしてしまったのだ

 

幻想郷の民は外の世界の者達と協力し、これと戦い、退ける事に成功していた

 

 

「あ!もしかしてあれじゃないか?」

 

「何?」

 

「あいつ言ってたろ?結界を壊して幻想郷ごと私達を滅ぼすって」

 

「言ってたわね、でも尾の力を8本使っても壊せなかった……「誰だ!誰が邪魔をする!!」……なんて言ってたけど」

 

「それだよ!結界が壊せなかったのはバーンのお陰じゃないか?」

 

「……そう言われれば確かに白面の力は結界を壊せた筈……それだけの力はあったし霊夢と紫の慌て様からして間違いないでしょうね、私はあの槍を持った子と字伏が何かをしたんだと思ってたけど……」

 

「……いや!絶対にそうだ!そうに違いない!」

 

魔理沙は断言した

 

幻想郷が無事だったのはバーンのお陰だと

 

 

それは正解だった

 

バーンは灰になった後、最後に博麗神社へと向かった

 

灰の行方は博麗大結界

 

強大な魔力を含んだ灰は博麗大結界に同化していた

 

バーンが行った細工とは死後に灰を博麗大結界に同化させ結界を守る事

 

死後もバーンはその身を捧げたのだ

 

幻想郷に……友の為に……

 

 

「……そうだな、私もそう思いたい」

 

妹紅もそうであると思った

 

今も見守ってくれているのだと

 

 

 

「……よーし!そろそろ行くわよ!」

 

チルノが飛び上がった

 

「……よし!行くか!」

 

その言葉に6人は立ち上がり、歩き始めた

 

 

紅魔館の中へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館・レミリアの私室

 

 

部屋から声が聞こえてくる

 

 

「散り逝くと知る花はそれでも強く生きてる……色鮮やかに……」

 

一人歌を口ずさむ

 

虚空を眺めながら

 

 

 

 

 

   月の欠片を集めて

      

      夢を飾り 眠る

 

         時の砂散りばめても

 

            あの頃へ 還れない

 

 

 

   逢いたくて 愛おしくて

 

      触れたくて 苦しくて

 

         届かない 伝わらない

            叶わない 遠すぎて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      今はもう 君はいないよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

歌い終わったレミリアは大事に飾られている宝石に魔力を送る

 

魔力が送られた宝石から曲が流れだす

 

 

亡き王女の為のセプテット

 

 

バーンから贈られた曲を聞きながら目を閉じる

 

(貴方が居なくなってから……もう50年……)

 

月日はレミリアに想いを募らせるだけだった

 

忘れる事など出来ない、出来る筈が無い

 

誰よりも想いが強いが故に命日が近付くといつも心が潰れそうになる

 

「強くなったわよ……」

 

心とは裏腹に月日はレミリアを強くさせた

 

高めた力はかつて敵わなかった月の姉妹にも勝てるまでになった

 

想いは確かに紡がれている

 

愛する者の願いを叶え続ける為に……

 

 

 

 

(ねぇバーン……私ね、ずっと考えてた事があるの……)

 

曲が終わり目を開けたレミリアは返事の返らない考えを聞いてみる

 

(区切りをつけないといけないと思ってるの、貴方の事を忘れるわけじゃない……でも貴方はいつまでも引き摺るのは望まないでしょ?)

 

(だからね、想いはそのままで強く生きる……太陽になった貴方が曇らない様に……涙を流さない様に……)

 

(でも安心して?私が愛するのは貴方だけだから……)

 

バーンにそう話したレミリアは歩きだした

 

(だからバーン……最後に一目でいいから……)

 

ドアノブに手を掛け

 

(貴方に逢いたい……)

 

溢れそうな想いを抑え

 

レミリアは向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館・図書館

 

「久しぶりだな……バーン」

 

図書館に祀られている物に話し掛けた

 

 

皆が話し掛けたのはバーンの墓

 

7人の強い要望でバーンの墓は図書館に置かれる事になっていた

 

僅か半年、だけど一番長く共に過ごしたこの場所に……

 

 

「綺麗にしてくれてるなパチュリー」

 

「勿論よ、私とこあが毎日欠かさず掃除してるもの」

 

墓とは言ったがそれはとても質素な物

 

小さな墓に小さい瓶に入ったバーンの灰を置き、皆が贈ったスカーフを置いていた

 

 

(私達は元気だよバーン……)

 

一人一人が黙祷する

 

在りし日を思いだしながら

 

 

 

 

「……さてと皆で食事でも行こうか」

 

黙祷を終え、妹紅が言った

 

「今日はあたいが出してあげる!」

 

「あたしが出す!」

 

「私が出してやっても良いぜ!」

 

「いえ、私が出しますよ!」

 

「たまには私が出しましょうか」

 

誰がお金を出すかで言い合う

 

「私が出すよ」

 

「「「どうぞどうぞ」」」

 

「お前等なぁ……」

 

笑い合う6人

 

 

「いいわ、私が出してあげる」

 

そこにレミリアが現れた

 

「大丈夫なのかよレミリア?」

 

「大丈夫よ、それより食事に行く前に皆に提案があるの」

 

「何ですか提案って?」

 

レミリアは一瞬だけ間を置いて話しだした

 

「バーンを自由にしてあげないかしら?」

 

告げられた言葉に6人は意味がわからず問う

 

「自由って何よ?」

 

「その僅かに残したバーンの灰を振り撒くのよ、幻想郷に……」

 

「……」

 

皆は黙った

 

レミリアと違い6人はバーンへの想いに区切りをつけている

 

否定も肯定もしなかったのは誰よりも強い想いを抱いているレミリアがそう言ったから

 

友の気持ちを察し、各々で考えた

 

「……わかった、レミリアがそう言うなら私に異論は無いよ」

 

妹紅は賛成

 

「だよな、バーンの彼女にそう言われちゃ尊重してやらないとな」

 

魔理沙も賛成

 

「あたいは……嫌……かな」

 

「あたしも……」

 

チルノとフランは反対、僅かな灰でさえ置いておきたい

 

だがこれは間違いでは無い、この選択に正解は無いからだ

 

「チルノちゃん、フランちゃん……良いんじゃないかな?」

 

大妖精が言う

 

「そうね、バーンの意思は私達の中にある……絆は不滅……それだけあれば充分でしょ?」

 

パチュリーが諭す、二人は賛成

 

二人の考えを聞いたチルノとフランは少し考えた後

 

「……わかったわよ」

 

「うん……」

 

渋々ながら賛成した

 

「ありがと皆……」

 

礼を言った後、レミリアは瓶を手に取り皆に並ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボゥ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

灰が突然光を放ち始めた

 

 

「なんだ!?」

 

今までこんな事はなかった

 

だから皆は焦る、危険は無いとはわかるが不思議な現象に戸惑いが隠せない

 

「私達の道具から光が集められてる……」

 

パチュリーが光の原因を見つけた、7人に与えられたバーンの遺産から出た光が灰に送られていたのだ

 

「レミリアが居るからか?」

 

今までバーンの命日にレミリアが皆と集まる事など無かった

 

「それだけじゃないと思います、私達3人の変化したアクセサリーも原因じゃないですか?」

 

変化したアクセサリーも原因の1つなのではと言った

 

「何にせよこれはバーンが何かをしたいんだよ!」

 

この光はバーンが何かをしたんだと、私達に何かをしてくれようとしている

 

「蓋を空けろレミリア!」

 

光が灰に集まっているのなら灰が何かをするのだと思った魔理沙は空ける様に促す

 

「わかったわ!」

 

 

レミリアが蓋を空けると灰はひとりでに飛び出し7人の周囲を囲む

 

 

周囲に浮いた灰は7人の頭上に集まると小さい異空間の穴を開けた

 

 

「……何か出た」

 

 

穴から1枚の小さな紙の様な物が落ちてくる

 

 

「……」

 

 

それはレミリアの元に落ち、レミリアはそれを掴んで、見た

 

 

「嘘……」

 

 

それを見たレミリアからそう呟かれると

 

 

「うー……」

 

 

涙が溜まり

 

 

「……あぁぁぁぁぁん……!!」

 

 

一気に流れだした

 

 

「どうしたレミリア!なんだそれは!!」

 

 

急に泣きだしたレミリアに魔理沙が聞く

 

 

「……見たらっ……グスッ……わかるわ……」

 

 

涙を拭いながらそれを魔理沙に渡した

 

 

「……!!」

 

 

それを見た魔理沙も抑えきれない涙が流れる

 

 

「バカヤロウ……私はもうおばあちゃんだぜ……こんな歳になって……泣かすなよ……」

 

 

写る者に悪態つく

 

 

「……やってくれたな、もう泣かないって決めてたのにさ……」

 

 

妹紅も自然と涙が伝っていた

 

 

「もう……卑怯よ……反則よ……」

 

 

涙で顔をいっぱいに濡らしながらも笑うパチュリー

 

 

「バーンだ……!!」

 

 

それを覗きこむフランが呟き

 

 

「バーンが……バーンが居るよ……!!」

 

 

チルノと共に泣きだす

 

 

「バーンさぁぁぁん……!!」

 

 

大妖精は大声で泣いた

 

 

 

 

 

出てきたのは写真

 

 

 

在りし日に友と仲間、皆が写った写真

 

 

 

バーンを中心に笑う皆の姿

 

 

 

 

宴会の時に文のカメラを拝借したバーンは1枚だけ撮っていた

 

そしてそれを異空間に封じ、成長した7人の力が集まった時に道具を介して封印が解ける様にしていたのだ

 

 

 

 

 

逢いたかった者はそこにいた

 

 

 

 

 

逢いたくて……逢いたくてしょうがなかった

 

 

 

 

 

望む形の再会ではないがそれだけで充分だった

 

 

 

 

 

感じれたから

 

 

 

 

 

大好きだったバーンを……

 

 

 

 

 

 

「……裏に何か書いてる」

 

レミリアが写真を裏返す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       この時を永久に刻む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         余は此処に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        此処にいる……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

       最愛の友と共に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      

           

 

 

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




エピローグです。
バーン去りし後の幻想郷、友と仲間のその後になります。

宴会の時のシャッター音とバーンが博麗大結界で行った事が明かされていなかったのはこの為です。

レミリアが歌っていたのはJanne Da Arcの月光花です、このレミリアにピッタリなので良ければ聞いてみてください。

その後に賛否あると思いますが多目に見てくださると嬉しいです。

そして急ですがアンケート的な事をします。

内容は続編を書いて欲しいか否かです、このままで終わりが良いか続きを見たいかを感想にて聞いてみたいと思います。

もし望まれる方が多いなら書こうと思ってます、大筋は考えているので少しお時間を頂けるなら細部を詰めようと考えています。

蛇足に成り得る可能性もあるのでもし書く事になっても期待はしないでください。

今まで読んでくれてありがとうございました!

2016/1/28 追記

写真の挿絵を書いてくれました!とっても嬉しいです!良い絵なので見てください!

根無草さんありがとうございました!

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