東方大魔王伝   作:黒太陽

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第4話 図書館異変

バーンとチルノの戦いから4日、バーンが幻想郷で目覚めて一週間が経った

 

「バーン!本ばっかり読んでないで遊ぼうよぉ!」

 

「弾幕ごっこじゃなくていいから一緒に遊ぼうよぉ!」

 

子どもが増えていた

 

厳密には子どもと言える歳では無いが外見と精神は無邪気な子どもそのもの、大妖精はパチュリーの隣に座り行儀良く本を読んでいる

 

この4日間でチルノは毎日挑んできた、だがその度に返り討ちに合うチルノだったがその内にバーンになついてしまい毎日紅魔館に大妖精と遊びに来ていた、その過程でフランが誤ってチルノを一回休みにしたりする内にフランとも仲良くなり今に至る

 

「……」

 

二人を無視しながら読書をするバーン、この一週間で幻想郷と八雲紫に関しての書物は読み終え、今は魔導書を読み、解読していた、強大な魔力を持つバーンには必要無い事と思うかもしれない、なら何故読むのか?

 

それはバーン自身も魔の深淵の全てを知る訳ではないから

 

いや、バーンは理解している、魔の深淵に底など無いと……だからバーンは読むのだ、魔の深淵を決めるのは己、潜るのを止めた時、そこが魔の深淵と決まってしまうから

 

それにバーンに取っても興味深いのは確か、バーンの居た世界とは異なる魔法式であるためだ、それを取り入れ昇華したのが先日バーンが出した弾幕、今は魔導書を読み更に精錬されている

 

力を更に高める、その意味では様々な魔導書がある図書館はバーンに取って良い環境と言えた、もっとも……

 

(目的の無い余には無意味かも知れんがな……)

 

バーン自身は余り意義を感じていなかった

 

バーンの言う目的とは自身を召喚したと思われる八雲紫に会い、その真意を知ったその後の事、八雲紫次第でバーンの行動は変わるが現時点ではわからない、再び石に戻される可能性もあれば利用するつもりかもしれない、気紛れの可能性もある

 

それに……

 

(敗れ……死ぬ運命だった余には無用かも知れぬな……)

 

一度敗北し、死の運命を受け入れていたバーンは自身に虚無感を感じていた、それ故に自身を殺す事が出来るフランにトドメは刺さなかったのだ

 

(……)

 

本を下ろし目を閉じる、数秒の沈黙の後、バーンは目を開き告げた

 

「チルノ、フラン、この幻想郷が危険に晒されたらどうする?」

 

「異変の事?霊夢が解決しちゃうよ!」

 

「博霊の巫女か……そうではない、お前達がどうするかだ」

 

「やつけるに決まってんじゃん!」

 

「あたしもやつけるよー!」

 

「それが余でもか?」

 

一瞬、場に緊張が走った、パチュリーも読んでいた本を下ろし不安気にバーンを見る

 

「あ、あったり前よ!バーンでもあたいは戦うわ!」

 

「フランだって同じだよ!お姉様や咲夜も美鈴もパチュリーだって戦うよ!」

 

(私も!?)

 

仰天するパチュリー、バーンの力を一番知っている彼女はバーンに対峙するその難易度を想像し冷や汗をかく

 

「今のお前達が余に勝つのは不可能だ、ならば勝つにはどうすれば良いか解るか?」

 

「あたしの能力を使う!」

 

手を上げたフランが答えた

 

「確かにお前の能力なら可能だろう、余だけでは無く恐らく概念以外なら壊せるであろう、だが余なら使わせる前に倒す、今ならお前が能力を使う前に倒すのは容易だ」

 

「むぅ……!」

 

不正解を言い渡されたフランはむくれる

 

「あたいがもっと最強になって倒す!」

 

次にチルノが元気良く答えた

 

(単純ね……あ!もしかしてこれ……)

 

呆れたパチュリーだがすぐ気付く、そしてバーンの返答を待った

 

「そう、その通りだ、強大な敵が出たのならそれより強くなれば良いのだ」

 

(やはりね……至極単純な事なんだけど貴方が言えば説得力が凄いわね)

 

「やった!やっぱりあたい!天才ね!」

 

納得するパチュリーと跳ねるチルノ、先に答えられてむくれるフラン

 

「余はこの幻想郷とは無縁ゆえに手は出さん、だがお前達が望むなら余が鍛えてやろう、お前達は幼いゆえ時間は掛かるだろうがな」

 

そこにバーンの提案、チルノとフランを鍛えると言い出した

 

「えー!時間掛かるのぉ?もっと早く出来ないの?」

 

フランが不満を露に聞く、聞き入れたバーンは薄い笑いを浮かべて話し出す

 

「出来ん事も無い、余の鬼眼の力を使えば今すぐにでも力は手に入る、代わりにその体は異形となり戻りはせん、更に精神に変調を来す可能性もある……だがお前が望むなら力を与えよう……さぁ来るのだフラン、その願い叶えてやろう」

 

笑みを浮かべたまま手を差し出すバーン

 

「ウソウソ!ヤだよそんなの!あたしがんばるからやめて!」

 

首をブンブン振りながら拒絶した

 

「チルノはどうするのだ?」

 

「あ、あたいも遠慮しとくわ!そんなことしなくてもあたい最強だし……」

 

チルノも動揺しながら拒絶する

 

「フッ……それで良い」

 

(これって大魔王ジョーク?全然笑えないけど……)

 

唖然としているパチュリーの横には同じく唖然とした大妖精の姿があったどうやら同じ事を考えていたらしい

 

「では始めるか、チルノはまずその冷気の力を安定させろ、お前は感情でムラがあり過ぎる、フランは先に狂気の制御だ」

 

二人の返事と同時に修行が始まった

 

(何だか……親子みたいね、バーンにそんなつもりは無いでしょうけど)

 

異様な、されどその微笑ましい光景に思わず口元が緩んだ

 

 

それは単なる気紛れなのかもしれない、1つ言える事は幻想郷に来たバーンの心境に変化が生まれたのだ

 

その変化がバーンに……幻想郷にどの様に影響するのか……それはまだ誰にもわからない……

 

 

 

 

 

修行が始まって数時間が過ぎていた、昼間は就寝するフランは途中で眠気がピークになったため途中で抜けていた、その為今はチルノ1人で修行中、その間のパチュリーの指導にも抜かりはない

 

「広域に冷気を出すのでは無い、一点に冷気を集中させるのだ」

 

「こ、こう?」

 

「そこから更に絞れ、お前がやっているのは言うならば全身を凍らせている状態だ、そうではなく指だけを凍らせるのだ、そこまで出来て初めて能力を扱えていると言える」

 

「む、難しい……」

 

(ちょっと無茶じゃない?今まで何となくで能力を使っていたその子には難し過ぎると思うんだけど……)

 

修行風景を観察していたパチュリーは思っていた

 

「力を絞れと言っただろう、さぁやるのだ」

 

「そんな事言ったって……難しいよ」

 

「余は泣き言を聞くためにしているのではない、さぁやるのだ」

 

厳しい指導にチルノの目から涙が滲んできた

 

「バーン、その子には難易度が高過ぎるわ」

 

みかねたパチュリーの助け船が出される

 

「だがお前には出来るのだろう?ならば可能な筈だ」

 

「確かに私は出来るけど……私や貴方のレベルで考えてはダメよ、それに私だって初めから出来た訳じゃないのよ」

 

そう言うとチルノの傍に向かい手を取った

 

「いい?一気に絞ろうとするからダメなのゆっくりでもいいから少しずつ絞っていくの」

 

「こ、こんな感じ?」

 

僅かにだが氷は縮小する

 

「えぇ、その感じよ、良く出来たじゃない、後は練習してもっと絞るだけよ」

 

「やったぁ!やっぱりあたい天才ね!」

 

誉められたチルノはパァっと笑顔を見せる

 

「……」

 

その様子を無言で見つめるバーンに振り向いたパチュリーが話した

 

「わかるかしら?誰もが貴方の様に最初から出来る訳ではないの、こんな小さな積み重ねで強くなるのよ」

 

パチュリーの言葉にバーンは答えず二人を見つめる

 

(奴等なら出来そうなものだが……いや、奴等がおかしいだけか……)

 

記憶を辿り、チルノは自分の居た世界の者とは違うのだと改めて認識する

 

「その通りだな……許せチルノ、余は誰かをこうして鍛えた事が無いのだ、以後気を付けよう」

 

「しょうがないなぁ、許してあげるわ!」

 

調子の戻ったチルノは笑いながら生意気にもバーンを許した、その光景に微笑んだパチュリーにいつの間にか居た小悪魔が顔をニヤつかせ話しかけた

 

「似合わない事しますねパチュリー様、拝見してましたが家族の様でしたよ?」

 

「んなっ!?」

 

その瞬間パチュリーの顔が真っ赤に茹で上がる、果たしてそれは似合わぬ事をしたからなのか、家族に対してなのか……

 

「申し訳ありませんパチュリー様、お邪魔の様ですので仕事に戻りますね」

 

パチュリーの返事を待たずパタパタと飛んでいく小悪魔、その顔はとてもとても愉快気

 

「ちょっと待ちなさいこあ!……あっ!?」

 

追いかけようとしたパチュリーは足を絡ませ転けてしまう

 

「むきゅー……」

 

可愛らしい呻き声が響いた

 

 

 

 

 

「お菓子だぁ!」

 

「チルノちゃん全部食べちゃダメだよ!」

 

あの後しばらくしてから咲夜が休憩にとお菓子と飲み物を持ってきたので休憩することになったバーン達

 

「バーンいらないの?食べても良い?」

 

「構わん、余はあまり物を食べぬ、好きにすると良い」

 

「やった!大ちゃん半分こしよっ!」

 

(ホントに親子見たいね……)

 

ワイワイとお菓子を食べているその時にそれは来た

 

 

バァン

 

 

「邪魔するぜ!」

 

勢い良く開けられたドアと共に白黒の少女が乱暴に挨拶した

 

「?」

 

「あ、魔理沙じゃん」

 

「何しに来たんでしょう?」

 

「また来たのね……」

 

謎の来訪者をバーン以外は知っている様子

 

「何者だ?」

 

パチュリーに問う

 

「霧雨 魔理沙、私と同じ魔法使いよ、そして本泥棒」

 

「えっ!?本を盗んじゃうんですか?」

 

驚いたのは大妖精

 

「違うな、死ぬまで借りるだけなんだぜ!」

 

本を物色しながら魔理沙は答えた

 

「それって変わらないんじゃ……」

 

「霧雨 魔理沙か読んだ書物に書いてあったな、あれがそうか」

 

物色を続ける魔理沙を観察しながらバーンは紅茶を飲む

 

「良いのか?放って置いて」

 

「良いわけ無いじゃない、もうどれだけ盗まれたか覚えて無いわ」

 

呆れ顔のパチュリーは紅茶を飲む

 

「最初は撃退出来てたんだけど異変を解決して行く内に実力を上げられてね、今じゃ私の体力が先に尽きちゃうのよ、喘息持ちだしね私」

 

「フム……」

 

詳細を聞いたバーンは飲み終えたティーカップを静かに置くとパチュリーに告げた

 

「ならば余が相手をしよう」

 

「えっ?」

 

パチュリーの返事を待たず席を立ち魔理沙へ近付いて行った

 

「フンフーン♪おっ!これ読みたかった奴だ!頂きだぜ!」

 

既に数冊の魔導書を抱えている魔理沙

 

「霧雨 魔理沙、その魔導書は返して貰おう」

 

「なんだぁオッサン?見たとこ外来人みたいだが……」

 

知らぬとは言え大魔王をオッサン呼ばわりする魔理沙、それは自分の力に自信がある故でもある、そしてその自信故にバーンを注意深く観察する事は無かった

 

「お前には関係無い事だ、魔導書を返して貰おうか」

 

「ハッ!そんなに返して欲しけりゃ力付くでやるんだぜ!まっトンズラこかせて貰うけどな!」

 

手に持った箒に跨がると凄まじいスピードでバーンから遠ざかる

 

「……ピオリム」

 

バーンの体を魔法力が包むと風圧を発生させその場から消えた

 

「なんだ口だけだったか、まっ私が相手じゃしょうがないんだぜ」

 

追跡者が来ないのを振り向きながら確認した魔理沙は得意顔で前に向き直した

 

「!?」

 

扉まで後少しの所で魔理沙が見たのはドアの前に先に着いたバーンの姿

 

「痛い目に合う前に返すのが懸命だぞ?」

 

ドアに立ち塞がるバーンの忠告

 

「中々やるみたいだな……でも返すのは無いな、押し通らせてもらうぜ!」

 

魔理沙から大量の弾幕がバーンに放たれる

 

「泥棒では無く強盗だったか……ならばお前に慈悲は無い」

 

弾幕を前にバーンの気が変わった

 

 

 

 

 

 

「ねぇチルノちゃん?どっちが勝つと思う?」

 

「バーンじゃない?でも魔理沙も中々なのよね、まっあたいの次くらいにだけどね」

 

「チルノちゃん負けた様な……まぁ良いや」

 

「……」

 

お菓子を食べながら予想をする妖精達に読書を再開した魔女、バーンと魔理沙の事は深く考えていない

 

「ねぇパチュリーさん?パチュリーさんにとって魔導書ってとても大切な物なんですよね?」

 

「そうよ、私が時間を掛けて解読したり苦労して手に入れた物だからね」

 

「やっぱり……だからバーンさん怒ってたんだ」

 

「どういう事?」

 

「私にはそう感じたんですけど……」

 

「……」

 

(何か嫌な予感がするわね……)

 

大妖精の言葉に不安を感じたパチュリーは本を置き急いで飛んでいった

 

 

 

 

 

 

 

「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……な、何なんだお前!」

 

魔理沙は苦戦していた、すぐにバーンの実力の高さを察知し、異変を解決する時の様に集中するがバーンには全く敵わない

 

「お前に名乗る名は無いが代わりに褒めてやろう、余の体に弾幕を当てれた事をな、異変を解決してきただけはある、経験値は高い様だ」

 

バーンの服に焦げ跡と破れた跡が数ヶ所出来ていた、無論効いてはいないが

 

「へっ!お褒めの言葉サンキューだぜ!お褒めついでに通してくれたらもっと嬉しいんだけどな」

 

「それは出来ぬ相談だ」

 

睨むバーンに魔理沙は意を決した

 

「お前程頑丈なら大丈夫だろ!こいつを食らいやがれー!」

 

懐から取り出したミニ八卦炉をバーンにかざして宣言する

 

「恋符「マスタースパーク」!!」

 

八卦炉から放たれた凄まじいエネルギーの波動、極太のビームとも言えるそれがバーンに迫る

 

「フン……面白い、ならば余も応えよう」

 

迫るマスタースパークに手をかざす、バーンの体から異様な黒い気「暗黒闘気」が吹き出しかざした手に収束していく

 

「受けるが良い!」

 

言葉と共に掌からドス黒いエネルギーが放出される、バーンは暗黒闘気をビームの様に撃ち出したのだ

 

「ハァ!?何なんだよアイツ!私のマスパとそっくりだ!ふざけんな!」

 

魔理沙は自身が撃てる最高の技に簡単に拮抗する技を撃てるバーンに思わず悪態をつく

 

「もしやとは思うがまさか自分の技と同等……等と思っているのではあるまいな?」

 

暗黒闘気を放ちながらバーンは笑みを浮かべ魔理沙に尋ねる

 

「んぎぎ……!そ、そうだろ!痩せ我慢してるのは見え見えだぜ!」

 

押されまいと必死の魔理沙のこの言葉は強がりもあるが希望でもある

 

「余を前にして希望を抱くのは仕方ないと言える、だが戦闘において希望を抱くのは愚かな行為よ……ハァッ!」

 

そう言い放つと暗黒闘気の力を更に上げた

 

「!!……お、押されっ……!?」

 

勢いを増した暗黒闘気は魔理沙のマスタースパークを押し出し魔理沙を飲み込んだ

 

「……スペルカード風に命名すれば魔符「闘魔滅砕砲」と言った所か、さて……」

 

バーンが見たのは闘魔滅砕砲によって空いた壁の穴

 

「イテテテ……何なんだよこの化物は……」

 

の横にいるボロボロの魔理沙、闘魔滅砕砲を受けた魔理沙は飲み込まれた瞬間に全力で横へ飛び出しダメージを最小限に抑えていた、しかし最小限と言えども強烈な暗黒闘気を受けた魔理沙のダメージは逃げるのも困難なほどだった

 

「終わりだ霧雨 魔理沙、すぐ楽にしてやろう」

 

ゆっくり床に降りる魔理沙に歩み寄りながらバーンは手刀に力を込める

 

(あー……これは詰んじまったぜ……悔しいけどもうダメだ……)

 

「……」

 

諦めた魔理沙は目を閉じ運命を受け入れた

 

「その潔さ、見事よ」

 

掲げた手刀を振り抜いた

 

 

 

 

「待ってバーン!!」

 

 

 

パチュリーが間一髪で間に合い、バーンの手刀は魔理沙の首に薄い切り傷を残し止まった

 

「ハァ……ハァ……良かった……間に合った……はぁ……」

 

間に合った事を確認したパチュリーは安堵しその場にへたりこんだ

 

「……何故止める?」

 

バーンの怒りを含んだ言葉がパチュリーに向けられる

 

「何もそこまでする必要は無いわ、追い返すだけで充分よ」

 

「……魔導書はお前にとって大切な物なのだろう?それを奪われたのだ、余の世界では殺されても文句は言えぬ、幻想郷は違うのか?」

 

「……幻想郷では殺害はご法度なのよ、あなたの読んだ本には書かれていない事だし説明もしてなかったけどそうなのよ、だからこの場は納めてくれないかしら?それに魔導書はもう私が解読して理解した物ばかりだから構わないと言えば構わないのよ」

 

パチュリーの説明に暫し沈黙したバーンは手刀を首から離し魔理沙に告げた

 

「パチュリーに感謝するのだな……この幻想郷でなければお前は生きてはいなかった……」

 

身を翻したバーンはチルノ達のいる所へ戻って行った

 

「……助かったぜパチュリー、流石に今回ばかりは諦めたよ」

 

ボロボロの魔理沙は素直に感謝を送る

 

「ホントにね、後1秒でも遅れてたら貴方死んでたんだから」

 

深い溜め息をつきながらパチュリーは喋る

 

「しっかしアイツ何者なんだぜ?強過ぎだろ!」

 

「そうね……だって彼は大魔王だもの」

 

「大魔王!?それって称号みたいな物だろ?名乗る奴は大概名前負けしてるけどな」

 

「彼は名前負けしてたかしら?」

 

「うっ!?してないな……」

 

ばつの悪い顔で鼻を掻く魔理沙

 

「それに彼、まだ本気じゃ無いのよ?負荷を掛けられてて今は全力の半分以下らしいわ」

 

「ゲッ!?マジかよ……」

 

今更ながらとんでもない奴を相手にしたんだなと魔理沙はゾッとしていた

 

「……ねぇ魔理沙、貴方が良ければ何時でもここに読みに来てくれても構わないわ、流石に持ち帰りはダメだけど」

 

「どうしたんだよ今更?紅霧異変の後、読ませてくれって言ったら断ったくせに、だから借りてたんだぜ?」

 

「そうね、まぁ心境の変化……ね、本音を言うと貴方に嫉妬してたのよ私」

 

「えっ?なんで?」

 

突然の告白に魔理沙は混乱している

 

「貴方と初めて会った時は私と貴方に差は殆ど無かったわ、でも貴方は異変を解決する内にどんどん強くなっていった、その点私は魔法の扱いこそ上がったけど体が弱いから貴方との差は開いていったわ」

 

「……」

 

パチュリーの告白に黙って耳を傾ける魔理沙

 

「それが貴方を良く思わなかった理由……でもね、彼の力を見たらそんな事がどうでも良くなってね」

 

「あー……確かにアレはなぁ……」

 

「まぁそういう事よ、そういう訳だからいつでも来てくれて構わないわ」

 

「……じゃあお言葉に甘えさせて貰おうかな、それとさ、お前明るくなったな!楽しそうに見えるぜ」

 

「そうね、彼のお陰で楽しい生活が出来ているわ……じゃあ私は行くわ、またね」

 

立ち上がったパチュリーは戦闘の最中に落とした魔導書を拾い上げゆっくりと浮遊して戻って行く

 

「おーい、アイツの名前はなんて言うんだ?」

 

箒を肩に乗せ立ち上がる魔理沙が問う

 

「バーンよ、大魔王バーン」

 

振り向かず答える

 

「バーンか……さぁ今日は帰るか、イテテ……アイツが異変の犯人じゃなくて良かったぜ……」

 

箒に跨がった魔理沙は壁の穴から紅魔館を後にした

 

 

 

 

その日の夕食の後、バルコニーで椅子に座り景色を眺めるバーンにレミリアが話しかけた

 

「パチェに聞いたわ、魔理沙を殺しかけたんですってね、私が見た限りじゃ貴方は決めたら殺害も躊躇しないと思ったのだけれど?」

 

レミリアの傍に居る咲夜が紅茶を入れてバーンに差し出す

 

「……余はこの幻想郷では何者でも無い、そして何者にもなろうと思わぬし法を弄ろうとも考えていない、ただ幻想郷の法に従ったまでの事だ」

 

出された紅茶を飲みながら答えた

 

「そう……でも壁を壊すのはやり過ぎよ」

 

レミリアも紅茶を飲みながら指を差す

 

「その事は余も悪く思っている、気を付けよう」

 

微笑みながら紅茶を口にする

 

「まぁ美鈴の仕事が増えるだけだから良いんだけどね」

 

同じく微笑むレミリア

 

「月が綺麗ね……」

 

「ああ、綺麗だな……」

 

月灯りが二人の談笑を優しく照らしていた

 

 

 

 

 

 

「良い感じよ、その調子よチルノ」

 

「よーし!あたいがもっと最強になるのも近いわね!」

 

「わぁ!チルノちゃんスゴーイ!」

 

「ねぇ?制御ってこんな感じ ?」

 

「それは抑えただけだ、制御とは使いこなし己の力として昇華させる事だ、焦る必要は無い少しずつ慣れていくのだ」

 

「うーん……難しいなぁ……」

 

「これ片付けときますねー」

 

もうそこに昔の図書館の静けさは無い、妖精と吸血鬼、魔女と使い魔、そして大魔王のいる図書館に……

 

「おーす!パチュリー!また読みに来たぜー!」

 

「あら魔理沙、いらっしゃい」

 

「丁度良い所に来た魔理沙、余と代われ読みかけの魔導書を片付けておきたいのだ」

 

「えー?しょうがねぇなー……」

 

また1人加わる、それはバーンに惹かれて集まるのか運命なのか……これはある意味図書館の異変とも言える……




うわぁ……オリジナルスペカやっちゃった……センス無いのはわかってます、やりたかっただけです。

バーン様が家族ごっこしてますがイメージ崩されたらすいません、東方キャラと兼ね合いがあるのでこうなってしまいました。

て言うかまたバトルですね、今回はオマケ程度ですが。

紅魔館が長くなりましたがいよいよ次からは話が動く予定です……多分
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