似非気狂い   作:覚め

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Q.なんで永遠亭はおもてなししてるの?
A.優曇華目線では面白い人、永琳目線では都合の良さそうな人間、てゐ目線では恐怖の対象、輝夜目線では変な人だから


是非

「まずは百人一首ね!」

 

「ねえここベッドだよ」

 

「永琳、よろしく!」

 

「はいはい…これやこ━」

 

「これっ!」

 

「ゔぁっ!?」

 

輝夜の出した手が俺の腹に直撃、と言うか俺の腹の上に置くなよ札を。いかん、このままじゃ死んでしまう。退院が長引いてしまう。ハンセイさえ戻ってくれば百人一首ならなんとか…なるのかな?なるだろ。なって欲しいな。まあハンセイなら多少は出来るだろう。俺?百人一首とかカルタとか嫌い。普通に落ち着いてやりたいよね。ほら、たとえば…待ち時間無限の将棋とか。ゆったりと自分のペースで進めたいよねって。だから腹叩くの勘弁して?

 

「もう、弱いわね」

 

「ハンセイ、人殺し歴ゼロ。今から殺します」

 

「やってみなさい?ま、私の顔を叩けるならね?」

 

「うらっ」

 

「なんで普通に叩くの!?」

 

「いや俺美人とかそういうのどうでも良いから…」

 

「枯れてるわ…永琳!」

 

「いや、枯れてるくらいで薬は使わないわ。」

 

「〜っ!!」

 

地団駄を踏んでそのまま輝夜はどこかへ走っていった。何がなんなんだ。さっさと家に帰りたい。ハンセイが動いてくれないとかなり不便だ。何がって、俺トイレの仕方とかうろ覚えになってるんだよね。なんなら入れ替わった後は歩き方がぎこちないとか言われた。ちなみにてゐ曰く、常に兎が俺のことを見ていたらしい。どうやらその行動のおかげで俺はずっと戻れなかったようだ。恨んだので二発叩いたあと抱きしめた。典型的なDV彼氏だな。でもムカついたし、眠れなかったし。

 

「…」

 

「お昼ご飯の時間ですよ」

 

「うい」

 

「退屈ですか?」

 

「退屈っていうか…あれだ。ハンセイが動いたおかげで肉つきとか変わってるから慣れてた」

 

「意図的に慣れるものなんですかね」

 

「多分違う。というか、そもそもこういう時に慣れるって言うのが正解かもわからない」

 

「…?」

 

「なんで理解できないんだよ」

 

「師匠ー!」

 

優曇華は永琳先生を呼びに行った。俺はさっさと帰って寝たいのに、何故こいつらはこうも妨害を。泣くぞ。泣いて喚いて帰るぞ。巫女に討伐の依頼するぞ。帰る。いやでも結界ってどうやって抜けるんだ?てゐは抜けてたけど、魔力的なものが必要なら無理だな。ならどうするか?…幸い鋤はある。重い。そのうえこんなので竹が切れるのかとも思う。頭おかしいな、ハンセイ。いやまあ、わかってたけどな。どうにか渡れないかな。こう、内から外は楽に出られるとか。

 

「なーにやってるんですか?」

 

「うおっ」

 

「あ、もしかして出ようとか思ってますか?」

 

「優曇華…永琳先生は?」

 

「今は手が離せないそうです。」

 

「それは良かった。じゃ、さよなら〜」

 

空間に手を伸ばしてみる。何も感覚はない。ハンセイが出来たんだ、体が同じ俺が出来ない訳がない。感覚を研ぎ澄ませ。明鏡止水並みの集中力で…だめだ。もっと振り回してやる。めちゃくちゃにな。三回振り回して息が切れたので休む。あーくっそ。何やってんだかな。俺は。ふと、天井を見る。あそこから出ることが出来れば。あそこから…優曇華が誰かの手を借りることができれば、或いは。まず屋根に登ることからだな。登れそうなところは…風呂場かな。

 

「っしょ…よし」

 

「どこ行くんですかぁ」

 

「まだついてくるか!」

 

「入院患者は逃すな、と言われてますからね」

 

「…っ!」

 

目一杯跳ぶ。掠りもしない。触れもしない。どうやら俺は完全に逃げられないらしい。 逃げ道を探す気は失せた。ので唯一の出口に固執することにした。安心しろ、俺なら出来る。俺ならばなんだって出来る。ハンセイが俺の体でやったことなんか、俺の体なら出来る。と言う訳で、縄をくくりつけた優曇華を結界の外に蹴り飛ばす。銀髪メイドを蹴っ飛ばしてたのだからこれも出来るはずという計算だ。ちなみにちゃんと蹴り飛ばせた。どこまで行ったかわからないが、とにかく結界の上に登るために縄を引く。

 

「どっこい…しょ!」

 

「やってくれましたね」

 

「…優曇華、そこで良いのか?」

 

「はい?」

 

「いやほら、な。スカートじゃん。お前」

 

「…分かりました。ほら、落ちてください。ね?」

 

「あ、手を踏まないで?」

 

痛すぎて痛すぎて、手を離しそうになるも、そもそも踏む力が強すぎて力を抜いても落ちない。え、この子…もしかして、馬鹿?と考え込んでいた時に体が動かなくなる。ハンセイ、戻ってきてくれたのか。さっさと戻ってこいつをどうにかしてくれ。こいつ面倒なんだ。早く家に帰ろうぜ、な?帰ってさっさと寝ようぜハンセイ。すると、力で踏みつけている足を退けてそのまま優曇華を結界の中に投げ込んだ。…え、出来るんだ、そういうこと。そうして俺は家に帰った。

 

「…何故妹紅が?」

 

「お前なぁ…ふきのとう集めたら食おうぜって言っただろ。そしたら居ないってのはなぁ」

 

「…?」

 

「あ、覚えてない?私泣くよ?」

 

「?」

 

「なんで何とも思わないんだよ…」

 

妹紅が持ってきたふきのとうを頂戴し、揚げ物として調理。この幻想郷に揚げ物なんて概念があったのか。そう言う技術は全くないものだと思ってた。その間にハンセイは何をしてたかと言うと、豆腐を切っていた。お前本当に…お前…何やってんの…?なんで揚げ物やってる隣で豆腐を…?頭おかしいよ、お前。美人の飯だぞ。なんで隣で豆腐切ってんだよ。しかもお前これ…絹だよな?なんで切ってんの?なんで混ぜてんの?あ、汁みたいに盛り付けやがった。

 

「お前、豆腐に揚げ物浸すなよ」

 

「駄目か」

 

「出来ないことはないんだろ。豆腐につけずに食え」

 

「…度し難い…」




Q.ハンセイになるとどうして強くなるの?
A.そもそも種族が違うから。
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