慧音「(満月の時は仕事があって忙しいしそれが終わる時は満月も落ちかけてるけどそれは承知の上だろうから)良いぞ」
ハンセイ「(…)…」
んー、素晴らしいほどの満月。俺はとても気分が良い。今日は月見日和だ。妹紅と合流し、慧音のいる寺子屋へ。慧音はどうも用事が終わらないらしく、初めはハンセイと妹紅と…後俺ね?の本当なら三人、事実二人の月見が始まった。はずなのにだ。ハンセイは唐突に立ち上がり、月を囲うように手で丸を作った。なんだろう?少し欠けてたら気になっちゃうタイプ?そういうのやめた方がいいよ。面倒なだけだからね。しかし、しばらく凝視したのちにハンセイは月を見るのをやめた。月の明かりを手で塞いだ。
「…すまない妹紅、我も用事ができた」
「はぁ?おいおい、それはないぞ?」
「慧音を見に行くといい。おそらくだが気づいてるはずだ」
「あん?…まあ、一人は寂しそうだけどさ。」
「我は竹林に戻る。餅はやる」
「…ハンセイ、お前いよいよ訳わかんないぞ」
竹林の中を猛スピードで進み、入り込んだ先にはいつぞやぶりの結界。その直上に飛んでいく。こいつ、いつも脈絡なく飛ぶよな。何やってんの?俺の体だろ?どうやって飛んでんの?バカ?竹林の中でも一番背の高い竹を超えたあたりで周りに人がいる事に気がつく。姿形から恐らく巫女さんと魔法使い。赤い館で出会った二人…なんでここにいるんだ?というか、ハンセイはここからどうするんだ?まさかバンジーしないよな?息を吸って吐いていると、てゐが話しかけてきた。
「何だ」
「いやいや、お兄さん。ちょーっと、やめないウサ?」
「月をすり替えることの方が止めるべきだ。月見の約束があるというのに」
「全く以てその通り。今夜限りは貴方と気が合いそう」
「悪魔は黙るべきだ」
「あら、それなら主人の代わりに私が黙りますわ」
「…?」
「えと、つまりこれ、私ってどうなるウサ?」
「そりゃあ、吸血鬼の前よ?」
「神の御前である。それ以上我の害となるならば、契約は破棄されるものと思え」
「げっ…た、たいさ〜ん!」
ハンセイが調子乗ってる。課長からそれが読み取れる。つまりは、めちゃくちゃ動くということ。美鈴と初めて会って殴られかけた時に同じようになった。俺は今夜一人で死ぬほど悶えながら寝床をのたうち回るということだ。分かるか?この恐ろしさが。俺の最高連続徹夜回数は四回…もちろん全てハンセイによる運動後の筋肉痛、及び傷の痛みによるものだ。帰ろうぜ、ハンセイ。体が一つなんだから、俺のことも労るべきだと思うんだよな。ほら、そこの…他称悪魔もそう思わない?…届かないんだった。
「当てはあるのよね?あの巫女がここにいるんだものね?」
「我が見つめるもの、其れ即ち悪鬼。我を信ずる巫女がなくとも月を取り返してみせよう」
「…は?」
「…口ぶりからして神かと」
「美鈴の奴には言ったはずだがな。天上は神、天下は人だと」
そこから高速バンジーが始まった。勢いそのままに推定結界をぶち破る。瞬間、とんでもない数の弾幕がハンセイを襲う。あ、これやばい?と思ったがどうにも全て避け切ったらしい。俺に見える訳ないだろ。ハンセイってたまに目を離した途端に動き出すからな。気がつけばウサ耳ブレザーこと優曇華の懐。腕を掴んで押し倒す。え、これって…やばいな。やめろハンセイ、辞めるんだハンセイ。弾幕ごっこではない。これはもう、見る人が見ればまた勘違いされるぞ。
「ちょっ、完全にソレじゃないですか!?」
「うわぁ…結界破って夜這いって」
「大胆な方。ですが、今はよしてくださいな」
「違う。我は弾幕を持たないのだ」
「…作ればいいでしょ。ちゃんと力あるのに」
「これのことか?」
「そう。それを相手にぶつければ終わりよ」
「えっ、ちょっと待ってください?初心者以下に負けるんですか!?」
こうして初めて弾幕ごっこの勝利を収めた。優曇華をそのままにしようとしたが、何故かハンセイが背負った。何やってんだろ、こいつ。どうやら悪魔は俺を無視して行くらしい。それに銀髪メイドもついて行く。それに向かってハンセイが優曇華を投げる。あ、この時用に?使うタイミング早くない?まあ、ハンセイが良いなら良いけどさ…。どうやら悪魔は気にせず進むらしい。おかしいな、確かに当たったのに。いや違う、早く帰るぞ。妹紅のところに行って異変だ何だと言ってみるんだ。それで良いだろう?
「うわ!」
「何でアンタが…ああ、竹林住まいだっけ?」
「あら、珍しい」
「魔理沙と霊夢は知ってるのね。私は知らないけど」
「神の御前ぞ、静かに出来る信心深い者はいないのか?」
「あら、私は信心深いわ。貴方が神じゃないだけ」
「…お前が言うのか、博麗の。」
なんだか騒がしいメンツだった。何がって、服装。魔法使いに巫女に、何だかよくわからない人形が周りにいるやつと紫一色のワンピース女。そのあと通り間に会ったが省略する。どうやら通り魔にも主人がいたらしいことだけ覚えておこう。屋敷の中を進み、ただただ歩いて行く。走る様子はない。どうやら追いつくつもりはないらしい。先に進んだ奴らに全部押し付けて帰る選択肢は本当にないの?いや、このまま行けば多分傷は浅く済む。俺は眠れる。だからって行って良いわけあるか帰って月見するぞ
「…輝夜」
「私と遊んでくれるの?」
「断る。友人と月見の約束をした。神として約束を違うわけにはいかない」
「だからって月を?…いえ、だからって私たちを疑ったのは何故?」
「…優曇華の忠告は逆効果だ。我には今後異変を起こすという宣言にしか聞こえなかった」
一方その頃妹紅は仕事が出来なくてちょっとストレスの限界を迎えて泣いてる慧音を宥めている。