似非気狂い   作:覚め

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幅広とか言われると、横に長くても縦に長くても幅広って言えるよな、と思う。典型的な言葉不足なのですが、とにかく限界を迎えてる慧音に付き合う妹紅の組み合わせはとてもとても良い。


狭い広い

「謎かけなど無用。我が友人のためにも月は戻す」

 

「あら、私にはそんなことできないわ。そもそも月をすり替えたのは永琳だし?」

 

「その原因は輝夜だろう。月に帰れず蜻蛉返りの姫が、どうしてこうも大事なのか」

 

「…貴方、つまらないって言われない?」

 

「生憎我が友人は我に面白みを求めない」

 

お?このまま弾幕ごっこか?そろそろ疲労感で入れ替わったら眠るくらいには動いたんじゃない?逃げよ?逃げて逃げて、そのまま帰って寝ようよ。妹紅と慧音と一緒に川の字で寝ようぜ?…あ、扉に一番近いのがハンセイな?不審者とかそう言うの怖いから。と、逃げた先を俺が考えているとハンセイがトランプを取り出した。お、人里で妹紅と歩いてたときに見つけた奴だ。一部欠けてたっけ。つーかなんでお前持ってんの?…家帰ってないよな?速すぎて見えなかった感じ?

 

「あら、西洋の花札で遊んでくれるの?」

 

「…否。これが我の弾幕だ」

 

「はい?」

 

「行くぞ」

 

弾幕残高、残り三十五枚。ばかだろ、お前。もうやめてくれよな!ハンセイは手首のスナップでトランプを投げ続けている。輝夜は困惑しながらも曲がって来るトランプを避け続けている。弾幕残高まだある?ない?あるんだ。何でまだあるんだろ。不思議〜。さっさと辞めて月見して寝ようぜ。友人のためとか言うなら友人のそばに居てやれよ。それが一番だと俺は思うよ?どうかな。ハンセイはどう思う?…返事はないけどさ。ほんとなんでトランプなの?

 

「あらやだ」

 

「こうっ」

 

「ハズレ〜」

 

「宜しい。神の御業、お見せする」

 

「えっ」

 

トランプを全て投げた。落ちているトランプを拾い、輝夜が避けたトランプに向けて投げてトランプの軌道を変える。落ちたトランプ拾うのはダメじゃないの?良いのかな。俺わかんね。トランプを全て一発で投げ、避けた先へ軌道を変える。何度か繰り返した後に気付けば輝夜とハンセイの距離が近くなっている。やっぱ、近くで見るほどに美人だな。バレないようにトランプを投げて当てる。弾幕ごっこ上では輝夜の負けだ。輝夜が弾幕を放って来てないことを考えるに、輝夜目線では弾幕ごっこではないかもしれないが。

 

「負けね」

 

「…来い」

 

「…まさか私の体を貪る口実にこの異変を」

 

「顔の黄金比は成程輝夜かもしれん。だが我からすれば輝夜は貧相にしか見えん」

 

「はぁ!?」

 

「我の友人も月見の前騒ぎと言って腹囲を伸ばした。お勧めする」

 

「太れって!?何よ!この黄金比のような体型が気に入らないなんて、貴方いわゆるB専ね!?」

 

不名誉だ。輝夜を連れて歩いた先には先程の巫女達が。レミリアとか言ってた悪魔や魔法使い、紫一色のワンピースもいた。特に色々いる。面倒な、と思いそれらに囲まれて弾幕を張っている永琳先生を見つける。要するに、あの人が今回の異変の核だ。そんでもってあの人にとっての宝がこの輝夜だと言う。と言うわけで大声で呼びかけようとするも、どうも巫女達のせいで声が届かない様子。面倒な、面倒な。輝夜も大声にそこまで自信はないのだと言う。あの弾幕の中を進むのは地獄だぞ。

 

「…輝夜。急で悪いが我を信仰しろ」

 

「はぁ?…いやまあ、神なら信仰は大事なんでしょうけど…」

 

「信ずることを口にすれば良い」

 

「はいはい。貴方の無茶振りは信用してるわ。…これで良い?」

 

「万事良し。」

 

信じられてようやくすることが大声で場の時間を一旦止めることだとは。まあ正直言ってアレに混じってどうこうするつもりがないのは共感。それこそおそらく入れ替わって数日は眠り漬けだろう。故に逃げようと言っているがそれを聞かない。ハンセイは大声で永琳先生に呼びかける。姫を手に入れた。さっさと月を戻すべきだと。そうすると永琳先生がコチラに向かって来る。だろうね、だろうな。と、そこで緊急事態。輝夜がハンセイの足をがっしりと掴んだ。えっ、まじ?

 

「は…?」

 

「やめるのにも相応の理由が必要よ。説得力を持たせて?」

 

「輝夜が宣言するのが早いが…」

 

「姫様。その手を今すぐ離して即刻この場から立ち去ってください。その者を八つ裂きにします」

 

「まあ怖い」

 

「そもそも。ここ幻想郷は結界で区切れているはずだ。なぜ結界の内側で月をすり替える。」

 

「区切られているからこそ。月の裏側からここに来る奴がいるかもしれないわ」

 

「…全然当たらんぞ」

 

「後ろの奴ら何してるのよ!」

 

「姫様はどちらの味方をしているんですか!?」

 

トランプを全て投げ飛ばす。当然の如く避けられるも、それを見越してかハンセイが回避先に向かっていた。輝夜を連れて。輝夜を盾に進み、永琳先生に近づいたのなら輝夜を投げ捨てる。永琳先生の意識がそちらに向いてることを確認したのか、永琳先生に優曇華相手にやったゼロ距離弾幕パンチ。当たった。弾幕ごっこなら勝ちだ。ただし目の前に多大な問題が発生している。輝夜を盾に進んだにも関わらず、なぜか体の至る所に矢が刺さっている。腹、腕、膝、股関節。右胸にもだ。心臓と脳には刺さってない。優しいね。

 

「ちょっと。最後私たちが蚊帳の外じゃない」

 

「異変は解決した。なら良いのよ」

 

「アリス、どこ行くんだ?」

 

「帰るの。疲れたもの」

 

「幽々子様」

 

「なぁに?」

 

「件の男です。獲ってきます」

 

「え?」

 

身体中矢まみれの俺に対する労いの言葉は誰も発さず。気にかけてくれたのはレミリアと輝夜のみ。永琳先生は何が起こったのかまだ理解できてないのか呆然としていた。気持ちは分からんでもないが、俺の治療に目を向けて欲しい。ねえまさかこの状況で入れ替わるとかないよな。入れ替わったら痛みもお前が待てよハンセイ。俺は嫌だからな?

 

「…」

 

「よく歩けるわね」

 

「友人と月見の約束だ。かなり遅れた」

 

「気にかけるのが約束なのね。変なの」

 

「お嬢様、一歩下がってください」

 

「?」

 

「覚悟おおおおおお!」

 

「ぬぅっ」




慧音「…なんか、治った…けど…仕事…」
妹紅「ま、まあまあ!もう今日は月見に振り切ろう?ほら、こっち来い!ハンセイもそろそろ帰って来るからさ!」
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