似非気狂い   作:覚め

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慧音「(まさか仕事を放棄して月見する日が来るとは…)ぐすっ…」
妹紅「(この空気感に耐えられない…早くハンセイ帰って来て…)」


事後月見

「遅れた」

 

「ん、そう…ぎゃぁー!?」

 

「ど、どうした慧音!?」

 

「落武者だ!妹紅!」

 

「っこの…?は、ハンセイか?」

 

「…まあ矢を刺したままここに来た我にも非はあるが…」

 

ハンセイは矢が刺さって血まみれの中月見しに来た。迷惑だぞ、絆創膏を貼りなさい。慧音が無理矢理抜こうとして来る。痛いだろうからやめて欲しい。矢を抜かれて絆創膏を貼られたが、なんだお前その、小学生並みの絆創膏への信頼感は。せめて軟膏だろう。まあ月見が終わったら永琳先生を訪ねるとしますか。いやまあ、こいつが途中で入れ替わらなければの話ではあるよ。だからさっさと餅を食え。月見を終わらせろ。妹紅が酒飲みやがった。終わりだ。

 

「おい妹紅!!」

 

「んぁー?良いだろぉ月見なんだじぃ」

 

「口調が変になるまでもう呑んだのか!?」

 

「ハンセ〜イ、ハンセイは呑むよなぁ?」

 

「我に絡むな妹紅」

 

「この…っ酔いを覚ましてやる!」

 

「あだっ!?」

 

ゴンッと到底人から鳴るべきではない音が出た後、妹紅は倒れた。妹紅を寺子屋の中で寝かせて月見第二ラウンドだ。慧音と無言で餅を食いながら月を見てるため俺には何も分からない。語らえよ、何かを。とにかく、月を見ながら餅を食っている。そういえば慧音の頭がなんか変だな。…あれ、変って言うかなんか…髪色から違くない?ツノ生えてる。髪色が…青から緑かな。ていうか服もいつもと違う。満月の時だけおしゃれするの?おしゃれ感覚で青から緑に?…変なの。

 

「な、なんだ?」

 

「イメチェンと言うやつか?」

 

「いめ…?」

 

「服と頭だ」

 

「服…頭…いめちぇん…?あ、そう言うことか。言っただろう、私は満月の日に妖怪の部分が強く出ると。」

 

「言われてないが」

 

「…あれ?」

 

「いつ妖怪の部分が出るかなどは聞かされておらん。少なくとも我は今知った」

 

「…そうだったかな」

 

「ところでそのツノを折りたいのだが良いか?」

 

「ダメに決まっているだろう!?」

 

なんで唐突にツノを折りたくなったんだよこいつ。気持ち悪いな。当然の如く断られたが。とにかく月見は無事に終わりそうだ。明日、妹紅が頭痛を抱えながら起きることを除けば。まあとにかく俺も餅食いたいし月見したいから慧音も早く寝て欲しいな。ハンセイが見てるのを俺が見てるだけだと、映画見てる感じなんだよ。本物見てる気がしない。あ、でも矢があるのか。やっぱ良いよ、精々ゆっくりと寝るまでハンセイが楽しんで良いんだよ。

 

「我儘め。」

 

「何がだ?…まあ、妹紅は確かにわがままだが」

 

「妹紅のことではない。餅も無くなったことだ、我は帰る」

 

「あーこらこら、帰る前に」

 

「?」

 

「包帯だけでも巻いていけ。ほら、消毒もしてやるから」

 

「ぬぅ」

 

夜明けも近く、月が沈む瞬間を眺めながら包帯を巻かれる。うーむ、月が沈めば真っ暗だし、早く帰らないとそれこそ永琳先生も…いや、あいつら全員寝てるか。一晩耐えるのも辛そうなのに、これはとてもまずいな。どうすれば。まあ月見妨害の迷惑料として治療代は踏み倒すつもりだったし、叩き起こせば良いか。そうと決まればさっさと行こう。包帯を巻き終えて…あれ。なんで立たないの?ちょっと、困るんだけど。立って歩いてくれよ。足の矢を抜いたからってそんな、立てなくなるの?ハンセイに出来ないことないんだろ?

 

「…駄目だ、立てない」

 

「当たり前だ。膝を貫通してたんだぞ」

 

「医者の伝手を辿れない…」

 

「はぁ…しかたない。その伝手はどこだ?私が連れて行ってやる」

 

「助かる。竹林の中だ」

 

「…すまん、この夜更けに竹林は無理だ」

 

「そうか」

 

「ど、どうする?妹紅が起きていれば灯りもあるが、酔いが覚めてるかどうか…」

 

「明けたら行く」

 

そういうと、慧音が一晩付き合ってくれることになった。ありがたい。俺に代わったら多分激痛で即死だ。そのまま消え去るしかないのだ。だから助かる。夜明けまで慧音は何やら作業をしていて、ハンセイはその前で読書。妹紅が目を覚ます頃には陽は登っていた。慧音が俺の体を背負ったのでハンセイが道を教えながらの通院を始めた。ちなみに…本当にちなみになんだけど、妹紅は後ろを歩いている。頭が痛いと呻きながら。酒なんか飲むから、慧音に頭突きされたんだぞ。自業自得だ。

 

「…ここか?」

 

「ここだ。違いない」

 

「随分と荒れているように見えるが?」

 

「…優曇華を探してくれ」

 

「うどんげ?」

 

「私がやるよ慧音。ウドンゲーーー!!!」

 

「はいはい!?あ、だ、誰ですか…?」

 

「女だ」

 

「何を言うか妹紅」

 

「変な喋り方をするな」

 

永琳の所まで優曇華の先導で辿り着く。席に座り、診察を受ける。何故この傷を放置して月見をしたのか脳みそを解剖してでも知りたいなどと嫌味を言われるも、無視。治療代を迷惑料で踏み潰すことを伝えると、そもそも代金はいらないと言われた。慧音はといえば、こんな医療施設があるなら人里に手を貸して欲しいなどとおっしゃっている。少なくとも出来ることは薬売り程度だと思うよ。ハンセイはそのまま治療室に。全身麻酔をしてから矢を抜くらしい。あ、じゃあ俺寝ますね。と、寝ようとしたら手術終わった。これが全身麻酔ですか。

 

「前回はどうやって口封じをするのか考えたかったから時間をかけただけよ。ま、様子見で3日くらいは…あんまり激しく動かないで」

 

「承知した」

 

「ハンセイも無茶は出来ないな」

 

「寺子屋で暮らすか?」

 

「あとは、姫様のお遊びにでも付き合ってあげて。」

 

「え?」

 

「姫?」

 

「…断りたい」




次回、西洋の花札ことトランプを投げることで遊ぶ輝夜対全部燃やして輝夜に襲いかかる妹紅
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