似非気狂い   作:覚め

19 / 78
妖怪が呼んだとは言った。単体ではない。


与太クソ話

「…」

 

「連れて来たわよ、紫」

 

「なんで背負われてるの?」

 

「医療ミスですって。全身麻酔で抜け切ってないらしいわ」

 

「…ここに人外向けの司法はないのよ」

 

「…黙れ、若作り」

 

「羨ましいわ。今日限りで老化が止まるなんて」

 

「ここで暴れるつもり?」

 

ハンセイに変わった。ので俺はもう安泰だ。頑張れハンセイ、俺の命運はお前にかかってるんだぞ。目の前には前会ったことのある紫ワンピース女が。妖怪だったのか。まあ…確かに日傘出しながら空飛んでるやつが妖怪じゃないわけないか。え、じゃあ巫女さんも…?え、こわ…近づかないで…?体がハンセイだから遠ざかれない。俺はなんて不自由なんだ。さっさと帰らせろ。と、ぐちぐちやってると唐突にその全身紫女が自己紹介して来た。なんだお前、こわ。しかも淡々と説明続けないで。怖いよ。

 

「貴方、どこの神なの?」

 

「え、神なの?」

 

「人に憑依してるのよ。内側の人間がどうなってるかはわからないけど…分からなかったの?」

 

「分かるも分からないも、人間でしょ」

 

「まあ、元は人間だけど…」

 

「心外な。我は神ぞ」

 

「うわ立った」

 

心外だな。まあ良いけど。とにかくこの…妙に若いことを主張してくる、名前も見た目も紫の人こと八雲紫の話を聞いてみる。ふんふん、似たような神を知っているがそいつは健在、更にそいつに聞いて見たが何も知らない。だからこそお前誰だって聞かれている、とのこと。お前誰?…え、ハンセイって誰なの?俺が幻想郷に出て来たのは紅魔館らへんだったし…後でひさしぶりに訪れてみようぜハンセイ。俺がこっちに来た時にはもうすでにハンセイだったもんな。な?

 

「…気が向けば」

 

「何がよ。それで、結局貴方誰?どこの神なの?」

 

「さてな。我は神だが、何処の神かも知らん」

 

「嘘でしょ。大体、アンタみたいな神は面倒なのよ。さっさと答えて」

 

「…我もほとほと、自分の拠り所を取られて困っている。取られたのだから、我も知らん。元は湖の神。そのはずだ」

 

「そのはずって…神がなんで拠り所を無くすのよ」

 

「知らん。取られた後、この人間の体がちょうど良く我に収まっただけだ。」

 

「なるほどね…中の人間は?」

 

「よく喋る。」

 

…おま、俺のこと体の相性がいい奴って見てたのか。お前…お前…泣くぞ…?お前が体の外に出たら許さん、妹紅に言って燃やさせてやる。いやでも、その場合俺は抜け殻になるのか?…いや、ハンセイとはこれからもやるべきだな。仲良くしようぜ。仲良く…出来るからばーか!俺のこと体で見てやがったな!許さん!もう許さん!体返せ!八雲紫も言ってるぞ、代われって。…あれ、代われないの?システムなの?それとも神様って名乗りまくって俺の体ごと神にしようとしてる?

 

「いやでも…あれ?」

 

「変われるじゃない。ほら、教えて。貴方はどうやって幻想郷に来たの?ハンセイは何処から現れたの?」

 

「…紫、私寝てるから」

 

「霊夢…巫女の仕事をしなさいよ」

 

「ヨウカイガイル」

 

「寝てて」

 

「…何処の誰だったとかはおれも覚えてない。何せここに来て年単位。ハンセイは…ここに来た時からずっといる」

 

「じゃあ完全にこっち産ね。幻想郷出身なのか、外の神なのか分からないけど…」

 

「こっちだぞ」

 

「…はぁ?」

 

何処の神かわかったらしい。八雲紫にしがみついて…背負われてとある湖へ。幻想郷の湖、しかも神がいた。そんなものはこの幻想郷には一つしかないらしい。…紫さんの背中、なんか安定してるな。巫女さんの背中…いや足?かな?は全然揺れるし浮遊感半端なかったし、なんなら二回地面に降りてもらったし。背中はダメって言われたし。本当怖かった。それに比べて紫さんの空と来たら。安定しすぎてもうね、寝れる。眠ろうかな。着いた。寝れなかったけど、空飛ぶ感覚が楽しかった。巫女とは大違いでな。

 

「それはありがたいわね。で、ここがその湖」

 

「…あの、霧しかないんですけど」

 

「元々、霧はなかったのよ。離れたら見えなくなるから」

 

「あ、はい」

 

「…ハンセイは?出てこないの?」

 

「出て来てるなら一人称は我。俺の時は出て来てないですね」

 

「わかりやすいのねぇ。」

 

もちろん、ハンセイが出て来てくれれば確かにありがたい。だが、それでも出てこない。なんでだろう。ハンセイの話ならこの湖を占拠している悪鬼悪霊魑魅魍魎…後なんだ?まあとにかく妖やらなんやらがいるんだろう。そう言うことですよね、紫さん。え、違うの?ここにいるのって誰なの?…妖精?は?妖精が湖占拠してるの?え、じゃあ何?ハンセイは妖精に負けるような脆弱な神様ってこと?え、弱い…あれ、体動かない。もしかして逆鱗に触れた?妖精に占拠された癖に?

 

「…我の身体にホラを吹き込むな。湖が戻れば消すぞ」

 

「強気なのね。それもかなり。ハンセイね?」

 

「ここを占拠したのは妖怪。そも、妖精はその後に住み着いた。」

 

「あら、じゃあ妖精じゃないのね?…じゃあ貴方、なんで取り返さないの?」

 

「…いや、何。面倒なのだ。」

 

とにかく妖精を見つけることから、らしい。紫さんから扇子を二個受け取り、そのままハンセイが手を振り回し始めた。え、何してんの?そんなお前、海の中でも大した影響出ないのに…あれ、なんか晴れ始めた。なんか霧薄くなって来た。え、嘘でしょ。本当に?本当に全部晴れさせるつもり?霧払いってレベルじゃないでしょ。つーかなんで…扇子?なんで扇子で霧払いを?化け物でしょ。何やってんの?…普通でかい葉っぱとかさ、そういうのじゃないの?

 

「今我が受け取るはずの力は妖精に流れている。その妖精から力を受け取れば戻るはずだが」

 

「…その妖精、見渡る?」




???「風に飛ばされた…」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。