似非気狂い   作:覚め

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普通にレミリアってそう言うことするだろうな、と思ってる。


略奪者

今どうなってるの?と聞かれれば、多分どうも答えれない自信がある。何でかって?簡単だ。今、目の前でレミリア推定閣下がなんだかすごい威圧感を放ちながらここにいる。多分理由は湖関連だろう。吸血鬼って流水ダメなんだろ?え、じゃあなんでこいつ湖欲しがってるの?そんなに景色の良い湖が欲しいの?ていうかさ、土地的にはほとんど隣人なんだから争い事やめようぜ。裁判所に連行されたくないだろ。…ここって裁判所あるよな?でも人外って法律とか守るのかな。つーか家の補修帰ったらやらなきゃな。

 

「…ま、やることが多いな」

 

「大変そうね。でも良いでしょ?この先に限っては、しばらく何もできなくなるんだから。」

 

「そうか。いや、だからこそ多いのだ。」

 

俺が少し意味を掴み損ねたところ、レミリア推定閣下がぶっ飛んだ。ハンセイは動いていない。レミリア推定閣下を追いかけるように水が動く。ハンセイの能力だろう。つまり、レミリア推定閣下は水に殴られ…水って殴れるのか。いや確かに、強く打てばそりゃ痛いけどさ。いやそれよりもだ。これは恐らく、次俺が体を動かすときに動けなくなるほどの筋肉痛になることが予測される。せめて弾幕ごっこで戦って。動き回って殴り合いなんてしないで。

 

「…今のは、弾幕ということで良いのかしら?」

 

「好きに捉えろ。好みで構わん。周りなどどうでも良い」

 

「それはつまり、どうやっても良いってこと?」

 

「好きに捉えろ、悪魔崇拝者」

 

「お気遣いどうも。じゃあ、弾幕ごっこ無しの争いと判断させてもらうわね。」

 

「宜しい」

 

唐突に浮遊した。レミリア推定閣下が。お前大丈夫か?一回布団貸してもらっただろ?さっさとごめんなさいして、でも譲れませんって言って、ほらあの…博麗の巫女?に任せちゃえよ!…な?帰ろう?あ、無理だこれ。相手もハンセイもやる気満々よ?誰も止められないよ?どうするかって?どうしようもないね。哀れ哀れ…んなわけあるか!全力で動かそうとすれば少しは動くだろ!…帰るぞ!…ダメだった。やっばい、もしかしたら殺されるんじゃない?神様なら蘇れるの?でも俺は人だよね?

 

「どうした。水に座れ。それとも、水は怖いか?」

 

「ええ。怖いわ。だから壊させてもらうわね」

 

「妹も連れてきたか?姉として失格だな」

 

「大きな壁にぶつかったときは周りの助けを乞う。忌々しい妹だけど、このやり方は生物として当然よ」

 

「だがその妹は席に座ったよ」

 

「は?」

 

ハンセイが目をやった所には水の中でもがいている謎の…あいつ、どんな奴だっけ。えーと…まともに名前も知らないし。推定閣下(妹)だな。その推定閣下(妹)が水の中でもがいている姿を見たレミリア推定閣下の反応といえば、随分と必死なものだった。誰が忌々しいとか言ってんだ。妹が大切じゃないか。迷いもせず水の中に突っ込み、妹を水の中から追い出す。勿論レミリア推定閣下自身も水の中には留まらないように。大した姉妹愛だ。よっしゃハンセイ、このまま水責めで終わらせようぜ。

 

「…だな。我もその意見に同意だ。」

 

「フラン、大丈夫!?」

 

「げほっげほっ…だから嫌だったのよ、こんなこと!」

 

「自身の選択に悔いを残しながら死ね。安心しろ、死骸は栄養に返してやる」

 

「随分と傲慢ね」

 

「傲慢?否、神の威厳だ」

 

「フラン、動ける?」

 

「舐めないで。動ける」

 

それからはもう、知らん。俺は現実を見るのが嫌になった。何せどう足掻いても次俺が動くとなったとき、動けなくなるような動きばっかり。もう泣きたい。否が応でも見せられた現実は、水を操ってレミリア推定閣下までの道を作り、その表面を走り回って推定閣下を殴り飛ばしたり、その道のりを使って尻尾みたいに推定閣下(妹)を弾き飛ばしたり。水に閉じ込めて二人をぶつけたり。もうめちゃくちゃだ。俺はもう知らん。さっさと二人共々帰って欲しい。早く帰れ。

 

「…今帰るなら、見逃してやらんこともない」

 

「っ…」

 

「ごめん酔った」

 

「吐くな。ここは我の湖である。貴様らを受け入れることでさえ拒絶すべきことだ、水に入れたことに感謝しろ」

 

「残念、私たちはまだ元気よ!スピア・ザ・グングニル!」

 

「その通り。全く以って不快。レーヴァテイン!」

 

「武器か。そうか。では我も本気で参る。」

 

ハンセイが本気を出すと言った途端、意識が途切れた。よくわからんな…うん、よく分からん。意識が途切れることに意味あるの?ないよな?…ない、よな?うん、多分ない。とにかく俺が目を覚ましたときにはもう既に二人ともいなかった。逃げたのか殺したのか。よく分からないが、とにかく土地を取られることは避けたらしい。しかしやはり、思った通りに体が動かない。あーあ。やっぱりこんな目になってしまった。これ死んだら悲しいぞ。どうにかして生きて竹林までいかないとなぁ。…無理かな。

 

「…だめだ、こりゃ」

 

その日はそのまま眠ってしまった。そりゃあもうぐっすりと。疲れも溜まっていたし。起きたときは死んでなくてよかったと思ったが、とりあえず帰ることにした。帰って家の補習をしなければ。体を起こそうと思ったが起きない。ハンセイが動いているのかと思えばそういうわけでなし。どうも完全に動かない。あれ、やばい?金縛りとか?

 

「お前!お前だろ!よくも私の家を壊したな!」

 

「…」

 

「…無視か!?」




レミリア推定閣下「…死にかけた…」
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