似非気狂い   作:覚め

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ただし異変
何言ってんだ?


非異変

「行かなくてよかったのか?」

 

「むしろ我が行けば事が拗れる。もし仮に主犯がいたとして、巫女が退治する。それで終いだ」

 

「それは…そうなんだが。」

 

そう言って慧音は頭を掻いた。しかし、ただの風邪か。となればあれだな。赤ん坊がよく熱を出すって言うやつだ。でも年齢的には俺より上なんだよな。老いない生命体って、なんだか変なの。 まあ子供の姿なだけマシか。子供の無尽蔵なエネルギー、まるで体内で核融合炉でも保持しているのではないかと思える程のものだ。俺には到底考えられたものではない。そう、だから頼むからハンセイは動きすぎるな。俺が死んでしまうんだ。やめてほしい。空飛ぶ原理すらわからんよ、俺には。

 

「ま、子供姿ってだけでこいつは一応人間殺すけどな」

 

「妖精とはそう言うものだ、妹紅。無邪気で、人の気を引くためにどうなるかもわからないことをする。」

 

「違うな、それは子供って言うんだ」

 

「違う。それは悪童だ」

 

「…慧音、いまそう言う話じゃない」

 

「えっ」

 

「全く。」

 

「…こ、子供達の話じゃないのか…!?」

 

「違うね」

 

「妖精だ。」

 

しかし子供かぁ。子供の時は何してたかな。親のケータイ弄って怒られてたな。ほら、ケータイを題材にした玩具とかも出てたはずなんだよね。そういうので遊んでた。怒られたけど。怒られた後はしょんぼりしてもうあたかも私は罪人ですと告白したような顔で部屋に籠ったものです。翌日には同じ理由で叱られましたけどね。へへっ。と、勝手に子供時代を思い出してたら話は変わっていた。異変ですらない。この時この瞬間に花見をしないか?という誘い。桜も咲いてるの?

 

「…そもそも桜は今が旬だろう」

 

「そうか、今は春か」

 

「梅も紫陽花も、なんでも咲いている。私たち三人で行くのもいいんじゃないか?」

 

「我は子守りをする」

 

「…だってさ」

 

「困ったな…そもそも、病院のツテがあるならそれを頼れば良いだろう?なぜ自分にこだわるんだ?」

 

「こだわるということではない。恩返しに近い。」

 

「…まあ、良い。妹紅は?」

 

「行くよ。ここにいても子守りか殺し合いだし」

 

「野蛮だな」

 

「誰が私と輝夜を会わせたか、よ〜く考えてからもう一度言ってみろ?」

 

「我が会わせずともいづれは会ってた」

 

ハンセイは反省しない。なんでだろうな。原因は多分神だからなんだろうけど。強そうな妖怪に喧嘩を売るし、湖の所有権巡って争うし。面倒な人だな、ホントに。面倒な神様か。というか氷精の体調ってそんなに心配なのか?子供の熱って言ったら、すぐに消えるしすぐに良くなる。インフルエンザとかの病気じゃなければ一瞬のはずだ。…何かあったのか?風邪由来の熱ならそれはもう寒暖差によって生じるから…それはつまり、あの湖の温度がおかしかったのだろう。妹紅を見ていた感じではそんなことはなかったが。

 

「あたいも!」

 

「駄目だ。治してからだ」

 

「いぎぃ!」

 

「駄目なものは駄目だ」

 

「…このっ!」

 

「薄皮一枚凍らせても駄目だ」

 

「なんなの!?」

 

ハンセイに対する氷精の反抗意思を伝える手段として凍らせてくるのだが、それに対してハンセイは何もせずに顔を動かしながら氷を破壊している。多分、ハンセイはきっとこういう神だ。生意気な氷魔法とかを使う奴に対して凍らせた程度でどうしたとかいう奴だ。強いぞ、こいつは。しかしながら凍らせる事が無駄だとわからない氷精が何度でも凍らせてくる。…豆腐の保管に使えそうだな。まさかハンセイ、気にかけたのは豆腐の管理人にするためか…?極悪な神だ、恐ろしい。

 

「そんなわけではない」

 

「?」

 

「…なんでもない」

 

「このっ!」

 

「良い加減学ぶべきだろう。少し鬱陶しい」

 

「絶対零度!」

 

「惜しい。そろそろやめたらどうだ」

 

「じゃあ周りの竹冷やしてやる」

 

そう言った途端にハンセイの動きが速くなった。そうした結果、氷精は水の縄で腹を縛られたまま地面に寝転がることとなった。歪である。優曇華やら何やらが騒がしい声も聞こえるが、とにかく目の前。氷精自身もやらかしたことを察知したのか、水の縄を凍らせることはしなかった。おお、えらいえらい。ちなみに、極々たまに竹が軋む音がするのは何故だろうか。少し怖い。重量オーバーなどもないはずなのに。不思議なことだ。やはり急に冷えたからだろうか?

 

「ハンセイ、ただいま…さむっ」

 

「お、私の出番だな?」

 

「密室でやるのか?」

 

「一酸化炭素中毒で死んでしまう!やめろ!」

 

「外で燃えるだけだよ!なんだよ悪いか!?」

 

「ならばよし」

 

「…納得行かないなぁ」

 

そのまま妹紅は天井にあがり、おそらく燃え始めた。氷精が見るからに溶け始めたことからそれが理解できる。ハンセイは流水を作ることでなんとか氷精自身の体温を下げようと努力している。これって氷精が全部溶けたらどうなるんだろう。少なくともR-18Gに値する絵面になるのではないだろうか。少なくとも俺はそんな絵面を見たくない。頼むぞハンセイ、そのまま鋭意努力して氷精が溶け切るのを防ぐんだ。なんならもう家から出してしまえ。慧音も少し濡れ始めてるから外でやるべきだ。

 

「妹紅!もう良いぞ!」

 

「はいはいっと…ありゃ、かなり小さくなってる」

 

「溶けただけだ。少し経てばもとに戻る。」

 

「なるほど」

 

「ふん!ふん!…あれ?」

 

「本人は気づいてない」

 

「馬鹿なだけだろ」




チルノはこの後大きくなって湖に帰って行きました。
大妖精?知らない子ですね。
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