似非気狂い   作:覚め

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間髪入れずに守矢行きます。行くったら行く。


次世代

「…神が増えた」

 

「そういうことわかるのか」

 

「無論だ。例えるなら…同じ部屋にもう一人入ってきたようなものだ。」

 

「それは…どうなんだ?」

 

「慧音もわかるのではないか?寺子屋の子供の数が増えた時とか」

 

「その時は机が足らないからな」

 

「それと同じだ」

 

…何言ってんだろう、こいつ。慧音も納得してるし…なんなのこいつ…?とにかく。前回の異変ごとすぐに竹が枯れ始め、結果として妹紅とハンセイは非難。最近俺は全然体を動かせていない。悔しいし悲しい。許さん。しかしそんなことは良くてな。いやぁ、神様が増えたのか。どれくらい増えたのかな。まあ一体…神様だから一柱か。でも、大体増えたと言っても一桁で済む数ではあるはずだ。流石にそんな馬鹿はしないはずだ。恐らく。きっと、恐らく。というか神様って増えるのね。

 

「数はだいたい…二桁くらいか?」

 

「は??」

 

「とにかくその程度だ。我は関与せん」

 

「…ん、すまん。呼ばれた」

 

「構わん。」

 

「すぐに戻る。」

 

寝ている妹紅を起こす。起こすというよりも心臓マッサージをする。脚で。結果、妹紅は何回か死んだような反応を示した後で血を口の中に溜めながら起きた。起きて早々の一言が『何?心臓発作?』だったことは笑うしかないと思うが。ハンセイは笑わずに大体そうだよと答えた。馬鹿だな、この二人。見てて面白いが、飽きてきてる。いつになったら竹林戻るのさ。全くわからん。どうなってるんだ?大体竹の成長ってどれくらいかかるんだ?まさか五年以上こっちってことはないだろうな?

 

「ふぁ…よく寝た」

 

「永眠も挟んでたからな」

 

「そうなの!?」

 

「ただいまっ」

 

「あ、慧音」

 

「血反吐!?」

 

「用件はなんだった?」

 

「あ、えっとな…そう、新しい神社があるらしくてな。妖怪の山に」

 

「関係なくない?」

 

「それが…いや、まあ、関係はないのだが…その、人里で布教をするかもしれない、と話になっていてな」

 

「…我も便乗させてもらうか」

 

「やめろ。幻想郷は博麗神社の信仰でさえ控えめなのに…断るべきかどうか」

 

受け入れたら良いと思う。どーせ一過性の流行りでしょ。それならもうさっさと流行らせて終わりにしよう。巫女いてもいなくても良いし。…ただ、俺が思っただけでハンセイは話さないんだよな。このこと。うーん悩ましい。まあ仕方ないか。というか俺もそろそろ体動かしたい。体伸ばしたい。ちょっとそろそろきつい。二人には話してるんだからさ、別に良くない?よくないのか。どうにかして、俺の意思を伝える方法はないのかな。こう…念力!とか…そういうのない?

 

「断言できるほどない。」

 

「やはり受け入れるべきではない、か」

 

「でもまあ、信仰者が増えること自体はいいことじゃないか?」

 

「まあ、そうだが…なぁ?それで里で争いが起きたりはしてほしくないんだ…」

 

「甘味食べたい!」

 

「…どうした、急に」

 

「ハンセイ…?」

 

「…あぇ!?」

 

異変からかなりの間動きっぱなしだったよなぁ。じゃあ…仕方ないとかいうと思うか?なんで急に俺に移るのさ?こいつやっぱ常識ねえよ。…考えてること、口に出てないよな?あれ、出てない…よな?いつもの癖で…いやいつも考えてばっかりだから喋ったことねえわ。だめじゃん。まあ良いや。疲労感も大してないし、さっさと帰って体伸ばして寝よう。ハンセイが出てくる気配もないし。いやはや、一体どうしてくれようか。この状況、この場面を。どうやって切り抜けようか。

 

「…お、おい?」

 

「甘味か?今持ってくるが」

 

「あ、それは良いです」

 

「敬語…!?」

 

「は…!?」

 

「ハ、ハンセイ!?お前まさか、風邪か!?」

 

「前言ってた人間の方か!?」

 

「…じゃ!」

 

「待て、どこにいく」

 

「妹紅が回り込めた…?つまりお前はハンセイと同じ体だが同じことはできない…?」

 

「なるほどなぁ…」

 

逃げる。怒涛の勢いで。死に物狂いで。壁をよじ登り、寺子屋から全速力で逃げる。道中いくつもの人間に見られたが知らん。さっさと逃げ去る。人里から出る時に門番がめっちゃ時間かけて開けてきたので人里の壁もよじ登る。流石に第一声が甘味食べたいだと恥ずかしいし、それで甘味持って来られたらもっと恥ずかしい。息を切らしながらもよくわからない建造物に辿り着く。そこまで妖に食われなかったのは運だろうか。きっとそうだろう。だからこの建物に近づくたびに妖怪を見かけなくなったのは勘違いだ。

 

「はぁ…はぁ…」

 

「〜♪」

 

「…うわっ!?」

 

「?あら、お客?読んだ覚えはないから…肥料になってもらおうかしら。となると…」

 

「タンマ。タンマ。」

 

「死語よ」

 

「ざけんなまだ現役だわ」

 

「すり潰されるならこの岩がお勧めよ」

 

「わ、力持ち」

 

目の前にいる怪力女…出てたら殺されるか。緑髪でチェック柄の服を身につけている麗しきレディ。まあとにかく妖。俺は今妖に誘われて家に入っている。妖の根城。俺死ぬんじゃない?下手したら次の瞬間自分の血を味わってるんじゃない?この出された紅茶も…えー、どうすんの?あーもう、いやだよこんなの。俺はさっさと逃げさせてもらうか。逃げたら殺されるかな。…お前の出番だぞ、ハンセイ!…変わらねえ…!変わった原因すらわからないから何をどうすれば良いのかすら知らん。

 

「…飲まないの?」

 

「考え事が多くて。静かな場所だとついつい考え事して忘れちゃうんですよ」

 

「そう、大変ねぇ。」

 

「まあ、こういうのも楽しいんですけど」

 

「ところで。最近草花が急に咲いたり枯れたりしたでしょ?その理由、わかる?」

 

「えーっと…わからない…です…」




Q.風見幽香は何故初手で殺さないの?
A.人里の方での異変の影響を知りたいから。
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