似非気狂い   作:覚め

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植物ふみふみ=死の妖怪vs人間
勝ち目ある?ないよね?


花畑

「そう、つまり里の花も咲いたってことね?」

 

「家の支えとなってる竹は無事だったけど、生えてる竹は咲いて枯れてた」

 

「そういう植物だものね。でも、寿命を縮められたようで良い気持ちではないわね」

 

「何言ってんだお前」

 

この人、話を聞く限りだとそんなに悪逆非道とかとんでもない悪だとか、そういうのはなさそう。とても心に良い。安らぐ。出された紅茶も美味しい。こうなるともはや善良な妖怪にしか見えない。俺の目が間違っていなければだがな。そしてハンセイは未だに帰って来ない。とても気まずい。俺の身体能力では逃げることは無理だし、いざ食われるとなればもう食われるしかない。ごめんなさいハンセイ、反省してるので帰ってきてください。…ダジャレ思いついた!ハンセイの反省してる姿!…ありきたりだな。

 

「今くだらないこと思いついた?」

 

「げっばれた」

 

「…まあ、良いけど。貴方はもう用済みだし…肥料になってもらおうかしら」

 

「なんでさ」

 

「…あら?」

 

指パッチンが何回も鳴る。なんだ?マジックでも仕込んでたのか?それなら俺もできるぞ。手の甲にトランプを仕込んで何枚も取り出す奴。なんて言うのかな。名前とか覚えてないけど…まあとにかく手の甲から取り出す奴。今お披露目してやろう。ハンセイがいつどこでも弾幕ごっこができるようにと持ち歩いている、弾幕ごっこのたびに数が減るトランプ。輝夜が永琳先生に作ってもらったとか言ってたし、俺も作ってもらおうかな。楽しいよ、マジックは。

 

「ほれほれ」

 

「…私の動体視力だと、丸見えよ」

 

「ならもう少し早くするか」

 

「えっ」

 

「ところで今何しようとしてたの?」

 

「その紅茶にタネを仕込んだのよ。私の合図と一緒に根を広げる種。何故…」

 

「…マジックにはタネも仕掛けもないから?」

 

「とんち?実力行使に出るけど?」

 

「でも発芽もしてないし」

 

「…口開けてくれる?」

 

口を開けたまま指パッチン。発芽しない。ところでそれって丸呑みしないと発芽しなかったりする?もしそうだったら噛み砕いちゃったからじゃない?紅茶の中に種があったらそういう、コーヒー豆的な何かだと思うだろ。ほら、こう、な?わかってくれる?出された器もスープ入ってそうな見た目だったし。わかってくれる?…だめだ、なんか反応が薄くなった。そもそも実験するなら対照実験は必須だろ。舐めてんのか。…やばい、空気が重い。そんなに食べたらいけなかった?

 

「まあ、不発だし、帰してあげるわ」

 

「いや俺人里から逃げてきたところなのよ」

 

「は?」

 

「とりあえず、新しい神様が来たらしいし妖怪の山に神社出来たらしいし。幸せ祈願しに行きたいから、連れて行くならそこに連れて行って」

 

「…わかったわ。ケツバットで良い?」

 

「その顔でケツバットって言わないでくれる?ケツなくなるよね?」

 

「怖い?」

 

「可愛らしい」

 

「素振りだけ見せてあげるから、ケツバットか消し飛ばされるか選びなさい」

 

その場で日傘を振られる。するとどうだろう。風圧で妹紅に買ってもらっている服に傷が。一部ちぎられた飛んでいった。どこ行ったんだろう。帰ったらハンセイは買ってもらうのかな。良いなぁ。俺今から死に方選ばないといけないんだぜ。可愛らしいとか言ったせいだってさ。照れ隠しに殺されてさらには死体隠しもされるとかさ…どんな俳句?俳句っていうか、どんな物語?小説でもないよ、そんなラブ小説。

 

「…ケツバットで」

 

「よろしい。じゃあ素振りの十倍の力で振るから。表出て?」

 

「死にたくないから10分の1でよろしく」

 

「ふんっ」

 

「ねえ大地削れてない?お花散ってない?」

 

「調整は出来たわ。さ、座って」

 

「日傘に?大丈夫?下半身無くならない?」

 

「じゃあ行くわよ…ふんっ」

 

感覚としてはカタパルト射出だろうか。少しも曲がることを見せなかった日傘の軌跡は、そのままの勢いを保ちながら俺を飛び出させた。その衝撃に首が持っていかれるかと思ったが、なんとか耐えた。人間ってすごい。でもこれ…着地出来ないよね?もしや俺は山の養分になるのか?鮭みたいに?あれ、鰤?秋刀魚だったかな。あー、誰か助けてくれないかな。でも飛んでる速さからしてどうも助けられない気がする。くそ、どうしてこんな目に。全てはハンセイのせいだ。許さん。もう体動かないし、だめだこりゃ。

 

「っ」

 

「うわっ!?…え、は?」

 

「流石に、死ぬのはな」

 

「あ、貴方誰ですか?人間?私の目にも止まらぬ速さでここに落ちてくるなんて」

 

「我は神だ。」

 

「…え、人間ですよね?神特有の力が…」

 

「天上は神。天下は人だ。」

 

「は、はぁ?…と、とにかく!ここは妖怪の山。さっさと立ち去りなさい」

 

「黙れ白狼天狗如きが。失せろ。」

 

「っ…」

 

なんだかケモ耳のよくわからない人が話しかけてきた。なんだろうか、何かあるのかな。何かあるのかも分からずに、そのケモ耳をぶっ飛ばした。失せろ、ぶっ飛ばされんうちにな。しかしまあ、ハンセイってば強いなぁ。そんなに強いんだから、さっさと住処に戻って生態系のバランス整えるべきだよ。さっさと竹林に戻るぞ。それか霧の湖。後トランプ全部回収しろ。俺の得意芸だぞ。さっさと帰ろう。トランプを回収しよう。ハンセイ、そうしよう。

 

「…神は…向こうか」

 

「お、ハンセイか」

 

「魔法使いか」

 

「お前も新しい神社の噂聞いたのか?」

 

「そんなところだ」




とある神からの評価
???「中の人は好きだけど、ガワは嫌い」
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