神←まあ、神様か。
神様サマ←皮肉込めた神様か?
神神様←複数形?
「…ぬぅ」
「どした」
「どうも嫌な予感がする。」
「へぇ。ハンセイの予感は霊夢みたいに当たるのかな?」
「…その巫女は?」
新しい神社にたどり着く。登り終えた後で判明したことがある。ハンセイから俺にうつった。なんだ?最近気まぐれなのか分からんぞ。神社の敷地に入って…いや、鳥居潜った時だな。試しに一歩下がる。全身を鳥居から遠ざかると、また体が動かない。なるほど鳥居。博麗の方ではこんなことなかったのに。一体何故なのか。もしやハンセイの言っていたことはこれか?ならばすぐに帰ろう。俺もそれが良いと思うぞ。ほら、さっさと帰る。鳥居を潜る。振り返って走り出す。体が動かなくなって鳥居を潜る。繰り返す…
「何やってんだお前」
「根比べ…!」
「おや!そこにいる貴方たちは一体!?」
「うわうるさっ」
「誰だお前」
「私ですか!?私はですね、東風谷早苗!守矢神社の巫女です!」
「…ここって守矢神社なんだ。洩矢だと思ってた」
「アレコレがあったんですよコノヤロー!」
「何言ってんだ?」
「知らん。じゃ、弾幕ごっこ?頑張って」
「…え?」
今の俺はハンセイではないのだ。もしかしたらだけど、神社の中は神様のテリトリーだなんてことがあったりするのだろうか。例えば、神社の中では祀られてる神以外の神は何も出来ないとか。あったら面白そう。面白そうってだけで特に意味はないけどね。とにかく、頬を叩いてなんとか体を起こす。…でも俺が動くわけでもないしな。顔を叩く手を止め、前を向く。変な女が覗き込んでくる。手で払いのける。…なんだ、今の女。霧雨に絡んだ緑髪の巫女ではなかった。なんなの今の。幻覚?
「幻覚ではないさ」
「うわっ!?」
「あれは魔法使いだろう。来るのが妙に早い信仰者だとは思ったが、あの様子では勧誘できない」
「だろうねぇ。星座占いとかは信じてそうだけど手相とかは信じてなさそうだもん」
「…よくわからん」
「えっ」
「そもそも星座占いと神道は全く別だ。うちの早苗も星座占いを信じるからなぁ…どうしたもんか」
なんか、嫌いな作家の本を娘が好んでることを知った作家みたいで笑える。そういやこいつ誰?流れるように会話してくるけど、こいつ誰?紫髪で、なんか胸元に鏡かよくわからんものぶら下げて、服赤い、背中に巨砲背負ってる。胸でかい。…胸でかいはどうでも良いか。身長も大きそう。…で、こいつ誰。俺は東風谷と霧雨の弾幕ごっこを見ながら、こいつが誰なのかで延々と頭を巡らせる。なんだろう、相手が男で俺が女ならナンパやめてくださいで終わるけど、逆なんだよな。まじでこの人誰?
「…ところで」
「?」
「ウチの早苗は特別でね。現人神なんだ」
「…なんそれ」
「風祝って言ったらわかるかい?」
「わかんない」
「……えっとな?その、お前の風体で知らないは無いと思うんだが…」
「神様関係?」
「あ、うーん…まあ…神っぽい人の認識で良い…かな…」
「それが?」
どうやら話を聞くと、東風谷早苗とはアラヒトガミ…?らしい。神の血を引く家系で、神様成分配合の人間なんだとか。そこでお前既婚者なのと聞いてみたところ、早苗の先祖に私はいないと言われた。なるほどつまりこいつ誰?…話を聞くほどこいつ誰?あ、でも待てよ。まだ理由がつけられるな。あれだろ、血の大元の神が消えて、お前と統合する形で信仰が移ったとかそういうのだろ。ハンセイと氷精の関係によく似てる。多分。すると、じゃあお前神様なのね…初めて自分の目で神様見た。
「そこでだ。お前に問いたい。」
「なんでしょ」
「お前、どうやってその体に神を留め置いてる?」
「えー?」
「えー?じゃない。見たところ特別な血もない、早苗みたいに現人神と言うわけでもない。ならお前は何かの術を持っているのかといえば、それもない。」
「でもそれ知ってどうするの。まさか東風谷早苗に憑くとか言わないよね」
「…いや…言わない…」
親バカがよ。しかしながら術も体も特に思い当たる点はない。どっかでハンセイが話してたと思うんだけど、拠り所なくてふよふよしてたら都合のいい体見つけたから入ったとか言ってた気がする。どうだっけな。違ったかな?ハンセイが出てこないからわかんない。というかそうぁ、ハンセイがいないんだよ。どこ行った。と言うかこの状態でもあいつ感知できるんだね。俺は多分今普通の人間なんでしょ。初見で良く見つけられたよね。関心だよね。よくわからないけど。
「諏訪子を呼ぶかぁ」
「霧雨、お前負けたの?」
「どう見ても相手の方がボロボロだろうが!」
「何言ってるんです?私は能力を使わなかったので実質私の勝ちです。貴方はよくわかっていますね」
「触んな」
「えっ」
「大体お前の能力ってなんだよ!」
「あ、えっと、奇跡を起こします!」
「…ちなみに今から来る巫女は誰よりも凶暴だからな」
「小銭あったかな」
いくつかの小銭…と、どんぐりを幾つか賽銭箱に投げ入れて手を合わせる。俺に被害が及びませんように。神様、どうか俺に被害が及びませんように。後幸運と幸せも欲しいです。あとあと、家が倒壊しませんように。それに加えてハンセイがもう少し俺のこと気遣いますように。妹紅からのお小遣い途絶えませんように。あとは…変な妖怪から狙われませんように。ついさっきここまで飛ばしたあの緑髪の人とか特に。えっと…もう少し小銭投げて願い追加しとくか。
「流石に私でもそこまでの効力は持てないぞ」
「え、そうなの」
「何願ったんです?」
「早苗、そういうことは聞かない」
「あ、すみません…」
「神様が俺を気遣うように、俺に被害が及ばないように、家が倒壊しないように、変な妖怪から…あれ、あと何願ったっけ」
「なんで自分から開示して行くんだ!」
ハンセイの中の人が嫌いな妖怪:風見幽香
殺す気でケツぶっ叩いたのに生きてる気がしてならない。次会ったときも同じような態度だったら殺す