似非気狂い   作:覚め

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まあ、気狂いの真似をした時点で気狂いなんですけれどもね。


礼儀正しい狂気

「…何、貴方」

 

「天上は神、天下は人間まで」

 

「はぁ?」

 

なんか常に機嫌悪くないかこの子。やいハンセイ!さっさと定位置に帰れ!そこで惰眠を貪りなさい!部外者風情が!…あれ、なんかこの金髪の子、様子おかしくない?えっと…何?これ。…俺決めたわ。もう今日一度でも身体を操作できたら人里に向かう。美鈴に聞いてたから、人里の方向自体は知ってる。問題としては美鈴の様子からしてうろ覚えなことくらいか。だからもう今日はほら、恥ずかしくないんだからさ。逃げよう?

 

「日々の醜態が現状を読んでいると言うのに…」

 

「なんでも良いけど、独り言なら慎んでくれる?」

 

「断る。我の口に貴様の羽は刺さらん」

 

「貴方でしょ?ここを悪魔崇拝者の館って言ったんでしょう?住人として、看過できないわ!!」

 

急に襲いかかってきた。猪突猛進な勢いの突進に対し、ハンセイはどうするわけもなく全力で横にズレる。弾幕ごっこでは?え、流石に厳しいよ?だって俺、死ぬのは嫌なんだよ?ハンセイ?あ、無視してる?と、何やら金髪の子がでかい火柱を扱い始めた。弾幕ごっこにおいてないとは思うが、あれを弾幕と呼ぶ気だろうか。ありえないだろう。ハンセイはそれを避け続けるだけ。何故って?そりゃあお前、弾幕なんて打てないはずだろ?

 

「当たらないわねぇ」

 

「明日も知らん悪魔に当てられるほど我は鈍っていない」

 

「へぇ…そう。じゃあ四人で行かせてもらうわ」

 

「我に見抜けないものはない」

 

飛び込んで目の前の金髪の子に蹴り。初めて手を出したような気がする。いや銀髪メイドがいたな。まあそれは良くて。蹴っただけで三メートル以上飛ぶ時はやはり何かおかしい。俺の足だぞ?金髪の子が立ち上がって埃を払う。何やら琴線に触れたかなんかで、随分と興奮している。これ、次俺が身体を使えても身体中痛くて寝るしかできないな?要するに死ぬってことか。ハンセイ!頑張って生き残るんだ!できれば逃げよう!

 

「背水の陣か」

 

「独り言を慎んでって言ってるでしょ。禁忌『カゴメカゴメ』」

 

「…あまり難しくはないな」

 

「枠だけじゃあね」

 

そう言った後、大玉の弾幕がこちらに迫る。その大玉が通った後で枠と言われた弾幕が動き出す。これ、二次元上の弾幕ならまだしも三次元上って…大して難しく感じない。つーかほぼジャングルジムやってるだけ。いやそうは言っても有効打はなさそうだ。ハンセイはやはり逃げ出すべきだと思う。逃げ進めば手に入るものもあるんだよ。ほら、たとえば命とか、その金髪の子からの不信感的な、さ。

 

「無駄だ。この幼子はどうせやめない」

 

「…それ、独り言じゃないの?」

 

「独り言と言えば独り言だ。日頃のお前よりはマシだろう。フランドール」

 

「は?」

 

「あのねぇ…せめて人間を名乗るならこういうことに首を突っ込まないでくれる?巫女の仕事なのよ、こういうのは。」

 

「理解の外だ」

 

「…はぁ」

 

その場を立ち去ろうとした途端に、目の前が塞がれる。金髪の子三人に。は?三人?後ろにはちゃんと一人。でも羽の向きが逆。もうこんな奴の相手するの嫌だよ?巫女様に任せてさ。人里行こうよ。俺もお前も命は惜しいだろ?な?惜しいな?…だめだ、返事すらしねえ。こいつ…心臓発作でも起きて死ねば良いのに。いや、なんか発作起こしても無理やり治しそうだな。急に空飛ぶようなやつだし。

 

「…成る程。仕方あるまい」

 

「一応言っておくけど、結構傷だらけだからね。アンタの体」

 

「我も逃げの一手を打たせてもらう。さらばだ、フランドール。」

 

「なんで名乗ってもないのに知ってるのよ!」

 

頭上から大量の瓦礫が。お天道様が頭上に見える。瓦礫を伝って天井へと乗り出したハンセイは、そのまま門の外まで飛んだ。ようやく俺に身体が…あれ?戻らない。なんで?…え、なんで?ハンセイがそれを気にかける様子はなく、ただただ背後の轟音と暴れてるであろう二人をイメージする。なんだろう。片方はとても似合わなくて、もう片方はとても似合う気がする。

 

「バレてます?」

 

「我に出来ないことはない」

 

「あ、あちゃー…気配を消すのは得意だったんですけどね」

 

「だろうな」

 

「…これからどうされるおつもりですか?」

 

「特に」

 

「では、どうでしょう?この館で暮らす、というのは」

 

どうやら住み込みバイトを申し込まれたようだ。なので仕方なく俺は…待て。ここにはあの金髪の子もいるし、銀髪メイドもいるよな。そんで持ってこいつの態度だろ。…やめよう。この選択は争いしか生まない。いや、争い以外に生むものがあるだろうか。ないと思う。二重でも三重でも重ねて否定してやる。ふざけんな、俺は命が惜しいぞ。多分だけど2日目くらいで金髪の子の機嫌損ねて殺される。

 

「やめておく」

 

「え〜!?」

 

「ここでも飯にはありつける」

 

「…まさか雨がお風呂とか言いませんよね。」

 

「まさか」

 

「そ、そうですよね!あはは、すみません」

 

「この近くに川があってな」

 

「すいませんホント話違ってくるんですけど、あの、まさか食事って」

 

「一日に一度中華の飯だ」

 

「…通りでお昼ご飯がないんだ…」

 

「減量に手伝ってやっているだろう」

 

「ええ。おかげで朝食の量が増えてお腹も膨らみましたよ責任とってもらえます?」

 

「少なくとも我のせいではない。というか我は食べても一品だ」

 

「…足りてます?ちょっと失礼しますね?」

 

「足りないことはない」

 

「軽っ!?これ、50キロ程度じゃないですか!?」




ハンセイのプロフィール
幻想郷生まれ
口癖は「我に出来ないことはない」
体重50キロ
身長は174。
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