似非気狂い   作:覚め

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Q.なんでやられたの?
A.近くに水場がない上人の体だから斬られたらおしまいだから。更に言えばハンセイが助かっても中の人が死ねば諏訪子に神殺しされる


守護者

「こんな時に体戻りやがった!」

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

「刀相手に素手とか、死にたいの!?」

 

「…何よ。随分と人が増えたわね…ま、それならそれでわたしの暇つぶしが増えるだけよね」

 

剣からビームが。痛みが残る体を捩って逃げるも、何やらおかしな感触。目の前にはいつぞやの諏訪子神。あれ、おかしいな。押しても押しても動かない。これが神様か、不思議だな。その上で聞きたいんだけど、神様ってビーム弾けるんだ。初耳。つーか知ってたらおかしいか。そんでもって何やら怒っている様子。とっとと飛び出していった。俺は全身が痛むのでこれにて失礼する。したい。離して。デカい方の神様に肩を掴まれたまま動けない。どうして。

 

「まあまあ、諏訪子の奴も話したいと思うから」

 

「諏訪子様の子孫ですか?」

 

「ああ。早苗の遠縁にもなるよ」

 

「なるほど…お名前は?」

 

「言わない」

 

「イワナイ…岩内?さんですね?」

 

「この子どうなってんの」

 

「そう言う子だ。真面目だと言うかなんと言うか…私達も幻想郷に連れてくるかどうか迷うくらいには真面目で純粋なんだ。十五歳程度までサンタを「わー!わ、わー!」…」

 

…こいつってこう言うことするんだ。他のみんなこう言うことしたことないのに。不思議な奴。俺はハンセイがいなければ無力なのは言うこともなく。時折早苗が俺の話を必死に聞いているように感じるのは何故だろうか。今まで顔を見せなかった親戚の子はまだか攻撃でも警戒してるのか?馬鹿だな。俺は他人のガキには興味ない。あの氷精くらいだ。そういやまだ名前知らないな。適当にこの場を流したら家に帰るか。そこに氷精がいたら名前を聞こう。

 

「…」

 

「お、戻ってきたか諏訪子」

 

「うん。」

 

「どうでした?」

 

「なんか私が出張った時嫌そうな顔してたから殴り倒して来た。それで、君」

 

「なんでしょ」

 

「…君じゃない、神の方」

 

そう言われて体が動かなくなる。なんと、これが神通力。まあハンセイに変わっただけだが。さっさと用事を済ませて欲しい、と思ったのも束の間。諏訪子神からのお話はお説教だった。しかも割とキツめの。お前がちゃんとしてなきゃお前の中の人死ぬ。だからしっかりやれ。お前の安全はどうでもいい。お前が見るべきは人間としての最大限の安全だとか、そう言うの。周りに迷惑が、とかではなくただただキレながらのお話。お前わかってる?ミスしたらクビだよ?みたいな話だ。

 

「この説教もこいつは聞いてるが」

 

「関係ない。私は今ハンセイという名前の神に怒ってるんだから。で、死ぬの?」

 

「死なない」

 

「私が見たところ、骨が三箇所は折れてるよね。どうするの?」

 

「治す。ツテもある」

 

「ツテ?それで、お前が引っ込んだ時はどうすんの?お前のツテであって、お前が引っ込んだら関係ないでしょ?」

 

「諏訪子、そこまでにしろ」

 

「ダメ。許さない」

 

「諏訪子様、人が目の前で怒られてるのは人としてキツいんですよ。ほら、岩内さんも多分」

 

「…そう?じゃ、引っ込め」

 

「早苗、お前絶対人の話曲解するだろ」

 

「えっ!?」

 

あの青桃もいなくなった。さて帰ろうと立ち上がって外に出ようとしたところで早苗が服を掴んで来た。何故早苗と分かったか?簡単だ。お祓い棒を肩に乗せて来たからだ。なんか、刀みたいに首に持ってこられたからだ。諏訪子神も親戚同士なので何も言えず。あ、やばい首詰まる。諦めて神社内に滞在することにした。正直言って今建ってる立地が便利すぎて動きたくないんだ。冬は寒いけど夏は水があるから多少は涼めるし。だからここには引っ越さないぞ。どんな話をされてもだ。

 

「早苗、この部屋から出ようか」

 

「え、なんでですか?」

 

「血筋的に出て行くのは神奈子だけでしょ」

 

「神様に出ていけなんて言えるとは」

 

「お前はいつも言ってそうだけどな」

 

「神奈子」

 

「…はいはい。親戚一同で楽しんで」

 

「さて。君の近況について聞きたいな」

 

「岩内さんですよ」

 

「え、岩内?…そうなんだ」

 

「ああもうそれでいいや。最近は竹林でずっと暮らしてたかな。神様のせいで湖に行ったりもしてる」

 

近況を報告。人付き合いはほとんどがハンセイなので俺は楽だということを伝えつつ、立地の話もする。ウチの立地はいいんだ。竹と岩の簡単な作りだけど、雨風も防げてるし、水が近いからかなり安定した生活を送れている。暮らしで死ぬ要素はない。だから諏訪子神とデカい神様との間で話されていた引っ越し話だからな。俺はその家から出ないからな。その意気込みを込めつつ話す。デカい神様が茶を届けに来た。冷たくて美味い。

 

「でも流石に、昔の暮らしは不便では?」

 

「外の世界だとケータイ持ってなかったからなぁ。電話もかける相手だいたい決まってたし。そんなに」

 

「なるほど、ナチュラルボーイだったんですね?」

 

「使い方合ってんのかそれ」

 

「…それじゃあ、こっちで住むことはないのかな」

 

「ない。今の住処は割と人里も近いからな。」

 

「あ、はい!」

 

「何?」

 

「彼女はいますか!?それとももうすでに結婚を!?」

 

「神様が恋をするならまあ…出来るんじゃない?今はいないはず」

 

「成程…」

 

「つまりあの不死人とそういう関係ではない、と?」

 

「多分」

 

何を心配してんだかね。俺ではなくハンセイの関係だし。しかも妹紅の前で俺が出て来たのは数える限りしかない。全身麻酔の時とか、あとは…なんだっけ。あんま覚えられない。まあとにかく、数える限りしかないはずだ。だからそんなにうだうだいうことはない。分かった?いい?早苗は目を輝かせないで。

 

「えっと…そうですね、岩内さんは外の世界で神様を見たことは?」

 

「…ないはず。神社に行っても誰もいなかったし、寺だって…墓地に行ってもな。なんなら墓地は遊び場だった」

 

「罰当たりな」

 

「呪われてませんよね…」




天子「私の出番たったこれだけ!?」
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