似非気狂い   作:覚め

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破ぁ!!


寺ぁ!

「よっ」

 

「うわ、何だお前!?ナズーリンの警護は!?」

 

「ネズミ一匹、所詮は物の怪。人の気持ちに依られなければ力も得ぬ存在が神に勝てる由もなし。」

 

「はぁ!?」

 

…つまり、侵入者ってワケだ。なんてこった、船に乗り込むまではよかったのに喧嘩まで売っちまった。弾幕になるかもわからないトランプを持って。ハンセイは最近トランプを使わないから数が減らなくて助かるとか思ってたけど、もしかして今回また減る感じ?まずいなそれは。とかなんとか言う前に、目の前のよく分からん青頭巾?から倒さねば。後ろにいる巨漢は無視してな。あれは…雲かな。まあ俺で言うところのハンセイみたいなものだろう。多対一はない。

 

「行くよ雲山!」

 

「入道雲に頼るか」

 

「殴り飛ばして船の外に追い出すよ!」

 

「弾幕ごっこではないのか」

 

ま、ハンセイに当たるワケないんですけどね。ハンセイはどこかから持ってきた水で雲のような巨漢の拳を止める。どうやら相手は随分と卑怯らしい。俺とハンセイを別人と仮定しても、俺とハンセイが同時に戦うことはできないためやはり卑怯だ。ただしハンセイは全て避ける。これどっちかって言うと俺の方が卑怯だな?本体であろう青頭巾に水を飛ばし続ける。弾幕ごっこって、確か当たれば終わりだったような気がするけど、異変とか絡むと関係なくなるのかな。何回か当たってる気がするんだけど。耐久ゲーになった感じ?

 

「知らないの?弾幕ごっこは少女が行うお遊び。男がやるものではないのよ」

 

「…八雲紫」

 

「あれは…あれ、どうかしら。」

 

「では巫女に任せる」

 

「あっどこ行く!?」

 

巫女さんの説明では、少女同士でなければ成立しないらしい。…一瞬、少女か怪しい奴らの顔が浮かびはしたが、まあ良い。女に年齢聞いたらぶち殺される。そうここで学んだ。とりあえず妹紅は体温が上がっていた。んで目が怖かった。あいつ基準で物事を考えると碌な目に遭いそうにないが、まあ多分そう言った類の質問に関してはあまり差はないだろう。若さなんか取り繕ったところで意味はないだろうに。可哀想な性格。足を進め続けていると、出会ったのはセーラー服を着た女。こいつのセーラー服は、多分海軍とかの由緒正しきセーラーだ。

 

「…こいつは驚いた」

 

「あれ、俺も驚きだな」

 

「ハッハー!主役たる守矢神社の巫女、東風谷早苗の登場ですよコノヤロー!」

 

「…どうした早苗。お前の登場のせいで俺が出てきたんだが」

 

「これは失礼!岩内さん、私が来たからにはもう安心ですよ!諏訪子様と神奈子様の御力を得ましたから!」

 

「そうか、なら良いんだけど」

 

手元でトランプをシャッフルしながら話を聞く。相手のセーラー服は…いやもうセーラーでいいや。セーラーは俺と早苗を交互に見て、早苗のポーズを真似した。こいつ、もしかしてバカか?いや、まだ判断するには早いか。手元で遊んでいたトランプを消す。気付かれてない。恐らく今は早苗の方に目が行っているな。トランプを一枚取り出し、投げてみる。突風とかなければ多分届くはずだ。結果、こちらを見ずともトランプは分かっていたようで、手に持っていた杓子で叩き落とされた。

 

「…どうする?」

 

「どうしましょう…」

 

「ここで船を降りることをお勧めするよ!」

 

「げっ」

 

「奇跡パワーで弾幕なんてスイスイ、です!」

 

被弾する。早苗、お前もう奇跡禁止な。まるでギャグ漫画かのような展開にうんざりする。だが、弾幕に違いはない。セーラーは早苗に注目している。俺は水を扱えなくなったので…どーすっかな。どーしようもないか。俺がハンセイならまだマシだったけど。というか早苗相手に変わる理由なんて…そういや、諏訪子神と神奈子神の力を借りたとか言ってたな。いやまさかな…早苗を凝視する。神様は…見えない、と思う。流石にそこまで過保護じゃないだろう。多分。

 

「やいそこのセーラー!こっち向きな!」

 

「あー?」

 

「あ、向くのか…」

 

「よそ見しないでくださーい!」

 

「ぐぇっ!?」

 

「退治完了!です!!」

 

「お前…元気だなぁ…」

 

「さ、霊夢さんに手柄を取られないうちに!行きますよ、岩内さん!」

 

「俺も?」

 

逃げようとした時にはすでに遅し。せめて妹紅さえいれば。あいつさえいれば、今こうして肩を掴まれ、最悪のリニアモーターカーだか路面電車だかを味わうワケで。船もかなりデカいし。最悪の吐き気のみを持ち合わせてゆらりゆらゆら、ゲロの道。船酔いなのか、早苗酔いなのか。着いた先には何やら偉そうと言うより偉大そう…そんな態度の女がいた。金髪赤服女。少し言わせて貰えば、正体が見通しづらくて気持ち悪い。あ、でもこれは早苗のせいかも。

 

「…あの、大丈夫ですか?」

 

「今この場で俺を心配してくれるの、お前だけだよ」

 

「し、親戚を乗り換えるんですか!?」

 

「…あ、お前何者?」

 

「私は毘沙門天代理の寅丸と申します」

 

「…毘沙門天?」

 

「毘沙門天なら、ムカデだろ」

 

「貴方、商店街の出ですね?」

 

毘沙門天といえば、ムカデ。と言うか俺は商店街の出ではない。そこから寅丸の、『いかにムカデが劣るか』と言う話題で話し始めた。…ここまで来ておいて、こいつらの目的とか聞いてないな。こいつはなんか自分が虎だと豪語し始めたし。何言ってんだこいつ。馬鹿じゃねーの?…いや、そもそも毘沙門天で虎の方がおかしいか。まあ早苗の方は蛇だったしな。祟り神だし、あと一柱はなんだろ。どっかで聞こうかな。しかし…早苗、お前は俺を見るな。お前が来るまで本家どころか守矢を知らなかったし。

 

「か、神を変えるどころか仏閣に…!?」

 

「仏教の考えに理解が?」

 

「お前も勘違いさせるようなこと言うな。刺すぞ」




ハンセイから見たチルノは、中の人から見た早苗と同じ。
関わりのある、歳の近い親戚。
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