「どうだった」
「…ま、問題なし」
「マジ?じゃあガチで飽きてたってこと?」
「え、あの、私の調べだと鬱なんですけど」
「もっと簡単に言うと、問題はあるけど些細なこと。そうね…甘えたいってことよ」
…なるほど。考えつかなかった。やっぱり永琳先生は名医だな。と言うわけで…母性のある奴。あー…母性のある奴…?いや、この際優しいやつでも…優しい奴…?まずいな、価値観がある程度人間寄りの母性のある奴が思いつかん。うーん…慧音…は、会いたくないらしいし。なんか…いるのか?霧雨氏は面倒見が良いだろうが、同年代に甘えるのは流石に…こう、人としての尊厳を切り捨てることになりそうで怖い。
「博麗の巫女も終わりか」
「何言ってるのよ。保護者のような奴、いるでしょ」
「誰だよ」
「八雲紫。」
巫女さんを訪ねて八雲紫を呼んでも良いかと聞く。良いらしい。…永琳先生、お願いします。すると永琳先生は何やら印を結び始め、何してんのか分からないが空間を叩いた。え、どゆこと?そこから謎の空間が開き、何故か八雲紫が出現した。…なんなの、この人。そんな考えを抱きながら、とりあえず話が始まる。俺は鈴仙と共にとおまきに話を聞くだけ。なんなら今巫女さんのところに行っても良いんじゃないかな。
「来たぞ」
「早いのね」
「ちょっと今眠いんだよな」
「?」
「家出たの夜明け直前だったし…ハンセイもそれで怒ってたし。最近俺が出ること多くて楽じゃなくなって来てな。疲れが溜まって来たんだ」
「神社抜けてるんだから、戻れば?」
「ハンセイの気分次第ってとこかな。意図的にどうこうできるわけじゃないし」
「不便ね…あ、紫」
「霊夢。帰るわよ」
「嫌よ、こっちの方が快適だし」
「…いや、スキマじゃなくてね?」
一悶着。まあ少しの蟠りやらなんやらはあって当然。親代わりしてるだけってことも考えられるし。今後は八雲紫がどうにかしてくれるのだろう。なので俺は帰る。俺はもはや部外者となったので帰らせてもらう…帰して…あの、八雲紫さん…帰して…あの…ちょ、首掴まないで。そのまま俺は八雲紫に掴まれて帰れず。慧音、許さん。人里なんて行かなければ…いや、今回ばかりは人里じゃなかったな。畜生。
「霊夢とどんなデートをしてたのか、気になったのよ」
「永琳先生が言った?」
「それ以外に誰がいるの?」
「…誰だろ。鈴仙とか」
「ハズレ。とにかく、教えて貰うわ。霊夢と共に」
「は?」
瞬間、体の自由が効かなくなる。今日の俺のターンは終わり。どうやらここからハンセイのターンらしい。ついでに俺に身体押し付けてた理由教えてよ。何かあるでしょ、こう…ほら。氷精に憑いてたからとか。そう言うの。あるならあるで…違え今そっちじゃねえ。帰るぞ。まだ昼時だけど眠い。帰るぞマジで。帰らにゃ死ぬ。割とマジで死ぬ。もう、今日は巫女さんの気苦労があったから良いでしょ。帰してよ。嫌だよこんなの。
「…ソイツに、この服と…今着てる服買ってもらった」
「どうして?」
「巫女服のままだと面倒だからだ。八雲紫、保護者の代わりをするならば子の立場を知るべきだろう」
「…貴方、神様の方ね?霊夢、今日はどっちといたの?」
「こっちじゃないわよ」
「らしいけど」
「我も記憶は持ち合わせている。我が説明する。問題は?」
「逆に聞くけど、問題じゃない部分は?」
険悪な雰囲気。とりあえず説明しろ。説明しまくれ。それで反論を許すな。それでのみ、道は開かれる。…いやちげえわさっさと帰れ。帰れー!…そう喚けど、帰ることはできず。ハンセイは淡々と説明を始めた。俺が帰る余地を残してくれているだろうか。帰る頃には殺されてたりしない?大丈夫だよね?ほら、えーと…そう、服以外買ってないし。服以外はたい焼きくらい!ね、良いよね。良いってよ。ハンセイは即刻その場を抜け出し、平家の家の扉を開けた瞬間には俺が体を動かせた。
「…ん、慧音」
「今日、博麗の巫女を連れ歩いたそうだな」
「そうだが」
「様子はどうだった?」
「心配ない。ただの気持ちの浮き沈みだ。いずれ元に戻る」
「うむ、そうか。なら良い。」
そう言って慧音は去っていった。対応は俺がやったけど、バレてないよね。ハンセイは出なかったし。そろそろお前、霧の湖に帰るのか?よくわからない。氷精も我が家凍結事件からここに来ることがなくなった。まあ、俺としても助かるから良いが。とにかく、俺はもう寝る。鍵をかけ、窓も閉め切り、電気を暗くして、さあ寝よう。布団に包まり、瞼を閉じる。何やら音が聞こえるが、知らない。無視して寝入る。
「…ふひっ」
「っ!?」
「あ、起きた」
「何だ貴様。妖の類…その目、悟り妖怪か!」
「せいかーい!でもハズレ〜」
「?」
「でもお兄さんよく気付いたね〜」
「…何の用だ」
「用事はないよ!幼児もないよ!」
「何を言っている…?」
「私はこいし。お兄さんは誰?」
「我はハンセイ。用事がなければ何故来た。悟り妖怪は昔に地底へと向かったはずだ」
「…私は勝手に来てるだけだから、知らなーい」
不思議ちゃんか。こう言った類の相手は疲れるだけだから良いぞ。実際俺には声しかわかんないし。姿形がわからん。ハンセイはどう?何か見えるの?…向きが変わってないから何か見えてるんだろうな?俺はマジで何も見えない。もしかしたら、俺が出た瞬間声も聞こえなくなるとかあるんじゃないか?…妖の類で、悟り妖怪…ごめんわかんない。なんかあるの?あるんだな?…ハンセイの焦る様を見れば、強いのかな。
「地底から何人か出て来たでしょ?その人たちの様子をみようかなーって」
「となれば偶像崇拝の尼か。」
「そーそ。」
一応みんな覚えてると思うので話しますと、嫌われてる比率で妖精を多く上げている理由として。
チルノがハンセイについていき、自分たちを守る者がいないためです。ハンセイだろって?子供にそんな見分けがつくわけない。