似非気狂い   作:覚め

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芳香の腕とか脚とかって、多分月単位で変わると思ってる。腐るから。


硬直

「芳香ちゃん、リベンジよ!」

 

「無知が」

 

「痴れ者、ですね」

 

「あら?わたしより年下なのに、随分物知りね」

 

水が空を舞い、そのまま青いよくわからん奴に飛び掛かる。避けた先に早苗が弾幕を打ち込む。それすらも無駄だと言わんばかりにキョンシーが弾幕に割って入る。なんだ、自動で主人を守るのか。…あ、違うなこれ。自動で守るのなら治さなくても良いはず。今壊れた腕を焦った顔で縫い付けた。面白いなこの二人。早苗が俺の方を見て頷き、ハンセイが仕掛ける。え、何やんの?なんの連携するの?と思ったら。水が急に破裂し、早苗がキョンシーをドロップキック。おい、スカートでやっちゃダメだろ。

 

「残るは貴様だけだ、大罪人」

 

「何も、弾幕は目に見えるものだけじゃありませんわ」

 

「きゃっ!?え、何これ!?なんか絡まりました!」

 

「こうして…あられもない、破廉恥な姿に!」

 

「俺にやらずにどうする」

 

「仕掛けてないとでも?」

 

少し進むと、鼻が切れる。あら、本当に仕掛けてたのね。ていうかハンセイ分かってなかったの?お前、時が経つにつれて無能になってない?ダメダメだよ、そういうのは。全く、しっかりしてくんねーかな。ハンセイは鼻が切れたことを認識した後、一歩下がって水の塊からビームを放った。あ、そういうのできるんだね。最初からやれ。水の塊を再度形成し、少しずつ小さくしていく。水圧が高まっているんだな?つまりビームってことだ。つまり、糸なんぞ無視してぶっ放すわけだ。こういうのだよ、こういうの。

 

「行くぞ」

 

「…っ…?」

 

「南無三!」

 

「っ!?」

 

…ハンセイは何もすることはなく。後ろから早苗がぶん殴ることで終わりを迎えた。何なの、これ。何をするわけでもなく、水を小さくしただけじゃないか。そのまま進み始めたし。何?がっかりさせんなよ。早苗と共に少し進むと、何やらよくわからない奴が現れた。…わからない。なんだ、こいつは。服装で言えば、平安の服を現代風に変えた…ような、そんな服だ。まずわからない。何を…したのか。よくわからない。本当に、緑色だな、としか形容できない。俺の知識ではちょっと無理。あ、でもあれはワンピースって呼ぶんだろ。

 

「…何だ、お前ら」

 

「言葉遣いが気に食わん」

 

「わ、緑髪ですよ。珍し〜」

 

「お前が言うのかよ…お前も同じ緑髪だろ?」

 

しかしながら、口遣いはどうやら現代のヤンキー風である。いや、ちょっとした不良でもあんな口調なのかな。その後、何やら目的を尋ねられた。何も知らない。早苗に連れて来られただけで、その目的も確か神霊を集めることだったはず。先の弾幕ごっこで霧散したが。もしや早苗に嘘でも吹き込まれたか。それならば早苗を叱って叱って泣かせて叱っておしまいだ。それをしないとなれば、それこそ俺は面倒な一手を取ることになる。早苗、今俺はお前のせいで帰れないんだ。下手な嘘はやめろよ

 

「え、神霊集めですけど」

 

「嘘ではないな」

 

「成る程、太子様の復活を止めるのか。でも、それもここまでだ。これ以上はやめてもらおうか」

 

「…無理ですね、神様からの命なので」

 

「無理だ、こいつの神に命を握られている」

 

「そうか…なら…やってやんよ!!」

 

電撃一閃。素早い弾幕。身体全体で避ける。中々に鋭い。つーか、多分電撃だよな?じゃあやばい。ハンセイじゃないと多分殺されるな。最悪早苗もやばい。まあ、あいつは神のご加護があるからまだマシだろうけど…どうだろ。詳しくは分からない。衝撃が軽ければ、まだ多分火傷とかで済む。だけど…恐らくそれは無理だ。なんか、今改めて緑のやつを見たら、強いやつ特有の体の周りにバチバチと鳴ってる電気が。漫画…いや、これはやめておこう。なんだか電気の数が増えていってる気がする。

 

「今の避けたのは良い反射神経だな。じゃあ、次行くぞ」

 

「っ」

 

「科学!物理!つまり我々神の敵ですよ、岩内さん!真っ向から受けてやります!」

 

「は?」

 

「やってみろ!」

 

何やらゴンッと鈍い音がした後、黒い煙が…上がらず。早苗の方を見れば、なんてことだろうか。レンジを持っていた。数瞬経ち、チーン、と音が鳴った。嘘だよな。まさか、電撃の電圧と電流をレンジにぶち込んで起動したんじゃ無いだろうな。あ、この高さから電子レンジ落としやがった。まあ…ここら辺自体人里遠いから良いか。妖怪なら不慮の事故ってことで。とりあえずは、殺されないように御勘弁。逃げよう、ハンセイ。そう伝えたいが、しかしながらも早苗に捕まえられてるので。無理か…

 

「はぁ!?」

 

「科学には科学!古来より言われていることですね」

 

「らしい、じゃあな」

 

「奇跡ビィィイム!」

 

「はぁ!?ちょ、こ、ぅっ!?」

 

奇跡ビームと称したただのお祓い棒リンチである。かわいそうに。ま、今更だが足を見た感じ恐らくただの幽霊だろう。…幽霊が電撃…?少し、頓珍漢な気がする。とりあえず俺は落ちていく幽霊をよそに進む。博麗の巫女が合流すればバトンタッチで逃げられると言うのに。まだあのよくわからない謎の精神状態を引っ張っているのか?カウンセラー失敗。次は鈴仙の言う波長とやらを試させようか。永琳先生も薬は出してないしな。藁に縋る思いとはこういうことだな。

 

「…なんか平安チックな敵でしたね」

 

「我は知らん」

 

「歴史の授業しましょうか?」

 

「異変解決に協力しているのだから少し黙れ」

 

「はーい」




早苗が一番やばい人か、この話。
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