似非気狂い   作:覚め

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鬼(華扇)


泣きっ面に

「…なんだお前」

 

「初めまして。私は華扇と申します」

 

「良い。博麗の巫女繋がりだろう、ならば今後関わることはない」

 

「…そうであれば、私としても良いのですが」

 

「何か含みがあるな?」

 

聞けば、閻魔の説教を避けたハンセイのことを快く思ってないらしい。閻魔の説教を?一体いつ?花が一斉に咲いた時期?…えーっと…はて…?そんな時期があったかどうか…と、悩んでいると。ハンセイがずいっと近寄り、話は後ださっさと用事を済ませと言いよった。華扇さんは寄せられた顔を避けつつ、二つ返事。そのまま床が抜けたような感覚の後、景色が入れ替わる。周りを見渡すと見えてきたのは竹林に滝に溜池に山に…コロニーのような場所だ。植物園かな?それとも…

 

「今日は私の仙界…その環境を、自然の神である貴方に見てもらいたく、来てもらいました。」

 

「…程よく出来ている。何が住んでいるのか知りたい」

 

「虎とか犬とか、猫もいますが…あと白黒熊も…後々、熊とか」

 

「そうか。上にいるのは?」

 

「龍ですね」

 

「…龍がいるならほとんど問題はない。あの生き物は概ね環境の維持に力を使うからな」

 

それを言ってから帰ろうとする。相変わらずよくわからない空間からの帰り方を何故か知っている変な神様だ。俺は是非とも帰り方を…あ、何水に入ってんの?…あ、よかった。華扇さんが返してくれるって。よかった〜…このままずぶ濡れで帰られたら飛んだ迷惑だったよ。祀れる社作って…諏訪子神にでもぶつけてみようかな。俺の服濡らしたことをあとで後悔させてやる。絶対に。…いやまあ、無理だけどね。どうやっても運べない。社ってどうすれば作れるの。

 

「じゃあな」

 

「…もしかして、人里に行きますか?」

 

「勿論。生活基盤である。最近は知人とそこでしか会わない」

 

「嫌われたのでは…」

 

「お前も閻魔に叱られるか?」

 

「叱られようと叱られなかろうと、常に自分を省みるのが私です」

 

「気味が悪い…」

 

そうして寺子屋へ。寺子屋に行ったところ、妹紅がいたのに慧音はいなかった。慧音について聞いてみると、どうやら今は何か問題が起こってその対処に走っているらしい。変なの。しかしながら、まあ…ここの問題解決、慧音か巫女なのは問題ではないかな?普通にあり得んぞ、馬鹿だろ馬鹿。これならあれだぞ。慧音と巫女が不貞腐れて仕事放棄した途端、何も機能しないゴーストタウン以下のゴーストタウンが出来上がることになりそうだ。そうなれば…早苗も仕事辞めて妖怪相手に商売するだろうか。

 

「…何をしている、妹紅」

 

「不貞寝」

 

「は?」

 

「今日、慧音と一緒に甘味食べに行く予定だったんだ。それが…その、な…」

 

「成程…約束をまだかと待ち続けた挙句にこの時間を迎え、何も起こらず不貞寝と」

 

「言うなぁ…」

 

「すまない!遅れた!」

 

「慧音、遅い」

 

「何も走らずとも」

 

「…何をしてるんだ、二人とも」

 

ただ飯を食うだけに来ている。最近ではハンセイは飯を食わず、豆腐を買う金もないのかわからないが良く大豆を食べている。三人で甘味処へ行き、飯を食うよりもまずやることがあるだろ。金稼ぎって言ってな?ほら、絶対言えないから。甘味処で席に着くと、妹紅が開始早々に手を挙げ、そのまま注文内容を大声で言い、店員さんの大きな声が伝わる。ハンセイは頬杖を突き、とある一点を見つめていた。…うわ。さっきの華扇だ。視線を戻す。ハンセイも同じタイミングで戻した。

 

「どうした?」

 

「いや、今朝見かけた顔がいた。特に意味はない」

 

「ハンセイが見惚れるか…誰だ」

 

「その甘味、食べるまでに溶け切らないと良いな?」

 

「すまん」

 

「しっかし、何かあるのか?さっきは随分熱心に見てたが」

 

「…本当に今朝見かけた顔なだけだ。竹林にまで来る奴は少ないからな。少し気になっただけだ」

 

「そうか…ま、そんなもんだな。」

 

「おや、貴方は」

 

「黙れ。貴様も不都合なことをばら撒かれたくはなかろう」

 

…俺としては、何も不都合はないと思うけどな。とりあえず妹紅が食べ終わり、俺と慧音の用事を済ませることに。慧音は本。巻物というのが相応しいが、まあ、本だ。俺は服。神子のせいでかなりボロボロ。少し千切れ目と言うか、何やら服が裂けてる。大事な部分が裂けてはないけど。そこまでで良いんだけど、とりあえず俺も服は欲しいから。ハンセイの好みはなんと和服なのだが…俺は洋服が好きなんだよな。…ハンセイ、頼むぞ。今外からなんか早苗の布教してる時の声が聞こえた。なんなら聖の声も…加えて、神子の声も。助けて。

 

「和服だな」

 

「ん、そうか。でも洋服が濡れたんだろ?」

 

「里に来て分かったことだが、外の服ではかなり目立つ。故にこれで行く。」

 

「なるほど…じゃああれだ。頭に被る傘も」

 

「それでは別の意味で目立つだろう」

 

「慧音は?」

 

「私は着物を買おうかと思ってな…」

 

「…お前まさか、ハンセイに」

 

「無いわそんなもん!全く、妹紅も揶揄うならもう少しマシなものをだな」

 

「あ、私!?」

 

「はぁ…」

 

何故あのまま俺が言われると思ったのか。外にいる神子達の声が聞こえなくなった。場所を移動したようなので、着替えてみる。すると、どうだろうか。和服を着た俺と言うのはやはり何やら別人のように見えた。うーん、鏡って便利。服を着て、よしこれで…どう言うことだ。俺の着てた服が回収された。どうやら俺の服がボロボロで着れないため、リサイクルだったかなんだったかに使われるようだ。俺は良いと思うよ。

 

「やはり歩きやすいな」

 

「…もしかして、普通の靴だと歩きづらい?」

 

「まあ、な」

 

「早く言ってくれよ、買ったの私なんだから…」




華扇「あ、竜へのお土産…は、大豆でいいか」
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