似非気狂い   作:覚め

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お面割れたらどうなるの?に対しては治るということで…どうか…


お面

「覚悟!!」

 

「うおっ」

 

「おー!私も覚悟!」

 

「は?」

 

今現在、通り魔妖夢が久しぶりに襲撃してきたかと思えば、付喪神がそれに乗じて俺の首を取ろうとしている。ハンセイの首でもあるが。しかし何故か途中から妖夢と付喪神の首の取り合いと化した。理由?知らん。なんでだろうね。俺は関係ないと言うことだけは主張して行きたい。少なくとも、多分そうだ。そんなこんなで今日も一日が過ぎていけば良いな。付喪神もどこかで追い出したいし。うーん、うーん。無理だな、これ。だって幻想郷の奴らって、基本不法侵入して来るし。鈴仙とか妹紅とか。慧音は常識あるけど。

 

「さっさと出ていけ。暮らしの邪魔だ」

 

「薙刀に負けてられません」

 

「刀二本で勝てると思ってる奴相手に退きたくない」

 

「…では、今からこの家を水で浸す。」

 

「ごめんなさい」

 

「ふん、水に弱いのか」

 

「お前の首周りだな、付喪神」

 

「すみませんでした」

 

こう言ったところで出ていく訳もなく。なんなのこいつら。もう本当に嫌い。大嫌い。どれくらい嫌いかって言うと、監禁拘束くらい嫌い。好きな人いないよな?監禁拘束。ハンセイは周りの人間が起きてる限り眠らないし、その分の眠気と体調不良は俺に来るからさっさと出ていってほしい。ハンセイの中で俺がいくら寝ても、次出た時は吐き気とかするんだよな普通に。だから寝かしてほしい。ついでに頼むから出ていってほしい。家に傷がついてるのさっき見えたし。

 

「我は出ていけと言った」

 

「抗議!」

 

「こんな夜道に乙女を追い出すのですか?」

 

「それらを自称するには利口さが足りん」

 

「失敗か」

 

「まだ夜じゃないですしね」

 

大人しく妖夢が帰った。この付喪神…こころと言うらしい。こころは、なんか知らんが住み着くつもりのようだ。…まずいか…?最近は何故かハンセイが出続けている。それに伴い睡眠不足気味だ。まずいな。とりあえず、早苗か諏訪子神に会おう。そうしないとまず寝れない。何もかも考えるにはその先のことだろうが、眠たいのでいくら考えても考えきれない。守矢神社に行って安眠を手に入れなければ…その為にはハンセイを納得させる必要があるな。あー、諏訪子神か早苗がこっち来ねえかな。

 

「来たよ」

 

「うわっ!?」

 

「なんだこいつ」

 

「岩内、眠いでしょ。膝枕してあげる」

 

「ヒザマクラ?」

 

「そこの付喪神は消えなさい」

 

「断る。夜までに住む場所が決まるからそれまで私はここにいる」

 

どうやら俺の家は離婚騒動を起こしたこころの緊急避難先らしい。ふざけんな、ウチは学校じゃないんだぞ。そしてまた、俺は容易く諏訪子神の膝に頭をぶつけた。あー。柔らかい。今日の諏訪子神はいつもより少し大人びていて、どうにも背も高く見える。大人のようになっている、とでも言うべきか。元の姿かもしれないな。まあ、とにかく膝枕をするのにちょうど良い年齢になったのだろうと勝手に納得する。だって相手神様よ?それなら納得以外できないよね。

 

「耳かきしてあげようか?」

 

「今眠いからそれどころじゃない…」

 

「膝枕…これが…」

 

「やっぱりいつもの枕が一番だな」

 

「えっ」

 

「つまり枕>膝枕…!」

 

「付喪神、忘れなかったら殺すよ」

 

「ごめんなさい」

 

布団に深く入り込み、俺は知らんぷり。あー、やっぱり良いね。布団の中に入るって行為がもう素晴らしい。とても良い。寝る。起きる。まだ寝れそうだったのだが、諏訪子神に止められる。どうやら寝ていた時間は30分程度だったらしく、もう一回寝たらそれはまず間違いなく一日を寝過ごす。だから、諏訪子神を呼んだことを活かす為に心行くままに遊ぶべきだと。まじかぁ…眠い目を擦りつつ、でも体調はかなりマシになったので。言われた通りに遊んでみるか。諏訪子神とこころを連れて行くか。

 

「両手に花じゃん」

 

「やめてよ」

 

「美女二人、男一人。何もないわけがなく…」

 

「お前結構ノリがいいな」

 

「と言うわけで保護者のところに連れてきたよ」

 

「アッ!」

 

「こころ。男の家に転がり込むんじゃありません」

 

神子が怒った。うわーめんどくさ。ここでこころと別れ、諏訪子神と共に何をするわけでもなく歩いていく。いつぞやのカウンセリングを思い出す。今、巫女さんは神社で過ごしているのだろうか。甘味を食べながら思う。ちなみに金は俺から出すことになった。ご先祖様なら少しは出してよ。金ないの?ないんだ。ごめん。そうして食べた甘味の味を何度も思い出す貧乏癖を思い出しつつ、人里を歩く。するとそこで諏訪子神が足を止める。何かあったのかな?それとも、何か食べたいのかな?

 

「私はそんなに食いしん坊じゃないよ」

 

「考え読まれた?」

 

「そう考えるならそう考えてね。あれ、見て」

 

「…博麗の巫女だ」

 

「なんかこっち見てない?」

 

「…本当だ」

 

「目、合ってるよね」

 

「うん」

 

「…どうする?」

 

「どうもしない。俺は程よい運動がしたいだけだし」

 

「あ、走り出した」

 

「やべっ」

 

反射的に逃げるように走り出す。何かやったっけ?やった気がしない気もしないでいる。逃げ続け、その果てで責任から逃れることを願い続けている。里を出て諏訪子神と共に空を飛び始める。逃げる。博麗の巫女が亜音速なんですかと聞きたくなるような速度で目の前に回られる。やばい、殺される。脳裏に浮かぶ…何も浮かばない。せめて、2000円の宝くじが当たった時の記憶が蘇って欲しかった。まあそれはつまり俺がそれくらい中身のない人生を送ってきたことの証拠で。あ、なんか悲しい。

 

「そいつ、誰?」

 

「へ?」

 

「…諏訪子神だけど」

 

「スワコ?…えっと…?」

 

「洩矢諏訪子、大人バージョンだよ」

 

「あ…成る程。てっきりまたアンタが厄介事を持ち込んだのかと」

 

「失礼な。果てしなく失礼な。」




また、と言う言葉を使うほど厄介ごとを持ち込んではない
ただし、ハンセイとスカーレット姉妹の間で起きた湖争奪戦はバランサーの巫女にとって一番きつい仕事だった為にまたと言っている
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