似非気狂い   作:覚め

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暁ぽよぴよで草


春眠

「…」

 

「あの…あんま見ないで欲しいウサ」

 

「春の訪れは動物の本能が刺激される。何も恥じることではないぞ」

 

「こいつらの交尾を見るなって言いたいウサ」

 

目の前ではウサギが交尾。なんだろ。俺は何を見てるんだろう。ハンセイはなんでこんなの見てるんだろう。春が訪れたことによって妹紅はあまり家を尋ねないようになった。ふきのとう?集めらしい。なんだろう、ふきのとうって。慧音は前の冬が長引いたことで寺子屋を休ませていたらしく、どうやら春になってからは寺子屋を再開させた影響でここをめっきり訪れなくなった。つまり暇なのだ。だからと言って目の前のウサギの交尾を見るな。てゐがとんでもなく気まずそうにしてるぞ。

 

「仕方ない。進めるか」

 

「何を?」

 

「…結界の対処だ」

 

「えっ」

 

「この竹林の中に一つ、結界がある。存在を秘匿するものだろうが、詳しい目的は分からない」

 

「ちょ、ちょっとやめた方がいいんじゃなーい?結界の目的が中に化け物を封じ込めるためだったりするウサ」

 

「ない。」

 

「げっ」

 

ハンセイが言うならないんだろうな。しかし、結界を壊すなんてどうするんだ?こう、ハンマーとかでは無理だろ?ていうか、俺は結界を壊してるような場面を見た覚えがないぞ。なんか計画してた?大豆以外で?大豆の地図にそれっぽいのあったかな。妹紅から借りてる鋤を持っておそらく結界のところにまで歩き止まる。あれ、ここって大豆の収穫場では?え、大豆…え、豆腐…?どう言うことだハンセイ、答えろ。ここはただの竹しかないし、川があるからここを開拓するんじゃないのか。てゐの怯えようはなんなんだ。

 

「結界というのは概ね何かを中心に発生させるか、四隅を作って発生させるかの二つだ」

 

「やばいウサ」

 

「しかしこの結界は少し違う。いや、結界に分類は出来るが…妙」

 

そう言って手を伸ばし始めた。どうだろうか。俺には何も分からないが、ハンセイには何か分かるのだろうか。分かるらしい。なんだかよく分からんが、鋤を構えた。こう、何か壊すように空振りを始めた。馬鹿か、こいつ。無駄だと分かったら竹を切り始めた。竹をさっき空振りしてたところに落ちるように調整して切り落とす。効果はない。効果がないと見るとすぐに竹を持って距離を取った。まさかとは思うが。俺の体にそんな筋力はないのに高跳びするつもりか?

 

「ぬんっ!」

 

「ええぇ!?」

 

「割れた」

 

「はぁあぁ!?」

 

「うむ。我にできないことはないな。」

 

中にあったのは和の屋敷。が、なんだろうか。これがどうかしたのだろうか。結界がガラスのように穴抜けており、その中に忍び込む。おそらく地上八メートル付近。なんで天井に穴開けたんですか?側面のギリギリ目指すべきだったよな?ハンセイに出来ないことはないんだろ?じゃあやれよ。まあそれは良くて。着地した瞬間、ああ多分次身体の主導権握ったらまず足が痛いだろうな、という感じの音がする。ちなみに痛覚はハンセイとは別だ。だからって良くない。

 

「ふむ…?」

 

「だ…誰。何をしてる。」

 

「いや、何。正体不明は精神を削る。故に排除しておきたかったのだが…ぬぅ」

 

「そんな理由で結界を?不審者ね。死んでもらうわ」

 

指鉄砲の形から短い音もせずに弾幕が飛んでくる。頭を振って避け、そのまま逃げ回る。断続が早いのは勿論、小さい。あんなのほとんどチートだろ。ハンセイ、帰ろう。こういう結界は出入りが簡単なのが定石だ。中も明らかになったことだし、さっさと帰って寝よう。足も添え木をすれば最悪なんとかなる。痛みとか全部わかんないけどね。弾幕から逃げながら足元の石を拾って投げるを繰り返し、悪質な弾幕を放つウサ耳ブレザーに近づく。やっぱハンセイは帰らない。帰して。

 

「うぐっ!?」

 

「…疲れる。やめろ」

 

「な、し、師匠!侵入者です!」

 

「分かってるわ。優曇華、少し我慢なさい」

 

ウサ耳ブレザーを盾に飛んでくる矢を掴む。掴む??は?何言ってんのお前?掴む?掴んだの?掴めたの?握力どうなってんだお前。握力300キロ?ゴリラか。ゴリラなんだな?いやいくら人を貫いて多少速度は落ちていてもそれでも掴めないだろ。やっぱハンセイって頭おかしいわ。桜の花びらを春と言ったり、矢を掴んだり。ウサ耳ブレザーを盾に屋敷の中に逃げ込む。まさかこのままやるのか?あの変な…矢を飛ばしてくる奴を。服装がどう考えても赤と青で対象にしてる気になってそうなあの女を!?見るからにヤバそうだったぞ!?

 

「今更帰っても何をされるか分かるまい。」

 

「そうね」

 

「っ」

 

「優曇華は返してもらったわ。盾はないけど、どうするの?月の使者じゃないんでしょう?」

 

「…用事は話していた。そこの小娘に話したのだが、なんとも誤解されてな」

 

「なんて?」

 

「結界の中身が気になった」

 

「嘘だっぶ」

 

「優曇華は黙ってなさい。止血するから」

 

「いや、ちょ、無理に抜かないでください?いだっ、あだっ、いっ!?」

 

「…それで?」

 

「中身もわかった。故に帰る」

 

「その足で?貴方、結界の上から入ってきたのよね?骨折は免れないと思うのだけれど」

 

えっ。やっぱ折れてたの?え、まさか両方とか言わないよね?なんかこう、がっしりと両足で着地したよな。頼む、途中で浮いて威力を軽減したとか言ってくれ。え、何黙ってんの。あ、ちょっと待ってな。ここで俺に変わるとか無しだよ?あるわけないよな?ハンセイが許さないもんな?ハンセイ目線では絶対そんなのないもんな?なんだってできるもんな??…おい聞いてんの?こーれはまずいぞ。痛みが身体の中に現れ始めた。走馬灯見れそう。

 

「私は医者もやってるのよ。だから…」

 

「いっづ…!ぁあ…!!」

 

「急に痛がりだした」

 

「師匠、手、手止めて…そろそろ…意識…」




鈴仙「次回で復活!私の複製人形が血液の保管場所になってるらしいヨ!…えっ複製人形?クローンじゃないの?」
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