似非気狂い   作:覚め

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ハンセイ「足の骨やらかしたから限界です、引っ込みます」
前回の最後はこういうことです


限界突破

「成程…多重人格に近いものがあるのね」

 

「それで急に痛がったんですね」

 

「うわぁお前矢が刺さったはずでは!?」

 

「…すっごい違和感あります」

 

「多重人格…か」

 

何やら医者は考え始めた。ちなみに永琳先生と言うらしい。先生、どうしてこんなことになってるんでしょうか。俺の体って俺のものですよね?そうだと言ってください。言え。あ、違う?え、俺のものじゃないの?…落ち込んだ。ひょいっと出てきたてゐに以前話してた人物であると紹介された途端に永琳先生は合点がいったような反応をした。隣にいる優曇華とか呼ばれてたウサ耳ブレザーもああ、と思い出したような答えを出す。それほどてゐが話していたのか。まあ同族をバイキングしてた奴は話すか。

 

「…なんだよ」

 

「さっきまでの顔と違って柔らかくなったなぁって」

 

「人前で俺が喋るのは二度目かな。」

 

「その時の状況は?」

 

「さあ?急に空飛んだり、弾幕ごっこなる遊びをしたりしてた。疲れたのかな。」

 

「今とその時で、貴方が出た時に何か…いつもあることでもいいから、あった?」

 

入れ替わった後、動き回ってたりしたら体が痛むし、寝て起きたら大体ハンセイが出ている。ハンセイは多分そのことを知ってるとは思う。知った上でやってるんじゃないかな。足の骨を折りかけても俺が入れ替わるまで痛がらなかったのは勿論ハンセイの仕業だ。あいつ我慢は得意だからな。それ以外にも出来ないことはないとか言うし、尊大な奴だし。後入れ替わった後は大体眠い。だからそろそろ寝させてほしいです。ダメだって。ちなみに今は尋問ではなく輸血をされている。手の甲に矢が刺さってたからね。ハンセイは許さない。

 

「なるほどね。意思疎通は基本可能だけど言うことは聞かない、と」

 

「ハンセイから俺には多分ない。今までなかった」

 

「成程。だいたいわかったわね。優曇華、そろそろ止血」

 

「あ、はい」

 

「…そう言えばなんで輸血されてたの?」

 

「止血すると毒を入れるのが面倒なのよ。自白剤とかね」

 

「…へ?」

 

「まあそう言うことだから。じゃ、後は優曇華によろしくするわ」

 

「はーい!」

 

「…常軌を逸してるぞ、あの医者」

 

「仕方の手止めましょうか?」

 

「くそっこいつもか。」

 

「でも。私ができるのは止血までですからね。それから先は自分の治癒力とお師匠の腕次第です」

 

「つまり?」

 

「だいたい治ります」

 

よろしい。と言うわけで始まった入院生活。寝たらおそらくハンセイが出るだろうから、久しぶりの体を楽しみたいがために寝たくない。まあ、あれだ。檻から出たらまず走り回りたいよね、と言うことで。深夜の病院徘徊をしていると、前に何やら見覚えのある人影が。優曇華か永琳先生か、それともてゐ…いや、あいつにしては大きい。ないな。故に…永琳先生にしては小さい気がするし、おそらく優曇華だろう。すれ違いに挨拶をして過ぎ去ろうとして呼び止められる。

 

「ん?」

 

「あの…貴方、誰?」

 

「…天上は神、天下は人。ハンセイ」

 

「は、ハンセイ…?」

 

「んで、お前は?」

 

「私?私は…蓬莱山輝夜。」

 

そう言って去って行く。咄嗟にハンセイの名を使ってしまった。まあ良い、なんとでもなるだろう。基本こっちで名乗れる機会はないのだから、名乗るならハンセイで良い。俺が俺の名前を追いやるとは、なんとも嫌な話だ。親からもらった地位の名前をどうして後から来た奴に譲らなけれらばならないのな。俺にはわからん。歩き回り、深夜の病院ってやっぱこええなと感想を抱えて病室へ。順調なら一週間もせずに帰れるんだから、さっさと寝よう。

 

「…おかしいな」

 

「どうしたんですか?ベッドの高さ変わってました?」

 

「いやそうじゃない。ハンセイが出てこない」

 

「ああ、そう言うことですか」

 

「もしかしたら痛くてどっか行ったかな」

 

「そんな子供じゃないんですから」

 

「それもそうか。朝食?」

 

「話がつまらなかったので抜きです」

 

「はぇ?」

 

そう言って本当に食事が持って行かれたので俺が途方に暮れていると、廊下でなにやら一つ騒動。見に行ってみると、長い浴衣を着た人が優曇華とぶつかったようだ。優曇華は謝り倒している。何やら位の高い人らしいな。どうにも俺には理解できない。人間ならばそこに優劣はないだろう。優曇華が人かは置いておき。そうして浴衣の人間を見てみると、何やらまた見覚えのある奴だった。昨日の夜とかに見てそうだ。目が合った。こっちに来る。病室の戸を閉める。開けられる。

 

「私の暇つぶし相手になってくれない?」

 

その一言だけで何をしにきたと言うのか。俺は呆気に取られた。発言に、ではない。いや十分発言もあるが、それ以上にこんな美人を見たことがなかった為だ。そんな美人がこんな発言。何言ってんだろう。一歩こちらに入ろうとしてきたところ、また病室の戸を閉めることでことなきを得る。俺はさっさと帰りたい。ハンセイもさっさと帰りたがってる。ならあんな美人は何にも意味をなさない。大人しくベッドで寝よう。

 

「なんで無視するのぉ〜」

 

「姫様!!」

 

「鈴仙は相手にならないじゃない」

 

「はぁ!?って、そうじゃなくて!その人は客人なんですよ!なんなら患者です!」

 

「それなら暇つぶしに困っているでしょ!?」

 

「…帰っても俺のままなら、酒欲しいな」

 

「ほらぁ!」

 

「何が聞こえたんですか!?」




怪我してるのに外出る訳ないでしょ。
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