自分を英雄だと勘違いしている元男がダンジョンに潜るのは間違っている   作:札幌53位

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初めてのダンジョン、そして死闘

朝。目が覚めると全身が痛い。

昨日は廃教会に打ち捨ててあった椅子で眠ったからか、起き上がって伸びをしたら全身がバキバキと音を立てた。

 

「はぐぁ……っ!寝袋買おう…」

 

迷宮都市オラリオには、バベルという塔が中央に建っている。寝る前にベル君から聞いた話では、シャワーや色々な施設があるらしい。

今日はダンジョンに潜るつもりなので、部屋に書き置きを残してから出かけた。

 

人伝にギルドの位置を聞き、愛剣フレイモスを担いで歩いて向かう。フレイモスはオラリオに来る途中に長剣に名付けた名前だ。まだ一度も使っていない。

 

「ごめんください」

 

「いらっしゃいませ、ええと…冒険者様ですか?それとも、依頼ですか?」

 

「俺はヘリオドーンのアエルテス。【ロキ・ファミリア】の冒険者だ。登録をしに来た」

 

ギルドの職員さんによれば、昨日のうちにファミリアのリヴェリアさんという方が代わりに登録してくれていたようで、色々な説明を受けさせてくれた。

なんでも、「冒険者は冒険をしてはならない」のだとか。それと、地図の重要性や、油断大敵であったり、そういった細々としたことを教えてくれた。

 

結局、解放されたのは昼過ぎだった。朝一番に行ったのに。

 

「さて…早速ダンジョンに潜るぞ。」

 

伸びをしつつ、武器を手にいざダンジョンへ。

列に並んで長い長い階段を降りた先には、灯りが付いた壁と、屯している冒険者たち。迷宮都市というだけあって、冒険者の数は相当多いのだろう。

 

しばらく歩いていると、人気がだんだん少なくなっていく。すると、ダンジョンの壁が「びきり」と音を立てて割れていく。

職員さんから説明があった。これはモンスターが現れる兆候だ。

 

『グギャ…ギャアッ!』

 

「ゴブリンか……あの時の雪辱、晴らさせてもらうッ!」

 

ぐん、と踏み込み、跳躍しながらゴブリンの首を断つ。鍛錬の成果が出ている。俺のフレイモスは易々とゴブリンの命を断った。

 

「……しかし、全然違うな。」

 

身体があまりにも軽い。まだLv.1、経験値も0だというのに、身体の動きがまるで違う。なるほど、確かにこれならベル少年でもダンジョンに潜れるわけだ。

続けざまに、亀裂が2本。出てきたのは「コボルト」と「フロッグシューター」だ。

 

「来い。一刀で斬り伏せてくれる」

 

舌を伸ばしてきたフロッグシューターの舌を一閃。自慢の武器を斬り裂かれて哀れに泣き喚く蛙を尻目に、凶暴な犬が飛びかかってきたところを縦に切り裂いて討伐。

フロッグシューターの首をそのまま刎ね、戦闘終了。

 

その後も、次々と出てくる魔物たちを斬っては捨て、斬っては捨て…としながら階層を進めていった。しかし…事件は、三階層で起きた。

 

「あ、あんたっ…!助けてくれ…!」

 

三階層。段々と人が減っていき、魔物もよく湧くようになってきた頃合い。さて一狩り行こうぜ!と意気込んでいた俺のもとにやって来たのは──────傷だらけの男女ペアだった。

 

「ミーシャが…息をしてないんだ…パープル・モスの大群に襲われてっ…」

 

パープル・モス。毒蛾。単体ではそこまででもないが、状態異常「毒」を付与してくる厄介な敵。おそらくは囲まれてしまったのだろう。

ミーシャという名前の女は弓使いだったのか、空の矢筒を背負っている。男の方は何回か齧られたのか腕から出血している。

 

「…すまない、『どくけしそう』は持ち合わせていない。大群はどこにいる?」

 

「あ、あっちだ……待て。まさか一人で行く気か?!やめろ、自殺行為だ…!」

 

「大丈夫だ。俺は……勇者だからな。それより、お前達は早く他の冒険者を探せ、きっと助けてくれるはずだ」

 

そう言って、俺は心の中で燻る、恐怖とは別の感情──────闘争心に火をつける。

男の指した方を見ると、そこには確かにパープル・モスの大群がいた。数にして30匹以上。

 

「行くぞ…」

 

剣を握り締め、敵を見据え…突貫する!

 

「はぁああああっ!!」

 

背中が熱く燃えるような感覚を覚えたあと、フレイモスを三回振るう。さっきまでよりも調子が良い。なるほど、これが【逆境奮起】の能力か。

それに、俺には奥の手がある────そう、未だ秘められたチート能力だ。逆境に陥れば、きっと開花するに違いない。

 

「しいっ…!」

 

水の呼吸さながら、流れるように剣を振るい、パープル・モスの大群を抜けていく。一撃で沈んでいく毒蛾を視界の端に捉え、壁を蹴り、一閃。能力補正があるとはいえ、体捌きは両親に仕込まれたものだ。

 

「水の呼吸ッ…うおりゃあっ!」

 

溢れ出るアドレナリンで脳が歓喜の声を挙げる。きっと今の俺は目がキマっていることだろう。そうして数分、俺は剣を振るい続け──────。

 

「はぁっ…!はぁっ………!クソ…これが『毒』か…」

 

迫り来る毒蛾の大群の前に、俺は膝をついていた。

徐々に減っていく体力。なるほど、これは厳しいものがある。だが、恐怖はない。むしろ、過剰分泌されたアドレナリンのせいで笑顔が浮かんでくる。

 

「はぁ…っ、はは…!どうした、来いよ苦境!もっと、もっとだ…!最高にハイってヤツだ!」

 

再び背中が熱くなり、立ち上がる力が湧いてくる。剣を握る手からはとっくに血が滲んでいる。だが、その痛みは俺がまだ生きているという証になっている。

喉から迫り上がってきた血を吐いて捨て、剣を向ける。

 

「来ないのか?なら……全員、処刑だ!」

 

毒蛾に飛びかかり、既に『毒』状態なのを良いことに斬ったあとに首元に噛みつき、そのまま食いちぎる。苦い味が口に充満するが、パープル・モスの毒は鱗粉だ。血液には含まれていない。

 

「ふぅ……はぁ…っ!死が、すぐそこだ…!オイ、まだやれるだろう…立て…」

 

膝を折るのも、何度目かも分からなくなったが、徐々に俺は弱っている。頭に浮かぶのは、ダンプカーに撥ねられた時の『死』の記憶。

残るパープル・モスは、たった3体。こいつらを倒し、俺は勝利の凱旋を掲げるのだ。

 

「来い、俺のチート…」

 

一縷の期待を込めながら、残された最後の力で吶喊し、重くなった剣を袈裟に振り、一体を地に堕とす。回避機動を取った毒蛾を回し斬りで真二つにし、残る一体に向かって跳躍。そして、真っ直ぐに、叩き斬る!

 

「はぁっ、げほ、げほっ」

 

着地し、情けなく地面に座り込む。喉から血が止まらない。

壁から「びきり」という音が鳴る。なるほど、「冒険者は冒険をしてはならない」か。言い得ている。

 

『グギャギャッ!』

『グルル…!』

『キシャアッ!!』

 

「ゴブリンに……コボルト、ダンジョン・リザードか……」

 

もはや立ち上がる力も残っていない。だが、英雄は無手にて死せず。フレイモスを杖にして、敵を見据え──────金色の風が舞った。

 

「……大丈夫?」

 

金色の風は、凛とした、それでいて可愛らしい声で、俺に向かって手を差し伸べ…俺はそのまま、気を失った。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

アイズ・ヴァレンシュタインは、主神であるロキからその眷属(こども)について聞いた時、小さな興味を抱いた。

なんでも、「(じぶん)の本気の威圧にも立ち向かえて、上級冒険者(ベート・ローガ)にも反骨心剥き出しであった」ということである。

 

(彼女は…どうして弱いのに強い態度を取れるんだろう。)

 

興味を持ったアイズは、ギルドで聴き込みをしてみる事にした。が、しかし。件のアエルテスはすぐに見つかった。ギルド職員の研修を受けていたからだ。

 

(邪魔したら悪いよね…)

 

そう思い、ギルド近くのジャガ丸くん売り場でジャガ丸くんを購入し、アエルテスをじっと見つめていた。

 

(金色の髪…私と同じだ。でも、立ち振る舞いが…なんか自信満々?)

 

アエルテスの後を尾けていたアイズは、その威風堂々とした言動に疑問符を浮かべていた。『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタインには、到底想像もできない態度だった。

これまでアイズが見て来た迷宮(ダンジョン)初心者は、皆大抵緊張してきた。しかし、アエルテスは初めて迷宮に潜るのにも関わらず、不敵な笑みを浮かべている。

 

(変な人…)

 

数時間に渡り、アエルテスを尾行していたアイズは、彼女の持つ技量に感心していた。ステイタスを刻まれて、一度も更新をかけていない能力で、単独で三階層まで到達するというのは、なかなか見ない事例であるからだ。

 

(的確に弱点を斬ってる。たびたび叫んでる剣の名前……ええと、フレイモスかな。業物だね)

 

元の肉体が酷使に慣れているのか、連続戦闘をしても疲れた様子を見せないアエルテスに「自分も基礎を固めないとな」などと考えていた矢先、アイズは一人、パープル・モスの群れに向かっていくアエルテスの姿を見た。

 

「あ…」

 

冒険者としての勘が、「行かせたらあの冒険者(アエルテス)は死ぬ」と告げてくる。しかし、助けに行こうとする足は女性を背負った冒険者の男によって止められる。

 

「『剣姫』…!?頼む、あんた、解毒薬はあるか?!連れが死にそうなんだ!」

 

「あるよ。今飲ませる」

 

ポケットから解毒のポーションを取り出し、二人に飲ませる。少しして、落ち着いたのか男はアイズに土下座をしてくる。

 

「頼むっ!あんた、強いんだろう!?だったら、あの人を…勇者を助けてくれ!」

 

「(フィンが?いや…違うか……)わかった。すぐに行くよ」

 

一瞬、勇者と聞いて自分たちの団長の顔が浮かんだが、彼がこんな低階層で危機に陥るはずがない。ロキの言っていた「勇者や英雄みたいな言動」というのがそうなのだろう、とアイズは納得し、駆け出す。

 

距離にして50Mほど。向かった先では─────。

 

「どうした?来いよパープル・モス!ハリー!ハリー!ハリーハリーッ!!!」

 

毒に侵されながらも、狂笑を浮かべ、剣を握り、目をぎらつかせながら戦う、戦士の姿があった。

その傍らには、魔石の道が出来上がっている。怪物贈呈(パス・パレード)じみた光景に、思わずアエルテスを怪訝な目で見る。

 

(これを…全部一人で?)

 

「げほっ…!あぁ…ハハ……生きてる…!」

 

吐血しても、なおその笑みを崩さない。通りすがりの冒険者に「勇者」と言われる所以をアイズは垣間見たような気がした。

何度もアエルテスは倒れては立ち上がり、雄叫びをあげて敵を切り裂いていく。数にして37。途中で湧いた魔物を含めれば43は斬っているだろうか。

 

「来い、俺の……」

 

(………スキル?)

 

アイズが閃きかけたその時、アエルテスの最後の斬撃が魔物を両断した。が、しかし。続々と魔物は集まってきている。

 

「今、行くよ──────【エアリアル】」

 

自身の魔法で魔物を蹴散らし、アエルテスの前に立つ。遠くから見ても重傷だったが、近くで見るともっと酷い様子に、アイズは思わず「大丈夫?」と声をかける。

 

「──────。」

 

「………気絶してる。」

 

アイズは、自分よりも小さい少女に解毒ポーションを飲ませ、治癒のポーションを与えたあと、そのまま背負い、自身の拠点(ホーム)へと戻る。

 

夕暮れの中、拠点(ホーム)に帰ったアイズを待っていたのは、何かと構ってくる狼人(ベート)である。

 

「アイズ、お前どこほっつき歩いてやがった」

 

「この子を観察してたの」

 

「あぁ?ソイツは……ケッ、やっぱり雑魚は雑魚じゃねえか。どうせ一、二階層あたりでくたばってたんだろ」

 

冷笑しながら「早く戻るぞ」と告げるベートに、アイズは少しムッとした表情を向ける。

 

「ンだよ、文句あんのか?ソイツが弱えのが悪…「この子は三階層にいたよ」……はぁ?」

 

あり得ねえ、とベートが呟く。

 

「46体の魔物に囲まれて、一人で戦って…勝ってたよ。」

 

「そんな訳あるか!お前、三階層だぞ!?駆け出しのルーキーが辿り着ける訳無え…いや、にしたって、50体近く倒すなんざ、あり得ねえ!」

 

「……私も不思議。だから、理由を聞きたいの。」

 

「…………ケッ、好きにしやがれ!だが、まだ認めねえからな。ソイツは『次に会うときはもっと強くなってから』っつったんだよ。アイズ!後で理由(ワケ)聞かせろよ」

 

そう言い放ち、ベートはどこかに行ってしまう。アイズは「変なの…」と思いながらも、リヴェリアのもとにアエルテスを連れて行く。

 

一通り治療が終わった後、アイズは静かに眠るアエルテスの側で彼女が起きるのを待っているのだった。

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

次に目覚めると、そこは知っている天井だった。

周りを見回してみれば、金髪に金の瞳の美少女が俺の顔をじーっと見つめている。ホレんなよ、火傷するぜ。

 

「ええと……おはよう?」

 

とりあえず挨拶だ。挨拶は大事。神聖不可侵の行為。古事記にも書いてある。

 

「おはよう。身体はもう平気?」

 

「ああ。貴殿が助けてくれたんだろう?ありがとう、良ければ貴殿の名前を聞いても良いか?」

 

調子も戻ってきたので、勇者ムーブ再開だ。正直、助けてもらった女の子相手に勇者も英雄もクソもないと思うが、こうでもしないと俺は恥ずかしくて耐えられない。

 

「アイズ。アイズ・ヴァレンシュタイン。」

 

「改めて、ありがとう。アイズ。俺はヘリオドーンのアエルテス。【ロキ・ファミリア】だ」

 

「私も【ロキ・ファミリア】だよ。」

 

「なるほど、つまり俺はアイズ先輩に助けてもらった…ということなんだな。」

 

アイズ先輩に事情を聞けば、パープル・モスの死闘のあと、俺は気絶し、そのままポーションを飲まされて拠点(ホーム)まで背負われたそうだ。

リヴェリアという人が俺を治療してくれたのだとか。ギルドの件といい、リヴェリアさんには頭が上がらないな。

 

「それと…寝てる間に、ロキがあなたのステイタスの更新をしてたよ。見て」

 

──────────────────

【アエルテス・ヘリオドーン】

Lv.1

《基礎アビリティ》

力:I23 耐久:H104 器用:I17 敏捷:I16 魔力:I0

《発展アビリティ》

 

《魔法》

【】【】【】

《スキル》

【逆境奮起】

・逆境時、全能力の超高補正

・精神汚染軽減

・死への恐怖無効

──────────────────

 

「これは…」

 

耐久が他と比べて異様に伸びている。実際、平均的な伸び幅はどれほどなのか分からないが、それでも一回の冒険でトータル160上昇は、やはり俺には何かあると思わざるを得ない。

 

「アエルテス。教えてほしいの……どうして、あなたは弱いのに、あんなに頑張れるの?」

 

ステイタスシートを眺めていると、アイズ先輩は俺の手を握ってそう尋ねてきた。その目は真っ直ぐで、何かを探しているような視線だった。

ここは、俺も真面目に答えよう。──────当然、俺の好きな漫画のセリフからだ。

 

「………誰かが傷つかねばならないのなら、それは当然自分であるべきだと思った。俺の憧れ(ヒンメル)ならそうしただろうから。」

 

「…それで、あなたが傷ついて倒れても?」

 

「戦いから逃げる英雄など、子供たちは英雄とは呼ばないからね。」

 

俺が神に選ばれしチート転生勇者なら、せめてテンプレ主人公たちのように世界を救い、傲岸不遜に立ち振る舞う英雄でありたい。

そう思いつつ、目の前のアイズ先輩が感心したような、回想に浸るような、そんな表情を向けているのに俺は仄かに達成感を覚える。

 

なるほど。これが現代倫理無双────というやつか。

 

「かといって、無茶ばかりするのは良くないぞ。」

 

部屋の扉が開けられ、緑髪の、俺を昨日庇ってくれたエルフの綺麗な女の人がそう言いながらやってくる。

 

「あ、リヴェリア。聞いてたの?」

 

「水を取り替えようと思って来たら、話し声が聞こえたものでな。」

 

どうやら、この麗人がリヴェリアさんのようだ。度々お世話になっているし、何より美人だ。頭が上がらない。

 

「これは…貴殿がリヴェリア殿であらせられましたか。俺はヘリオドーンのアエルテス。幾たびも貴殿には助けられました。ここに感謝を。」

 

知っている限り最高位の礼…跪き、心臓に右手を当て、頭を下げるといったものをして、謝意を述べる。

 

「そんなものは良い。ともかく、あまり無茶はするな。アエルテス、お前はまだ幼いのだから。成長に近道などない。こつこつと鍛錬するんだぞ」

 

そう言い残し、リヴェリアさんは水を取り替えてから出ていく。コツコツ鍛錬するのには慣れている。

だが、確かにオラリオまでの旅の最中は鍛錬を怠っていたな。そこを見抜くとは、さすがはリヴェリアさんなのだろう。

 

「あ」

 

唐突に、ベルとヘスティアのいる廃教会に書き置きを残していたことを思い出した。時刻は夜半。今から向かえばまだ間に合うか。

 

「すまないアイズ先輩。少し出かけねば」

 

「どこ行くの?」

 

「……約束を果たしに。行ってきます」

 

傍に置いてあったフレイモスを鞘ごと腰に装備し、ズタズタになった革鎧を身に纏い、靴を履いて『黄昏の館(ホーム)』を出る。

 

十数分ほど走り、廃教会まで着く。戸を叩き、声をかければ、すぐにベルが飛び込んで来た。

 

「無事でよかった…っ!」

 

抵抗せずに抱きしめられていると、呆れた様子のヘスティアが出てくる。違うんだ神ヘスティア。俺は決して君たちのイチャラブを邪魔する気はないんだ。

確かに絵面は美少年が美少女を泣きながら抱きしめているという、非常に不味いものだが、俺のベル君の間にそのような感情は一切なく……!

 

「ベル君はずっとキミを心配してたんだぜ?何か言うことがあるんじゃないのかい?」

 

頭の中で意味の分からない言い訳をしていると、突然そんなことを言われ、頭がすぅっと冷えていく。

 

「すみませんでした…」

 

「それでよし。まったく、キミもベル君も無茶して…待たされる側の気持ちもちょっとは考えろ〜っての!」

 

結局、俺とベルは叱られたポメラニアンみたいになりながらその夜を明かしたのだった。




【スキル紹介】
☆【逆境奮起】
・逆境時、全能力の超高補正
・精神汚染軽減
・死への恐怖無効
アエルテスの歩んで来た人生の結露であり、凡人に与えられた唯一の「特別」。
一つは、幼い日の武勇。一つは、役を演じているが故の常識からの乖離。一つは、一度凄惨な死を遂げたことによる空虚である。
「逆境」判定はガバガバであるが、自身が立たされている苦境の程度によって補正が前後するため、ムラがある。なお、原作におけるベルvsオッタルや、ベル&リューvsジャガーノートは「逆境」にはならない。
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