自分を英雄だと勘違いしている元男がダンジョンに潜るのは間違っている 作:札幌53位
ダンジョン25階層、通称『水の
多くの冒険者を飲み込んできた『
「げほっ、げほ……どこの馬鹿だ…こんな所で、
何度も地面に叩きつけられ、200
覚えているのは、耳の欠けた猫だか犬だかの獣人が、俺のことをアストレアだか何だかと叫んだと思ったら、火炎石を投げつけて起爆してきやがったのだ。
そして真っ逆さまだ。
「クソが…舐めやがって……殺してやる……」
血が額から滴る。舐めてみるが、苦い上にしょっぱい。二度とやらん。だが、野蛮な振る舞いは人を勇敢にする。
アドレナリンが効いてきたのか、痛みも引いてくる。
「ひとまずは、この下まで……前来た時は、確か……」
俺の最終到達階層は28階層。だが、それは陸路であり────迷路を抜けてきたわけではない。ここは持っているマップの外。
つまり、俺は完全に迷子だ。帰り道は不明。そして、28階層の
「……なら、上か────くあっ!?」
背中に鋭い痛み。それと同時にぐしゃりと潰れる音。ずきずきと刺された所が痛む。何かが刺さっている、と判断して手を伸ばすと……血に濡れた燕の嘴があった。
「……っ、
その問いに答えるかのように、二度、三度と
儀礼剣をディックスに預けておいてよかった。でなければ、きっと死んでいただろうから。
「うぐっ!…くそ、目で捉えられない……ならば、気配で斬るのみだ!」
俺は
だが、ロキからの一瞥を受けてからというもの、気配に対しては人一倍敏感になった。
「ふぅ────ッ!」
背後に殺気。それに合わせて剣を
再び、側面から二つの殺気を感じ、流れるように回転斬りを放つ。
「殺気は……もう一つ。大きい……
水の中から機を窺っている殺気に向かって跳び、そのまま突き刺し、殺気を断ち切る。
『ギョオ…!?』
「終わったか……」
水から上がり、身体を震わせて水を弾く。気休めだが、まぁ魔法を使えばどの道乾くんだ。誤差だ誤差。
しかし、
「はぁ……っ!疲れたぁ…」
今日ダンジョンに潜ってから初めて、口から弱音を吐いた気がする。周りに誰もいないからこそ、こういう時じゃないと弱音なんて口に出せないからな。
防具は水浸し、肌まで透けてる。鎧で大事な部分は隠れているとは言え、このままの格好はまずい。
「……それにしても、魔物の量が少ない。中層の方がもっとワラワラ来たぞ…?」
ダンジョンに
そして、俺はそこで違和感の状態を知った。
「おねがい、です……たす、けて…ください…」
蒼水晶の隠れ洞窟で、俺は助けを求める人を見つけてしまった。助けないという選択肢はない。だが…状態が、あまりにも酷すぎた。
「エインが…息を、してないんです……ポーション…ポーションをおねがいしますっ……!」
黒髪の中量戦士の
その赤い足跡からは、苦難と絶望が見て取れる。
「…お願い……助けて…勇者様でも、英雄様でも、だれでも良いから……」
どくん、と胸が高鳴る。それと同時に、この女の子はすでに殆ど目が見えていないのだということに気がつく。
誰かが居るのは判るが、それが誰であるかなど、分からないのだろう。
「…飲みなさい」
「ぅぁ…?んく……ぷは、ちが、私じゃなくて…っ!」
女の子に唯一残っていたポーションを飲ませ、安心させるために声をかける。
「もう大丈夫。何故ならば──────俺がいる。」
通路の奥から、大勢のモンスターの声が聞こえる。ブルークラブの大群だ。少なくとも、さっきの子のパーティを壊滅させた一因。
「たとえ如何なる難局であろうとも打ち砕き、希望の見えない絶望に、黎明を灯そう!我が名はヘリオドーンのアエルテス!天に座す神々より救済の使命を授かりし、
正直、『
だからこそ、難局にあって、俺は顔に笑みを浮かべるのだ。
「『我は光、我は終。汝が炎抱く限り、全てを灰に帰さん。我を包め、光封の鎧』────希望を示せ!【リュクシオン】ッ!!!」
胸から炎が噴き出し、それは俺を包む
だが、まだだ。もし女の子に生えている蔦が魔物由来ならば…これが効くはず。
「『我は闇、我は始。星なき夜の底より来たりて、黄昏を齎さん。全てを呑み込め、終末の黒焔』────闇より照らせ、【フォルネス・イグニオン】ッ!!!」
魔法を操作し、延焼を蔦に適応する。小さく悲鳴が上がるが、次第に安らかな気配になっていく。やはり、寄生植物だったか。
あとは、ただ前に進み、斬り拓くのみ!
「うぉおおおああああッ!!!!」
『ギチギチチイッ!?』
群れの先頭に斬り込み、通路の奥に入り込もうとするブルークラブを片端から叩き斬っていく。黒焔と黄金の炎刃が合わさった、やや汚らしい色の炎刃がブルークラブを打ち据える。
この大群だ、すでに【
「貫き、砕いて、押し通る!」
面を制圧するためにチャージ3日分の炎刃を通路に充満させる。蟹の焼ける匂いが立ち込め、その場には魔石すら残らない。
黒焔纏のいい所だな。いちいち回収の手間が省ける。
「あれは……モス・ヒュージ?」
通路の向こうが一瞬見え、緑色の巨人がちらりと視界に映る。そいつは、サポーターと思しき死体を、
怒りが燃える。だが、それと同時に冷静な心も戻ってくる。奴は知恵のある魔物だ。生半可な戦い方では、追い詰められてしまうだろう。
「……だが、知恵ある者は…絶望する」
ディックスは言っていた。生き物である以上、死があると。知性体である以上、絶望するのだと。ならば、それを活かすとしよう。
「すべてを征服しよう!────【
螺旋を描き、黒く染まった炎槍が通路を埋め尽くす。チャージ全消費、ヤケクソレベルの大放出だ。だが───恐怖を知る者に、それを刻みつけるには十分な威力だ。
『────ッ!!??!アアッ、ギャアアアッ!!?』
モス・ヒュージが絶叫し、狼狽える。それと同時にブルークラブの行進が止む。やはり、こいつが巻き起こしていたんだな。
通路が開いたので、炎を脚に纏わせ───無論、外套で盾を作りながら吶喊する。
『オオ…!?アアッ!オアアアッ!!!』
「キレてんのか?まぁ落ち着けよ。」
有無を言わずにモス・ヒュージが何かを射出してくる。だがすまない、俺は植物系モンスターに対しては、圧倒的に有利なのだ。
『エエッ!?』
「お前は…無力だ!」
動揺している隙に、炎刃をぶち込む。苔が剥がれ、
なるほど、こいつは殺した冒険者から装備を剥ぎ取り、縫合しているのか。
「ああ…もういい、分かったよ。やっぱり魔物は殺さなきゃな」
『──────』
これ見よがしにモス・ヒュージは
「『我は闇、我は始。星なき夜の底より来たりて、黄昏を齎さん。全てを呑み込め、終末の黒焔』」
『ッ!アアアアッ!!!!』
全力で叩き潰そうとしてくるモス・ヒュージ。その攻撃をひらりと躱し、詠唱を終える。手を突き出し、命を削る焔を放つ。
余裕そうな雰囲気を出していたモス・ヒュージだったが、次第に焼けてきたのか、その表情はぐちゃぐちゃの、絶望する者の顔に変わる。
「覚えておけ。これがお前を殺す焔だ。」
『──────っ、アアッ、ウワアアアアッ!!!』
「あ」
逃げた。モンスター風情が逃げやがった。
ここで追いかけてもいいが…今は、人を守らねばならない。追撃は止しておこう。
「…………ふぅ。まだ数時間はやれるな。」
近くにあった水辺に飛び込み、消火してから助けた女の子のもとへ歩いていく。すでにへたり込んで、ぼうっと俺を見ている。
残炎の残る通路を抜け、女の子に全て終わったことを伝え、その場にエルフの青年────エインを埋葬し、手を引いて地上を目指すことにした。
「勇者様、何から何まですみません…さっきからずっと目が見えにくくて。あなたのお顔も不明瞭なのですが、きっとこの恩は忘れません」
「気にしなくて良い、俺は使命を果たしただけだ。」
「そんな…何かお礼を」
「ん〜、なら…君の名前を教えてもらいたいな」
決まった──────。
神様見てるか、俺、今めっちゃ勇者してるぞ。
それはそうと、彼女の名前は「アッシュ」というらしい。【デメテル・ファミリア】のLv.2冒険者で、派閥混合パーティを組んだは良いものの、自分だけ生き残ってしまった…という話だ。
「……もうすぐ中層だ。もう少し歩けるかい、アッシュ」
「は、はい…!ところで…その、この地割れ音は?」
「────失礼っ、逃げるぞおおっ!」
アッシュを横抱きにし、『大樹の迷宮』まで走っていく。地面から、バキリと音が聞こえてくる。間違いない、アンフィス・バエナが復活するのだ。
樹上を走り回り、崩れ落ちる足場を跳躍しながら渡る。背中が熱くなり、首筋が痛くなってくる。
「間に合え……どああああっ!!!???」
背中に強い衝撃と推進力を受ける。振り向くと、アンフィス・バエナの熱線が飛んできたようで、フレイモスにちょうど吸収されたらしい。
…フレイモスを持ってなかったら、今ので蒸発して死んでたかもしれないってマジ?
結局、俺は格好つけられずに中層まで辿り着いたのだった。
◆◆◆◆◆
ベルが所用でギルドまで赴くと、ちょうど何か事件があったのか、フロントは大慌てであった。
「アンフィス・バエナ復活!階層主復活です!Lv.3以上の冒険者及び、B等級以上のファミリアには協力を要請します!」
「おいおいマジかよ…!情報源は?」
「報告者は【
ベルのもとに届いたのは、幼馴染の華々しい功績であった。ベルは打ちのめされるような思いだった。
自分と別れた後、アエルテスはそのまま下層行きを果たし、人を助けて帰ってきたのだ。
自分がウィーネのことで頭を悩ませている間に、越えたい存在は、とうに自分など眼中にないように偉業を成した。
(…僕は、何をしているんだ)
アエルテスよりも先にLv.3になり、互いにLv.1のときの私闘では互角だった。やっと並び立てたと、そう思っていた矢先のコレである。
「噂をすれば、英雄サマのご登場だ!おいお前ら、【
ざわざわと騒然としていたギルドに、一つの足音が入ってくる。ヒール特有の、かつかつという小気味良い音と共に、金色の髪に、赤い瞳を煌めかせ、灰色のドレスのような
ベル・クラネルの幼馴染、アエルテスが来たのだ。
「すまない、今日は換金に来たんだ…一文無しになってしまったからな」
アエルテスはロキとの賭けに負け、100万ヴァリスを失った直後である。故に、取っておいたへそくり魔石を換金しに来たのである。
だが、その場に居合わせた
「おおっと!?これは新進気鋭の冒険者【リトル・ルーキー】様じゃないか!君は確か、【
嫌でもアエルテスはベルの方を向く。それはベルも同じだったようで、互いの視線が交錯し……アエルテスは、小さく鼻で笑って換金を続ける。
それを見た一部の男たちが、「俺にもワンチャンあるんじゃ」などと思い始める。悲しいかな、見た目だけは美少女であるので、この手の男は後を絶えないのだ。
結局、ベルは男たちからの質問攻めに遭い、解放されたのはアエルテスがギルドから出ていくころだった。
「待って、アエルテス!」
すっかり暗くなった道で、幼馴染の名前を呼ぶ。
アエルテスは、振り向かずに『黄昏の館』のある方角に歩いていく。途中に壁があろうとも、それを跳んで登り、屋根があれば歩き、川があればそのまま渡った。
当然、ベルもそれについていく。互いに意地を張っていた。
そうした攻防が数十分続き、『黄昏の館』の近くまで来たあたりで、先にアエルテスの我慢が尽きた。
「お前さっきからマジで何?」
「アエルテスと…話がしたいんだ」
「話すことなんてない。お前はあの女の子とよろしくやってれば良いだろ、ガキじゃないんだ……いい加減俺も……いや、やめよう。」
アエルテスはそこまで言ってから言い淀む。互いに、遠くまで来すぎたのだ。ベル・クラネルも、アエルテス・ヘリオドーンも。互いが、互いの道を歩んでいる。
「アエルテス、また一緒に……冒険に出かけられないかな!あの時みたいに…」
「……そんなことを話しに来たわけじゃないだろう。」
ベル・クラネルは、ファミリアの面々に言われたように、ウィーネのことを打ち明ける気でいた。無論、核心を突くような情報を伏せるように言い含められてはいるが。
「…聞きたいんだ。君に」
「…………。」
「君は…アエルテスは、どんな勇者になりたいのかって」
だが。ベルは、ファミリアの抱えている問題よりも…自分の感情を優先した。真剣な声色で、真っ直ぐにひとりの少女を見据える。
少女は、少年の声に応えるかのように小さく何かを呟くと、振り向き、神々のような俯瞰する視線を向ける。
「俺は勇者にはならない。」
ぞわり、とベルの身の毛がよだつ。まるで決められたことのように、赤い瞳の中には輝きを帯びたナニカが存在した。
それは時に「決意」や「覚悟」と呼ばれるものであり。金色の少女を突き動かすものであった。
「俺は生まれた時から、ずっと勇者だ。変わることはない。」
「アエルテスの言う、勇者っていうのは…何なの?」
「言うなら……紛争であり、平和であり、使徒であり、叛逆者でもある。だが…俺は救世を願う者だ。そうあるべくして生まれてきた」
それは、半ば強迫観念であり、彼女が14年間抱え続けてきた重荷でもある。
「君は一体…何のために……オラリオに来たの?」
「さあな………存外、刺激が欲しかったのかもしれない。無意味な人生に、自分だけの脚注を残したかったのかもな。」
押し黙るベルに、話は終わりか?と言い、そのまま『黄昏の館』に入っていくアエルテス。気がつけば、ベルはその手を掴んでいた。
このまま行かせてしまえば、幼馴染は二度と自分のもとに帰ってこないと…そう思ったからだ。
「待って……!アエルテスの人生は無駄なんかじゃない。そんなこと、君がたとえ本心からそう思っていても僕は認めない!」
「俺とお前は違う。俺の命に、お前が望むような価値はない。」
冷たく言い放つアエルテスに、ベルは食ってかかる。
「価値なんて、そんなのどうでもいい。僕は、僕の大事な人が侮辱されるのが許せない。僕はアエルテスに、ずっと想ってたんだ…!強くて、かっこよくて、君がどんなピンチでも、笑顔でいれる、その姿に────」
握る手を強め、正面を向かせる。
「勇者でもなんでもない、ヘリオドーンのアエルテスに、僕は憧れてるんだ!」
赤い瞳と赤い瞳が交差する。
少年は真っ直ぐに、揺れることのない瞳で。
少女は潤んだ、揺れる瞳で。互いが互いの瞳の奥の真意を見る。
「………はは、なんだよ…それ…」
ぽつり、と呟く。
「殺し文句を吐きやがって…
アエルテスは、小さく、細い指でベルの指を握ると────そのまま、一本背負を繰り出す。
「うわあっ!?な、何!?」
「バーカ、漢と漢のぶつかり合いで言葉は不要だろうが!俺だけ見てろこのスケコマシ!」
「スケ……!?」
投げ飛ばされ、困惑するベルに、アエルテスは拳を構える。河原があれば良かったんだけどな、と呟くアエルテスに、ベルは普段見せない、やんちゃな笑顔を向ける。
「話したいことがあるんだ」
「おう、聞いてやるよ。ついでに鬼になれベル寿郎!」
互いに拳を振い、笑顔で殴り合う。
それを見ていたリヴェリアは、薄く笑いを浮かべながらつぶやいた。
「これが若さか…」
◆◆◆◆◆
ベルと互いにボコボコにしあった末、得られたのはどことない充足感と、【ヘスティア・ファミリア】が
「もし、モンスターが僕たちと同じように笑えて、話せて、涙を流せるとしたら…アエルテスはどう思う?」
ベルが話したのはこれだけだ。だが…そんなことが出来るのは
俺の節穴め、まさか見逃していたとは。
俺の答えは変わらない。
理知を持ち合わせたモンスターは危険だ。即刻始末しなければならない。
「で、アエたん。あの少年と派手に殴り合いしおってからに…どこに幼馴染同士の喧嘩で流血するまで続けるアホがおんねや」
「ここに」
「やかましい」
ごつん、とゲンコツを食らう。
俺とベルの私闘は数時間に渡って続いた。NARUTOさながらの肉弾戦で、殴っては殴られ、終いには俺の繰り出した南斗獄屠拳と、ベルの渾身のキックがかち合い、勝負を決したのだ。
「下層行き、随分と上手いこと行ったようやね。見てみ?」
ステイタスシートを渡される。
──────────────────
【アエルテス・ヘリオドーン】
Lv.3
《基礎アビリティ》
力:D524 耐久:C631 器用:D544 敏捷:E497 魔力:D500
《発展アビリティ》
不屈:H 解放:I
《魔法》
【リュクシオン】
・
・自身を含めた周囲に延焼する。
・詠唱式『我は光、我は終。汝が炎抱く限り、全てを灰に帰さん。我を包め、光封の鎧』
・解放式【エン・リヴィオ】
【フォルネス・イグニオン】
・侵食魔法
・命を削る黒焔を纏い、射出する。
・詠唱式『我は闇、我は始。星なき夜の底より来たりて、黄昏を齎さん。全てを呑み込め、終末の黒焔』
【】
《スキル》
【
・逆境時、全能力の超高補正
・精神汚染軽減
・死への恐怖無効
・刻印顕現中、成長補正
【
・炎に対する高耐性
・火炎誘引
──────────────────
やはり…『
「それにしても、アストレアって誰なんだ?俺を滝壺に叩き落とした馬鹿が叫んでたけど」
「……何やと?詳しく頼むわ」
詳細を全て話すと、ロキはいつになく真剣な顔で幹部を呼び出し────特にフィン団長はものすごい剣幕で俺に詳細を聞いてきた。
「耳の欠けた獣人……アストレアの名を出していたことから、
ぽんぽん、と頭を撫でてくるフィン団長。この人、俺のことを子供か何かだと思ってるんじゃなかろうか。
いや…待て。そういえば最近、【ロキ・ファミリア】の一部の面々を除いて、出会う度にお菓子や飴を渡されているな?
アイズ先輩とティオナ、そしてベートだけは違うが。
「決まりだ。今度の遠征には────アエルテス、君を連れて行く。君はLv.3だし、何より危機から脱するのに長けている。僕たちに何かあった時、ラウルと一緒に地上に皆を牽引する役割を担ってもらう」
「……え、マジですか?」
「ああ。それに…君は下層から、盲目の少女ひとりを救い出したんだろう?それなら、団員たちも任せられる。」
なんということだろう。俺もついに、ファミリアの重鎮として認められたということなのだろうか。
これまでは単独行動ばかりだったから、これからは団体行動も意識しなくてはな。
「……よし、パーティ戦について勉強するか」
次の日、ギルドでローズさんにパーティ戦の勉強をしたいと願い出た俺は、ものすごい驚愕された。
流石に孤高のイメージが付きすぎだろ。