〖代償讐結〗〜妖や妖怪がいる世界で異能を持たない俺は、できうる手段全て使って妖を狩る〜 作:ミタケ
──対異能軍事能力育成高等学校
この世界で暴れる妖や能力者に対して対処し国を防衛する人材を育てるため、政府が建てた学園。
この学園にはA~Dのランクがあり、生徒たちの実力を可視化されている。
その学園で俺は最底辺……ランクDに分類されていた。
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「無能力者だぼろぼろになってるぜ」
「最弱のくせに、なんであいつは学園をやめねぇんだ?」
昨夜の戦闘で負った傷に包帯を巻いた俺は、学園の中で好奇や侮蔑の視線を浴びていた。
「あ……! 。そこの君!」
声をかけれて、振り返る。……そこにいたのは青目青髪、そして顔の整っている少女がいた。
「ん……だれだ?」
誰だろうか? 少し考えこんでも、知り合いの中にこんな目立つ特徴の人物はいない。
「えー!! もしかして忘れちゃった? 昨日助けてくれたでしょ」
「鬼に襲われてた娘か?」
昨日……そして助ける。そこまで来て思い出した。確かあの鬼と戦う時一人の少女を助けたんだった。あそこは暗くて顔までは見えなかったが、目の前にいる少女が昨日助けた人物だったのだろう。
「そうそう。昨日はありがとうね!!」
「別に大じょう」
そこまで来て周りの視線が痛いことに気づく。
「ちょっと視線が多いから場所を変えて話さないか?」
「あー……なるほどね。わかったよ……じゃあ、こっちで話そうか」
周りの視線に気づいた少女は俺の手を引っ張り移動していく。
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「昨日の件は、別に大丈夫だから。代わりに内緒にしてくれないか……?」
校舎裏に植えてある桜の近く。そこについた俺たちはなしを再開する。
「なんで昨日の事を内緒にするかはわからないけど、とりあえずはわかったよ!」
「助かる」
「ところでなんだけど……一つ聞きたいことあるんだけどいいかな?」
「……なんだ?」
「それじゃあ……聞くね。なんで君はランクDなんかに収まってるのかな?」
予想はしていたが聞かれるとは……どう答えたものか……と考え込む。
「じゃあ問題を変えようか……なんで昨日君が倒したはずの鬼を、正体不明の誰かが倒したことになってるの? ねぇ……彼方君」
名前を呼ばれ、冷や汗がでる。……名前の件はまだいい、俺は学園の中で最弱の無能力者と有名だから。それに関しては問題はない。だが鬼を倒した功績に関してまでばれているとは……! 。いずればれるとは思ったが、昨日の今日だぞ……! いくら何でも早すぎる。それに情報もうまい事操作したはずだ……
「さて……調べたところ君は無能力者……この学園最弱ってことになっているらしいね。じゃあ、なんであの鬼を倒せたのかな? ……なぜそれだけの力があるのにそれを隠すのかな?」
考えているうちにさらなる質問が追加される。
「大抵……実力を隠すのはなんか目的があるって相場は決まっているものらしいね。漫画でもラノベでもさ……」
マズイ、まだ俺が表に出るのは早い……このままじゃ俺の目的が──
「沈黙は肯定とみなすよ」
「……俺になんか目的があるってのは漫画の見過ぎだ。俺もその件は今初めて知ったところだ……あの後、俺は疲れて家に帰って寝てたんだ」
「それと、無能力者ってのは色々と差別されがちだ。だから俺のランクはDってことなんじゃないか?」
俺の言葉を聞いて疑わし気にこちらを見つめる少女。
「ふーん……じゃあ、そういうことにしてあげるね!」
「そういうことも何も、俺に目的なんてない」
「まっ、いいか。じゃあ、私はそろそろ教室に戻らなきゃだから。あ……! それと私の名前は世那……神室 世那っていうんだ!ランクはB……おぼえといてね!」
そうして世那と名乗る少女は駆け足気味にこの場から立ち去っていく。
「ふぅ……」
少し話しただけでここまで疲れるとは。嵐のような少女だったな……と俺は思うのだった。
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表向きにはこの学園は妖からこの国の住人を守る人を育てる……というものになっているのだが実際のところ、暴れる異能者や妖に対する政府直轄の治安維持組織のようなものになっている。
だからかこの学園は暴れている異能者や妖などへの対処が任務という形で、この学園の生徒に対処をさせることがとても多い。
基本的に任務にも学園のランクと同じでAからDのランクというものがある。もちろんランクが高い任務を成功させたらそれ相応の報酬が出るし、学園ランクが上がる可能性もある。そのことから例え命の危険があっても任務に出る生徒が多い。
そして今、俺はDランク依頼、火炎系能力者の鎮圧を受けていた……。
結果から言うと、実にあっけなく対象は無事に鎮圧することができた。対象の能力者は火炎系の能力といえど対象は、バーナー程度の出力しか出せなく、動きも遅かった。おそらく異能の段階も発現で止まっていたのだろう。
ここで突然だが異能というものにもいくつか段階が分かれている。
第一段階……発現。その名の通り異能が発現し、自分の意志で使えるといった状態。基本的に5歳の時に異能が発現する
第二段階……進化。異能が十分に扱える状態になると異能を成長させるための下準備として体が、成長した異能に耐えられるように強化される。
第三段階……開花。体が十分に強化されるとついに異能の成長が始まる……この段階になると異能の出力が上がり、拡張性も広がる。ほぼすべての異能者の到達点がこの開花である。
第四段階────
閑話休題
「本日もご協力感謝いたします」
「あなた方もこいつの事をよろしくお願いします」
異能者の身柄を政府の人間に渡して、俺は一人帰路をたどる……。
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日が完全に沈み月が空に浮かぶ頃。
こつこつ、と淡い月明かりの下……俺は一人歩いていく。
月明りで照らされた体は紅く……濡れている。
歩いて
歩いて歩いて歩いて
立ち止まる。目を見開き正面……そこにいる何かを見た。
そこにいたのは──
「あら、ごきげんよう……」
月を背景に俺を見据える少女がそこにいたのだった……。
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