〖代償讐結〗〜妖や妖怪がいる世界で異能を持たない俺は、できうる手段全て使って妖を狩る〜 作:ミタケ
妖怪……それは、妖と似て非なる存在。
妖を何か……欠けて生まれてしまったなり損ないというなら。妖怪は何も欠けることなく生まれた完璧な成功作。
妖怪とは妖や人間を超越した超常存在。
「あら……ごきげんよう」
そう思わせる何か──妖怪が目の前にいた。見た目はとても若く中学生ほどの見た目……月の光を反射して輝くプラチナブロンドの髪。呼吸が乱れる。体に力が入らなくなる。警戒という意思がそぎ落とされ、目の前の存在に跪きたくなる衝動が湧いて出そうになる。それらすべてを押さえつけ、目の前の存在を見る。
「奇麗な満月に、素敵な恰好をしたお客さん……今日はとてもいい日ね」
「はぁ……! はぁ……! 。お前はいったい何者だ!?」
おかしい……! この場にいるだけでここまでのプレッシャー。妖怪というだけではここまでの化け物ではない。こいつはいったい何者だ!? 混乱の中何もまとまらない思考を回し続ける。
「何者といわれましても……私の事をわかってもらうためには。そうだ……ダンスを踊りましょ」
目の前の存在が微笑みながら言う。
そして
「ぐ……!?」
気づいたら吹き飛ばされていた……! 。空中を吹っ飛びながら体制を整えようとして……
「あら……淑女ばかりにエスコートをさせるなんて……つれないわね」
いつの間にか隣にいた少女に空中の中、手をつかまれて……! 。次の瞬間地面に叩きつけられていた。
「ぐぶっ……!」
のどにたまっていた血が吐き出される。地面に手をつきながら起きて……背中の剣を手に持つ。そうして、正面を見据える。今対峙しているのは今の俺では勝てないであろう存在。だが……ただで死ぬわけにはいけない。俺にはやらなきゃいけないことがまだある……!
「ようやく、その気になってくれたわね……」
少女がそうつぶやくとその姿が消える。
考えろ。相手は能力を使っているのか? ……おそらくNoだ。透明化の能力? 違う。地面に足跡がくっきり浮かび上がっていることを見るに……単純な身体能力、または身体強化の類。そのどちらも結果は同じだ……! なら能力を使ってないと仮定して警戒を続けろ。
超スピードによる移動にたいして、どうやって攻撃をあてる……! 。おそらく相手はこちらをなめている……考え込んでいる今尚攻撃が飛んでこないのがその証拠。先程の発言の数々……俺がどういう手を取るのか楽しんでいるのだろう。なら……! そこに隙はあるはずだ。
考えろ。どうする……どうすればこの危機を乗り越えられる……!
どこかに勝機があるはず……。勝機? そうか……!
なぜ俺は勝利にこだわっていた? 別にこいつには勝たなくていい。
今……生き残れば、俺の勝ちだ。
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私は、目の前の男がどんな手段を使って私を倒そうとするのか……わくわくしていた。最初はその弱さにがっかりしていたのだけど……それはあの目を見て変わった。普通はあれ程の実力差を見れば大抵は、戦意喪失するのだけれど彼は……違った。彼はその目をぎらつかせ私を見つめてきた。
それは、死んでたまるかと……必ず生きてやる。できなくても……ただでは死んでたまるかとそういっているようで……ああ! 実に楽しみだ。彼はどんな手を使ってこの状況を打破する!?
そんなことを考えながら彼の周りを走り回っていたのだが彼は何かを取り出して……地面に投げつけた。その瞬間私は目を光に焼かれた。
しまった……閃光弾!
数秒から十秒程度で視界は復活した。彼はどこにいる……? 周りを見渡しても姿は見えない。逃げた? それならそれでいい、空を飛んで追いかければいいだけ。ちょっとがっかりしながら私は背中から翼を出そうとして──
──次の瞬間……私は轟音の中私に目掛けて崩れ落ちるビルに笑った。
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閃光団を地面に投げた俺は目と耳をふさいで半壊しているビルに向かって走り出す。そしてビルの支柱に爆弾を放り投げる。だが……これだけでは足りない。
もっとだ……何か手はないか? 。
しょうがない……虎の子だが、持っていけ。その手に持っていたのは先日鬼を倒したときに手にいれた妖魂石。この石は妖を倒したときごくわずかな確率で手に入る物。その能力は、倒した妖の力の一時的な行使権……それを握りつぶした俺は鬼の怪力でビルの支柱、そのいくつかを殴り砕く……! 。
次の瞬間……俺はビルから飛び出して、爆弾を起爆する……!
次の瞬間轟音がなりビルが崩れていく。その方向は先程妖怪と戦った場所……その場所では妖怪が何かをしている。だがそれのせいで気づくのが遅れたようで妖怪はビルの下敷きになっていた。
「はぁ……。はぁ……」
その光景を見た俺は荒い息を吐きながら、その場を立ち去るのだった。
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倒壊したビルの残骸の中……空を見上げる。目線の先には満月に雲がかかろうとしていた。
「何かをするだろうとは思ったけど。ここまで派手なことをするとはね……」
瓦礫の中から出てきた少女は適当な瓦礫に腰を掛ける……そして、いつの間にか表れていた集団に目を向けた。そこには……さながら特殊部隊のような装備を着込み、銃を構える、およそ三十人近く軍隊がいた……。
「あら……そんな物騒なものをもって、どうしたのかしら」
「お前を連行しに来た。反政府組織クレヴォ序列第三位……フェイ。ご同行願おうか」
「熱烈なお誘いだけど遠慮するわ。今はこの熱に酔いたい気分なの……」
「では、武力行使で行かせてもらう……」
「やめた方がいいわよ」
「総員! ……。撃て!!」
「せっかく忠告してあげたのに……」
──制止しなさい
部隊の隊長と思わしき男が声を張り上げると。部隊の全員がその手に持っている銃を発射する。だが、次の瞬間……放たれた弾丸は彼女の言葉に従うように彼女の目の前で制止する。
そして
「どうして。こんな化け物が……! なんでこの世にうろついて居るのだ!?」
叫ぶ部隊の隊長……彼の周りには血に染まった部下が倒れて物言わぬ死体になっていた。残るは部隊の隊長……そして、フェイという少女のみ。
「あら……あなた。まだ生きてたのね。じゃあ早く死んで頂戴」
そうフェイが興味なさげに言う……。次の瞬間隊長の体が上半身と下半身が分かれ崩れ落ちる。
「ああああああ!!」
隊長の絶叫が響きわたる夜……少女はステップでも刻みそうになるくらい上機嫌で夜の街を歩く。
「やっぱ、ボスの言う通りだったわね。面白かったわ、頭もいい。機転も回る。能力がないのを他の物で埋めようとしているのかしら? ……そして、何よりあの目! 何がなんでも生き残るという意思! そしてその奥にある炎のような燃え盛る意思! ……今は弱いかもしれないけど将来、もっと鍛え上げられたら」
饒舌に語るフェイ。その表情は恍惚としていて……。
「ふふっ。ふふふふふふふふふふふ!!」
狂気に包まれたように笑う。
見た目はかわいらしい物の、その表情や笑い声は常人が近づいた物なら……その異様な状況に逃げ出してしまいそうなその姿。
月が照らす夜。
一人の少女の狂気に濡れた笑い声があたりに響くのだった……。
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フェイを強くしすぎた……ちょっと後悔
妖怪全体はフェイ程強くないです。
妖怪全体は人間より身体能力や能力が幾分強くて外見もちょっと違うくらい……1部長寿なだけ。