〖代償讐結〗〜妖や妖怪がいる世界で異能を持たない俺は、できうる手段全て使って妖を狩る〜 作:ミタケ
「うわぁー。今日もボロボロだけどそれがデフォなの?」
「最近が異常なだけだ」
昨夜の戦闘でまた、傷を負った俺のことを見て若干引きながらそういう世那。
「てか……なんでお前がここにいるんだよ」
「そんなことは気にしない気にしない!」
俺たちここの学園の生徒はランクによってクラスを分けられる。俺のランクはD……当然クラスもDというわけで、落ちこぼれの集まりと言われるクラス。そんな中……ランクが高いこいつがDクラスに来て最底辺の俺に話しかける姿は、少々いや……かなり珍しく映るようで俺たちは注目の的となっていた。
「そういえばそろそろ試験があるみたいだけどどうするつもり?」
「試験?」
「え! マジ? 知らされてないの?」
「……ああ。今初めて聞いたな」
試験という言葉を出した世那。それを初めて聞いた俺は怪訝な表情をしながら話を聞く
「試験っていうのはね。毎年内容が違ったりするらしいけど、学園の生徒たちを集めて戦わせたり、妖と戦わせたりして生徒達の実力を測ったりするらしいよ」
実力を測る……か、どう行動するべきだろうか。
「で……彼方君はどう動くつもりなのかな?」
「どうするも何も……俺はランクを上げる為にも全力で挑むつもりだが?」
「ほんとかねー」
にやにやしながら俺を見る世那。
「だから、俺は何も企んでいないだが」
「ハイハイ。そーだねーそーだねー」
棒読みでそんなことを言う世那。そのことにため息をつきながら、俺は席を立つ。
「あれ? どこにいくの?」
「任務を受けてくる」
そんなことを言いながら俺は外に向けて歩くのだった……。
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「これも持ってて!」
任務が終わった直後待ち合わせたかのように現れた神室世那。その次の瞬間俺は世那に連れ出されたのだが……。
連れ出されたその先で……俺は荷物を持たされ、連れまわされていた。
「なんで俺は荷物持ちをやらされてるんだ?」
「どうせやることないんだからいいじゃん」
「もしあったらどうするつもりだ」
「結局なかったからいいじゃん」
「結果論かよ……」
そんな軽口交えながらショッピングモールの中を進む。そんな中……突然世那が口を開く。
「……で、彼方はこれからのことどう思う?」
「これからってなんの?」
終始おちゃらけたり、ニコニコしていた世那が真剣な顔でそんなことを言う。
「何って……学園の事だよ。なんかあの学園きな臭くないかな?」
きな臭い……確かにこの学園には怪しい事がたくさんある。ランク制度など普通の学校では、ありえないだろう……。
そして……この学園は何故か暴れている妖や能力者などを生徒に対処させる。
どうしてだ? そういうのは既にこの学園を卒業した大人……そして、訓練された政府側の組織が対応すべきだろう。
そういう組織もあるにはあるのだが……だとしたら何故この学園の生徒も対処している?
生徒を育てるためだとしても過剰だ。現に今も、目の前にいるこいつは俺が助けなかったら重症……もしくは死んでいただろう。
だとしたらあの学園はなんだ? いくら国のトップが作ったからと言っても、どうにも裏あるように思える。
そんなことを考えて、俺は口を開く。
「ああ……確かにあの学園は怪しいところばっか目立つな。でも……それに気づいたところで俺達は生徒だ。特にできることもない」
「それもそうなんだけどさぁ……。じゃあ! 、試験の事は?」
試験の方もわからない事だらけだ。生徒たちを競わせて何が目的だ……?
そもそも学園は生徒たちに何をやらせたい? 表向きには国を守るための人材を育てる……だが、何故生徒が死ぬ恐れのある任務を受けさせようとする……?
確かに生徒は育つだろう。人ってものは危機を乗り越えるほど強く育つ……それが死にかける程なら余計にだろう。
だが、それでは逆に人材が死んだり、トラウマになって折れてしまうのではないだろうか……。そうなれば本末転倒だ。あの学園は多くの人材を作るというよりかは。最強の個を作ろうとしているように思える……。
だとしたら学園は何を考えている……? 。学園──いや、政府は強い一個体を作ってどうしたい。最強の個を作った、その先にあるのは……。
考えれば考える程、学園……政府に裏があるように思える。
「 ぇ。ねえってば!」
考えているうちに世那のことが頭から離れていったようで、声を掛けられて再認識する。
「悪い……試験のことに関しても、実際に試験の内容がわかるまではわからないな」
「そうだよね~。うー……。考えれば考える程頭痛くなってきたー!」
うがー! とうなる世那。彼女は頭から湯気が出そうなほど考え込み、次の瞬間……突然吹っ切れたようにその一言を言った。
「もういいや! あっちにあるカフェに行こ!」
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鼻孔を燻るコーヒーの匂い。木目調のレトロな雰囲気のカフェ。そこに俺たちは来ていた。
「はぁ。なんで俺はここにいるんだ」
思わずため息を吐きながら、俺は目の前で甘ったるそうなパフェをニコニコしながら食べている少女を見る。
「いいじゃんいいじゃん。任務ばっかやってると頭が固くなるよ~」
パフェを食べ進めながらそういう世那。
「何なら一口食べる?」
「いい。俺も一つ頼まされたからな……。はぁ」
再びため息が出る。
試験をどうやって攻略するか、どういう方針で動くべきだろうか……。そんなことを考えながら目の前のガトーショコラを一口食べる。
「甘……」
初めて食べたガトーショコラの味はとても甘かった……だけどその甘さは思ったより悪くなくて。
寧ろその甘さはひと時だけでもあのことを忘れることができる。
今この瞬間だけは、この甘さに集中したいな……と俺は思うのだった。
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