100話投稿しても一章が終わっていないとは、投稿を始めた時には想像してませんでした。
一章も終盤になってますので、10月末までには二章に入りたいです。
ラファ達との話を終えて、ボーデに向かった。
冒険者ギルドを出てボーデの城まで歩くのだが、この地はやはりまだ寒い。
災害救助支援の時に来て以来だが、さほど時間が経ってないのに風景が新鮮に映る。
前は大勢で来て、あたふたと裏門に向かったからだろうか。
今回は表門に向かい、騎士団の者にワッペンを見せて用件を伝えた。
用件と言っても、相談事があるというだけで具体的な内容は伝えられない。
初回でもあり、さすがに『閣下は執務室に居ますので、どうぞ・・・・・・』とはならなかった。
だが、待合室で待つこと5分くらいで、騎士団員に連れられて案内されることに。
直ぐに会ってくれるのは原作通りなのか。
城の通路を歩いて、先日も通された公爵の執務室の前に。
やっぱり、直通ルートな訳か。
騎士団員がドアをノックして来訪者の案内を告げると、執務室の中に通された。
廊下の外で待てでもないし、ボディチェックとかもなし。
身代わりのミサンガがあるから?結構、危険な考え方だと思うけど。
「これは、これは冒険者殿、こちらへどうぞ」
執務室に居たゴスラーにソファに座るように促された。
やっぱり名前は覚えられていない。
公爵は机の書類に向かって何やら難しい顔をしている。
「本日は、ペルマスクの件でしょうか?」
「いえ。少し込み入った相談事になります。まずは、こちらを・・・・・・」
先日、はじまりの村の傍の小屋で入手した3通の手紙を差し出した。
「これは?」
「言葉で説明する事が難しい内容のものです。
失礼ですが、まずは中身を見て頂いた方がよろしいかと」
ゴスラーは怪訝そうな顔をしながらも、手紙を開けて内容を確認し始めた。
「これは・・・・・・私には読めない内容ですね」
それはバーナ語で書かれた手紙だな。ハズレをいきなり引いたか。
「それはバーナ語で記載されたものです。
私の配下にはバーナ語の読み書きが出来る者がいますので、
ブラヒム語に翻訳した内容が、添えられております」
「なるほど・・・・・・むっ、これは」
重ねられた文面の下の方にあった翻訳メモを見たのだろう。ゴスラーの顔が険しくなった。
「手紙はブラヒム語、バーナ語、そして恐らくエルフの言葉で記載されたものの3通です。
配下の者が『内容は分からないが、恐らくエルフの言葉であろう』と言っておりました。
エルフの言葉で書かれたであろう手紙は、こちらでは内容が把握できておりません」
「冒険者殿は、この手紙をどちらで入手されたのでしょうか?」
「ベイルの街の近くの村を訪れた際に、盗賊らしき者に襲われました。
盗賊の残党を追って、彼奴らのアジトで一味を壊滅させた際に入手したものです。
その盗賊の一部の者は盗賊とはとても思えないような質の高い装備品を身に着けており、
身代わりのミサンガも装備しておりました」
「ほう、そうですか」
ゴスラーが何かを考えるような表情になった。
「ユキムラ殿は、この手紙をどのようにお考えかな?」
公爵が近づいてきてゴスラーの隣に座った。
こっちは名前を覚えられていたのか。それとも後からチェックされたのか。
災害救助の時にはインテリジェンスカードのチェックはなかったが、名前は名乗ったからな。
名乗りもしないで、他人と長時間作業なんて出来ないし。
「情報が不足しているので確度は低いかもしれませんが、隣国からの謀略ではないかと」
「ふむ。その根拠は?」
昨晩、考えた想定問答を頭の中で再確認。
「良質な装備をしていた事から、貴族もしくはその配下の者であると予想しました。
戦った者は顔を隠す訳でもなく、堂々とその地を歩き、こちらを攻撃してきました。
顔を見られても素性を特定できない、つまり、この国の者ではないと想像しました」
「それだけで断定するのは難しいのではないかな」
そりゃそうだ。こっちは答えを知っていて、こじつけで話をしているだけだからな。
「他にも、3通の手紙の内容を手がかりに考えました。
エルフの言葉の手紙は内容が分かりませんが、
バーナ語の手紙は獣人系領地への謀略を感じさせる内容でした。
ブラヒム語の手紙は人族の多い領地への盗賊集団による襲撃計画が窺えます。
人種の異なる複数の領地への謀略は帝国内の貴族の陰謀というよりは、
他国からの謀略と考えた方が自然な気がしました。
ここに記載された内容が絵空事の虚言でないのなら、かなり大がかりな仕掛けで、
複数の指示系統が見えるため、国レベルの介入ではないかと考えた次第です。
もちろん、それすらも帝国内の貴族の陰謀を隠蔽するためであったり、
ただの陽動作戦で目的は別にある可能性もございます」
「ふむ・・・・・・」
公爵も少し考え込むような感じになった。
エルフの言葉で書かれた内容は既に把握している。
公爵領のとある地域への盗賊集団を使った謀略とそれに連携する形で隣国からの攻撃指示だ。
内容が事実なら、公爵としても看過できないはずものだ。
「もちろん、ただの憶測なので事実とは異なるかもしれません。
あとはこれを・・・・・・討伐した者達から回収したインテリジェンスカードです」
「これを確認すれば何か分かるかもしれません」
ゴスラーは乗り気になったようだ。
「もう一つはこれを・・・・・・やはり、アジトで押収したものです。
その柄の部分に家紋のようなものがあります。
これが帝国内の貴族の家紋であれば、私の予測は外れたことになり、
帝国内の貴族の陰謀であることが裏付けられるのかもしれません」
「見たことのない模様ですな」
手渡したのは、若干装飾の凝ったナイフのようなもの。あの小屋で回収したものだ。
ゴスラーはナイフの柄の家紋を見て首を傾げている。
見たことがないに決まっている。
ラファに事前に確認したが、それはラルゴとギエロの主家にあたる貴族の家紋なのだから。
二人のどちらなのか分からないが、こんな分かり易いものを何故現地に持ってきたのか。
迂闊すぎるだろう。気が緩んでいたのだろうか。
あとは公爵側がどう対応するかだな。
こちらとしては既に答えが分かってる事実に対して、憶測を並べ立て、最後に物証を二点出したのだから、公爵側でも裏取りが出来るのではないだろうか。
「冒険者殿・・・・・・ユキムラ殿は何故これらをここに持ってこられたのかな?」
「私の手に余るものだったからです。
貴族の伝手が他になかったため、
こちらにお持ちするしかなかったというのが正直なところです」
ここしか持ってくる先は無かったよな。
ベイルの騎士団の詰所に持っていってもねぇ。
「ゴスラー、もはや問答は不要であろう。あとはこちらで確認すべきことだ」
「確かに」
後はお任せいたします。
公爵は手紙の話が一区切りついたと思ったのか、再び机に戻って書類仕事に精を出している。
「さて、ユキムラ殿には本件についての褒美が必要となるが、何か希望はあるかな?」
公爵の言葉に『空きスロットが5つあるオリハルコンの剣を下さい』と言いたいが無理か。
手紙の件がでっち上げでなく、信憑性があると考えたから褒美の話を出してきたのだろうか。
「では、ペルマスクへの委任状を頂ければと考えます。
先日、ペルマスクへ訪れた際に鏡の素体・・・・・・装飾の無い鏡を仕入れようとしたのですが、
貴族の委任状がないとダメだと断られました。
ゴスラー殿とクーラタルの商人ギルドでお会いした際に、
贈り物として重宝するかもと伺ったのでペルマスクの鏡を仕入れたいと考えております」
「装飾のない鏡を仕入れても、贈り物としては使い道がないのでは?」
そこはそれ、原作の道しるべがありますからね。
鏡云々よりも貴族から委任状をもらってペルマスクへ行くって事の方が重要だ。
それに、手紙の褒美としてもらった委任状だから取り上げにくくなったかな。
鏡の交易ルートがなくなっても、別の方法は既に考えてあるけど。
「公爵領の領地には良質の木材が採れる地があると伺いました。
装飾は贈る側の方で施した方が、相手方にも喜ばれるのではないでしょうか?」
「なるほどタルエムか。確かに使い道が広がるであろうな」
公爵領に鏡を広く配布することが目的だから、タルエムを使ってもらえると有難い。
「ユキムラ殿は商売も行なっているのですかな?」
「まあ、小さな商会を細々とやっております」
そのうち、もっと大きくしようと思っているのだけど、今は弱小商会だ。
「では、これを」
公爵がゴスラーに何かを渡しているが、委任状かな?
ゴスラーが近づいてきて、俺に委任状らしきモノを手渡した。
「業者に渡して試しに枠を作らせる必要もあります。十枚ほど欲しいのですが調達できますか」
「可能だと思います」
あとは、いつ行くかだな。
「大きさについては多少バリエーションがあった方が有難いです。
こちらへの売値は、どのくらいで考えているのでしょうか」
「そうですね。金貨1枚くらいでいかがでしょうか」
この辺りは原作踏襲で良いだろう。
まだ、ペルマスクで仕入れ値が確認できた訳ではないから。
問題なければ、売値は下げても良いと思っている。
鏡でボロ儲けしよう等とは思っていないから、どうでも良いと言えばどうでも良いのだが。
「それでは安すぎるのでは?大丈夫ですか」
「問題ないと思われます」
どうせ一過性の利益でしかないからね。
「ペルマスクに直接行かれるのでしたら、ボーデで琥珀を買われるのが良いかと思います」
「琥珀ですか?」
これも原作通りか。
「はい。領内の特産品です。宝石ですから小さくても高価な品です。
ペルマスクでの相場は知りませんが、それなりの値段にはなるでしょう」
「なるほど」
あとは仕入値と売値が原作通りなのかというところか。
「ボーデにある業者を紹介いたしましょう。
うちとも取引実績のある業者です。ボーデの冒険者ギルドのすぐ隣にあります」
「では余が紹介状を書こう。
紹介状があれば、変なものを売りつけられるようなことはあるまい」
公爵がさっと書類をしたため、ゴスラーに渡している。
ワッペンと紹介状をゴスラーから受領して、執務室を後にした。
帰りは自由行動なのだろうか。
騎士団員による付き添いがないのだが。
徐々に原作と同じ、ぞんざいな扱いになってきたようだ。
城の中を歩き回って、索敵のクリアなエリアを広げていきたい衝動に駆られるが自重した。
これで、原作のいくつかのイベントを回収出来ただろうか。
まだ、ペルマスクに行くための準備が整っていないので、そちらの準備も進めなければ。
エネドラとカラダンとも話を詰めなければならない。
次はベイルで寄付金を渡さないとな。
適当な木陰からベイルの冒険者ギルドへワープした。
・・・・・・
ギルドを出て、騎士団の詰所に近づくと、ドーガが門番をしている。
他の二人は忙しくても、こいつは暇なのだろうか?
「よう、ちゃんと会えたな」
「ああ、前よりはマシになってきたみたいだしな」
おっ、そうなのか。事態が好転したのかな。
突っ込んで聞きたいところだが、先に用件を伝えないと。
「例の寄付金の件で来たのだけど、面会は可能だろうか?」
「大丈夫だと思うが確認してくるわ。ちょっと待っててくれ」
ドーガは奥に引っ込んでいった。
奴がいなくなると誰も門番が居なくなるのだけど、門番って本当に必要なのだろうか?
ただ、サボるために門番を口実にしてるのじゃないだろうな。
暫くすると、ドーガが戻ってきた。
「会って頂けるとよ。付いてきてくれ」
「了解」
ドーガに連れられて、やはり執務室へ。
今日は午後だけで、貴族の面会二件で、いずれも執務室へ招かれている。
普通は平民風情にこんなに直ぐに気軽に会ってもらえないだろうに。
士爵様は寄付金を受取りたいって理由があるから仕方ないか。
やっぱりハルツ公の異常さが際立つな。爵位も高いのに。
ドーガが執務室をノックして、訪問の案内を告げながらドアを開けた。
返事を待たずに入ろうとするのってどうよ?・・・・・・と思ってしまう。
仕方ないので、ドーガに続いて俺も入室した。
士爵様とカミーユ爺さんは書類と格闘しているようで、顔に浮かんだ疲労の色が濃い。
だが悲壮な感じではなく、幾分か気合が入ってるようにも見える。
ドーガがマシになったと言っていたが、良い方向に向かっているのだろうか。
ドーガに勧められるままにソファに座った。
寄付金を提供する主旨と金額を記した書面と懸賞金の半額の入った重い袋を取り出した。
書面はドーガに渡し、袋はテーブルの上に置いた。
ドーガは書面を持って、二人のいる机に向かった。
まず、カミーユ爺さんが受け取って確認。
頷いた後、そのまま士爵様に手渡した。
一言二言何かをドーガに伝え、そのまま書類仕事を再開したようだ。
ドーガは俺のいるソファに戻ってきた。
「書面は特に問題ないので、金額の確認をしてほしいとさ」
今回は俺が手伝う訳にはいかないので、ドーガ一人に任せた。
ドーガが孤軍奮闘して、43万7000ナールあることを確認した。
「43万7000ナール、確かに確認した」
ドーガは寄付金の入った袋を持って二人の所に行き、カミーユ爺さんに渡した。
「これで終了だそうだ。ご苦労さん」
小声で話しかけるドーガに頷き、俺は一礼して執務室を後にした。
あまりにも忙し過ぎるのか、二人と会話することは全くなかった。
門に向かいながら、聞きたかった件をドーガに切り出した。
「それで、士爵家の方は大丈夫になったのか?」
「うーん、まあそうだな。
ギリギリだがなんとかなりそうかもしれないって、爺さんが言っていたな」
それは大丈夫って言えるのか?
「盗賊を多く捕縛したし、接収した金額もそれなりだったから士爵様の功績が認められて
人員補充の予算が付いたんだ。
補充は一人だけなのだけど、士爵様の妹君がこちらに来ることになったのと、
さっきの寄付金で1名くらいは追加できるから、
合わせて6名になってギリギリ最低人数を確保出来たって感じかな」
「そうなのか。そりゃ良かったな」
迷宮探索の最大人数で出てしまうと留守番も居ないのだけど、大丈夫なのだろうか?
「でも、40万ナールあっても一人しか追加できないのか?」
「ああ、士爵様は亡くなった者への補償を手厚くしたいらしくて
懸賞金の結構な金額がそれにあてられるらしい」
それって結構、スゴイことだな。自分の家が傾きかけているのに。
「住まいの方は大丈夫なのか?」
「住まいだけでなく、新人の装備品もあまり金はかけられないらしい」
そうか、そういう意味でギリギリなのか。
「新しく増える人員の住まいって、個人持ち?それとも騎士団持ちなのか?」
「元々は個人持ちだったのだけど、この前亡くなった奴の親が融通してくれてたから
支払わずに済んでいた感じだな」
そうすると士爵様であっても細々と賃貸住まいになったりするのか、なかなか世知辛いな。
「なあ、騎士団員だって迷宮に入ったりするよな?
迷宮のドロップ品って、迷宮探索者だとパーティメンバ内で分配するのが普通だけど、
騎士団の場合ってどうなるのだ?」
「ああ、そこは一緒かな。
うちは士爵様やカミーユ爺さんが厳格だから、きっちりと人数割りだな。
換金するかどうかは個々人に委ねられるけど」
月々の棒給がいくらなのか知らないけど、月給+迷宮手当(ドロップ品)って感じなのかな。
「なあ・・・・・・」
「ん?なんだ?」
「お前、何か企んでいるだろう?」
「・・・・・・」
まあ、これだけ根掘り葉掘り質問するのっておかしいよな。
「まあ、いろいろと考えるのが商家の当主の仕事だからな」
「へぇ~、そうかい」
笑いながらもドーガは俺を真っすぐと見ている。
「ドーガはさぁ、何故、傾きかけた士爵家に仕えているんだ?
もっと良い働き口があるだろう?別に貴族の一員って訳でもないのだろう?」
「あー、腐れ縁ってやつか。
俺の親父が士爵様の祖父に世話になったからかな。もう親父も死んじまったけど」
こいつにはこいつの仕える理由があるのかね。
しばらくは二人とも、黙ったまま門の外を行き交う人を眺めている。
だいたい知りたかった事は訊けたかな。
「じゃあ、またな」
「おう、今度来るときは盗賊のインテリジェンスカードでも持ってくるんだな」
そうだな。まだ、残党が迷宮で暴れてるかもしれないし。
ドーガと別れて、ベイルの世話人の店に向かった。
・・・・・・
店のドアをノックすると、おばちゃんが出てきた。
「あら、まだあの大きい桶は出来てないわよ」
「いや、そっちの話じゃないんだ。ちょっと親方に仕事を頼めないかなと思って」
ここに来た目的の一つを切り出した。
「あと、頼まれた家探しだけど、3件ほど候補があるわ。
あなたの購入した家は立地が良いから、その家に近い順で家賃が高くなるわね。
今から見に行きますか?」
「いや、さすがに今日は時間がない」
ヴィルマに訓練で付き合うって約束していたけど、そろそろ時間がヤバい。
「じゃあ、これが住所と一年分の家賃のメモね。見たくなったら、また来てね。
ちょっと旦那を呼んでくるから待ってて」
親方が来るのを待ちながら、おばちゃんからもらったメモを確認。
一番近いので、年間6万ナールか。
それでも、ボイルの経営している旅亭に泊るよりは安いのだよな。
暫くしたら、親方が出てきたので裏の工房に連れていかれた。
「こういうのを木製で作ってほしいのだけど、出来るかな?」
「なんだこりゃ?へんてこな家具だな?」
いやいや、これは家具じゃないんだよ。鏡を輸送する背負子だよ。
「ここの木の板の隙間が重要なんだ。こんな感じで・・・・・・」
「はあ、まあ単純ちゃ、単純だな」
まあ、特別な仕掛けがある訳じゃないからな。
「で、これを担げるようにしてほしい訳だ」
「お前が担ぐのか?結構、重そうだぞ。変な事をするんだな?」
まあ、恰好の良いものではないが見た目の悪さには目を瞑ろう。
「で、どのぐらいの時間と金があれば出来る?」
「まあ、これくらいなら、若手に作らせれば明日中には出来るから、
明後日に取りにくれば大丈夫だろう。
金は500ナールぐらいかな。この前、大口の注文もらったし、サービスしてやるよ」
お、意外に早く安くできるんだな。
「じゃあ、これ前払いで500ナールな」
「おう、こんなのじゃなくて、今度はもっと大きなモノを注文してくれよ」
そうだな。大きなモノか・・・・・・。
「この店では、家の増改築とかって引き受けてくれるのか?」
「増改築?うちは大工じゃないからな。
庭の柵を作ったり、内装の改修くらいならやるけどな。
今の家を増築するのか?」
増築するのとは、ちょっと違うのかな。
「いや、大がかりなものではないのだけど、ちょっと今の家を改造しようかなって」
「ふーん、家を改修するのなら、良い大工を紹介するぞ。
まあ、今のお前の所の家を建てたり、
その後、あの玄関のドアを広げたりしたのをやってくれた大工だな。
決まったら、相談に来てくれ」
今の家を扱っていた大工に頼むのが一番安全か。
「そうか、決まったら相談するわ」
「おお、あのデカい桶もガンガン作っているんで、出来たら運ぶから声をかけてくれ。
出来上がったのを置いておくと邪魔で仕方ないからな」
確かに、あのデカいのは保管しておくだけでも邪魔だろうな。
「分かった。あれはあれで直ぐに使いたいから、
もし早く出来上がって邪魔なら連絡もらえれば取りにくるから」
「おう、頼むぜ」
親方に肩をバンバン叩かれながら、工房を後にした。
さて、急がないとな。
近場の木陰から、急いで自宅の玄関にワープした。
お読みいただき、ありがとうございます。
一日の内容を執筆するのに4話かかっても終わらないとは。
次の話も同じ日の描写となります。
拠点構築スキルで照明有、冷暖房設備有、給水・給湯設備有にして、かつ家事奴隷も居るので、主人公の一日が現代人並みに長くなる傾向があります。
ワープも使えて通勤時間もゼロになってるのも大きいのかも。
一番の理由は私がイロイロ詰め込み過ぎるというのもあるのでしょうけど。
拠点構築のスキルを考えたのは、戦乱での戦いに即したスキルを付与するという意味もあるのですけど、かなり生き急いでもらわない困るという執筆者側の都合もあります。
でないと力をつける前に戦乱に巻き込まれてしまう(もしくは年老いてしまう)ので、生活のルーティンを省いて効率的に時間を使ってもらいたいという狙いだったのですが、こんなことになるとは(苦笑