異世界迷宮と戦乱と   作:HMI

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069.部隊編成スキル

 外で繰り広げられる剣戟の音。朝の訓練で目が覚める普段通りの日常だ。

 いつもとの違いは、その剣戟の音を鳴らす主役の一人が俺の横で寝息をたてていること。

 

 昨晩が激し過ぎたのか、なかなか起きないヴィルマの寝顔が拝めて幸せだ。

 朝から元気をもらえている気がする。

 イロイロと元気になり過ぎで困るぐらいだ。

 

 昨晩の続きという欲望と、エネドラに言われている自重の言葉がせめぎ合いをしている。

 彼女の目が開き、俺の視線に気づいてしまった。

 毛布を被ってしまい、幸福の時間が終了を告げた。

 手を伸ばして自分の服を探している。

 

 彼女の手を掴んで服から遠ざけたい衝動に駆られる。

 モタモタしている間に服を探り当ててしまった。

 

 仕方がない。今朝は自重が勝利したということで、次回に期待しよう。

 

 

・・・・・・

 

 

 賑やかな朝食が終わって、修練場に迷宮に挑む面々が集合している。

 レドリックが説明したのだろうが、迷宮に挑むのは今日告げられたので心の準備が出来てない者もいるだろう。

 そんな事お構いなしに、ウッキウッキの者も一部いるようだが。

 

 食事の後に食堂で装備品の配布を行なった。

 

 新規参加の者には装備品を全て新しく配布することになる。

 ケリー、マリー、ラファ、ヘルミーネの四人だ。

 

 ヘルミーネを除き、武器は鉄製、鋼鉄製を供与した。

 ヘルミーネはアミルの使っているスキル融合武器を貸与している。

 今日はアミルは迷宮探索に参加しないから、スキル融合武器の有効利用だ。

 アミルは俺のパーティから外してパーティ効果がなくなるので、装備品の生成やスキル融合の際のMP切れの注意を伝えておいた。

 

 アミルの槍は詠唱中断とHP吸収が付与されているダマスカス鋼製の優れものだ。

 モンスターのスキル攻撃を遮断するのに役立つだろう。

 

 防具は硬革系の鎧と靴、大量生産したダマスカス鋼の額金と竜革のグローブを標準配備だ。

 鎧と靴はほとんどが迷宮で拾ったモノの有効利用だ。

 

 全員、身代わりのミサンガも渡した。

 これで余っていた身代わりのミサンガはなくなってしまった。

 エネドラ達やカラダンも含めて、我が家の全員に配布したので仕方がない。

 またカードを入手したら、モンスターカード融合して増やせばよい。

 

ケリー(狼人族 ♀ 15才)

獣戦士Lv1

装備 シミター 硬革のジャケット 硬革の靴 ダマスカス鋼の額金 竜革のグローブ

    身代わりのミサンガ

 

マリー(狼人族 ♀ 15才)

獣戦士Lv1

装備 シミター 硬革のジャケット 硬革の靴 ダマスカス鋼の額金 竜革のグローブ

    身代わりのミサンガ

 

ヘルミーネ(狼人族 ♀ 26才 奴隷)

探索者Lv14

装備 強権のダマスカス鋼槍 硬革のジャケット 硬革の靴 ダマスカス鋼の額金

    竜革のグローブ 身代わりのミサンガ

 

ラファ(狼人族 ♀ 14才 奴隷)

巫女Lv4

装備 鋼鉄の槍 硬革のジャケット 硬革の靴 ダマスカス鋼の額金 竜革のグローブ

    身代わりのミサンガ

 

 元々、配布されていたレドリック、レイモンド、モニカの三名も一部の防具を更新した。

 鎧とグローブが竜革製になり、頭装備がダマスカス鋼の額金になった。

 武器は今までと変わっていないが、防御力は一段階上がったことになるだろう。

 

 7階層程度では過剰スペックだが、もっと上の階層も目指すので将来も見据えた装備だ。

 今後も装備品のアップグレードやスキル融合された装備品への入れ替えも行いたい。

 

レドリック(人間族 男 25才 奴隷)

剣匠Lv1

装備 エストック 鋼鉄の盾 竜革の鎧 硬革の靴 ダマスカス鋼の額金 竜革のグローブ

    身代わりのミサンガ

 

レイモンド(人間族 男 19才 奴隷)

探索者Lv32

装備 鋼鉄の槍 竜革の鎧 硬革の靴 ダマスカス鋼の額金 竜革のグローブ

    身代わりのミサンガ

 

モニカ(人間族 女 20才 奴隷)

剣士Lv29

装備 レイピア 鋼鉄の盾 竜革のジャケット 硬革の靴 ダマスカス鋼の額金 竜革のグローブ

    身代わりのミサンガ

 

 新規参入組は高品質の装備品を身に着けて、少し興奮気味だ。

 ケリーとマリーは新しい武器をブンブンと振り回している。

 

 ヘルミーネでさえ、貸与されたアミルのダマスカス鋼の槍にうっとりとしているし。

 

「レドリック、こいつらテンションが高過ぎるので、怪我しないように注意してくれよ」

「はい、承知しております。

 実剣は素振りだけにして、対戦時の訓練では木製武器の使用を徹底します」

 ホント、頼むよ。新しい装備品に心躍る気持ちは分かるけどさ。

 

 

 魔物部屋攻略のパワーレベリングに際して、ジョブ構成とボーナスポイントの編成を見直した。

 魔物部屋の殲滅は魔法主体で戦うので、デュランダルとMP回復速度三倍に割り振った。

 経験値系は俺にだけ効果のある必要経験値系の設定は外して、全員に効果のある獲得経験値二十倍のみにした。

 

ボーナスポイント(249(初期値198+51(Lv上昇分))

・キャラクタ再設定(1)

・武器6(デュランダル)(63)

・防具5(アルフレイル)(31)(防御力2倍、魔法ダメージ削減、状態異常無効、レベル補正無視)

・鑑定(1)

・パーティジョブ設定(3)

・パーティ項目解除(1)

・索敵(5)

・拠点構築(5)

・獲得経験値二十倍(63)

・MP回復速度三倍(7)

・セブンスジョブ(63)

・詠唱省略(3)

・パーティライゼイション(1)

・ワープ(1)

余剰ポイント(1)

 

 ジョブ構成は英雄、刺客、冒険者を外して、替わりに禰宜、沙門、聖騎士をセットした。

 この3つのジョブは全く成長させていないので、今回の機会を有効利用する。

 

 百鬼夜行と勇者はそのままで、遊び人と魔道士をセットした。

 遊び人には勇者の知力大上昇と魔道士の雷魔法をセット。

 

 武器はデュランダルとMP吸収も付与された激情のダマスカス鋼剣でMP回復を図る。

 

 パワーレベリングの対象者は俺のパーティに加入するので、ケリー、マリー、ラファには俺のパーティ効果が乗ってしまう。

 訓練の際には注意が必要だ。

 ただ、魔法主体の構成なので、影響は少なめになるはずだ。

 まあ、百鬼夜行と勇者と聖騎士の分は能力が増強されてしまうが致し方ない。

 

 それにパワーレベリングしてレベルがガンガン上がるので、その影響は受けてしまうのだから仕方がない。

 その辺りは割り切るしかないな。

 

ユキムラ タケダ(鬼人族 ♂ 17才 自由民)

百鬼夜行Lv52 勇者Lv51 遊び人Lv52 魔道士Lv52 禰宜Lv1 沙門Lv1 聖騎士Lv1

装備 デュランダル 激情のダマスカス鋼剣 ひもろぎのスタッフ アルフレイル

    ダマスカス鋼の額金 ダマスカス鋼のガントレット 竜革の靴 身代わりのミサンガ

 

 次は『部隊編成』のスキルを試すか。

 『部隊編成』はクーラタルの拠点を手に入れた時に、拠点構築のメニューに追加されたものだが今まで試していなかった。

 別パーティを派遣する機会はなかったし。ちょっとワクワクするな。

 

 まずは、『部隊編成』で1部隊目のリーダを選択する・・・・・・と。

 俺も選べるのか、俺をリーダに選んで・・・・・・も、全く変化がないな。

 俺の部隊に、アミル、ヴィルマ、イレーネを追加・・・・・・と、これも全く変化なし。

 どういう効果があるのだ?

 

 うーん、ユーザーマニュアル、プリーズ。

 拠点構築のスキルって、微妙に不親切なのだよなぁ。

 

 仕方ないので、2部隊目のリーダにレイモンドを追加・・・・・・と。

 おっ、なんか2部隊目に指示が出来そうだ。

 でも、前、後、右、左のどれかの方向に行けって指示だけしか出来ないのか?

 とりあえず『前』を選択。

 

 あっ、レイモンドがビクッとした。

 目が合ったレイモンドが急いでこちらに歩いてきた。

 

「ご主人様、今のはなんですか?急に前に行けって頭に響いたのですけど?」

「ああ、部隊編成って、拠点構築のスキルでレイモンドのパーティに指示が出せるみたいだ」

 行く方向を指示するだけだと、同じ場所に居ると意味ないなぁ。

 

 遠くの場所にいる時に指示を出さないと意味がないか。

 

「ちょっと、レドリックとモニカ、こっちに来てくれないか?」

 二人がこちらに来る間に、レイモンドの部隊に二人を追加・・・・・・と。

 

「どうされましたか?ご主人様」

「ああ、ちょっと試したいことがあるから付き合ってくれ」

 3人の部隊になったので、レイモンドの部隊に移動方向で『前』を選択・・・・・・と。

 

「えっ?」

「はっ?」

 レイモンドは2回目だからビクッとしただけだが、レドリックとモニカが声を上げて驚いたところを見ると、全員に指示が共有されるのだな。

 

 これはモンスターとの戦闘中に指示を出したら危ないかもしれないな。

 急に頭の中に指示が響くと気が散るし、モンスターを前に戦闘しているのに、前に行けとか言われてもねぇ。

 

「ちょっと、今のはなんですか?」

「ああ、部隊編成って、拠点構築のスキルの実験だ。

 このスキルだとレイモンドのパーティに指示が出せて、

 そのメンバ全員に指示内容が伝わるみたいだな」

 事前に説明しないで、いきなり実験してしまった。悪いことしたな。

 

「レイモンドから、こっちに何か指示とか情報とかを出せないのか?」

「それって、どうやってやるのですか?」

 俺に訊かれても、分からない・・・・・・ものをレイモンドに訊いても分かる訳ないか。

 

 索敵なら、同じマップに居れば分かるか?

 

(索敵)

 

 あっ、マップが2つになった。

 俺の居るマップとレイモンドの居るマップか・・・・・・まあ、今だと全く同じマップだけど。

 微妙に位置取りが、俺中心かレイモンド中心かって違いがあるか。

 シミュレーションゲームで部隊に簡単な指示しか出来ない委任型の部隊行動みたいだな。

 

 これだと、俺の指示をレイモンドの部隊が了解した場合にはVの字の陣形をしてもらうとか、了解出来ない場合にはTの字の陣形にするとか決めておけば、マップを俺が見ていれば簡単な意思疎通は出来るか。

 ちょっとマヌケで面倒だけど仕方ないか。

 

 でも、これってやり方によっては、イロイロと応用が出来そうだな。後で考えてみよう。

 

 あとは、部隊の指示以外に何か効果があるかどうか。

 例えば、複数部隊で経験値が共有されるとか、パーティ効果が複数に及ぶとか・・・・・・は流石にないか。

 まあ、いろいろ試してみないと分からないな。

 

 部隊編成した部隊はマップが見えるから、俺がその部隊の場所にワープで行く事が出来るな。

 離れた部隊の居場所が分かるって、意外に便利かもしれない。

 今日の午後に派遣した部隊の迷宮探索を終わらせる際に、俺が迎えに行けて便利かも。

 

 考察はこのぐらいにして、パワーレベリングにかかるか。

 部隊編成の有効利用はレドリックやレイモンドとも話をして考えてみよう。

 

 レドリックを部隊編成で作成したレイモンドの部隊から外してと。

 

 一方で、ラファ、ケリー、マリーの三人に俺のパーティに加入してもらった。

 カラダンとチクルスは既にパーティに加入して、小荷駄隊に移動させてある。

 レドリックとヘルミーネにも加入してもらい、この二人も小荷駄隊に移動・・・・・・と。

 これでパワーレベリングの準備が出来たかな。

 

「ヴィルマ、イレーネ!パーティから外したから、いつもより力が出ないので、注意しろよ!」

「主、分かった。訓練には丁度良いから大丈夫!」

 この前、剣術指南所のオッサンと戦った時もパーティから外してから苦戦したので、訓練には確かに良いかもな。

 

 ヴィルマは食事の時も今も前向きの気持ちになっているように見える。

 昨晩の落ち込んだ状態からは抜け出しつつあるのだろうか。

 この後の訓練には俺が参加出来ないから、レドリックにそれとなく確認してもらっておくか。

 レドリックに近づき、小声でヴィルマの事を頼んだ。

 不審な内緒話をしているように見えなくもないが、装備品や午後からの迷宮にみんな関心が向いているため、気づく者はいなさそうだ。

 

「レドリック、じゃあ、訓練の方は任せたぞ。俺は迷宮に向かうから」

「はい。お任せください」

 部隊編成のスキル確認で時間を食ったけど、パワーレベリングを開始しよう。

 

 庭の木陰から、ベイルの迷宮の22階層の小部屋にワープ。

 

 まずは22階層の盗賊チェック・・・・・・しても不審な赤い集団は発見できず。

 22階層の魔物部屋を索敵でチェックして、モンスターの位置を確認。

 ワープでモンスター分布の薄い壁の傍にゲートを繋いで、サンダーストーム2連発・・・・・・と。

 ゲートからゆったりと戻って、索敵でモンスターの減り具合を見ながら、別の分布の薄い場所に出てサンダーストーム。

 ある程度減ったところで、デュランダルで撫で斬りしながらMP回復。

 サンダーストームも適宜使って、殲滅していく。

 

 モンスターを一掃したら、ドロップアイテム拾いと全滅したパーティが居れば装備品拾い。

 もう、淡々と粛々と単純作業をこなす。

 

 22階層が終わったら21階層に降りて、盗賊チェックと魔物部屋殲滅の繰り返し。

 昼食の時間までに、どの階層まで降りられるか・・・・・・殲滅作業をひたすら続けていく。

 

 16階層の魔物部屋を殲滅したところで、時間切れとなった。

 全滅したパーティが2パーティ程いたようなので装備品を回収。

 途中4人パーティの盗賊集団2つに出くわして討伐した。

 襲い掛かってきた盗賊達はLv20台前半が3人、Lv10台が3人とLv25とLv17の探索者だった。

 

 先日の盗賊討伐作戦の成果なのか、思っていたよりもレベルが低かったような気がする。

 遭遇した2グループだけで判断するのは危険かもしれないが。

 それにしても、2グループも遭遇するという事は、まだまだ残党がいるのかもしれないな。

 迷宮に2グループって事は、迷宮外にもかなり残っているってことだろうか。

 

 300匹には届かないが、多くのモンスターを討伐したのに、モンスターカードのドロップは無し。

 相変わらず、渋いドロップ率だ。

 

 双子の獣戦士はLv19、ラファの巫女はLv21まで上がったので、午後からの迷宮探索は安心材料が増えただろう。

 ただし、彼女達は実際のモンスターとの戦闘経験が少ないから油断は禁物だ。

 

 小荷駄隊に入れていたヘルミーネの探索者はLv21、レドリックの剣匠はLv13まで上がった。

 これで、午後からの探索は問題なくこなせると思いたい。

 

 レベリングの方は順調に進みそうだから、午後にターヘラのアルマーの所に行き、パーティに加えてしまうか。

 アルマーはレベル上昇の恩恵を感じられないかもしれないが、いつまでもLv1のままというのも拙いだろうし。

 

 部隊編成で作成したレイモンドの部隊をベイルの迷宮から確認したが、普通に別ウィンドウのマップで青い点が確認出来た。

 やはり離れていても、マップで確認出来るのは便利かもしれない。

 

 この部隊編成と索敵のマップをうまく使うと、行動の幅が広がるかもしれない。

 

 例えば、パーティでの対人戦で、敵パーティを挟撃で前後から叩くのに、攻めるタイミングの指示出しがこちらに都合が良いタイミングで出来るかもしれない。

 

 他にも迷宮の探索時に同じ階層を別々の方向に散って探索して、最短攻略ルートを探す等だ。

 タケダ家の迷宮組がかなり上の階層まで行ってしまうと、別パーティを同一階層で攻略させるのは難しいか。

 

 あとは、俺が行ったことがないエリアに部隊を派遣して、エリアがクリアになるかどうかも試してみたい。

 もし、クリアになるのなら、複数部隊で行動すれば索敵範囲が広がるということになる。

 だとしたら、かなり強力な武器になるかもしれない。

 

 まだ、部隊編成のスキルは全く使いこなせていないので、レドリック達の意見も確認しながら、いろいろと試してみたい。

 

 レベリングの目的は達成出来たので、自宅にワープで戻った。

 

 既に修練場には誰も居ないようなので、エネドラ達に帰宅を告げて、急いで二階に上がった。

 身支度を整えて、階下に降りるとやはり俺待ちの状態。

 

 俺が席に着くと、昼食が始まる。

 

 

 午前中の訓練が充実していたのか、ルーキー達の会話が楽しそうだ。

 レドリックに訓練の様子を確認。

 

「双子の動きが模擬戦を重ねるに連れて、どんどん良くなってきていました。

 これなら、午後からの迷宮探索でも問題なく対応できると思います」

「そうか、油断せずにフォローを頼むぞ」

 Lv1から急激にレベルが上がっていったのが原因ではないのだろうか。

 昼前にはLv19だものな。

 

 魔物部屋殲滅ツアーを20倍速でやると、やはり凄い事になるな。

 しかも、人数を少なめにしているので、一人当たり獲得経験値も多いし。

 

「ラファの方はどうだった?」

「そうですね。ヘルミーネが付きっきりで面倒をみていたので、

 こちらも大丈夫でしょう。

 基本的には、中衛から後衛の位置でチャンスがあれば槍で突くという形です。

 実際には彼女の槍の出番はないかもしれませんが、安全な時に突かせます。

 回復役に専念してもらえればと思います」

 

「ヴィルマやイレーネの方はどうだった?」

「ご主人様のパーティから抜けたので、いつもよりは体の動きが鈍い気もしましたが、

 特に問題なく体を動かしておりました」

 なら、大丈夫か。ヴィルマも昨日の事は引きずってないと良いのだが。

 

「7階層の攻略順路は頭に入ってるか?」

「はい。貸して頂いた地図は頭に入っていますので、大丈夫だと思います」

 念のため先行して7階層の魔物部屋は殲滅しておこう。事故のリスクが減るはずだ。

 

 過保護だがレベルは別として初心者が三人いる訳だから、万全を期したいと思ってしまう。

 

 ラファ、ケリー、マリー、レドリックを俺のパーティから外した。ヘルミーネは残してある。

 モニカとレイモンドに俺のパーティに入ってもらった。

 これでターヘラに向かい、アルマーを加えれば良いだけか。

 

 食事を終えて、ヘルミーネと玄関に移動。

 

「ヘルミーネ、今からクーラタルの迷宮の7階層の開始地点にゲートを繋げる。

 一度、ゲートをくぐって、直ぐに戻ってきてくれ」

「はい。自宅の玄関から迷宮へ行けるのはなんとも信じがたい気分ですが、了解しました」

 一度は行っておかないと、迷宮の入口から入った時に7階層を選択出来ないので仕方ない。

 

 ヘルミーネはゲートをくぐり・・・・・・戻ってきた。

 

「これで大丈夫だな。後はヘルミーネのパーティにみんなを加えてくれ。

 準備が出来たら、ここに集合だ」

「はい。了解しました」

 ヘルミーネは皆が待機している食堂に向かった。

 部隊編成のスキルで3つ目の部隊のリーダにヘルミーネを指定。

 

 これでヘルミーネの部隊に入るメンバを加えていけば良いのか・・・・・・あれっ、ヘルミーネのパーティに加わったメンバは自動的に入ってくるのか。

 じゃあ、このまま待てば良いか。

 

 ヴィルマ、ラファ、ケリー、マリー、レドリックの五人が部隊編成で表示されるのが確認出来た。

 パーティ編成が終わったようだな。

 

 やがて、六人が玄関に集まってきた。

 

「じゃあ、出発するか」

「はい」

 六人を連れて、クーラタルの迷宮まで歩く。

 

 六人とも迷宮に行ったことがなく、自分で行って帰ってこれるようなるために初回は歩きだ。

 ケリーとマリーは嬉しそうにはしゃいでいる。まるで遠足気分だ。

 ラファは少し緊張気味だ。こっちの方が正しいだろう。

 

 やがて、クーラタルの迷宮が見えてきた。

 入る時には入場料が必要となるので、ヘルミーネには数日分の入場料を渡してある。

 

 この時間だと入口は渋滞していないので、入場はスムーズだ。

 先にヘルミーネの部隊に迷宮に入ってもらい、後から俺は7階層に移動した。

 

「じゃあ、くれぐれも無理しないようにな。

 レドリックとヘルミーネは初心者のフォローを頼むぞ。

 ヴィルマ、今日は三人の慣らしが目的だから、全部、自分で倒しちゃダメだからな。

 みんなが怪我なく帰ってくるように、お前を頼りにしているぞ」

「分かった、主、任せろ」

 昨晩の事があったから、必要以上に『お前を頼る』という言葉を口にしてしまう。

 

 ヴィルマに伝わっていると良いのだが。

 

 7階層ごとき大丈夫だとは思うのだけど、子供を心配し過ぎる過保護な親みたいになっているだろうか。

 

「じゃあ、俺は別の場所に移動するから」

 皆と別れて、アルマーをパーティに加えるべく、ターヘラの冒険者ギルドにワープした。




お読みいただき、ありがとうございました。

戦乱のパートで使うつもりの拠点構築のスキルの一つ『部隊編成』を本作では登場させてます。
編成後の部隊単位での訓練や部隊同士での連携訓練なども、そのうちどこかでやってみようかなと思っていますが、まだ先でしょうね。
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