自宅に戻ったが、ペルマスクでの商談が思っていたより早く終わったので夕方まで時間がある。
いっそのこと、ボーデに納品しに行くか。
背負子の上部を開けて、大き目の鏡を2枚取り出した。
「この鏡2枚は我が家で使うので、エネドラに渡しておくから使い道を考えてくれ。
商売ではなく、普段使いのための鏡だ。
女性達の身だしなみを整えたりするのに使えば良いと思っている。
俺の部屋に置くなどは考えずに好きに使ってみてくれ」
「承知しました。旦那様」
ああ、でもむき出しだから使い勝手がイマイチか?スタンド付きでもないし。
「カラダンはターヘラに木工職人がいると言っていたよな。
この装飾のない鏡の枠を作ってもらうことは出来るだろうか?
枠があれば割れる危険も減るし、使い勝手が良くなるだろう」
「そうですね。
私が前に居たあの店でも木工職人との付き合いがありましたので、
そちらでよろしければ相談してみます」
「カラダンは買ってきたその鏡3枚を持っておいてくれ。
その鏡は瑪瑙を売ってくれた店に持ち込む等、何か商売にならないか三人で考えてみよう」
「はい。鏡が安く仕入れられそうなので、いろいろと考えてみたいと思います」
おばちゃんの店とは、いずれ話をしたいと思っているので丁度良いか。
「では、夕方までに時間があるので、俺はボーデに行って鏡を納品してくる」
「いってらっしゃいませ、旦那様」
玄関からボーデの冒険者ギルドにゲートを繋いで移動した。
ギルドの中をデカい背負子を背負って歩く。
多少目立ってるかもしれないが、気にせず城まで歩く。
表門で騎士団員に用向きを伝えて、ワッペンを提示した。
まだ勝手に行けとは言われず、待つように指示された。
しばらくすると先日同様、騎士団員に案内されてハルツ公の執務室の前に来た。
『ゴスラー騎士団長』を指定しても、ここに連れてこられるのがデフォルトのようだ。
騎士団員がドアをノックして案内者を告げ、執務室に招き入れられた。
ゴスラーが迎えてくれたので、改めて用向きを伝えた。
「本日、ペルマスクに行く機会がございました。
御依頼のあった装飾のない鏡を調達いたしましたので、お届けに参りました。
こちらに置かせて頂きますので、ご確認をお願いしたいと思います」
「おお、ユキムラ殿、さっそく行かれましたか」
背負子を下して上部の板を開け、布に包まれた鏡を取り出してテーブルの上に載せた。
15枚もあるので、テーブルの上に置くのも大変だ。
鏡同士を乱暴にぶつけないように、布に包まれたままの鏡を慎重に置き重ねる。
「全部で15枚あるはずです。お確かめを」
「お待ち下さい」
ゴスラーは取り出された鏡を確認せずにハルツ公の机に近づき、何やら話をしている。
暫く待っていると、ドアがノックされエルフの女性が入室してきた。
(鑑定)
カシア・ノルトブラウン・アンセルム(エルフ族 ♀ 29歳)
魔法使いLv41
装備 ひもろぎのスタッフ 耐水のティアラ 耐火のローブ 耐風のアームロング
耐土のビットローファー 身代わりのミサンガ
これがハルツ公の妻、カシアか。原作の超有名人だ。
貴族オーラ全開で、確かに美しい女性だ。
多分、この世界に来て会った女性の中で、一番美しいと言っても過言ではないかもしれない。
魔法耐性の4属性の防具を装備しているが、物理攻撃という意味では不安ではないか。
パーティの前衛陣に信頼を置いているのだろうか。
戦闘よりも、見た目の華麗さに重きを置いてるのかもしれない。
でも、こういう人達を見ると、『どうやったら倒せるだろうか?』という目で見てしまう。
先日、はじまりの村で隣国の貴族と戦闘をした影響もあるが、今一つ貴族は信用が置けない。
周りには聖騎士Lv14の公爵、魔道士Lv61のゴスラーと騎士のジョブの者2名がいる。
こいつら全員を俺一人で倒すのは、ちょっと骨が折れるかな。
身代わりのミサンガを装備しているから、状態異常に持ち込むのが良いだろう。
オーバーホエルミングとオーバードライブを繋いでかければ前衛3人後衛2人くらい倒せないだろうか。
ゴスラーが戻ってきた。カシアもこちらに近づいてくる。
剣呑な殺気が漏れてなかっただろうか?
この世界では一応、初対面なので型通りの挨拶を交わした。
「カシア様、こちらにペルマスクの鏡があります。ご確認いただけますでしょうか?」
「まあ、これが全てペルマスクの鏡なのですか?拝見いたします」
ゴスラーの言葉で、カシアが鏡から布を外して一つ一つ手に取って確認を始めた。
「こちらが約束の代金となります」
「ありがとうございます」
ゴスラーからもらった金貨が入っていると思われる袋をそのままリュックに入れた。
「この輝きは確かにペルマスクの鏡のようです」
「装飾のない鏡にタルエムの木枠を施して磨き上げます。
領内外の贈答用にはかなり重宝することでしょう」
「まあ、それは楽しみですわ」
ゴスラーにもカシアにもペルマスクの鏡はかなり好評のようだ。
ひとしきり鏡についての話が終わったようだから、次の仕入れを確認して帰るか。
「では、私はこれでお暇いたしますが、次の仕入れはいかがいたしましょうか?
15枚の鏡に全て装飾されるのをご連絡頂いてから仕入れましょうか?」
「どうでしょうか。
これ程の数を入手して頂けるのなら定期的に仕入れて頂いた方が良いかもしれませんね」
ゴスラーの横でカシアがうんうんと頷いている。気に入って頂けたようだ。
「では、30日周期で10枚・・・・・・」
「ゴスラー様、最低15枚は必要かと存じます」
ゴスラーにカシアがセリフを被せてきた。
何か今、稲妻が走ったような気がする。
魔法使いは雷魔法が使えないはずなのに謎だ。
むしろ魔道士のゴスラーの得意な魔法なのでは?
それなのにゴスラーが状態異常にかかったように、硬直しているように見える。
「では、30日後に15枚を納品するということで・・・・・・よろしいでしょうか」
「はい。よろしいかと思います」
俺の質問にカシアが答えているのだけど、ゴスラーにもう一度確認する必要はないだろう。
俺に雷魔法の矛先が向かう前に執務室から去ろうとしたら、今まで気配を絶っていた公爵が目の前にいた。
「ユキムラ殿には頼みがある。領内の迷宮探索を手伝ってくれるとありがたいのだが」
「迷宮に入るだけということでしたら可能かと」
これはアレか。3つ迷宮が出来たから1つ入ってくれという原作にあったやつか。
「優秀な冒険者が迷宮に入ってくれれば心強い」
「まだ低階層しか探索しておりませんし、探索の役に立つことはないと思いますが」
これは事実だから仕方ないよな。最高で22階層までしか攻略してないし。
「構いません。入るだけでも効果のあることはご存知でしょう」
まあ、原作を読んでるから知ってはいるけど。
「お渡ししているエンブレムを見せれば、
騎士団関係者ということで探索の進んでいる最上階への案内が無料になります。
騎士団関係者にも階層突破の報奨金は出ますのでユキムラ殿でも受領可能です。
一つめの迷宮はハルバー、二つめはターレ、三つめはここボーデの南にあります」
「なるほど、ではどれか一つに入ることにいたしましょう」
「かたじけなく」
ハルツ公に頭を下げられてしまった。
あらっ、カシアもゴスラーも俺に頭を下げている。
これが外堀を埋められるという事だろうか。さすがは貴族だ。
ターレもハルバーも先日の災害救助支援のイベントで輸送をしたことのある街だ。
何かの縁ということで、迷宮攻略の手助けをするかな。
「では、あまり長居をしましても、お邪魔になりますので、お暇させて頂きます」
こちらも一礼して、執務室を後にする。騎士団員に随行されて城を出た。
どうなのだろうか、15万ナールもらって迷宮探索の仕事を押し付けられたような。
まあ、こっちにも全くメリットがない訳ではないから良いか。
適当な木陰から、自宅にワープで戻った。
食堂でカラダンと話をしていたエネドラに帰宅を告げて、鏡の納品完了と次回注文を受けたことを二人に説明した。
「今晩の会議の後、スキル融合装備に等価交換取引の件で相談させて下さい」
「明日の午前中が商談だったよな。分かった」
エネドラにレドリック達の居場所を聞いて、裏庭に回った。
ヴィルマ、レドリック、レイモンドの三人が訓練をしているらしい。
「主も訓練やる?」
「いや、俺はこれから用事があるので無理だ。
それよりもレイモンドとレドリックは俺のパーティに入ってくれ」
1時間ぐらいだけど、これから一人で魔物部屋を殲滅するパワーレベリングに出掛けようかと思っているのだ。
留守番部隊の中で、レイモンドとレドリックをレベル上げしたい。
二人をパーティに入れたので、ベイルの迷宮15階層の中間部屋にワープした。
魔物部屋の状況を確認。十分なモンスターが居ることを確認して、いつもの手順で殲滅。
次はザビルの迷宮15階層に移動して殲滅。16階層に上がって、また殲滅。
こんなものかな、そろそろヘルミーネ達の部隊も撤収に入ったみたいだし、ベイルの家具屋が来る時間が近いだろう。
クーラタルの自宅にいったんワープで戻った。
レドリックをパーティから外して、ヘルミーネの部隊が戻ってくるのを待った。
やがてヘルミーネの部隊が戻ってきたので、ドロップ品を受け取り、ラファとヘルミーネに俺のパーティに入ってもらった。
家具の受取はカラダンとエネドラの二人がベイルの自宅で直接指示を出して、ケリー、マリー、レイモンド、アミル、ヴィルマ、イレーネ、モニカが家具の設置と掃除を引き受ける。
実際のところ、家具の受取と自宅への運び入れはほとんどアミルの独壇場だろう。
ベイルの旧宅の方は大丈夫そうなので、再び、パワーレベリングの旅に出かけた。
ベイル、クーラタル、ザビルの21、22階層の魔物部屋の殲滅だ。
先日のパワーレベリングで一度殲滅したが、もう2/3近くまで復活している。
マジでヤバいな、魔物部屋は。
ひたすら魔法を放ち、残党狩りによる殲滅とドロップ品拾いの単純作業。
だが、ひたすら殲滅した甲斐があり、レイモンドは冒険者のジョブが取得出来た。
これで、少しだけ行動の幅が広がるか。
ラファとヘルミーネも双子と比べて出遅れていたレベリングが挽回できた。
ベイルの旧宅の玄関にワープで戻り、家具の運び入れ状況を確認。
カラダンとエネドラの話では家具の設置は終了して、厨房部分の掃除が終わったら、今日の作業は終了にするとのこと。
後の掃除は、実際に来る子供達にやらせようということらしい。
その他の準備としては、厨房の調理器具や食器の補充をしなければならないので、それは明日以降に実施するとのこと。
引っ越しの際にクーラタル側の家に全部持っていったから、買い足すのは仕方がない。
「もう、こちらはあと少しで引き揚げますので、旦那様は自宅に戻ってお休みください」
「そうか、では甘えさせてもらおう」
ちょっとだけ魔物部屋ツアーで疲れたので、戻って先に休憩させてもらおう。
・・・・・・
夕飯が終わって、男だけの風呂で雑談。
「レイモンドもついに冒険者だな・・・・・・」
「はっ?どういうことですか?」
どこから説明しようか。
「とりあえずアイテムボックスを開いてみたら?」
俺に言われるまま、アイテムボックス操作の詠唱を行う。
「あの・・・・・・アイテムボックスの数がすごい増えているのですけど」
「冒険者のアイテムボックスの数は50個あるらしいぞ。俺は数えたことないけど」
「・・・・・・」
レイモンドが遠い目をしているが、現実逃避させる訳にはいかない。
俺は湯舟の中でレイモンドの左手を持ち、無詠唱でインテリジェンスカード、オープンと唱えた。
「レイモンドは今、冒険者だ」
なんか、これと似たセリフが最近、多い気がする。
「冒険者みたいですね。いつの間に・・・・・・」
「さっき、パーティに加入させただろう。その後、モンスターを狩りまくってきたのだ」
「そんな、散歩に行ってきますみたいなことを言って、戻ってきたら僕が冒険者に?」
「我が家では、そんな感じだな・・・・・・」
「そういえば、私もさっきアイテムボックスの数を数えたら、17個ありましたね」
「そうだな。カラダンの探索者Lv30も近いかもな」
我が家では、そんな感じだな。
・・・・・・
女性陣が風呂を終えて集まってきたので、会議を開催。
「明日は俺は午前中、奴隷オークションに参加する。
午後はターヘラの剣術指南所に行って、子供たちの受入準備状況を説明して、
あちらの合意が取れれば明後日午前に迎えに行き、ベイルの家に受け入れる予定だ。
一応、子供たちの人数は7人を予定している。
カラダンの方は特に問題ないか?」
「はい。人数の方は問題ありません。
準備は明日いっぱいまでに終わらせます。
食器とか調理器具ぐらいを購入すれば終わりだと思います」
まあ、ちょっとバタつくかもしれないが、なんとかなるだろう。
「ヘルミーネ達の方は明日は1階層上げて13階層の攻略にする予定だ。
ただ、午後は双子は里帰りさせるので、迷宮探索からは外れることになる。
レドリックの方で何か意見はあるか?」
「迷宮探索は午前だけになりますが、特に問題ないと思います。ご主人様」
こっちも大丈夫か。
「明日、奴隷オークションでひょっとしたら奴隷を購入するかもしれない。
その場合は、午後から奴隷を連れてくる可能性もある。
午後から迷宮探索は休みになるので、
レドリックと護衛組に対応を任せても大丈夫か?
俺とエネドラが戻ってくるまでの間でよいので」
「はい。それぐらいでしたら大丈夫だと思います」
実際に奴隷を購入するかどうかは分からないが、一応前振りはしておいた方が良いよな。
「エネドラは明日の午前中はスキル融合装備の商談だったよな。
この後、条件の確認をしようか?」
「はい。よろしくお願いいたします」
「では、これで会議は終了とする。
明日もいろいろと忙しくなるが、宜しく頼むぞ」
皆とお休みの挨拶をして、エネドラと明日の対応について話をした。
カラダンも同席している。
今後ベイルやザビルに店を構えるのなら、スキル融合装備も商品のラインナップに上がる可能性があるからだ。
交渉する素材は革が基本で、こちらの希望するモンスターカードの候補リストを再確認。
相手側のカードに希望するものが出てこない場合には、カードを減らして素材を増やすことも助言した。
あとは、この後の最終段階の取引で俺が同席しない場合、カードの確認にギルド神殿を使うことを助言した。
俺が居なければ鑑定が使えないので、相手のメモだけで信用する訳にはいかないからだ。
「こんなところかな。カラダンは何か気になる点はあるか?」
「いえ、大丈夫です。
というか、現時点では知識が足りないので、もう少し勉強しないとならないと痛感しました」
まあ、いきなりスキル融合装備品とかモンスターカードは厳しいよな。
「俺以外だとアミルも詳しいから、教えてもらうのはアリだと思うぞ」
「なるほど、アミルさんがお時間がありそうな時に教えてもらおうと思います」
そんな感じで俺以外ともコミュニケーションを取ってくれ。
「じゃあ、これで終わりとする。
遅くまで、ご苦労だったな。ゆっくり休んでくれ」
「はい。おやすみなさいませ、旦那様」
自室に戻って、今日の実施内容の整理。
■情報▼
【拠点名】クーラタルの邸宅<本城>(2/4)▶
【拠点名】ベイルの屋敷<支城>(1/4)▶
■人材育成/採用(ユキムラ)▼
①人材育成
ユキムラ(百鬼夜行Lv52/英雄Lv52/勇者Lv52/遊び人Lv52/禰宜Lv25/沙門Lv25/聖騎士Lv25)
アミル(冒険者Lv26)、ヴィルマ(百獣王Lv24)、イレーネ(刺客Lv27)
チクルス(薬師Lv32)、レドリック(剣匠Lv23⇒剣聖)
レイモンド(冒険者Lv6)、モニカ(剣匠Lv24⇒剣聖)
ラファ(巫女Lv28)、ヘルミーネ(探索者Lv28⇒冒険者)※ラファの魔法使い育成は保留
ケリー(獣戦士Lv29)、マリー(獣戦士Lv29)、カラダン(商人Lv30/探索者Lv17⇒奴隷商人)
⇒新規加入メンバ中心にパワーレベリング。迷宮での習熟訓練を行う
【育成保留中】エネドラ(武器商人Lv47)、ポーラ(僧侶Lv29)
※アミル:隻眼のジョブ取得条件は不明のまま。装備品のスキル融合数を増やす
②採用
後方支援メンバ、護衛メンバ、迷宮探索メンバを拡充(逐次奴隷商館巡りをする)
⇒カラダンから商人候補1名、探索者候補2、3名の奴隷購入要望有
⇒明日、開催される奴隷商人限定のオークションへの参加決定
(アルマーをパワーレベリング中:残り3日(現在、奴隷商人Lv26))
■軍事(ユキムラ/レドリック)▶
■商業/取引(ユキムラ/エネドラ/カラダン)▼
①ビー玉(ビッカー):8個52000ナール(在庫:32個)
⇒次回より8個単位で売却。次回は22日後、ビッカーに納品
②鏡(ルーク):2枚39万ナール(在庫:6枚)
③モンスターカード(サンゴ等数種類):ルークにオークション依頼中
④スキル融合防具(ルーク) :頑強のダマスカス鋼大楯の等価交換取引完了
⇒次回取引未定(候補装備が出来たら打診する)
⑤スキル融合武器(エネドラ知人):交渉の下ネゴ中
⇒明日午前にクーラタル自宅でエネドラが商談実施予定
⑥取扱商品の拡充:ターヘラの瑪瑙を検討する
⇒タケダ家で販売会を企画する
■開発(エネドラ/カラダン)▼
①石鹸試作(貴族向け):完了。量産開始。
②石鹸試作(一般向け):エネドラからカラダンにレシピの引き継ぎ完了
⇒ベイルで子供達に基本的な作成方法をレクチャーするのと並行して習熟を行う
③新商品開発(エネドラの負担見合いで検討):保留中
■生産(チクルス/アミル)▶
■その他/クエスト▼
①カードハンターとの取引(ベイル)
⇒コボルトハンター経由で依頼中(7日後、来訪予定)
②ダマスカス鋼工房の対応(ドブロー)
⇒スキル融合防具の依頼の可能性有
③硬革工房からの依頼(ドブロー)
⇒肉3種を納品(ザビルの25階層攻略時?)
④ハルツ公爵との鏡取引
⇒ハルツ公爵へ鏡(装飾なし)を十数枚納品する
⇒ペルマスクで購入し、15枚納品済。次回は30日後に15枚納品予定。
⑤ゴッゼル士爵への対応(ベイル)
(1)盗賊討伐作戦(成功/完了)
⇒寄付の書類を添えて、懸賞金の半金(43万7000ナール)を譲渡済
(2)別の施策検討
⇒士爵家は存続するらしいので支援策(装備、住居、金銭)の検討を行う
⇒対価についての詰めを行い、士爵家に打診する
⑥剣術指南所の対応(ターヘラ)
(1)ケリー&マリーの受入
⇒ターヘラの商店との食料移送契約は締結済(29日後に延長契約)
⇒明日午後に剣術指南所へ里帰り。食材アイテムを届ける
(2)業務提携
⇒子供達の受入は明後日午前の予定。
⑦ベイル旧宅の商店開業準備
(1)カラダンの商人ギルド加入(ザビルの商人ギルドの予定)
(2)家具類補充(剣術指南所からの作業員受入用)
⇒家具搬入は完了。調理器具、食器等を補充する。
⇒ベイルでの風呂設備購入(家具店から5日後に5日周期で納品(初回完了、残り2回))
⑧ハルツ公爵領迷宮探索依頼
⇒ボーデ、ハルバー、ターレの迷宮のいずれかに入る
明日の予定
(午前)
・俺 :奴隷オークション参加
・アミル :装備品作成、スキル融合
・ヴィルマ:迷宮探索(教導)
・イレーネ:訓練
・エネドラ :朝食・昼食準備、洗濯、商談(スキル融合装備:旧知の商人)
・チクルス:朝食・昼食準備、洗濯、生薬生成
(午後)
・俺 :剣術指南所対応(ターヘラ)
・アミル :装備品作成、スキル融合
・ヴィルマ:訓練
・イレーネ:訓練、(ブラヒム語勉強)
・エネドラ :剣術指南所の子供達受入準備、夕食・朝食の準備
・チクルス:夕食・朝食の準備、(掃除)、生薬生成
※夜は定例会議
※ポーラ(家事)、レドリック/レイモンド/モニカ(護衛、訓練、迷宮探索、雑用等)
※ラファ/ヘルミーネ/ケリー/マリー(護衛、訓練、迷宮探索、掃除、雑用等)
⇒ケリーとマリーは午後から里帰り
※カラダン(ベイルでの商売検討、剣術指南所の子供達受入準備)
今日は夕方にパワーレベリングを入れてしまったから、慌ただしかったな。
でも、レイモンドが冒険者を取得出来たから、収穫はあったかもしれない。
これで、俺とアミル以外にも街への移動可能な者が増えた。
まだまだ冒険者のジョブを持つ者は増やしたいな。
(コンコン)
ノックの音が。
ドアを開けると・・・・・・ヘルミーネが立っていた!
挙動不審なヘルミーネ・・・・・・エネドラからの試練か?
いや、ヘルミーネの奴隷契約は性同意がなかったはずだ。本人の意思か?
「どうしたのだ?」
「いえ、ちょっとユキムラ様に相談したいことが・・・・・・」
ん?相談?エネドラからの指示ではないのか。
「えーと、エネドラの指示で来たのか?」
「いえ、エネドラ様には何も相談しておりませんが」
そういう意味の質問ではなかったのだが、エネドラの指示で来た訳ではないということか。
「では、入ってくれ」
ヘルミーネをテーブルの方に招き入れて、椅子を勧めた。
「それで、相談というのは?」
「・・・・・・」
ん?なんだろう?夜の課外活動が煩くて眠れない・・・・・・とかじゃないだろうな。
「あの私は今・・・・・・」
(コンコン)
あっ、本命が来てしまった。何が本命かというとアレだが。
どうしようか。
(ゴンゴンゴン・・・・・・)
ノックの音が大きくなってきた。とりあえず、入って待ってもらうか。
「ヘルミーネ、ちょっと待ってもらえるか?」
「はい。夜中に来客って私だけじゃないのですね」
うーん。返答に困るが今は置いておこう。
急いでドアに駆け寄って開けると、イレーネの姿が。
彼女はドアを開けると、スタスタと部屋を歩いていく。
やがてベッドの上にボンッと仰向けに飛び乗ってしまった。
まあ、良いか。とりあえずヘルミーネの所に戻ろう。
「あの、イレーネさんの用事が急ぎなら、先に対応してもらっても良いですが」
「いや、大丈夫だ。先にヘルミーネの相談とやらを聞こう」
イレーネとの情事・・・・・・じゃない用事は時間がかかるから先に済ませる訳にはいかない。
「今日、食事が終わってアイテムボックスの確認をしてみたら28個もありました。
ここに来る前までは14個、レベル14だったはずなのにこれは一体?」
「ああ、我が家では俺のスキルの影響で、迷宮での成長が速いのだ。
だから、これは普通のことなのだ」
そうか、迷宮関連のことは俺の方が説明しないとダメだったのか。忘れていた。
(バタバタ・・・・・・バタバタ・・・・・・)
振り向くと、ベッドの上でイレーネが俯せになって、足をバタバタとさせている。
子供か!・・・・・・待てないってこと?
「あの、イレーネさんの方を先に対応して頂いても大丈夫ですけど」
「いや、大丈夫だ。先にヘルミーネの話を終わらせよう。
イレーネはちょっと体が堅いから、おれが夜は揉んで体を解してやっているのだ。
ちょっと時間がかかるから、こちらの話を終わらせよう」
とにかく、こちらを先に終わらせてしまおう。
「そうなのですか、奴隷にもお優しいのですね。
それで、今のまま迷宮で経験を積んでいけば、
Lv50まで結構早く実現出来てしまうということなのですね?」
「そうだな。ヘルミーネが思ってるよりも早く、冒険者のジョブに就けるかもしれないな」
ヘルミーネの顔に笑顔が。
ちょっと前まで深刻な感じだったので良かったのかもしれない。
(バタバタ・・・・・・バタバタ・・・・・・)
もう、イレーネは暫く放っておこう。
「あ、あの、私の相談は終わりましたので、失礼します・・・・・・」
「そうか、これからも頑張ってくれ」
ヘルミーネが立ち上がって、そそくさとドアに向かうので、俺も追随する。
「夜中に失礼しました」
彼女は一度、頭を下げて、俺に顔を向けたが、その顔は真っ赤だった。
「ああ、お休みなさい」
彼女が立ち去るのを確認し、ベッドに視線を向けると・・・・・・素っ裸のイレーネが横たわってる!
そこら中にイレーネが脱ぎ散らかした衣類が。あれをヘルミーネに見られたのか。
彼女に完全に誤解された・・・・・・いや、誤解ではないのだが。
この状態のイレーネを俺がマッサージすると思われたのだろうか。
「はあぁ・・・・・・」
深いため息をつきながら、ベッドに向かった。
・・・・・・
仕方がないので、俺も服を脱ぎ散らかした。
ブラヒム語で話をしてもダメそうな気がするので、バーナ語にするか。
「どうしたのだ?」
「今日はあたしの番。エネドラにそう言われた」
まあ、だから来たのだよな。それは分かる。
「別にヘルミーネは夜這いに来た訳ではないぞ」
「それでも、あたしが先」
うーん、この前の件で分かってきたけど、こいつはどうしたものか。
「イレーネは、一番になりたいのか?」
「うん、あたしは一番になりたい。御館様の一番になりたい。
誰にも負けない。逆らう奴はみんな倒す!」
はあ、そう来たか。
「ヴィルマにも負けたくないのか?」
「あの女は一番を狙っていない。だから問題ない」
まあ、ヴィルマは俺に頼りにされたいと思ってるだけで、一番を狙ってはいないかもな。
「でも、全員倒しても一番にはなれないぞ」
「何故?全員倒せば一番だろう?」
こいつは・・・・・・。
「全員倒しても、一番にはなれない。それは、『独り』って言うやつだぞ。
そんなのは一番でもなんでもない。
同じ一番を目指すのなら、皆に認められる一番になれよ」
「御館様の言ってることは分からない」
まあ、一番を目指すこと自体は悪くないと思うけど。
「分からないのなら、皆を倒すことなく一番を目指してみろ。
そうしたら分かると思う」
「むー、よく分からないけど、分かった。やっつけるけど倒さない」
その違いが俺にはよく分からないが、今後もイレーネの言動には注意を払おう。
・・・・・・
イレーネの唇を奪って、先程出来なかったマッサージを全身に行う。
ペースを握られるのを嫌がって逃げてしまい、俺を仰向けに無理やり倒し、抱きついてきた。
彼女は、この家に来て初めのうちは俺に組み敷かれるのを嫌がってなかったのに、体を重ねる毎に俺の上に乗りたがってきたな。
マウント行為というやつなのだろうか、今も積極的に俺の上に乗ってくる。
別に俺は下からでも攻撃するのは得意だから、彼女の好きに任せている。
最終的には手数で勝つことは分かっているので余裕なのだ。
(ガブッ)
痛ぇ。こいつのは甘嚙みではなくて、
肩に歯型がクッキリついているし、なんなら血も出ている。
その血をペロペロと舐めている。
終わったら、ちゃんと手当をかけておかないと跡が残るし。
血を舐めて満足したのか、イレーネが少しずつ激しく動き出した。
俺の表情を上から見下ろして眺めながら、弱点を探ってるようだ。
拙くも変化をつけながら、少しでも顔色を変えるとそこを責めてくる。
俺の胸から手を離した瞬間に両手で彼女の手のひらを掴んで合わせる。
嵌められたと彼女が気づいた時には手遅れだ。
逃れようとしても、彼女の両足は既に力が入らない。
俺の下腕の左右の腕が彼女の腰を掴むと詰みなのだから。
焦って逃れようとするタイミングで角度を変え、変化をつけ、回転をさせて彼女を翻弄する。
イレーネの顔が紅潮し、敗北を悟って表情が歪み、そのまま愉悦の顔に変わるまで彼女の腰を激しく揺する。
「っ・・・・・・」
彼女が声にならない声を上げ、頂きに一番乗りしたのを確認し、俺も後に続いた。
お前を一番にしてやったのだから感謝してもらいたい。
俺の胸の上で、荒い息を繰り返す彼女の口が・・・・・・。
(ガブッ)
だから痛いっての。さっきよりも遥かに痛いぞ。所有印をつけてるつもりか?
初めに奴隷契約をした時には、こんなに独占欲が強い女だとは思わなかった。
原作で猫科の獣人はあっさりしていて、独占欲が少ないと言ってたのはなんだったのだろうか?
・・・・・・